四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

今日は十五夜、名月です。

2011-09-12 05:21:37 | 生かされて今日
 「おくのほそ道」はいよいよ終盤、芭蕉翁と曽良さんは金沢に9泊、風流仲間と会えて疲れを癒されました。
「名月は敦賀の港にと」足を進めましたが、あいにくと雨雲に遮られてしまいました。今夜は十五夜、日本のいにしえ人が待ち焦がれた満月です。秋の七草の女郎花(おみなえし)が揺れ、木の実が降る、梨やぶどうの時節です。
 俳句では「月」と云えば秋と定められ、「花」とは桜を指すのが文学上の約束です。せかせか走りまわる憂世をしばし足を停めてしみじみお月さんと会話しましょう。月見酒をいかがですか。地球から一番近い星、お月さまを歌った名吟をどうぞ。

○名月や門へさしくる潮頭  芭蕉
○名月を取てくれろと泣く子かな  一茶
○満月に夫婦のえにし照らさるる  五所平之助
○人それぞれ書を読んでゐる良夜かな  山口青邨
○うづくまる猫の宵寝も無月かな  松本たかし

春月にはこの句
 外にも出よ触るるばかりに春の月  中村汀女
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