1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

腫瘍のこと

2007-12-24 01:19:17 | Weblog
あの子が亡くなる1週間前、「奥歯で物が噛めない。」と言いはじめました。
よくみると奥歯の奥の歯茎(親知らずが生えてくるところ)に肉のかたまりの様なものがあります。食べかすが引っかかっているのかと思い歯ブラシでこすりましたが取れません。
これが表面に現われ始めたガンでした。
主人の大腸ガンは赤黒い薔薇のようでした。あの子のは何ともたとえようがない形で、肉がはじけたような、しいて言えばイソギンチャクのようなものでした。
歯科の先生に「歯肉炎だね~。よく消毒しておいて。」と言われ食事の度にイソジンで消毒していました。
亡くなる前日も歯科の先生に「だいぶ小さくなってきたからもうちょっと頑張ってね。」と言われて、あの子は安心しました。
ガン末期になると顔や肩、背中いろんなところに腫瘍が出てくるそうです。
そうなると隠しておく事がむずかしくなるので、「どうやってごまかそうか」と悩んでいました。

でも悩む必要はありませんでした。翌日、彼女は眠りにつきました。
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