1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

最期のこと

2008-02-10 21:21:01 | Weblog
その後、また容態は落ち着きを取り戻しました。
定期的に痰を取りに看護婦さんが来てくれます。
看護婦さんがいてくれる間にトイレを済ませておこうと病室を離れました。用をすませて戻ろうとすると、また友人が呼びに来ました。

看護婦さんと当直の先生が駆けつけていました。
娘が大きくゆっくりと息をした後、詰め所に連動している心電図がおかしいと看護婦さんが駆け込まれ、家族は外に出されたそうです。看護婦さんが「あかねちゃん、あかねちゃん。」と呼びかけたその時、息子ははっきりと聞きました。娘の「はい!」という元気な返事を。

そういった現象は、死に向う過程で起こる生体反応だそうですが、私は娘の最期のサインを2回も見逃してしまいました。
この1年、それを後悔し続けました。

先日、友人がその事に触れました。
「あの子は、あんたにはさよならが言いたくなかったんだよ。」

2007年2月10日21時21分。
娘は14年の生涯を終えました。


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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2008-02-10 22:29:55
このブログの投稿時間....あかねちゃんが天使になった時間と同時刻......
お母様の心情が痛い程 私の心に突き刺さります。
私の母の時とおなじで.....。
最後まで意識がるのが辛すぎました。
でもその時
「ああこれで苦しさからママは解放されたんだ!」って思えたのです。

本当の悲しさから解放されたのは3回忌終わってから......。

時間という特効薬は どんな 抗がん剤も敵わぬ効き目があります。

そしてそれを 教えてくれたのは 3歳で父を亡くし
17歳で 兄を亡くし 30歳で母を亡くした私の親友でした。
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Unknown (ekonekopianohiki)
2008-02-10 22:34:30
ごめんなさい。
名前...付け忘れてしまいました。投稿したのは私です......。
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そうですね。 (はは)
2008-02-11 20:27:24
娘が息を引きとった時、誰かが娘の名を呼びました。
「三途の川を渡ろうとしたら、誰かに呼び止められて振り向いたら生き返っていた。」という話を聞きます。でも私は、その声をさえぎりました。やっと楽になれたのに、これ以上苦しめたくなかったからです。
あなたのお母さまが亡くなられた時の気持ちとおなじです。でも、「やっぱり引き戻すべきだった。」という気持ちもあります。
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