1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

院内学級のこと

2007-11-16 01:09:08 | Weblog
小児科のある大きな病院には大抵、院内学級があります。
院内学級の定義を調べると「学校教育法でいう障害児のカテゴリーの中の「病弱児」に当たる子どもたちが入院中、教育を受ける機会を提供される教室のこと。慢性の心臓、肺、腎臓などの疾患で6ヵ月以上の入院、もしくは生活規制が必要な子どもや病弱児が主な対象である。疾患としては、心臓疾患、小児結核、腎炎その他が挙げられる。こうした病弱児のための専門の養護学校は、都道府県に各1校程度、一般には国立子ども病院などに隣接して設けられているが、それ以外のその地方の基幹病院に入院中の子どものために、その特別支援学校から、教師が派遣されて、教育的な支援に当たっている。そうした教師が、担当するのが院内学級である。」とありました。
娘が最初に入院した病院には院内学級がありませんでした。数年前には骨肉腫の子供が同時期に数人入院していたので先生が派遣されていましたが、定期的なものではなかったようです。
次に入院した病院には小児科がありましたので院内学級がありました。
手続きが少々厄介なのです。入院すると院内学級の先生と面談があり、病名・症状などを聞かれます。その後、転校の手続きをしなければなりません。今通っている中学校から、先生が派遣されている養護学校に転校するのです。教科書も変わります。なにより今の中学校に席がなくなります。
娘は抗がん剤の投与中は入院しますが投与が終わり体調が回復すれば、しばらく退院して家に帰ります。しかし中学校に席はありません。元の中学に通うためには、また転校の手続きをする必要があります。半月ごとの転校には無理がありました。
地元の中学校の校長先生のはからいで、籍はありませんでしたが学校に通わせてもらっていました。もちろん給食もないのでみんなの分を分けてもらっていたようです。
結局、病院にいる間は抗がん剤のため、勉強ができる状態ではありませんでしたし、その後は白血球が下がって個室に入るので院内学級に行けることはほとんどありませんでした。2年生に進級の時期でもあったので、元の学校に帰っておいたほうが良いだろうということで元の中学校に転校の手続きをとりました。
あの子にとっては友達のいる教室に自分の席がないことが辛かったようです。
転校せずに院内学級に通えるようなシステムがあるといいのですが...。


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1 コメント

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全く同感 (R)
2007-11-16 10:34:13
子どもの定義を考える前に、子どもの真の状況(気持ち)を最優先すべきだと思います。というのは、子どもにとって院内学級は治療の一部、やむなく入院生活を送ることになってしまった時の学校です。彼女は学校に何を求めていたか・・・本当のことはわかりませんが、最後の最後まで「学校」に戻ることを望んでいました。授業よりも何よりも学校にいる友達を求めていました。退院して車いすでも校長室で友達とおしゃべりすることを望んでいました。学校ってそれもあり、でもいいと私は思いました。学校本来の目的って何?とか色々な問題を含むことだと思いますが、入院により院内学級の選択しかなかったときに、いつでも戻れる「母校」が生きる手助けになることもあると思いました。院内学級をないがしろにする気持ちはありませんが、子どもがその子どもが何を考え、思っているかも大切にしてほしいと強く感じました。思うだけで情けない「自分」ですが、彼女は学校に通うことを最後まで望み、思いを馳せていました。学校には車いすになってしまいはしはが、彼女(病気になる前の自分と変わらない自分)の居所があったのかもしれません。今、学校にも居所が無く不登校になってしまう子どももいます。今回のことは、学校のあり方を私に教えてくれました。
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