赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

参院選の結果から考えるべきこと コラム(441)

2022-07-11 13:23:55 | 政治見解


コラム(441): 
参院選の結果から考えるべきこと


参議院議員選挙が終わり、自民党圧勝という結果に終わりました。これはひとえに凶弾に倒れた安倍元総理のご意思を有権者が継いでいかねばならないと考えた結果であると思います。


選挙結果分析

全体を俯瞰して気が付くことは、立憲民主党は改選23議席をマイナス6の17議席に減らし、日本共産党は改選6議席をマイナス2の4議席減らしたことです。一方、日本維新の会は、改選6議席を2倍の12議席にのばし、れいわ新選組が改選0を3議席にのばしました。

これを単純に考えれば、リベラル右派が立憲民主党から日本維新の会に移動し、ノイジー・マイノリティが共産党かられいわ新選組に乗り換えたからだといえます。


立憲民主党の敗北が物語るもの

まず、立憲民主党は、国防をおろそかにし、憲法改正を阻止したいとの思いが強い分、リベラル右派が逃げ出してしまったことを理解する必要があると思います。

なかでも立憲民主党の最大の問題点は、ロシアによるウクライナ侵略行為が日本の危機と同質であることを理解していない点にあります。だから、ロシアの侵略行為を非難することはできても、国防問題や憲法改正に消極的なのです。宗主国の中国に気を使いすぎて、この度の選挙で国民から鉄槌を食らわされたのです。

当選したのは、地方区では知名度の高い蓮舫氏、小西洋之氏、杉尾秀哉氏、福山哲郎氏などのパフォーマンスにたけた人が中心で、比例区は、衆議院から鞍替えした有名人の辻元清美氏とタレント出身の青木愛氏を除いては、自治労、日教組、JR労組、基幹労連といった労働組合の利益を守るためだけの人が当選しています。

ちなみに、党内でも極左の有田芳生氏、森ゆうこ氏、在日帰化人の白眞勲氏は落選していますので、これで党内の左ばねが弱くなると思います。それに加えて、小沢一郎チルドレンがおひざ元の岩手と新潟でとりこぼしていますので、さらえに、小沢一郎氏の存在もやがて無視され方向に進むと思います。

これらから考えられることは、有権者の厳しい目と極左勢力の縮小により、国会での審議ストップができにくくなり、パフォーマンスしかできなくなったことを意味しています。また、長い目で見れば、立憲民主党も、今の社民党のような集団に劣化していくのではないかと思っています。


日本共産党はれいわ新選組にとってかわられた

日本共産党も深刻だと思います。志位委員長は選挙の敗亡を野党共闘ができなかったことを理由に挙げていますが、かつては選挙区ごとに候補者を立てていた共産党が「いまさら何を言うか」程度のたわごとです。安保法制を阻止できなかったために中国からの裏金はストップされた上、高齢者ばかりの組織力ではこれからますます先細りしていくのは確実です。

その上、「いつも自分の主張こそが正しく、他は間違っている」とする物言いでは支持者は広まりません。高慢で偽善者の態度では、パフォーマンスだけが取りえのれいわ新選組に、反体制思考におかされた若者たちを奪われるのは当然のことと言えます。


今後の国会運営と改憲発議の行方

以上のような状況から、これからの国会は立憲民主党的な政府糾弾パフォーマンスよりは、れいわ新選組的な、youtubeのような映像的パフォーマンスが主流になると思います、しかも、れいわ新選組の人たちは、自分は頭がいいと錯覚していいる分、日教組教育で受けた古ぼけた意見を主張し続けるため頓珍漢な論戦が繰り広げることは確実で、それを見たノイジー・マイノリティが国会外で大騒ぎをするという構図になると思われます。

そのようななかで、岸田総理は重要課題である憲法改正をどう取り組むのか。

メディアは改憲勢力が三分の二を超えたため、しかも、衆議院の解散がなければ今後三年間は選挙がないということから、改憲の動きは必ずあると報じています。ただ、言葉の端々に改憲反対のニュアンスがあるように感じますが・・・。

現実の動きとしては公明党が足を引っ張るのは確実で、改憲に至るかどうかは予測できません。実は今夏の参議院選の前も、衆参ともに改憲発議に必要な三分の二は確保していていました。それにもかかわらず、岸田政権は憲法審査会を開くので精一杯でした。

しかも、投票に行こうという呼びかけの中に、下記のイラストもありました。



岸田総理が本気にならない限り、改憲への道筋は遠いように思います。

そのためには、岸田総理が本気を出すように、私たちが国民世論に改憲を働きかけていかなければなりません。そのとき、そこには、護憲論者は声の大きいノイジー・マイノリティを使って、改憲阻止の構えを見せてきます。

したがって、私たちはノイジー・マイノリティ以上の大きな声を、理性的にしかも国民の理解を得られるように出さなくてはなりません。それゆえに、改憲運動は広範な国民運動として取り組まねばならないことは明らかです。言い方を変えれば、改憲とは私たちの覚悟も問われるものだということなのです。



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