赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

参議院選挙に見られる微妙な変化 コラムコラム(437)

2022-07-07 12:14:17 | 政治見解



コラム(437): 
参議院選挙に見られる微妙な変化


参議院議員選挙も残すところあと3日、私には選挙のやり方が微妙に変化してきたように見えます。


攻撃対象がいなくなった反体制左派の悲哀

変化の第一は、アベガーの人たちの勢いがなくなったこと。これはアベガーの人たちの憎悪の対象である安倍元首相が退陣し、暖簾に腕押しの岸田首相が就任したことによるものです。

しかも、ロシアのウクライナ侵略と言う歴史的な大事件により、日本の国防力の増強反対という声を大きく上げることのできない状況が加味されて、せいぜい「岸田インフレ」という言いがかりをつけるだけしかできなくなりました。

もし、7月9日の最終日、秋葉原で自民党の最終集会が開かれれば(現時点では予定は告知されていません)、アベガーを叫んでいた人たちはどうするのでしょうか。興味はつきません。


自公関係の変化

変化の第二は、岡山選挙区で自民現職・小野田紀美氏が公明党の推薦を受けず、公明党は無所属(立民系)の候補を支持するという現象が起きています。

これは、今年の1月公明党の山口那津男代表が、参院選で自民党候補者へ推薦を見送ると自民党に揺さぶりをかけていたことに対し、小野田氏が「政党が違うのですから、選挙は他党の推薦ありきでやるのではなく、それぞれ自由にやるのが自然ですよね。公明党さんの推進見送り検討、共感します。お互いそれぞれ頑張りましょう!」と直球のツイートで返したことに端を発しています。

小野田氏が勝てば、コバンザメのような公明党との関係を断ち切ることにつながるかもしれませんし、負ければ公明党はますます自民党に対して大きな顔をしてきます。岡山の有権者の良識に期待するしかありません。

なお、余談ながら、長年選挙運動に携わったものにしてみれば、選挙のたびに創価学会=公明党は莫大なお金を要求してきているのは常識です。県長などの一部の責任者がそれを私物化し、末端には配られていません。そのうち、この問題を機に内部で骨肉の争いのもとになるのではないかと思います。


閉鎖環境に転落したSNS選挙

変化の第三は、アベガーとも関連しているのですが、SNS情での選挙運動に陰りが見られます。かつて、私は、インターネットを通して選挙運動をもっと効率的に展開できるのではないかと思っていたのですが、その期待はことごとく打ち砕かれました。いまや、SNSで大声をあげて選挙運動をやっている人、また政治的な発言を行っている人の大半は、組織化された人びとです。

特定の人が声を上げると一斉に付和雷同した声が沸き立ちます。しかも、その全てが上から目線、誹謗中傷をもって圧力をかけ、反論を封殺しにかかり、自分の意見が絶対正しいと主張します。典型的なノイジー・マイノリティによる言論圧力です。

そのため、いまではSNS上の政治的発言が、同じ考えや思想を持つ人々がインターネット上で強力に結びつくことで、異なる意見を一切排除した、閉鎖的で過激なコミュニティを形成する現象=「サイバー・カスケード」と言われるようになりました。そうなると一般の人の共感はえられません。SNSで政治的な共感の広がりを期待することはできなくなりました。

さらに、7月7日から施行される侮辱罪によって、SNS上で公然と人を侮辱する行為に厳罰が課せられることになりました。これまで名誉に関する罪で、公的立場にある政治家(宗教家)に対して名誉棄損に問われないことが多かったのですが、侮辱罪では取り締まられる可能性も否定できません。これで無法地帯であるSNSも少しはおとなしくなるのではないかと思います。


テレビ・メディアが世論を操作できたのは10年も前の時代

変化の第四は、テレビ・メディアが選挙戦の模様をあまりとりあげなくなったことです。激戦区についてはこれまで面白おかしく取り上げていましたが、民放では東京選挙区を含めてあまり放送していないようです。そのため、野党支持者などがSNSで「差別だ」と騒いでいるのですが、かえって取り上げられないことの方がいいのかもしれません。

とくに、野党候補の有権者に媚びへつらう姿勢や国防の危機などに関心のない姿が映し出されれば大多数の有権者は引いてしまうからです。愚かな姿をテレビで映し出されない方がいいのではないかと思います。

しかも、基本的にテレビを見ているのは高齢者です。TVのコマーシャル、家庭用の日用品、食品をのぞいてはほとんどが高齢者向けのものばかりです。高齢者に政治的誘導を試みても最初から色がきまっているのですからほとんど影響はないことを知るべきです。

また、ワイドショーなどで政治の問題を語っても、たとえばモーニングショーとかサンデーモーニングなどは、もともと反体制、反政府の人と、番組自体の偏向報道性を批判する人しか見ていないので、世論形成にはなりません。テレビ・メディアが世論を作るなどという感覚は10年古いとしか言いようがありません。

これに関連して、「若者はなせ投票しない」、「若者が投票に行けば世の中が変わる」と叫んでいる人がいますが、彼らは反体制の人たちです。彼らの言うとおり、若者が選挙に行けば世の中は大きく変わりますが、それは彼らの嫌い社会です。

なぜなら、若者の殆どが彼らからすると右傾化、保守化しており、彼らの理想は実現しません。若者に投票を呼び掛けること自体、自分たち反体制左派の死を急がせていることになります。しかし、彼らの目にはその現実を正しく認識できていないようです。



選挙に関しての様々な変化が生じています。つぶさに観察していないとわからない変化かもしれませんが、やがて来る大変化の前には当然予兆があり、この流れを見ていけば大変化に対応することも可能となります。

たとえば、自民党と公明党の20年以上にわたる蜜月も終わりに近づいてきているのがわかります。また、インターネットを駆使する選挙もSNSという閉鎖された空間から飛び出す手法に移行すると考えられ、まもなく新しい形態が生まれると思います。限界が変化を呼ぶからです。

したがって、激動の時代にあって、小さな変化や潮流を見逃さないことがますます大切になってくると思いますし、またこれが当ブログのメインテーマでもあります。





  お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com【コピペしてください】
  FBは https://www.facebook.com/akaminekaz
  


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする