連夜のオペラ三昧で、今夜はWOWOWの『椿姫』(METライブビューイング 2017年3月11日)
世界で一番愛される “オペラの中のオペラ” と名高いヴェルディの名作「椿姫」。美貌と美声を併せ持つ新星ソニア・ヨンチェヴァが不滅のヒロインを歌い上げます。
ネトレプコがザルツブルク音楽祭で鮮烈なデビューを果たした時と同じビリー・デッカーの演出。真赤なドレスとシンプルな舞台装置、ジョルジョ・ジェルモン役もトーマス・ハンプソンと共通性が多く、ついネトレプコの『椿姫』と比較しながら観てしまいました。
もう一つの注目は指揮者のニコラ・ルイゾッティでした。
彼を語るには、2006年10月3日サントリーホールでの「グレート3テナーズ ガラコンサート」は外せません。悪戯っぽい目でのアドリブや、茶目っ気たっぷりのサプライズは忘れられません。
ちなみに彼は、ボッケリーニ音楽院在学中に “作曲・ピアノ・声楽” を学んでおり、決して趣味のレベルなどではありません。
グレート3テナーズ ガラコンサート アンコール
この頃は、まだコンサート指揮者というイメージが強かったのですが、その後サンフランシスコ・オペラの音楽監督を経て、今や最高峰のメトロポリタン・オペラを指揮するまでになっていました。
緻密な指揮により音色とハーモニーの統制を的確に表現し、その繊細なオケの響きにしっかり溶け込む各歌手の力量とで、ヴェルディの名作を見事に紡ぎあげてくれました。