第70回さっぽろ雪まつり最終日。
大寒波襲来とインフルエンザ蔓延で出控えていましたが、話題の7丁目広場だけ覗いてきました。
日本とフィンランドの国交樹立100周年を記念したHBCのフィンランド広場に設営された大雪像「ヘルシンキ大聖堂」の重厚感と精巧さに見入ってしまいました。
その昔、フィンランドは帝政ロシアに自治を剥奪され抑圧された歴史があります。そんな中でシベリウスは、民衆の自由と独立への勇気を交響詩「フィンランディア」で後押ししたのです。
そんなシベリウスも、私的には神尾真由子抜きでは語りきれません。
とりわけバイオリン協奏曲は、2007年の第13回チャイコフスキーコンクールで優勝を決定づけた一曲と言っても良いでしょう。
演奏終了後コンサートマスターが「優勝は貴女に決まり!」と言わんばかりに、彼女の手を高々と挙げて称えたシーンは忘れられません。権威ある国際コンクールではまず有り得ない光景でしょう。それだけ他を圧倒していたのです。
さらに、4年前のシベリウス生誕150年には、Kitaraに件のバイオリン協奏曲を引っ提げて、オッコ・カム指揮によるフィンランドの古都の伝説的オーケストラ「ラハティ交響楽団」の共演を果たしました。
私にとってシベリウスのバイオリン協奏曲は、ジャニーヌ・ヤンセンでも諏訪内晶子でもなく、やっぱり神尾真由子でなければダメなのです。それは技術とかではなく、彼女が持つ「独特のテンポや絶妙な間」がとても心地よく入ってくるのです。
冒頭の湖のさざ波を想起させる弦のさざめきに乗ってソロ・ヴァイオリンの主題が始まる。名器ガルネリから紡ぎ出される音色が、引き込まれそうなほど澄んで何とも美しい。
第2楽章も主題をゆったりと歌わせる。神尾特有の艶やかな音色の中に芯があり安定感がある。
第3楽章は華々しい技巧を披露する場面だ。オーケストラの音量に負けない力強い音が突き抜けて抜群の存在感を主張しつつ曲が終わる。
こちらは…ロシア国立フィルハーモニー(指揮ウラジミール・スピバコフ)との共演時の収録です。