御歳暮

　旧友から御歳暮が届いた。
それも私が四半世紀に亘って愛飲して止まない大好物『八海山』のオンパレードである。
　しかも何を思ったのかハンパない本数で、いくら“呑兵衛”の私でも正月には飲み切れまい。
　
　贈り主は、私が最初の東京転勤の際、まだ右も左も分からない田舎者に、手取り足取り指導してくれた１個上の先輩である。



　彼は義理人情に厚い男で、仕事以外にも酒やカラオケ・麻雀など、夜の世界までも指南してくれたチョイ悪先輩であった。

　互いに東京を離れてからは、出張の機会などを利用して旧交を温め合うこともあったが、何時しか年賀状だけの付き合いになっていた。

　そんな折の突然の贈り物に驚くとともに、いくら好物とは言え一人で飲むには血糖値が気になる歳でもあるので、今年一番お世話になった人にお裾分けでもしようかと考えた。しかしどれをチョイスしようか？一通り飲んでみたくて中々決められない！
　さんざ悩んだ挙句に出した結論は『客人として招いて一緒に飲む』。これなら全ての銘柄を飲み比べることが出来るし、これ以上の名案はなかろうと…　さ～て、いつ誰を招こうか？それが問題だ！（笑）