新松戸風物詩と題しましたが、正しくはワタクシの勤め先がある市川大野の風物詩です。
会社の前に「こざと公園」という人工の池を二面持った公園があります。毎冬の風物詩ですが、先週初めからユリカモメとアオサギがくるようになりました。
アオサギは大きな鳥なので、羽ばたきもじつにゆったりと優雅です。その代わり、小回りが利かないので、飛び立つときは、一定の距離は一直線に飛ばなければなりません。
たまたまユリカモメが飛んでいる中に割って入ると、ユリカモメは遠慮して急旋回したりします。犬でいうと、ミニチュアダックスやポメラニアンが跳ね回っているところに、秋田犬が姿を現わすようなものです。じつに威風堂々としております。
この鳥はその優雅さに反するような啼き方をします。人間が浪曲を唸るような声で「エッエッ」とやるのです。
まだ勤め先近くの社宅もどきアパートに住んでいたとき、夜中に何度かこの声を聞いて、一体何者の仕業かと訝っていたことがありました。
そのアパートを中心にすると、北側に「こざと公園」があり、南側を大柏川という細い川が流れています。生活排水が流れ込むので、鳥たちにはいい餌場となっているようで、ユリカモメやサギが排水口の下で待ち構えていたりします。
あるとき、アオサギが一羽だけ川の中に立っていました。見ているうち、何に愕いたのか、突然「エッエッ」と啼いて羽ばたいたのです。ああ、奇妙奇天烈な声の主はこれだったのかと得心しました。
それから何日かたって、大鳥啓助(亡くなってもう何年になるんだろう)のギャグはこれをヒントにしたのではないかと思うようになりました。
若い人にはわからないだろうと思いますが、かつて唄啓漫才で、ボケの大鳥啓助が「エッ、大鳥、エッ、啓助でございますョ、エッ……」とやって、一世を風靡したものです。
アオサギは非常に注意深い鳥です。
去年もいまごろだったか、もう少し寒くなった時期だったか、不用意に近づいて逃げられたことがありました。距離は悠に10メートルはあったのに、カメラを構えただけで、逃げたのです。
今日十八日の昼休み、公園に行ってみると、葦の葉に隠れるように佇んでいました。遊歩道から撮影しましたが、少し距離があったので、逃げられることはありませんでした。手前に写っているのは多分ダイサギ(?)。
池の向こう側に行けば、葦に遮られないと気づいて、向こうに回りました。水辺まで降りられるようになっていたので、シメシメと思いながら近づいてカメラを構えようとした瞬間、「エッエッ」と啼き声を残して飛び立ってしまった、とさ。
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