桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

ザ・フー来日

2008年11月17日 17時19分45秒 | 音楽

 ザ・フーが来日したんですね。
 先週、変な店へ飲みに行ったとき、くるそうだという話を聞いていましたが、酔っ払っていたので忘れていました。

 ザ・フーのデビューは私が高校二年生の年です。ビートルズより二年遅く、キンクスと同じ年でした。ところが、ビートルズもローリング・ストーンズもよく聴きましたが、ザ・フーだけは同時代に、あまり馴染まなかったという記憶しかありません。

 中学から高校二年生にかけて、ビートルズ一辺倒でした。
 ビートルズといえば、いまでこそ伝説以上のグループですが、来日公演があったときには学校から、観に行こうなどという不心得者は「不良」と見なす、というような禁止令が出たほどでした。つまりミーハーの支持があるだけで、社会全体が認める存在ではなかったわけです。
 ミーハーが支持していたといっても、同じクラスの大半の子は知りませんでした。音楽を聴くといっても、中尾ミエや伊東ゆかりを聴いていた子のほうが多かったのではないかと思います。

 深夜放送の常連でしたから、ザ・フーそのものは聴いていたはず、と思います。ギターを壊すという派手なアクションも知っています。しかし、あまり馴染みが持てなかったのはなぜだろうと考えて、いまになって、そうだ !!  あのころはお金がなかったのだと思い当たりました。

 月々小遣いをいくらもらっていたのか憶えていませんが、このころの音楽ソースはラジオかシングルレコードです。A面B面に二曲だけ入ったそのシングルレコードが確か300円か350円したのではなかったか。
 就職した兄の給料が15,000円か20,000円という時代です。いまの貨幣価値に直せば一枚3000~3500円という法外な値段でした。
 同級生にレコード屋の息子がいたので、二割引きくらいで手に入れていましたが、一か月に一枚買うのがいっぱいいっぱいだったはずです。今月ビートルズを買ったら、次にほしいキンクスは来月回しにせざるを得ない。

 HMVやタワーレコードなどないから、ラジオで聴いて、ほしいなぁと思ってもすぐ買えるわけでもない。ラジオで聴かせるのは日本のレコード会社がモニタリング調査を兼ねて、売れそうなら発売に踏み切るということもあったからでしょう。来月買おうと決めているレコードがあるのに、来月がくる前に気になる曲を耳にしてしまうこともありました。

 それに、このころのUKロックシーンはまさに百花繚乱でした。ザ・フーと同じくモッズ系といわれるグループにスモール・フェイセスというのがありました。
 サーチャーズがあったり、デイヴ・クラーク・ファイヴがあったり……。
 ザ・フーは結構いいと思ったけれども、次々にほしいレコードが出てくるので、一枚も買わないまま青春が終わってしまった、ということになるのだろうと思います。

 ザ・フーを見直してみようという心情になったのは音楽面の評価ではありませんでした。1970年代前半、我が愛しのエリック・クラプトンはコカイン中毒で廃人寸前になっていました。それを支え、励まし、社会復帰させるのに力を貸したのがザ・フーのピート・タウンゼンドだったと知ったことがキッカケでした。日本人だからやむを得ないのか。私は浪花節で動いてしまうところが多分にあります。

 同じように心を動かされたのはフリートウッド・マックのミック・フリートウッドです。
 この男は我が愛しのピーター・グリーンの居場所をなくしてしまったばかりか、変な女を入れて、聴くに堪えないようなバンドにしてしまったと思っていたのですが、ピーター・グリーンにもコカインとアルコールに溺れた時代があって、そのとき、日夜病院を見舞って励ましたのはミック・フリートウッドだったと知りました。

 だが、浪花節はすべてを許すというものではありません。いいところがあるやんけ、と思うのは二人とも同じですが、ザ・フーは聴いても、ピーター・グリーンが抜けたあとのフリートウッド・マックは聴きたいとも思わないのであります。
http://www.youtube.com/watch?v=8NATK0brkS4

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