清閑寺(せいがんじ)のブログで頭を悩ませています。
最初はサラリと書いて終わりにするつもりでしたが、小督局のことを思い、その小督の運命を狂わせる端緒となった建礼門院徳子(平清盛の娘であり、高倉天皇の后)のことを考えるにつけ、おいそれとはまとまらない感じになってきたのです。
世間の人の多くはもう正月休みに入っているのであろうに、私はまだ勤めがあって、思索に耽る時間がないというのも、清閑寺のブログに結末をつけられぬ原因です。
勤め先そのものは二十七日から正月休みです。
しかし私には、二週間の入院と、その前後に休んだのを合わせると、二十日近くも休んでしまったツケが回っていて、年内に終えておくべき仕事が終わっていません。
それほど重要な仕事を任されているわけではないのですが、私がまとめを出さないと、いささか支障も出るので、今年のうちに終わるか終わらないかわかりませんが、休み中の二日か三日は仕事に出るのです。
その代わり、サービス残業のようなものですから、朝はゆっくりめに出ます。ゆっくり出たついでに、最近、朝は滅多に歩かなくなった大野城趾下の小径を歩きました。
目的は一つ。
下見です。
何の下見かというと、崖に小さな石蕗(ツワブキ)があるのを見つけていて、帰る時間には暗くなっているのを幸いに、失敬しようか、と企んでいたのです。
月曜日の朝、何食わぬ顔をして歩きました。
ところが、見当をつけておいた場所には目的のものがありません。見過ごしたかと思って、あと戻りしようと思いましたが、普段はあまり人と行き交うこともない径なのに、こういうときに限って人が歩いてきます。やり過ごして戻ろうかと思った途端、また人影が向かってくるのが見えました。諦めることにしました。
夜七時。仕事が一段落したので帰ることにして、石蕗のある場所を目指しました。幸い人通りはありません。二度行きつ戻りつしました。が、やはり、ない !!
とんでもないヤツがいるもんだ。
自分のことを棚に上げて怒っています。
ない、と思うと、無性にほしくてたまらない。
前に満開の花を写真に撮った石蕗がある径に向かうことにしました。
満開だった花に気を取られていたので、周辺をじっくりとは見ていませんが、小さめの石蕗が何株かあったような気がしていました。
薄暗がりの中で見ると、手ごろな一株が見えました。こちらも人通りはない。近くに黒っぽいものがある、と思えば、猫殿がいるだけでした。うすぼんやりと見えるだけの根元をまさぐって、グイと力を入れました。
抜けた、と思いました。
この瞬間に備えて、昼に弁当を買ったときのスーパーのレジ袋を棄てずに、鞄に入れていました。「ウッシッシ」と大橋巨泉ばりにほくそ笑んで、手を広げてみると、そこにあったのは根元からきれいに剥がれた葉っぱだけ。
オー、なんてこったい、オリーブ! と思ったとき、背後に人が近づいたような気配を感じました。
が、人ではありませんでした。私の脹ら脛のあたりに、猫殿が脇腹をすり寄せていたのです。
その径はフキやツワノたちオフグ一家が住んでいる径です。彼女たちの縄張りからは数百メートル離れた場所でしたが……。
入院前からしばらく会っていなかったので、退院後何度か通りましたが、寒かったせいか、一度も姿を見ていませんでした。私の鞄の中にはいつ会ってもいいように、ミオが入れてあります。
石蕗の番をしていた猫殿には、その匂いがわかったのでしょう。取り出そうと鞄をまさぐっていると、立ち上がって膝にまとわりついてきました。
オフグ一族ではないけれど、ミオを与えました。
石蕗のある土手下は二十八日の雨で湿っていたので、「向こうへ行こうか」と反対側のU字溝に誘うと、私のいうことをちゃんと理解して、ついてきました。
おなかを空かせていたのでしょう。一心不乱に食べてくれました。私にはほほえましくてうれしい光景です。石蕗を取り損ねたことはすっかり忘れていました。
クリスマスの夜、鰤大根をつくりました。あらかた食べてしまいました。
煮汁が残っているので、そこに新しい大根と鰤を買ってきて継ぎ足します。これが私流の鰤大根です。
猫殿と会った帰りに寄ったスーパーで三浦大根を見つけました。とっさに鰤大根に使ってみようと思って買いました。
普通の大根の二~三倍の重さがありそうです。勤め帰りに重いものを買うなど、普段なら決してあり得ないことなのに、ウキウキしていました。これも予期せず猫殿に出会ったおかげ……。
一昨日もうれしいことがあったのが影響しています。
全国大学ラグビー選手権(2回戦)で、ひょっとしたら負けるかもしれないと、諦めも先行していたメイジが関西大学王者・関西学院を力任せにねじ伏せたこと、トップリーグではトヨタ自動車の4位以内が確定して、二季ぶりのプレーオフ進出を決めたことです。
メイジとトヨタの対戦が実現したら、どちらを応援したらよいのかと、いまから頭を悩ませています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます