時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

薬害肝炎、厚労省が情報隠し

2007年10月23日 | 政治問題
肝炎ウイルスに汚染された血液製剤フィブリノゲンによる薬害肝炎問題で、製造販売元の旧三菱ウェルファーマ(現田辺三菱製薬)が、2002年に厚生労働省に報告した418人の感染者のうち、197人の氏名を把握していたことが判明し、そのうち40人は住所も把握していた。同社が同日、厚労省に報告した。
舛添要一厚労相は同日、同社の葉山夏樹社長らを呼び、報告を受けた。その後の記者会見で「(厚労省が把握している)2人と197人の乖離はあまりに大きい。私自身驚いている」と述べ、投薬された人が分かり次第、本人のプライバシーに配慮し、連絡するよう同社に指示した。これを受け、葉山社長は「誠実、迅速に対応したい」と話したという。
厚生労働省も、報告を得ていながら情報を隠し、さらに、製薬会社も厚労省に報告したことを知っていながら今まで隠していたことになる。
極めて悪質な組織犯罪である。
この情報隠蔽は、患者にとっては文字通り死活問題である。
肝炎に感染していることが早くわかっていれば、早めに治療を受けることもでき、重症化する前に対処できた可能性もあり、また2次感染を予防することもできたはずである。
一般企業がこれだけの問題を引き起こせば、業務が成り立たず、廃業、倒産せざるを得ないのが普通である。にもかかわらず、他社と合併を繰り返しながら、企業を存続させることができるのが、この国の不思議の一つである。
いついかなる時も企業の利益を代弁する、政府のこの姿勢がこういう事態を生んでいることは明らかである。自民党は、薬業政治連盟から多額の政治献金を受け取っている。その見返りが、こういう行為になって現れてくるのである。
薬というのは、ヒトの健康に多大な貢献をしてきたが、一方で、スモン、HIVなど残念な薬害を生み出してきた。もっと早い時点で情報を公開し、対処していれば、被害は最小限に抑えられたはずである。
厚労省や製薬会社には、国民の健康、長寿に貢献するという原点に立ち返った行動を望みたい。