時々新聞社

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神奈川県、知事の多選禁止条例の是非

2007年10月17日 | 政治問題
神奈川県知事の任期を連続3期までとする全国初の多選禁止条例が、県議会で賛成多数で可決、成立したと報じられている。しかし、施行については「別に条例で定める日」と議員提案で修正され、自治体独自の多選制限が可能になる法的環境が整うまで先送りされた。また、首長の在任期間の制限が条例に委ねられるよう、法改正の早期実現を強く求める決議も可決されたという。
多選禁止は松沢成文知事の選挙公約で、知事は2005年12月に自分にだけ適用される多選自粛条例案、2006年12月には誰にでも適用できる多選禁止条例案をそれぞれ提出。だが、自民、公明両党など野党優勢のなか、「職業選択の自由を保障した憲法に違反する恐れがある」と否決されてきた。
しかし、総務省の首長の多選問題に関する調査研究会が5月、「法律での首長の多選制限は必ずしも憲法に反するとは言えない」とする見解をまとめた。自民党も夏の参院選の公約で、知事や政令指定都市市長が連続4選を目指して立候補することを禁ずる法整備を盛り込んだ。こうした状況の変化が松沢知事にとって追い風となった。
議会後、松沢知事は「大きな改革の一歩を踏み出せた。施行日が決まらず残念だが、議会と力を合わせて法改正を勝ち取りたい」と語ったという。
確かに、多選はさまざまな癒着やマンネリ化を生み、弊害があるかもしれない。
しかし、もしそういうマンネリ知事が現れれば、県民の批判が強まり、通常は次回の知事選で政党の推薦を受けられず、県民からもそっぽを向かれ、当選できないであろう。
一方、多選ではあっても、たえず斬新な政策提言を行い、優れた業績を残す知事も存在するだろう。
したがって、多選を認めるかどうかということを、条例で決めてしまうのは大変危険な行為である。多選を認めるかどうかは、主権者である県民が決めればよいことである。
それが民主主義のあり方だ。
ただ、はっきりしていることは、他にやるべきことも多いはずなのに、こういうくだらない条例を提案し、しかもこれが「改革」と主張するような知事に多選は無用であるということである。3選どころか、直ちに辞職したほうが県民にとって最良であると思われる。