goo blog サービス終了のお知らせ 

Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●「福島原発事故の今」 『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

2014年03月11日 00時00分36秒 | Weblog


2011年3月11日から今日で3年が経ち、4年目を迎えた。民主党政権は冷温停止「状態」を宣言し、民意を無視して関電と結託して大飯原発を再稼働。アベ自公政権は、原子力「推進」委員会(核推進委員会)とともにあの東京電力柏崎刈羽原発さへも再稼働しかねない勢いで、原発輸出という恥さらしなことも強行しそうだ。ネズミモグラエレファント等々が走り回る東京電力原発人災の現場を「コントロール」「完璧にブロック」と世界に向けて宣言し、ウラアリな東京五輪でオモテナシするそうだ・・・・・・。
 この3年間は一体何だったのでしょう?

 『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、横田一さん【利権構造の再現を狙う 巻き返しはかる原発推進派の策動】と平舘英明氏【大阪は今 「君が代」強制、公募校長、幼稚園の民営化・・・・・/政治主導で迷走する橋本教育改革】。

******************************************************************************
■①『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号) / 「東日本大震災から3年 福島原発事故の今」。岩崎眞美子氏【ヘイトスピーチに対抗して、80人が結集 「差別らくがき消し隊」始動】。「恥」「恥ずべき行為」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e4fff2e56d3ac71449d6db42a0892483

■②『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号) / 宇都宮健児さん【風速計/都知事選を闘って】、「・・16回も公開討論会が中止になったことは、極めて残念」「こつこつと市民運動を広げていく地道な努力でしか達成できないことを学んだことも・・重要な教訓」

■③『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号) / 横田一さん【利権構造の再現を狙う 巻き返しはかる原発推進派の策動】、「経済産業相官僚の擁立 狙われた「脱原発知事」」「影響力強める関西電力 財界と自民党が一体に」。電気事業連合会という悪(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8df2490ecdeab9c15ffa0f23ca6e91f8

■④『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号) / 木野龍逸さん【相次ぐ単純ミスなぜ起きる 1Fで不足気味の熟練作業員】、「4年目を迎えるいま・・事故直後から収束作業に携わってきたベテラン作業員が、100ミリシーベルトの上限に近づいて現場から抜けるケースが増えてきている」

■⑤『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号) / 和田秀子氏【大金を投じても疑わしい効果 崩壊した「除染で復興」という神話】、「「除染をすれば元の福島に戻れる」という神話は、もはや崩壊している」。もっと別の使い道があったのでは?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c2cde4cc4d21d95dead53c9899b5ecb4

■⑥『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号) / 平舘英明氏【大阪は今 「君が代」強制、公募校長、幼稚園の民営化・・・・・/政治主導で迷走する橋本教育改革】、「「口元チェック」の委縮効果」、「不祥事つづく公募校長」。本当にお気の毒だ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2252fd9141128687a0a307594aaf9cc8

■⑦『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号) / 永尾俊彦氏【東京は今 舛添新知事は石原・猪瀬路線を引き継ぐのか 最高裁で取り消された不起立による処分を出し直した都教委】、「起立斉唱は当然・・だが「10・23通達」については、「検討課題」・・記者会見で話した」

■⑧『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号) / 山口正紀さん【虚偽自白の作り方〝証言〟 氷見冤罪事件国賠】、「警察に逮捕された無実の人は実名で、冤罪を作った警察官は匿名、という報道の仕方は、権力に甘すぎる」。柳原さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b3dcf4342cd9148737d4b995a3dbf31c
******************************************************************************

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●覆水盆に返らず、3.11から3年も経って今頃言っている愚かさ

2014年03月06日 00時00分55秒 | Weblog


東京新聞の記事【「東電、稚拙すぎる」 事故マニュアル 規制委調査へ】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014022790070829.html)。

   『●泥縄の果て ~一旦拡散してしまった放射性汚染物質を
                         環境から移染することは可能か?~
   『●「8割漏洩」: 電力会社の意のまま?
                東京都知事選で争点化外しに助力したマスメディア

 「原子力規制委員会は・・、事故は容易に防げたのに、安易な対応で事故が発生・拡大した背景には東電の企業体質があるとみて、事故時の対応マニュアルがどうなっているかなど安全管理体制を詳しく調べる方針」って、国や原子力「推進」委員会今頃何を言っているのでしょう。3.11からすでに3年も経っているのに、この愚かさ。
 原子力「推進」委員会は、「規制」らしいことはしているのだろうか?

   『●海渡雄一さんの原子力「規制」委員会人選批判
   『●全く原子力ムラの住人ときたら・・・・・・
   『●泥縄: 「安全神話」に次ぐ「規制(委)神話」の創造
   『●原子力「すいすい推進」委員会のお約束な行動パターン:
                     東電の柏崎刈羽原発再稼働審査を開始
   『●原子力「安全神話」とは何だったのか?: 「”ピンホール”問題先送り」問題
   『●「重要なベース電源」にまだ無駄金をジャブジャブ
   『●居直ろう!: 〈毒食わば皿まで〉?
            「一度認めた以上、どこまでも認めるという論理の一貫性」?
   『●無責任の極み: 「政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」」

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014022790070829.html

東電、稚拙すぎる」 事故マニュアル 規制委調査へ
2014年2月27日 07時08分

 東京電力福島第一原発でタンクから約百トンの処理水があふれた事故で、原子力規制委員会は二十六日、事故は容易に防げたのに、安易な対応で事故が発生・拡大した背景には東電の企業体質があるとみて、事故時の対応マニュアルがどうなっているかなど安全管理体制を詳しく調べる方針を決めた。 (清水祐樹)

 あふれた水は原子炉を冷やした後の水で、放射性セシウムの大半は除去されているものの、超高濃度の放射性ストロンチウムなどが残っている。同様の水が敷地内に三十四万トン超と、二十五メートルプールに換算するとざっと千杯分もある。

 タンクに付いている三つの弁のうち一つでも閉まり、弁をロックするなどしていれば事故は起きなかった。仮に起きたとしても、タンクの満水警報を受けてポンプを止め、本来の移送先タンクの水位が上がらないことに気づいていれば、漏水は最小限にとどまっていた

 しかし、東電はそのいずれも怠った

 汚れた冷却水は日々大量に発生し、タンク増設も簡単には進まないため、現場はぎりぎりのタンク運用を迫られている。水位の警報が鳴っても、わざと警報を切ってさらに処理水を入れることも常態化しているといい、警報への反応が鈍っていた恐れもある。

 この日の規制委会合で、委員からは事故が起きたことよりも、故が起きていることすら気づかず、大幅に対応が遅れたことへの批判が噴出。「あまりにも稚拙で企業の体質、安全管理のあり方など根深い問題がある」「だれがミスをしたかではなく、なぜ警報が鳴っても適切に対応できないのか、その理由を調べることが大切だ」などの声が相次いだ。

 規制委事務局は、来週にも東電から事故対処マニュアルや安全管理体制について報告させ、再発防止策を検討する。

(東京新聞)
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●無関心の責任: 自公は「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」、「原発ゼロ」を公約

2014年03月05日 00時00分09秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【公約無視の再稼働推進 エネ計画政府案】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014022690071137.html)と、
【エネ計画政府案 未来を誤る“原発頼み”】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014022602000174.html)。
asahi.comの記事【安倍政権の驚くべき「東電救済計画」】(http://www.asahi.com/and_M/interest/TKY201402250037.html?iref=comtop_fbox_d2_01)。
東京新聞の記事【東電の作業管理不十分が原因 柏崎刈羽の燃料棒接触】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014022601001606.html)。
京都新聞の社説【エネルギー計画  原発事故の反省見えぬ】(http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20140228_3.html)。

   「自民、公明両党が政権に復帰した二〇一二年の衆院選で掲げた
    「脱原発依存の公約を無視逆に公約にない重要なベースロード電源」と
    原発を位置付け、原発の維持・推進方針を明確にした」

また、

   「原発を成長戦略に位置付ける安倍晋三政権の意向が、色濃く反映された
    内容だ・・そもそも自民党は2012年衆院選で「原子力に依存しなくてもよい
    経済・社会構造の確立」、公明党に至っては昨年の参院選で「原発ゼロ
    公約にした・・政府案は、核燃料サイクルも推進するとしているが、中核となる
    高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)は、約1兆円の巨費を投じながらトラブル続きで
    頓挫している。使用済み核燃料は増え続け、多くの原発でプールが満杯に近づく
    「核のごみ」の行き場がないまま原発を稼働させ、将来世代に負担を強いる
    ことは許されない」

 これでは、公約の意味が全くない。それを知ったうえで、自公議員に投票する有権者・・・・・・。「騙されることの責任」から「無関心の責任」へ、である。

 一方、【東電の作業管理不十分が原因 柏崎刈羽の燃料棒接】・・・・・・こういう記事を見ても、原子力「推進」委員会は、再稼働を審査するなど以ての外、であることに気づかないし、審査を受け付けることを拒否する、などという考えは浮かばないらしい。受け取るから、審査を始めないとけないんでしょ? 受け取りを拒否するぐらいの気骨が無いものかね。・・・・・・それどころか、経産省などと一緒に【安倍政権の驚くべき「東電救済計画」】を「推進」しているようだ。「田中俊一委員長は「東電だけがこういうことをしており、安全に対する企業文化にかなり問題がある」と厳しく批判」したそうだが、そっくりその言葉を田中俊一原子力「推進」委員会委員長殿にお返しすべきである。

   ●無責任の極み: 「政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」」

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014022690071137.html

公約無視の再稼働推進 エネ計画政府案
2014年2月26日 07時11分

 政府は二十五日、中長期のエネルギー政策の指針となるエネルギー基本計画案を決めた。自民、公明両党が政権に復帰した二〇一二年の衆院選で掲げた「脱原発依存」の公約を無視逆に、公約にない「重要なベースロード電源」と原発を位置付け、原発の維持・推進方針を明確にした。 (金杉貴雄

 自民党は衆院選で再稼働には積極的な一方、公約の「政策BANK」のエネルギー項目で「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指す」とし将来的には「脱原発依存」を目指す姿勢を示した。安倍晋三総裁も「原発に依存しない社会をつくる」と訴えていた。

 公明党は期限こそ明示しなかったが、「一年でも五年でも十年でも早く、可能な限り速やかに原発ゼロを目指す」と公約した。

 ところが、基本計画案は原発について「依存度を可能な限り低減」とするにとどまった。どの程度、依存度を減らすのか明らかでなく、自民、公明両党の公約から大きく後退した。

 一方、公約には出てこない専門用語の「ベースロード電源」を国民に説明がないまま持ち出して、原発を「重要電源」として活用する考えが盛り込まれた。

 政府は昨年十二月、基本計画の原案をまとめた。しかし、与党から「党内で積み重ねてきた議論が全く無視され、国民に約束した公約も反映されていない」などと批判が上がったため、一月の予定だった閣議決定を先送りし、年度内の決定を目指している。ただ、今回の案も基本路線は維持されているため、再び批判が出る可能性がある。


原発に固執「ベースロード電源」

 政府が二十五日に決めた「エネルギー基本計画」案で、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けた。どういう意味なのか。 (西尾玄司)

 Q ベースロード電源とは。
 A 昼夜を問わず、一日を通して一定量の電力を供給し続ける発電設備のことだ。政府は原発のほか、石炭火力、地熱発電などを挙げている。電気の使用量は夜よりも昼の方が多いなど、時間帯や季節によって変わる。電力会社は変化する需要に確実に対応するため、複数の発電設備を組み合わせて使っている。

 ベースロード電源で足りない分は、発電量の増減が簡単で、需要が最も大きくなる時間帯に使う石油火力発電といった「ピーク電源」などで賄う。

 Q なぜ、原発はベースロード電源なのか。
 A 一度稼働すれば、少なくとも一年間は連続して運転でき、ほかの発電設備に比べて発電コストが安いというのが、政府や電力会社の理屈だ。

 Q 本当に安定していて安いのか
 A 東京電力福島第一原発事故のような大規模な事故がいったん起きれば、ベースロードとしての役割を果たせなくなることは明らか。現実的な事故対策費や廃炉費用などを加えればコストも安くない廃棄物の最終処分の立地場所も全く決まっておらず、費用も見通せていない。政府は原発をベースロードと位置付けて再稼働のお墨付きにする狙いがありそうだ。

 Q 原発を使い続けるとする一方で、「原発依存度を可能な限り低減させる」とも書いてある。
 A どう依存度を下げていくのか、具体的な方法や時期などを示していない。将来的に残す原発の数についても非常にあいまいだ。原発の新増設にも含みを残しており、本当に依存度を下げるつもりなのか疑問が残る。


◇基本計画案ポイント

▼原発は重要なベースロード電源。

▼原子力規制委員会が規制基準に適合すると認めた場合、その判断を尊重し原発の再稼働を進める。

▼原発依存度は可能な限り低減。安定供給やコスト低減の観点から、確保の規模を見極める。

▼核燃料サイクルは、再処理やプルサーマルを推進。

▼もんじゅは徹底的な改革を行い、研究計画に示された成果の取りまとめを目指す。

▼再生可能エネルギーは2013年から3年程度導入を最大限加速し、その後も積極推進。

▼福島を再生可能エネルギー産業拠点化。

(東京新聞)
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014022602000174.html

エネ計画政府案 未来を誤る“原発頼み”
2014年2月26日

 原発を「重要なベースロード電源」とした政府のエネルギー基本計画案は、将来の原発頼みを明確にうたっている。このまま閣議決定に至れば、目先に惑わされ大計を誤ることにもなりかねない。

 ベースロード電源とは、昼夜を問わず供給し続ける電源。それなしでは、経済も暮らしも立ちゆかない。

 問題は大きく二つある。

 一つは、原発をベースロード電源とすることの危うさだ。

 単純に、また物理的に考えてもたとえば、増え続ける核のごみの処理策もないままに原発を重要な電源として動かし続けてもいいのだろうか。

 また、もし事故があった場合の住民の大規模な避難計画は机上では策定しているが、実際に過酷事故で十万人単位の規模の住民を速やかに避難させることなどできるのだろうか。

 政府案では、原子力規制委員会が規制基準に適合すると認めた場合、原発を再稼働させるとなっている。法律に従えばその通りである。慎重を期すのは当然であり、科学的に十分実証できるとするのなら、いいのかもしれない。

 だが、実証は難しく、国民の不安はなおぬぐいきれていないというのが実情ではあるまいか。

 再び、経済産業省の官僚たちが机上で考えたプランが動きだすのか、と想像を巡らす国民は少なくないだろう。

 問題のもう一つは、原発の重視によって失われかねない新技術への意欲、投資の低減である。

 外国ではドイツをはじめ、イタリア、スイスなどが脱原発を表明している。ベース電源としては、太陽と違ってそれこそ昼夜を問わない風力(ドイツ)また水力(スイス)発電が重視されている。

 将来、蓄電技術が進めば、ベース電源のありようは、より自然エネルギーに向けられるだろうし、それこそ国家百年の大計にふさわしい。化石燃料はいずれ底をつき、核燃料サイクルは行き詰まっている。

 きのうの政府案は再生可能エネルギーの積極的推進を述べてはいる。

 しかし、おおもとのところで原発に頼れば、新たなエネルギーへ踏み出す勢いは大きくそがれる。かつて石油危機の時、日本が世界を牽引(けんいん)するような省エネ技術や環境対策を実現させたことを、今こそ思い出したい。

 原発に頼らぬことは、夢物語ではないのである
================================================================================

================================================================================
http://www.asahi.com/and_M/interest/TKY201402250037.html?iref=comtop_fbox_d2_01

安倍政権の驚くべき「東電救済計画」
文 関口一喜
2014年2月26日

 税金で東電の莫大(ばくだい)な借金を肩代わりし、原発を再稼働させ、焼け太らせて資金回収を狙うという驚くべき救済計画がひそかに動き出していた――『週刊朝日』(2月28日号)が<安倍政権の東電救済 税金が“人質”>とかみついている。

 経済産業省や電力業界などで福島原発事故などなかったような動きが加速するなか、こうした警鐘を鳴らす記事は貴重だ。2014年度予算案では、賠償や除染の原資として東京電力に無利子で貸し付けている公的資金の上限枠を5兆円から9兆円に引き上げ、汚染土などを長期保管する「中間貯蔵施設」の土地購入のための1012億円が計上された。このほかにも、昨年1月に導入された復興特別所得税の「復興特別会計」から、被災者の避難先の道路や学校などの整備、個人線量計の配布、室内運動施設の整備などに6523億円が予定されている。

 『週刊朝日』は「無論、これらは福島の復興に必要なものばかりだ。だが、結果的に東電支援に“流用”されることになり、同社の責任があいまいになってしまっているのだ」と指摘する。どういうことか。財務官僚はこんな事情を明かす。「東電は被災者のへの賠償金は払うが、本音では除染と中間施設の費用は政府に出してもらい、大半を踏み倒したいと考えているようだ

 これらの予算は東電が福島原発で事故を起こさなければ必要のなかった費用だ。もちろんすべて国民の税金である。東電が踏み倒そうとしているのなら、国は厳しく取り立てるべきだが、安倍政権にその気が見られないという。原発の「再稼働によって東電を黒字にし、原賠機構(原子力損害賠償支援機構)が保有する東電株の値を上げ、その売却益で投入された税金を取り戻すというスキーム」を描いているからだ。しかし、この東電株は1兆円の税金投入の“保険”として取得したものだ。売却益は国庫に戻すべきカネで、東電の踏み倒しを補てんするカネではない

 元経産省官僚の古賀茂明氏が原発再稼働を前提とした東電救済を厳しく批判している。「東電の借金を国が肩代わりし、つぶさないというスキームは公共事業と同じような構図です。東電、経産省が事故の責任を取らないどころか、これまで以上に焼け太る図式なのです」

 東電や金融機関、株主の責任を明確にするためにも、もう一度「東電破綻(はたん)処理」まで戻って議論する必要があるのではないか。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014022601001606.html

東電の作業管理不十分が原因 柏崎刈羽の燃料棒接触
2014年2月26日 13時35分

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で燃料集合体が変形して一部の燃料棒同士が接触した問題で、原子力規制委員会は26日、現場で燃料集合体を専用の容器に装着する際の東電の作業管理が不十分だったことなどが原因と認定した。

 ほかの電力会社では同様のトラブルは確認されておらず、田中俊一委員長は「東電だけがこういうことをしており、安全に対する企業文化にかなり問題がある」と厳しく批判した。

 国際的な事故評価尺度(INES)については、安全上大きな問題は確認されなかったとして、一番下のレベル0とする最終評価を決めた。暫定評価ではレベル1としていた。

(共同)
================================================================================

================================================================================
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20140228_3.html

エネルギー計画  原発事故の反省見えぬ

 原発を成長戦略に位置付ける安倍晋三政権の意向が、色濃く反映された内容だ。

 政府の新たなエネルギー基本計画案は、原発の活用を維持する方針を鮮明にし、昨年末に経済産業省の分科会がまとめた当初案の一部修正にとどめた。

 原発を「重要なベースロード電源」と、常時一定量を発電し続ける電源を意味する専門用語を用いて位置付け、原子力規制委員会の審査で規制基準に適合した原発は再稼働を進めると明記した。福島第1原発事故をきっかけに当時の民主党政権が打ち出した原発ゼロ路線を、明確に否定した形だ。

 原発への依存度は可能な限り低減させるとしたが、具体的な数値目標を示しておらず、新増設にも道を残している。これでは原発事故への「反省」が疑われても仕方がない。

 世論調査では、国民の多くが再稼働に不安を感じ、「脱原発」を求めている。当初案に対するパブリックコメント(意見公募)でも原発活用に否定的な意見が目立った。その民意を政府案はくみとっているだろうか。

 そもそも自民党は2012年衆院選で「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」、公明党に至っては昨年の参院選で「原発ゼロ」を公約にした。それらとの整合性をどう説明するのか。計画は与党協議を経て3月中に閣議決定されるが、脱原発の方向を明確にするよう修正すべきだ。

 当初案は原発を「基盤となる重要なベース電源」としていた。だが、東京都知事選で原発政策が争点化し、与党の脱原発派議員らからも批判が噴出したことから政府が決定を先送りしていた。

 微修正ですませたのは、「原発即時ゼロ」を掲げた細川護熙元首相らが敗れたことから、見直しのハードルが下がったとの判断があったのだろう。だが、当選した舛添要一氏も「脱原発依存」を掲げた都知事選の結果は、原発推進の容認ではない

 政府案は、核燃料サイクルも推進するとしているが、中核となる高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)は、約1兆円の巨費を投じながらトラブル続きで頓挫している。使用済み核燃料は増え続け、多くの原発でプールが満杯に近づく。「核のごみ」の行き場がないまま原発を稼働させ、将来世代に負担を強いることは許されない

 再生可能エネルギーの推進は政府案もうたっているが、脱原発を鮮明にしなければ、原発に頼らない新技術の開発や投資も強い動きとならないだろう。将来世代に責任を持つ与党協議を求めたい。

[京都新聞 2014年02月28日掲載]
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「8割漏洩」: 電力会社の意のまま? 東京都知事選で争点化外しに助力したマスメディア

2014年02月15日 00時00分04秒 | Weblog


gendai.netの記事【電力会社が牛耳るメディアは黙殺 汚染水ダダ漏れの衝撃】(http://gendai.net/articles/view/news/147729)。

 「1時間あたり4.4トンの注水を続けている。その実に約8割が、格納容器の外に漏れ出している」「とてもじゃないが、人間は近づけない深刻な汚染レベル」・・・・・・。こういうニュースは、「アベ様のNHK」「猛毒法に賛成する新聞社」をはじめとしたマスメディアではほとんど取り上げられない。遠い遠い東京には関係ないのでしょうね、きっと。どおりで、以前は「うみ」「膿み」とまで蔑称されていた、「アベ将軍様」の自公政権が支える「吸「血税」鬼」「福祉切り捨て厚生大臣」氏に200万票以上も票が集まるはずです。

   『●「吸「血税」」・・・舛添新東京都知事の都政、その崩壊は既に始まっている
   『●「安倍首相の暴走と「妄想」」 

           『週刊金曜日』(2014年2月7日号、978号)について
   『●崩壊への第一歩は始まっている:

          6回目の失望下の祝当選、でも近々またしても都知事選がある予感

 しかも、お年寄りに人気だとか。一方、若者はマニア化・・・・・・頭痛がします。
 結果として、電力会社や原子力ムラは大喜び。肝心の原子力規制員会は、原子力「推進」委員会として、東京電力にまで柏崎刈羽原発再稼働を許してしまいそうな勢い。あ~、原子力ムラに取り込まれたマスメディアの罪は重いよ、全く。「恥」「恥ずべき行為」。

   『●原発推進派がやっていることこそ「恥」
   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・
   『●ウソとカネで五輪誘致: 「福島漁業者ら批判 「あきれた」「違和感」」
   『●東電原発人災「事故収束」=廃炉:
        最初の一歩ではあるが、とてつもなく遠く、とてつもなく危険な道のり
   『●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・
           恐怖の作業の状況は、いま、どうなっているのか?
   『●トップからして腐敗したメディア: 「きょうの安倍将軍」「安倍様のNHK」

================================================================================
http://gendai.net/articles/view/news/147729

電力会社が牛耳るメディアは黙殺 汚染水ダダ漏れの衝撃
2014年2月4日 掲載

 先週末に発表されたショッキングな数値をどれだけの国民が知っているだろうか。東電は先月30日、福島第1原発の原子炉1号機について、「格納容器下部の破損配管から、1時間あたり最大3.4トンの汚染水が漏れていると推計される」と明らかにした。

 1号機はメルトダウンした核燃料を冷やすため、1時間あたり4.4トンの注水を続けている。その実に約8割が、格納容器の外に漏れ出しているわけだ。

 注入した水は当然、核燃料に触れて高濃度の汚染水となる。東電によると、漏れ出した汚染水の放射能濃度は1時間あたり最大237万マイクロシーベルトに達した。この数値はロボットなどを使った調査によって推計したもの。とてもじゃないが、人間は近づけない深刻な汚染レベルだ。

 破損箇所をふさがない限り、汚染水のダダ漏れは続く。東電は「格納容器の他の場所からも漏れており、今後もロボットを使って調査する」(広報部)と言うから、食い止めるのは遠い先の話。毎時3.4トンなら1日81.6トン、1カ月2448トン。これは1号機に限った量で、敷地全体では途方にくれるほど莫大な量の汚染水が日々発生していることになる。

 事故発生から丸3年近く経つのに、ひたすら大量の汚染水を生み出し、その処理に追われる堂々巡り今なお「収束」と呼ぶには程遠い惨状を浮き彫りにするデータなのだが、驚いたのはメディアの対応である。

 今回の東電の発表をキチンと伝えたのは、民放キー局ではテレ朝のみ。NHKも発表翌日の早朝5時台のニュースで伝えたが、視聴者の多い朝7時のニュースのラインアップからは外した。全国紙はナント、「8割漏洩」を一行も伝えず、完全に黙殺である。

 評論家の佐高信氏は、

   「3・11後も電力業界は自民党議員にカネを配り、原発新増設を促す
    『模範回答まで配布していた。メディアも同様です。3・11後も
    有力スポンサーとして君臨し金の力でメディア支配を続けている。
    電力会社に牛耳られたメディアに、原発の真相を伝える気概を
    求めるだけムリな話です」

と突き放した。むろん、福島原発の現状を報じないのは、元首相コンビが「脱原発」を訴える都知事選の動向とも無関係ではないだろう。

 メディアは怖いのだ。細川の支持が高まり、脱原発の世論が原子力ムラと一体化した既得権益を吹き飛ばすことを。その証拠に細川・小泉の演説内容をほとんど報じない。前出のNHK朝のニュースは都知事選の話題を一秒も伝えなかった。脱原発コンビの主張にフタをするため、意図的に都知事選報道を矮小わいしょうしているようにも映るのだ。

 今のメディアは自分たちの利益のためなら、平気で権力と手を握る。戦前・戦中と同じように「不都合な真実」を国民に隠し続ける。こうして報道の自由」を勝手に自滅させていくのだ
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●新都知事に投票した都民の民様へ、『100000年後の安全』は「若い」日本には無理

2014年02月14日 00時00分51秒 | Weblog


出すタイミングを逸したが、gendai.netに出ていた記事【“脱原発”映画「100000年後の安全」 無料公開の真意】(http://gendai.net/articles/view/geino/147717)。

 「この作品を見終えたら誰に一票を投じ、未来を委ねるか自明のはず」なのに、あの結果。まぁ、原発なんて、それが、爆発しようがどうしようが、遠い遠い東京の自公政権支持者の皆さんには関係ないのでしょうね。あの原子力「推進」委員会も、東京の自公政権支持者のために東電の柏崎刈羽原発の再稼働にお墨付きをあげたくて仕方ないようです。日本の未来は、明るい。原子力の「火」で光り輝いている。

   『●トップからして腐敗したメディア: 「きょうの安倍将軍」「安倍様のNHK」
   『●東京都知事選: 福島からの眼・・・・・・
         「反対はしないが、その前にすることがあるのではないか」
   『●都知事選: 小出裕章さんの発言を
             「自分(サイドへ)の宣伝」に利用してすいません・・・・・・
   『●居直ろう!: 〈毒食わば皿まで〉?
            「一度認めた以上、どこまでも認めるという論理の一貫性」?
   『●元「ト」知事と「サメ脳」氏は背中を押しているんだか、
                          足を引っ張っているんだか?
   『●東京都知事選: 「脱原発」が大前提、
               「脱原発モドキ派」「原発推進派」なんて論外
   『●小泉純一郎-細川護煕連合: 脱原発派の分断にしか過ぎないのでは?
   『●「オリンピック・オモテナシなんて要らない」「反安倍自公政権」に一票
   『●「ト」知事たちに投票した都民の皆さんは太っ腹
                       ~「不徳」という無責任で免罪~
   『●「吸「血税」」・・・舛添新東京都知事の都政、その崩壊は既に始まっている
   『●「安倍首相の暴走と「妄想」」 
           『週刊金曜日』(2014年2月7日号、978号)について
   『●崩壊への第一歩は始まっている:
          6回目の失望下の祝当選、でも近々またしても都知事選がある予感

 さて、オンカロ。「成熟した」フィンランドの地層では、10,0000年だろうと、100,0000年だだろうと、安定して管理できるのでしょうね。我国や原発輸出先のトルコの高レベル放射性廃棄物について、まさか、オンカロに期待していないですよね? それは無理というもの。では、我国の「若い」地層のどこかに「オンカロ」が存在し、10,0000年?、100,0000年?、「安全」に管理できるとでも思っているのだろうか。まったくオメデタイ。あの(鈍感な?)小泉純一郎氏でさへ、オンカロ訪問で気づいた(フリかも?)というのに。

   『●リラッキングとオンカロ
   『●まずは第一歩目かな・・・??
   『●10万年という数字に慄く
   『●オンカロと死の灰と、フィンランドとニッポン
   『●オンカロと500%エネルギー自給率の島と自民党
   『●すぐさま廃炉作業に着手を!
   『●打つ手なし、それでも原発を続けたいという。アホである
   『●トルコ原発、「責任」を持って「死の灰」は
           日本に逆輸入してあげるのですか? 日本で10万年管理??

================================================================================
http://gendai.net/articles/view/geino/147717

“脱原発”映画「100000年後の安全」 無料公開の真意
2014年2月4日 掲載

小泉元総理が「感動した!」

 映画会社「アップリンク」が自社のホームページで、映画「100000年後の安全」(日本語吹き替え版)を2月10日まで無料配信して話題になっている。

 この作品はフィンランドのオルキルオトに建設中の、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分施設「オンカロ」に世界で初めてカメラが潜入したドキュメンタリー作品。安全になるまで10万年かかるという高レベル放射性廃棄物を、果たして人類が10万年間も安全に管理できるのか……という原発を持つ国にとっては避けては通れないテーマを扱っている。

 原発問題といえば都知事選の最大の争点である。細川護煕元首相をバックアップする小泉純一郎元首相が“脱原発”に大きく舵を切るきっかけとなったのが実はこの作品。観賞後にはフィンランドの「オンカロ」を視察で訪れ、脱原発の考えを深めたという。

 アップリンクの浅井隆社長はこう話す。

   「小泉さんがご覧になって考えが変わったというほどの映画です。
    最終処分場がないということがいかに大問題か、それを論理的に描いた
    映画で、見てもらえば原発や放射性廃棄物についての諸問題が、
    普通の人たちにもよく理解できる。あえて日本語吹き替え版を無料配信した
    狙いもそこにあります。これまでメディアでは、ピーター・バラカンさんが
    ラジオで2度ほど映画を紹介してくれました。彼はラジオ局の上層部から
    『原発問題の話は選挙期間中はNG』といわれたことをバラしていましたが、
    映画ならいいだろうということで扱っていただきました。とにかく、都知事選の
    投票前にできるだけ多くの人に見てほしいです

 投票まであと5日。この作品を見終えたら誰に一票を投じ、未来を委ねるか自明のはずだ
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●無責任の極み: 「政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」」

2014年01月31日 00時00分19秒 | Weblog


asahi.comの社説【原発政策―政治の無責任は許されぬ】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月6日(月)付)。
東京新聞の社説【年のはじめに考える 福島への想い新たに】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014010402000132.html)。
asahi.comの社説【原発輸出―立法府から再考促せ】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月8日(水)付)。
asahi.comの記事【(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)今年の再稼働どうなる?】(http://www.asahi.com/articles/ASG166D83G16UCVL022.html)。
東京新聞の記事【原発政策 政権「二枚舌」 再稼働方針は不変】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014011002000139.html)。
北海道新聞の社説【理念なき原発政策 「福島」前に後戻りするな】(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/514655.html)。
asahi.comの記事【政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」】(http://www.asahi.com/articles/ASG1H5T5JG1HULFA023.html?iref=com_top6_01)。
最後に、東京新聞の社説【東電再建計画 原発頼みは筋が通らぬ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014011602000139.html)。

 『原発政策―政治の無責任は許されぬ』のならば、そのためには自公政治家に投票していてはダメ。『年のはじめに考える 福島への想い新たに』したいけれども、どうも自公政権を支持している人たちは、東京電力原発人災を忘れたがっているようだ

   『●国際的な「恥の上塗り」な恥さらし行為:
               「安倍政権 「復興予算」を「原発輸出」に流用」

 大飯原発が再稼働する以前も、再稼働停止後も、原発ゼロでも大丈夫だったじゃないの? 一方で、電力会社と原子力「推進」委員会は再稼働をやる気満々のようだが、3.11東京電力原発人災を経験した我が国がそのようなことをすることに対して倫理的に許されるのか? 「恥」「恥ずべき行為」でしょうに。

   『●続・今年「も」電力は足りた
   『●原発推進国同士が手を携えて原発輸出、
             さらに「死の商人」へ: どうやら「恥」という概念は無いらしい

 ましてや3.11原発人災の当事者の原発再稼働を政府が認めるわけだから、「以外の言葉が思い浮かばない。『政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」』に対して何も感じない自公支持者、自公議員投票者にも同じ言葉しか思い浮かばない。そして、原発輸出までしたくてうずうずしている自公政権、それでも、何にも感じませんか? それは、「将来的にトルコが「できる」余地を残す文面となっている」という如実に「核=原子力」であることを示していますのに。

   『●醜悪な構図2: 原発人災・汚染の原因者が「公的支援1兆円 裏で税逃れ」

================================================================================
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月6日(月)付】

原発政策―政治の無責任は許されぬ
2014年1月6日(月)付

 福島第一原発の事故に苦しむ日本が、脱原発に向かうのか、それとも元の道に戻るのか。
 今年はその分岐点になる。
 原発の再稼働に対し、新しい規制基準にもとづく原子力規制委員会の最初の判断が、春ごろ示される見通しだからだ。
 これまでに規制委に審査を申請したのは、7電力会社の9原発16基。東海地震の想定震源域にある中部電力の浜岡原発(静岡県)についても、近く申請される予定だ。

目に余るご都合主義
 歩調を合わせるように、自民党内では「早期再稼働」の声が大きくなっている。
 昨年12月25日には、原子力規制に関する党内チームの座長を務める塩崎恭久衆院議員が規制委に出向き、田中俊一委員長に、もっと国会議員や立地自治体の首長、電力会社らの意見を聴くよう迫った。
 規制委の設置にあたり、民主党政権が出した法案に「独立性が足りない」と詰め寄り、今の形に修正したのは、塩崎氏をはじめとする自民党だ。
 ところが、規制委が活断層の調査や規制基準の策定に厳格な姿勢を見せるや、原発推進派の不満が噴出する。自民党が政権に返り咲くと、影響力を行使しようとする流れが加速した。
 ご都合主義が目に余る。
 自民党の長期政権下で原発の安全神話を増長させ、必要な対策を怠ってきたことへの反省はどこへいったのか。
 ただでさえ、急ごしらえの規制委は人材が不足し、財政面での制約もある。むしろ、そうした態勢面の充実をはかることが政権党のつとめだろう。
 安倍政権は、表面的には「原発比率を下げる」と言いつつ、原発を「重要なベース電源」と位置づけ、規制委の基準に適合した原発は動かす方針だ。
 しかし、規制委が判断するのは科学的な根拠にもとづく最低限の安全確認にすぎない。事故リスクがゼロにならない以上、口先だけではなく、「原発比率を下げる」手立てを総合的に講じるのが政治の役割だ。
 そうした見取り図も示さず、再稼働の判断はすべて規制委に丸投げし、そこへの圧力めいた動きは放置する。なし崩し的な原発回帰と言うほかない。

■採算なき再処理事業
 再稼働への政権の姿勢が原発政策を無責任に「元に戻す」典型だとすれば、「元のままでやり過ごす」無責任の象徴が、使用済み核燃料を再処理して使うサイクル事業の維持である。
 巨額のコストがかかり、資源の有効活用という意義がなくなった核燃サイクル事業は、「撤退」が世界の流れだ。
 政府は、非核保有国として唯一、再処理を認められた事情から「日米による原子力協力」を掲げる。
 だが米国には、日本が海外での再処理によって核兵器数千発分のプルトニウムをため込んでいることが、他国のプルトニウム保有の口実になりかねないことへの強い懸念がある。
 再処理や核拡散問題に詳しい海外の研究者ら5人も、青森県六ケ所村にある再処理工場の稼働中止を求め、それがすぐに決められない場合は長期間棚上げすべきだ、などとする共同提案をこのほど朝日新聞に寄せた。
 「再処理しないと使用済み燃料があふれる」との政府の説明も説得力に欠ける。
 将来、地中に埋めることを前提に、当面は「乾式キャスク」という容器に入れて地上で保管する方法が海外ではすでに確立している。日本学術会議もこの方式を提言している。

■政策転換への機会に
 福島第一原発の事故収束や老朽化した原発の廃炉、代替電源の開発、送電網の再構築など、電力産業が今ほど資金を必要としているときはない。
 一方で、巨額の設備投資を電気料金で確実に回収できる総括原価方式は、廃止が決まっている。巨大な「金食い虫」になることが確実なサイクル事業を続ける余裕はないはずだ。
 政府内では過去にも政策転換が模索されてきた。それが実現しなかった背景には、使用済み燃料を再処理への「資源」として受け入れてきた青森県に「廃棄物の処分場にはしない」と約束してきた経緯がある。
 再処理をやめれば、各原発が青森県から使用済み燃料の引き取りを求められ、原発の稼働に支障が出るという恐怖心だ。
 だが、これだけ大きな原発事故を起こしたのである。切るに切れなかった不良債権を処理する機会にすべきだ。
 もちろん青森県にはていねいに説明する必要がある。乾式貯蔵についても電力消費地を含めた協議が必要だ。必要な費用を誰がどう負担するかなど課題は山積している。それでも、意味のないサイクル事業を続けるより、はるかに建設的だ。
 原発事故の後始末で、国は一歩前へと出る決断をした。原発政策全体についても、責任放棄は許されない。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014010402000132.html

【社説】
年のはじめに考える 福島への想い新たに
2014年1月4日

 時間を押し戻そうとするかのような北風が、年の瀬を駆け抜けました。三度目の年頭。もう一度、心に深く刻まなければなりません。福島を忘れない。
 オランダの首都アムステルダムの街を歩くと、三つ並んだ十字の印を至る所で見かけます。
 赤い地の真ん中に、黒っぽい横線が一本、その上に白い十字が横に三つ並ぶのは市の旗です。
 そして、二頭のライオンに挟まれて、十字が縦に三つ並ぶのが市の紋章です。

十文字が意味するもの
 三つの十字の意味はと言えば、その昔、街を襲った三つの災い、洪水、火災、感染症を表しているそうです。
 起こりうる災いの怖さを子々孫々まで語り継ぎ、常に備えを怠ることがないように、あえて十字を掲げています。
 江戸時代からオランダに多くを学び、近代化の礎にしたこの国も、災厄を歴史に刻む方法までは、教わらなかったと言うのだろうか。首都東京の中心が、忘却の波に沈み始めているようです。
 福島の事故現場は収束に向かうどころか、混迷を深めています。
 爆発を免れた4号機では、傷ついていない核燃料の取り出し作業が始まりました。
 しかし、1~3号機から溶け出した燃料は所在さえつかめません。原子炉格納容器の外に溶け落ちた恐れもある。無事故でも一基百年といわれる廃炉、解体への道は、緒に就いたとも言い難い。
 汚染水は年末年始もお構いなしに流れ出ています
 熟練の作業員は、被ばく線量が限度に達して次々に現場を離れ、作業の質は低下する。
 自治体に丸投げされた、有事の際の避難計画作りは一向に進みません。計画はできたとしても、目に見えない放射線からどこへ逃げれば安心なのか。
 使用済み核燃料の捨て場所は、どこにも見つからないでしょう。リサイクルの計画も夢物語の域を出ていません。
 十字、いやバツ印をいくつ付ければいいのでしょうか。
 これだけ多くの災いの種を抱えているにもかかわらず、政府は前政権の「二〇三〇年代原発ゼロ」から一転、原発を「重要なベース電源」と位置付けました。
 ベース電源とは、二十四時間、しかも安価に稼働させられる電源です。震災前は、原発と揚水発電以外の一般水力。そして石炭火力がそうでした。

原発こそ不安定では
 電力需要時に足りない分を補うのが、ピーク電源と呼ばれるLNGや石油火力です。
 原発は、出力調整が極めて難しく、一度運転を始めたら、二十四時間最大出力で、突っ走るしかありません。
 今、国内に五十基ある全ての原発が、再び停止しています。
 天候に左右されやすく、出力が不安定な風力や太陽光には、ベース電源の重責を担えないといわれています。
 だとすれば、無限大の安全管理が必要な、扱いにくい原発こそ、最も不安定な電源なのだと考えなければなりません。
 原発を動かさないと、LNGや石油火力の燃料費がかさみ、電力会社は年間三兆六千億円の負担増、百万キロワット級の原発一基を稼働させれば、温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)を、一年で0・5%減らせるとされています。
 原発は、本当に割安なのか。
 政府によれば、福島の賠償と除染、さらに廃炉や汚染水対策に、少なく見積もって約二十兆円の費用がかかります。
 東電の負担なら電気料金への転嫁、国が持つなら税金です。結局つけは国民に回ります。どれだけお金を使っても、福島の人たちの暮らしや風景は、もう元へは戻せません。
 現在十六基の原発が、原子力規制委員会に再稼働の申請を出しています。政権は今年を、再稼働の年にしたいのでしょう。
 原発は金のかかる危険なものだということに、国民の多くはもう気づいているはずです。
 温暖化対策ならば、再生エネルギーの普及の方が王道です。私たちは“太陽と風の年”をめざしましょう。

フクシマを心の地図に
 ドイツでは、再生可能エネルギーへの転換が着々と進んでいます。総電力の約二割を賄い、温室効果ガスを一九九〇年比で二割以上減らしています。
 市民自ら電力会社を設立し、再生可能エネルギーでつくった電力だけを地域へ供給するという、エネルギー自治も進んでいます。
 なぜでしょう。
 スリーマイルとチェルノブイリとフクシマを、心の地図にしっかりと、刻みつけているからです。
================================================================================

================================================================================
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月8日(水)付】

原発輸出―立法府から再考促せ
2014年1月8日(水)付

 安倍首相がトルコのエルドアン首相と会談し、日本からトルコへの原発輸出を進めることを確認した。
 経済浮揚につながるとして原発輸出に積極的な安倍政権だが、過酷事故が起きれば被害は一国にとどまらず、日本も責任を負わせられかねない
 使用済み核燃料の最終処分や管理方法の確立といった国際課題もある。日本とトルコとの原子力協定は、核燃料サイクルをめぐる記述すらあいまいだ。
 協定の発効には国会の承認がいる。与野党の議員は立法府の責任として、政府に再考を促すべきだ。
 トルコとの原子力協定で問題視されているのは、ウラン濃縮と、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理に関する記述である。将来的にトルコが「できる」余地を残す文面となっている
 いずれも核兵器の製造につながりかねない技術だけに、国際社会はきわめて神経質に対処してきた。
 今回、協定が発効したとしても、トルコが簡単に再処理できるわけではない。先の国会でも岸田外相が「日本として認めない」と答弁している。
 にもかかわらず、不明瞭な記述となったのは「肯定的な表現」を求めるトルコ側の要望を受けてのことだという。原発輸出の道筋を早くつけたい日本の前のめりぶりを表している。
 ごく一部の国に限られていた原発の利用は、ここにきてエネルギー不足に悩む新興国に広がっている。安倍首相がトップセールスで原発を売り込んでいる先も新興国ばかりだ。
 原発開発を急ぐ国々には、政情不安な地域や非民主的な政治基盤のところが少なくない。安易に原発を売り込み、相手の求める内容で協定を結べば、核不拡散への国際的な取り組みは難しさを増す。
 ただでさえ、国際原子力機関(IAEA)による従来型の査察は強制力に欠けるなどの限界が指摘されている。
 日本自体、核燃サイクルは頓挫しており、海外への再処理委託で大量に積み上がった余剰プルトニウムの確実な処理が国際的な関心事となっている。
 まずは、足元の問題解決に専心し、放射性廃棄物の管理や処分をどうするかという国際課題に正面から取り組む。それが、安倍政権の責務だろう。
 野党はもちろん、自民党内にも拙速な原発輸出や協定発効に対する慎重論があるという。与野党協力して立法府の良識を示してほしい。
================================================================================

================================================================================
http://www.asahi.com/articles/ASG166D83G16UCVL022.html

もんじゅ君のエネルギーさんぽ)今年の再稼働どうなる?
2014年1月10日09時30分

■原発ゼロで迎えた新年

 あけましておめでとうございます。高速増殖炉のもんじゅ君ですだよ。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 じつは2014年は、1970年代以来、はじめての原発ゼロで迎えたお正月だったんだ。昨年9月に福井の大飯くん3号機、4号機が定期点検のためにストップして、そのままゼロがつづいているんだね。
 いまは暖房の必要な冬の季節だけれど、原発がなくたって電力不足にはなっていないね。このことがもっと知られるようになるといいな。

■年の瀬ぎりぎりの再稼働申請
 ところで、年末ぎりぎりにふたつの原発が再稼働の申請を出したんだよ。そのあとすぐ世間はお正月休みに入っちゃって、あまり大きなニュースにはならなかったけれどね。
 ひとつは12月25日、島根原発2号機が再稼働を申請したんだ。
 島根くんは松江市に位置していて、全国で唯一、県庁所在地にある原発なの。万が一の事故があったときに、人口の多い市街地まで10キロという近さなんだよ。

震災で被害のあった女川も再稼働?
 そしてもうひとつは、宮城県にある女川原発の2号機。こちらは12月27日と、まさに仕事納めの日に申請が出されたの。
 女川原発1~3号機は、ふくいち君とおなじように、2011年の東日本大震災で被害を受けたんだ。電力の5系統のうち四つが地震で断線して、過酷事故にもなりかねない状況だったといわれているんだよ。
 再稼働申請を出した2号機なんかは、震災で建屋の地下が浸水して、冷却水ポンプもこわれたの。国際原子力事象評価尺度(INES)では「レベル2」の事態だと認定されたんだ。

■地震・津波がくるとわかっているのに
 巨大地震と津波におそわれることのある場所だとわかっていても、女川くんは再稼働申請が出されちゃったんだ。建屋の耐震性を上げたり、防潮堤を建てたりという安全対策は計画されてはいるものの、こんなに早く再稼働を表明できてしまったことに、ボクはすこしびっくりしたよ。
 2013年10月の宮城県内の世論調査では、再稼働に反対する声が60%を超えていたから、県民の要望というわけでもないんだよね。
 いかにいま、原発をとりまく雰囲気がゆるんでいるのか、電力会社さんたちがエイヤッと申請してしまえるような政治的追い風があるのか、ということを痛感しちゃうよ。

■ずさんすぎて再稼働の許可に遅れ
 そんなわけでいまは全国で7電力会社、9原発、16基から再稼働の申請が出ているの。
 当初は再稼働の審査には半年から1年ほどがかかるといわれていたんだ。だから、早ければ昨年7月に申請した原発たちが2014年頭に再稼働をはじめるかな?という見方もあったんだけど、そうはなっていないよね。
 それは、原子力規制委員会さんは「安全に動かすためにはこれとこれを用意してくださいね」と条件を出していたのに、多くの電力会社さんが「えーい。まじめにぜんぶ準備してたら時間かかっちゃうもんね。とりあえず書類を出しちゃえ」と見切り発車で申請しているからなんだ。

■安全審査の見切り発車はやめてね
 2013年7月の申請ラッシュのときには、ボクもニュースを見ながら「あれれ? 準備が不十分なままでも再稼働の書類って受理してもらえるんだ。雑だなぁ……」とびっくりしてたんだけど、さすがにそのままでは審査はパスしないみたい。
 ただでさえ日本の安全基準は、真下の活断層ばっかり気にしていてヌケやモレが多いといわれているの。審査だけでもせめてしっかりとして、見切り発車はやめてほしいよね。
 春以降には審査の済んだ原発も出てくるかもしれないけれど、そのときには地元の人たちの「こわいよ」「ホントに大丈夫?」って声がますます重要になってくると思うよ。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014011002000139.html

原発政策 政権「二枚舌」 再稼働方針は不変
2014年1月10日 朝刊

 安倍政権の原発政策で矛盾が表面化している。安倍晋三首相や自民党の石破茂幹事長は「原発依存度をできる限り低減させる」と強調するが、昨年末、政府がつくったエネルギー基本計画案では原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付けている。原発再稼働にも突き進もうとしており首相らの言葉は「二枚舌」と批判されかねない。 (金杉貴雄

 首相は六日の年頭記者会見で、原発について「エネルギー源の多様化を図りながら、可能な限り依存度を低減するのが基本方針だ」と強調した。
 首相らは、脱原発を求める世論を意識。「首相が決断して即ゼロに」と求めている小泉純一郎元首相の影響力も考慮し、原発政策を語る時は必ず「依存度減」を強調する。石破氏も「小泉氏と方向性は変わらない」と取りつくろう
 だが、現実の対応は逆だ。エネルギー基本計画案では、民主党政権時代の「二〇三〇年代の原発ゼロ」を破棄。原発を「重要なベース電源」と位置付け「基盤となる」との表現まで追加した。「依存度を可能な限り低減」との表現も盛り込んだが、原発推進の姿勢を鮮明にした。
 政権の姿勢には、経済成長には原発による安定的な電力供給が不可欠との判断や、自民党内で電力会社と密接な関係を保つ電力関係議員が発言力を増している影響がある。
 政権は、各電力会社が原子力規制委員会に申請した再稼働の審査が終わる見込みの春ごろから、原発を再稼働させていく方針。現在の「原発稼働ゼロ」の状態を転換し、稼働率を高めていこうとしている。
 だが、エネルギー基本計画案には自民党内からも「東京電力福島第一原発事故を引き起こした過去の原発政策への反省がない」と批判の声が出ている。連立与党の公明党からも異論が出始めている。
 政府は、計画案を一月中に閣議決定する方針だったが、ずれ込む可能性もある。
================================================================================

================================================================================
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/514655.html

社説
理念なき原発政策 「福島」前に後戻りするな(1月11日)

 将来像も理念も十分な検証も欠いたまま、エネルギー政策が東京電力福島第1原発事故以前の状態に引き戻されようとしている
 原発を重要なベース電源と位置付けたエネルギー基本計画案、福島第1原発事故による避難住民の全員帰還を断念する復興加速指針、事故対策への国費投入を拡大する東電の新再建計画。
 政府は昨年末、議論を尽くすことなく、これらの重要な政策を矢継ぎ早に打ち出した。
 年が明け、新たな規制基準で原発再稼働を判断する原子力規制委員会の審査が始まってから半年が経過した。早ければ今春にも最初の審査結果がまとまる見通しだ。
 エネルギー基本計画案は原発依存度を可能な限り低減させるとしながら、将来の電源構成比率を示していない。時間を稼いで再稼働の既成事実を積み重ね、その結果を追認させようとする意図は明らかだ。
 これが原子炉3基の炉心溶融という大惨事を引き起こした国の政策だろうか。事故の反省も再生可能エネルギーを育てる意欲も見えない。なし崩しに原発回帰を図るようなやり方は断じて認められない。

   ◆サイクル堅持する愚◆

 日本原燃は、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場(青森県六ケ所村)について、原子力規制委に審査を申請した。
 工場は20回も完成延期を繰り返し、本格操業のめどは立たない。
 それでも申請に踏み切ったのは、「核燃料サイクルの推進」を盛り込んだエネルギー基本計画案に力を得てのことだろう。
 長期にわたって巨額の費用を投じながら、展望が全く開けない国家プロジェクトの事例の中でも、核燃サイクルは最悪の見本だ。
 仮に再処理工場が稼働しても、プルトニウムを燃やす高速増殖炉が実用化される見込みはない。
 プルトニウムを通常の原子炉で使用するプルサーマル計画は安全性に疑問があり、コストも高い。
 日本は既に、核兵器に転用可能な余剰プルトニウムを国内外に44トンも抱えている。さらに増え続ければ、核不拡散の見地から国際的な批判を招くだけだ。
 核燃サイクルが破綻した現実に目をつむり、ひたすら延命を図る厚かましさには驚くほかない。
 青森県など関係自治体と代替策を話し合い、サイクル撤退の道を追求することこそ政治の役割だ。

   ◆問題多すぎる再稼働◆

 再稼働に向けた安全審査は、北海道電力泊原発を含む9原発16基について行われている。電力各社の地震や津波の想定には甘さが目立ち、安全対策への熱意がうかがえない。
 北電も原子力規制委の指摘を受け、最大津波の高さをはじめ火山噴火や竜巻被害の想定などで修正を繰り返してきた。敷地内や海底の活断層の疑いも依然残されている。
 規制委は政治的圧力や経済性に左右されぬ原則を貫き、厳格な審査に徹しなければならない。
 周辺自治体の住民避難計画作りも遅れている。泊原発から30キロ圏内の13町村は本年度内に作成する予定だが、問題はその中身だ。
 計画の基礎となる防災指針自体が急ごしらえで、規制委によってさみだれ式に追加修正された。計画はあっても、渋滞対策など詰めるべき課題が多い。訓練も不足しており、現状では実効性が疑わしい。
 政府は再稼働の問題を規制委に、避難計画を自治体にそれぞれ丸投げし、成り行きまかせの状況を静観している。無責任な態度と言わざるを得ない。
 少なくとも「原発依存度を下げる」と言うのであれば、全原発が停止している今こそ、その展望と電源多様化の具体策を示すべきだ。
 福島の事故後、国内の原発はほとんど稼働していない。政治の意思と目標が明確になれば、多くの国民は新たな挑戦に踏み出す用意がある。

   脱原発の見取り図を

 跳ね上がる安全対策費、立地対策を含む社会的コストなどを考えれば、原発は割安な電源ではない。あてのない放射性廃棄物処分、福島の事故の賠償、除染、廃炉の費用も際限なく膨らむだろう。
 復興加速指針は、政府が福島の一部地域について原状回復を事実上放棄することを意味する。
 放射能汚染によって故郷が失われ、人が住めなくなってしまうような事態をコストに換算することなど、そもそも不可能なのだ。
 一昨年、民主党政権に「原発ゼロ目標」を掲げさせた脱原発を求める民意は、決して揺らいでいない。
 将来のエネルギーの選択は結局、どのような社会に暮らしたいかという根本的な問題につながる。
 途方もない危険と巨額で無意味な負担を先送りしない見取り図を描き、真剣に到達の道筋を考える時だ。
 そのために国民が議論する機会さえ封じておいて、脱原発の目標をあっさり否定するのは、民意軽視も甚だしい。
================================================================================

================================================================================
http://www.asahi.com/articles/ASG1H5T5JG1HULFA023.html?iref=com_top6_01

政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」
2014年1月15日19時07分

 政府は15日、東京電力の新たな総合特別事業計画(再建計画)を正式に認定した。2014年度中に柏崎刈羽原発(新潟県)の4基を再稼働させるなどして、年間で1千億円以上の経常黒字を安定して稼げるようにする。再稼働が想定より遅れた場合、電気料金を最大で1割値上げすることも盛り込んだ。
 政府は、原子力損害賠償支援機構(原賠機構)を通じて東電株の過半数を保有し、実質的に国有化している。再建計画は、除染など福島第一原発事故の対応で東電を支援する前提になっており、政府と東電は一体となって原発の再稼働を進めていく。
 新たな再建計画は、東電と原賠機構が昨年末に政府に申請していた。認可された計画では、原子力規制委員会が審査している柏崎刈羽6、7号機の7月からの再稼働をめざす。安全対策工事をしている1、5号機も15年3月までに動くと想定し、14年度は1677億円の経常黒字を見込む。

・・・・・・・・・。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「重要なベース電源」にまだ無駄金をジャブジャブ

2014年01月14日 00時00分28秒 | Weblog


福島民友ニュースの記事【“核のごみ”先送りは問題 独・倫理委の有識者が来日】(http://www.minyu-net.com/news/news/1216/news10.html)。
東京新聞の二つの記事【青森・六ケ所村 再処理工場の完成延期 原燃】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013122002000118.html)と
【志賀直下「活断層なし」 北陸電最終報告 敷地外は可能性】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013122002000117.html)。

 直接処分の方が、(百万歩譲って、相対的には)なんぼか「安く」て「安全」でしょうに。無駄金を危険なことにジャブジャブ捨てている。
 予想通り「矮小化」のようです。

   『●原発断層問題: 断層直上の定義とズレの許容値の議論に矮小化

 そして、きっと原子力「推進」委員会も同調するでしょうね。

   『●原子力「すいすい推進」委員会のお約束な行動パターン:
                            東電の柏崎刈羽原発再稼働審査を開始

 東京電力原発人災があろうが、原発は「重要なベース電源」で、しかも、輸出までしようというのだから、この国は狂っています。

   『●トルコ原発、「責任」を持って「死の灰」は日本に逆輸入してあげるのですか?
                                         日本で10万年管理??
   『●民主主義が瀕死の重傷・・・・・・な一年
                      ~秘密隠蔽法成立と原発再稼働・輸出へと暴走~

   『●自公議員に投票したことの意味:
           原発は「重要なベース電源」、さらに「もんじゅ」「核燃サイクル」継続

   『●国際的な「恥の上塗り」な恥さらし行為:
                        「安倍政権 「復興予算」を「原発輸出」に流用」


================================================================================
http://www.minyu-net.com/news/news/1216/news10.html

核のごみ先送りは問題 独・倫理委の有識者が来日

 東京電力福島第1原発事故を受け、2022(平成34)年までに国内全原発を廃止する法制化を行ったドイツ。その政策判断に大きな影響を与えたとされるのが、有識者で構成された「安全なエネルギー供給に関する倫理委員会」の報告書だ。報告書は原発事故で「原発のリスクの大きさが証明された」として、脱原発の方針を示した。倫理委が重視したものは何だったのか。委員を務めたベルリン自由大のミランダ・シュラーズ教授(環境政策学)が来日して語った。
 都内で14日に講演したシュラーズ教授によると、倫理委はメルケル首相の委託により、原発事故直後の11年4月から5月までの約2カ月設置された。脱原発の方針は(1)ドイツの原発の安全性は高いが、事故のリスクはゼロではない(2)原発で事故が発生した場合、他のエネルギー源よりも危険(3)次世代に(原発の)廃棄物処理を残すには倫理的な問題がある―の3点から集約した。特に放射性廃棄物の処理の問題は最も重視された。シュラーズ教授は「私たちが原子力を使っているのは私たちの(生活の)ため。最終処分場はどこにもない。その廃棄物を次世代に残すのは大きな倫理的な問題。(原発のため)燃料を作れば作るほど次世代の問題が大きくなる」と述べた。

(2013年12月16日 福島民友ニュース)
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013122002000118.html

青森・六ケ所村 再処理工場の完成延期 原燃
2013年12月20日 朝刊

 日本原燃は十九日、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の完成を二〇一四年十月と見込む新しい計画を、県と村に説明した。十八日に核燃料サイクル施設の新しい規制基準が施行されたことを受け、過酷事故や地震対策の追加工事を反映。これらの費用は約三百億円に上る。
 原燃は安全協定に基づく事前了解を県や村から得て、早ければ年内にも原子力規制委員会に安全審査を申請する。完成時期は今秋までの計画より一年遅れと想定したが、審査が長期化する公算が大きく、実現性は不透明だ。
 三村申吾知事は「国の基準に満足することなく、一層の使命感をもってほしい」と注文。原燃の川井吉彦社長は「重く受け止め、安全第一で取り組んでいく」と応じた。
 十九日は、使用済み核燃料の中間貯蔵施設を持つ「リサイクル燃料貯蔵」(青森県むつ市)も審査の申請に備え、操業開始時期を一五年三月とする計画を県に説明した。
 新基準での原発の安全審査にかかる期間が「早ければ半年」とされていたことから、原燃は再処理工場の審査も半年間と想定。追加工事や最終検査期間は約四カ月とみて、完成時期を決めた。
 原燃は、東日本大震災クラスの地震が起きるケースで耐震性を調べ直し、想定する最大の揺れの強さを従来の四五〇ガルから六〇〇ガルへ引き上げ、余裕を持たせたと説明している。補強工事を一部の施設で実施する。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013122002000117.html

志賀直下「活断層なし」 北陸電最終報告 敷地外は可能性
2013年12月20日 朝刊

 志賀原発1号機(石川県志賀町)直下の「S-1断層」が活断層ではないかと指摘された問題で、北陸電力(富山市)は十九日、S-1断層は活断層ではないとあらためて主張する一方、原発から東へ約一・四キロの「福浦断層」は活動の可能性が否定できないとする最終報告を原子力規制委員会に提出した。北電は「安全性に影響を与えるものでない」と結論付けたが、疑問の声が上がりそうだ。
 最終報告ではS-1断層に大きくずれた形跡がないとし、活動性の目安となる十三万~十二万年前以降の活動はないと判断。敷地内の「S-6」など七本の断層も、鉱物組成などから将来の活動の可能性を否定した。
 福浦断層は南北に約二・七キロ。これまでは活動性を否定してきたが、十三万~十二万年前以降の地層が直線的ではなく、ずれでゆがんでいるとして「将来の活動の可能性を否定できない」とした。
 しかし北電はボーリング調査などを踏まえ、S-1と福浦、さらに原発の西約三・九キロにある「兜岩沖断層」(長さ約三キロ)はつながっておらず、敷地内外の断層が連動する可能性はないと結論づけた
 規制委は今後、有識者による現地調査団を派遣する。調査は来春との見方もある。S-1断層が「耐震設計上考慮すべき活断層」と判断されると1号機の再稼働は困難になる。 (坂本正範)
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「食を哲学する」 『週刊金曜日』(12月20日・1月3日合併号、973号)についてのつぶやき

2013年12月23日 00時00分20秒 | Weblog


週刊金曜日』(12月20日・1月3日合併号、973号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、佐高信さん【抵抗人名録27 西山太吉】と宇都宮健児さん【風速計/あきらめない!!】。

************************************************************************************
■①『週刊金曜日』(12月20日・1月3日合併号、973号) / 「食を哲学する」。北方農夫人氏【消費者を〝脅す〟東電の再建計画 一六年までに全七基を再稼働】。企業倫理とか環境倫理とか東電には無いのかね? 正気じゃない(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0dd82d07a543e6525d6e982763ebc6e1

■②『週刊金曜日』(12月20日・1月3日合併号、973号) / 満田夏花氏【特定秘密保護法の公布に官邸前で抗議の声続々 民主主義を踏みにじるな!】、「安倍首相・・あなたはウソつきだ。・・野党の質問に答えて、『原発は安全だ』といって何の対策も取らなかった。そんなあなたを誰が信じますか?」

■③『週刊金曜日』(12月20日・1月3日合併号、973号) / 片岡健氏【カレー事件の林眞須美さん 前例なき国賠を提訴】、「大阪拘置所に接見を違法に制限・・安田好弘弁護士」。和歌山毒カレー冤罪事件(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2d453d51ac165ff784049f039ae886b4

■④『週刊金曜日』(12月20日・1月3日合併号、973号) / 中村ゆうき氏【地元民が原子力規制委に質問状 問題山積の東海村】、「施設を所有するJCOは周辺住民に焼却炉着工に反対する者はいないというが、それは間違い」。原子力「推進」委員会(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/976cc2457ab8d171c1c6f19c9a356899

■⑤『週刊金曜日』(12月20日・1月3日合併号、973号) / 宇都宮健児さん【風速計/あきらめない!!】、「・・秘密保護法の廃止を求める運動を国家安全保障基本法とと集団的自衛権行使容認に反対する運動につなげていく必要」。ウソつき達に一泡吹かせたい(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8fd0e08da47a39ece1e0e2455b85d940

■⑥『週刊金曜日』(12月20日・1月3日合併号、973号) / 野中大樹氏【辺野古強制へと自民党本部が策動する名護市長選まであと1ヵ月 基地利権派たちのもくろみと大誤算】、「基地容認派がふたり立候補してしまう天変地異が起きた名護市長選・・」。『戦場の村』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/fd058d8517aa8e656646c79d09fa4ab7

■⑦『週刊金曜日』(12月20日・1月3日合併号、973号) / 【村岡和博の政治時評/「日本を取り戻す」と叫ぶ安倍首相とその政権から「民主主義を取り戻す」年に】、「・・秘密保護法への抗議運動は思想・政策を越えた一点共闘が可能であることを示した」。最悪法(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8fd0e08da47a39ece1e0e2455b85d940

■⑧『週刊金曜日』(12月20日・1月3日合併号、973号) / 俵義文さん【歴史をわい曲する教科書の「国定」化 異例づくしの文部科学省の検定基準改定案】、「・・事実上の「国定教科書」化の問題点を・・」。愛国を無理強いして何になる?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8adfc28e3a834d65c8088d41cd74d9cb

■⑨『週刊金曜日』(12月20日・1月3日合併号、973号) / 【新-わたしと憲法シリーズ 日野範之 宗教者の戦争責任を自覚する真宗大谷派前僧侶】、「「殺さない、殺させない」は各宗教の共通の教えであり それは九条の精神にも通じる」。戦争できる狂った国へ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/28f2776c14d6c2da79a0c4220d510a79

■⑩『週刊金曜日』(12月20日・1月3日合併号、973号) / 佐高信さん【抵抗人名録27 西山太吉】、「西山の妻、啓子・・西山は・・仕方ないというふうに唇を開いて、「あり・・・」・・「がと」と付け加えた。精一杯の表現だったという」。ウソをつく人々に翻弄(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/4050be4c99dbf746cd59c296f5c40688
************************************************************************************

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・恐怖の作業の状況は、いま、どうなっているのか?

2013年12月13日 00時00分11秒 | Weblog


asahi.comの記事【(ニュースのおさらい)原発の廃炉が本格化したね】(http://www.asahi.com/articles/TKY201311300062.html)。

 「つり下げた容器が落ちないようワイヤを二重(にじゅう)にしている。また、建物にカバーをかけて放射性物質が外に出るのを防ぐ」そうだが、それでも落下した際、キャスクが破損して取り返しのつかないことにならない保証はあるのだろうか? 大変に心配だ。

   『●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・
           「「UFOキャッチャー」作戦」、想像しただけでゾッとする
   『●「宙吊り」下の「広島原爆が撒き散らしたセシウム137の
                   14000発分」を「UFOキャッチャー」・・・
   『●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・
                  「まさに『神頼み』」、それほど危険な作業
   『●東電の「万全」神話: 「作業員の安全を祈らずにはいられなかった」
   『●東電原発人災「事故収束」=廃炉:
        最初の一歩ではあるが、とてつもなく遠く、とてつもなく危険な道のり

 関連ニュースは、(非)特定秘密隠蔽法関連で、吹っ飛び、全く情報がマスコミでは無くなってしまったように思う。
 隠蔽法のために、何も情報が出てこなくなるようであれば、より一層恐ろしい。経産省も「脱原発」の方針を覆そうとしており、また、我国には原子力「推進」委員会”しか”存在していない心細い状況。隠蔽法のために、現場からの声も潰される。

   『●原発で働く: 「コスト優先」、「命は二の次」
   『●特定秘密隠蔽法と恫喝: 被曝労働の上に世間に「声」を発することも許されず

================================================================================
http://www.asahi.com/articles/TKY201311300062.html

(ニュースのおさらい)原発の廃炉が本格化したね
2013年11月30日14時55分

 東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第一原発(とうきょうでんりょくふくしまだいいちげんぱつ)から、使用済(しようず)み核燃料(かくねんりょう)を取り出す作業が18日、始まりました。人体に悪影響(あくえいきょう)のある放射性物質(ほうしゃせいぶっしつ)を含(ふく)んだ燃料を爆発(ばくはつ)した建物の外へ出すことで、40年かかる廃炉作業(はいろさぎょう)が本格化(ほんかくか)します。しかし、作業には多くの難題(なんだい)が待(ま)ち構(かま)えています。


■核燃料の取り出し 慎重に

 福島第一原発は全部で6基(き)あり、1~4号機(ごうき)で事故が起きた。原子炉(げんしろ)の中で核燃料が溶(と)けたり、爆発で原子炉が入った建物が壊(こわ)れたりした。その結果、燃料に含まれている放射性物質が外に飛び散ってしまった。
 事故のとき、4号機は検査中(けんさちゅう)で止まっていた。原子炉の中に燃料はなく、同じ建物にある燃料プールに保管(ほかん)されていた。核燃料は熱を出し続けていて、水で冷(ひ)やさないと大事故につながる。当時、大津波(おおつなみ)で冷やす装置(そうち)が故障(こしょう)し、大量の放射性物質が飛び散るのではないかと世界中の人が心配した。
 今も核燃料は冷やしながらプールで保管中だ。ただ、爆発で壁や天井が吹き飛び、大きな地震の揺(ゆ)れに耐(た)えられるのか心配されている。そうした危険(きけん)を減らすため、燃料を100メートルほど離れた別の建物にある「共用(きょうよう)プール」に移す。
 作業は、棒状(ぼうじょう)の燃料を束(たば)ねた「燃料集合体(しゅうごうたい)」を、1体ずつ専用の装置を使ってつり上げ、輸送容器(ゆそうようき=全長5・5メートル、91トン)に入れる。容器をクレーンで建物の外に出し、運搬車(うんぱんしゃ)で共用プールに運び出す計画だ。容器には燃料集合体が22体入り、移動に約1週間かかる。4号機には作業前に1533体あり、来年12月に運び終える見通しだ。
 ただ、作業そのものにも危険性がある。原発を監視(かんし)する原子力規制委員会(げんしりょくきせいいいんかい)の田中俊一(たなかしゅんいち)委員長は「潜在的(せんざいてき)には非常に大きなリスク(危険性)を持っている」と話し、慎重(しんちょう)な作業を求めた。
 プールの中には爆発でがれきがたくさん落ちた。東電はがれきを取り除いてきたが、小さながれきがまだ残っている可能性がある。このため、燃料を取り出す時に、がれきで傷つき、放射性物質が外へ出ないように注意して作業する。つり下げた容器が落ちないようワイヤを二重(にじゅう)にしている。また、建物にカバーをかけて放射性物質が外に出るのを防ぐ。建物の補強(ほきょう)工事もしていて、東日本大震災ぐらいの地震には耐えられるという。


■ロボット操縦も必要

 4号機の燃料取り出し作業が始まる前、福島第一原発の小野明(おのあきら)発電所長は「一つのスタート。本当の意味での廃炉が始まる」と話した。
 東電や国は2011年12月、原発の解体(かいたい)までの道のりを示した廃炉計画の工程表(こうていひょう)を発表した。3期に分け、これまでのがれきの撤去(てっきょ)などの準備作業を1期、燃料プールからの燃料取り出しを2期としている。
 1~3号機のプールの燃料の取り出しは、早くて2年後の15年からの予定だ。4号機より遅いのは、原子炉の中の燃料が溶けて散らばり、強い放射線が今も出ていて、作業をする人たちが簡単には近づけないからだ。作業には、離れた場所から操縦(そうじゅう)できる装置を開発したり、建物についている放射性物質を取り除いたりする必要がある。
 廃炉作業で最も難(むずか)しいのが、1~3号機の溶けた燃料の取り出しだ。廃炉計画の3期にあたり、始めるのは早くても7年後が目標(もくひょう)だ。これほどひどい状態(じょうたい)にまで燃料が溶けた事故は世界的にも例がなく、どうやって取り出すかまだ決まっていない。
 それどころか、溶け出した燃料がどんな状態なのかや、燃料が入った原子炉が壊れているのかもわかっていない。まずは燃料の状態を知らなければならない。作業をする人たちが受ける放射線の量を減らすために、遠くから操縦できるロボットが不可欠(ふかけつ)だ。
 手探(てさぐ)りの作業が続くうえに、もし溶けた燃料や原子炉の状態が想像よりも悪ければ、廃炉の計画を大きく変えなければならなくなるかもしれない。(川田俊男)
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●原子力「すいすい推進」委員会のお約束な行動パターン: 東電の柏崎刈羽原発再稼働審査を開始

2013年11月30日 00時00分43秒 | Weblog


東京新聞の記事【柏崎刈羽、再稼働審査へ 「福島の収束優先」一転】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013111302000233.html)。

 原子力規制委員会田中俊一委員長は「再稼働申請があれば審査するのは規制委の法的な義務。止めておくと問題が出る」と述べたそうである。そんな「法的な義務」があるのならば、申請そのものをさせなければ良い。東京電力原発人災で大地を汚し、穢し、多くの市民を被爆させ、避難させた(まま放置している)東電には、そんな申請をできる「道理」がない。それから、「止めておくと問題が出る」様な「規制」委員会の看板を下ろし、原子力「すいすい推進」委員会の新たな看板に掛け直すべき。被災者や避難者に徒に「規制」の希望を振りまかれては困る。
 この原子力「すいすい推進」委員会の下、「申請を受理した以上、基準をクリアすれば、再稼働を許可する」ことになりそうで怖い。「推進」委員会の作った「基準」など当てになるはずがないし、「クリア」してるかなどどうとでも操作されそうだ。返す返すも、あれだけの反対の声の下、こんな委員たちで、こんな原子力「推進」委員会なんてものを作ってしまったことが悔やまれる

   『●海渡雄一さんの原子力「規制」委員会人選批判
   『●全く原子力ムラの住人ときたら・・・・・・
   『●泥縄: 「安全神話」に次ぐ「規制(委)神話」の創造

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013111302000233.html

柏崎刈羽、再稼働審査へ 「福島の収束優先」一転
2013年11月13日 夕刊

 原子力規制委員会は十三日、東京電力が再稼働を申請している柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の審査を始めることを決めた。これまでは「福島第一原発の事故収束が優先」として事実上、凍結していた。近く公開の審査会合を開く。

 同日午前に開かれた規制委の定例会合で、柏崎刈羽原発への対応は議題になっていなかったが、田中俊一委員長が「(委員の)皆さんの意見を聴きたい。再稼働申請があれば審査するのは規制委の法的な義務。止めておくと問題が出る」と切り出した。

 さらに田中氏は、近く公開の会合を開き、東電の再稼働申請に大きな問題があるかどうかまで審査を進めると提案。ほかの委員から異論はなく、田中氏が「(審査が)すいすい進むと考えられないが、入り口に入る」とまとめた。

 柏崎刈羽の再稼働申請は当初、地元の泉田裕彦新潟県知事が反対した。しかし、東電が追加の安全対策などを約束し、態度が軟化。東電は九月二十七日、規制委に関係書類を提出した。

 しかし、規制委は福島第一原発で水漏れや単純ミスによるトラブルが相次いでいたことを問題視。「福島第一のリスク(危険性)低減が最優先課題」「東電に放射性物質を扱うノウハウがあるとは思えない」と審査を事実上、止めていた。

 その後、東電は事故収束と再稼働に関する報告を規制委に提出した。十月二十八日には田中氏と東電の広瀬直己(なおみ)社長が非公開で面談。田中氏の指示を受ける形で広瀬社長が今月八日、作業員の日当増額など福島の作業環境の改善策を公表した。十三日の会合で規制委は、これらの対策に一定の評価をした。

 東電は柏崎刈羽の再稼働を前提に二〇一四年三月期決算の黒字を目指している。広瀬社長は6、7号機以外も再稼働申請の準備を進めていると明らかにしている。

 <柏崎刈羽原発> 全7基が新潟県柏崎市と刈羽村にまたがる東京電力の原発。総出力は821万2000キロワットで、1カ所の原発としては世界最大級。2007年の新潟県中越沖地震では、設計時に想定した最大の揺れを上回り設備が損傷、屋外変圧器で火災が発生するなどし、全基が運転を停止した。再稼働を申請した6、7号機は改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)で、出力はともに135万6000キロワット。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●年20ミリシーベルトでOK!?: 20倍にアップ、そして「自己責任」に逃げた原子力「推進」委員会

2013年11月10日 00時00分45秒 | Weblog


asahi.comの記事【除染目標、実質緩和へ 帰還住民、個人線量計で被曝管理】(http://www.asahi.com/articles/TKY201311080406.html)、福島民友の記事【年20ミリシーベルト以下影響なし」提言方針で各首長憤り】(http://www.minyu-net.com/news/news/1109/news11.html)。

 「原子力規制委員会は、空気中の放射線量をもとに一律に計算してきたやり方を改め、一人ひとりが身につける個人線量計で把握する方法へ転換させる案をまとめた」そうです。また、「「除染の長期目標「年1ミリシーベルト」の変更は求めないが、実質的な緩和につながりかねない転換」でもあるようです。原子力「規制」委員会という名の原子力「推進」委員会は「自己責任」に逃げた訳で、自分たちで管理しなさいね、ということのようです。子供にも線量計をつけて生活させ、子供にも、「自己責任」を彼/彼女らが大人になった時に言うつもりのようです。

   ●「自己責任」を叫ばれた人の立場

 「「除染の長期目標「年1ミリシーベルト」の変更は求めないが」、同時に、原子力「推進」委員会は「年間の被ばく線量が20ミリシーベルト以下であれば健康に大きな影響はないとする見解を原子力規制委員会が放射線防護対策の提言に盛り込む方針を固めた」とのことで、正気だとは思えません。法律を自ら破る行為で、どこが「規制」委員会なのか、理解不能です。特に、影響が大きく、かつ、過去の原発推進に責任のない子供たちに、「推進」委員会は一体どのように「責任」をとるつもりでしょうか? 

   『●放射能汚染で「住んではならない地域」に無理やり帰還させ、
                                 「問題解決」を世界に喧伝

================================================================================
http://www.asahi.com/articles/TKY201311080406.html

除染目標、実質緩和へ 帰還住民、個人線量計で被曝管理
2013年11月9日01時14分

【大岩ゆり、小池竜太】 東京電力福島第一原発事故で避難した住民が帰還する際の被曝(ひばく)管理について、原子力規制委員会は、空気中の放射線量をもとに一律に計算してきたやり方を改め、一人ひとりが身につける個人線量計で把握する方法へ転換させる案をまとめた。除染の長期目標「年1ミリシーベルト」の変更は求めないが、実質的な緩和につながりかねない転換だ。

 規制委は、政府の原子力災害対策本部によって、避難住民の帰還に向けた対策の基本的方向性の「科学的・技術的な検討を要請され、9月から外部有識者を交えた検討チームで議論してきた。11日に開く会合で案を公表する。

 政府がこれまで被曝線量としてきたのは、航空機モニタリングなどで測った空間線量率(時間当たりの線量)を基に推計した線量。住民はみな1日8時間屋外にいる前提だった。

・・・・・・・・・。
================================================================================

================================================================================
http://www.minyu-net.com/news/news/1109/news11.html

年20ミリシーベルト以下影響なし」提言方針で各首長憤り

 年間の被ばく線量が20ミリシーベルト以下であれば健康に大きな影響はないとする見解を原子力規制委員会が放射線防護対策の提言に盛り込む方針を固めたことを受け、双葉郡8町村長でつくる双葉地方町村会は8日に広野町で開いた会合の席上、事前に説明がないことなどに不快感を示し、各首長がそれぞれ国に対して説明を求めることを確認した。

 同町村会長の山田基星広野町長は「これまで1ミリシーベルトとして除染などを進めてきたのに、住民にどう説明するのか。安全の基準が不透明になってしまうし、除染や支援策などを打ち切りにされれば復興の足かせになる」と憤った。来春に帰還を判断する松本幸英楢葉町長は「一方的なやり方に疑問を抱く。『1ミリシーベルト以下が安全』ということは町民に刻まれている。基準を上げる理由をしっかりと説明してほしい」と語った。

(2013年11月9日 福島民友ニュース)
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「状態はコントロール」「完璧にブロック」されているので、東電は柏崎刈羽原発を再稼働するつもりらしい

2013年10月01日 00時00分30秒 | Weblog


東京新聞の記事【柏崎刈羽 きょう再稼働申請 東電、事故収束できぬまま】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013092790073649.html)、
CMLの記事【[CML 026788] 【東電に抗議の声を!】柏崎刈羽原発の再稼働申請をやめろ!】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-September/026724.html)、
asahi.comの記事【東電社長「影響はコントロールできている」 汚染水問題】(http://www.asahi.com/politics/update/0927/TKY201309270202.html?ref=com_top6)、
東京新聞の記事
【再稼働申請 電力会社に申し上げる】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013092702000155.html)、
asahi.comの記事【柏崎稼働申請―やるべきことが違う】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2、9月28日)。

 東京電力は、安倍首相の言う通り、「状態はコントロール」され、「完璧にブロック」されていると思いたいらしい。以下の状況が見えないのか、見えていても何も感じないのか?

   『●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・
   『●「汚染水ダダ漏れは東電のケチが原因」とはどういうことなのか?
   『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続
   『●五輪誘致に浮かれ、原発再稼働・輸出を目指して廃炉に向かえない恥ずかしい我国
   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・
   『●東京電力原発人災対策へのお金を「ケチ」ったあげくに、致命的欠陥対策にドブ金か?
   『●泥縄の果て ~一旦拡散してしまった放射性汚染物質を環境から移染することは可能か?~
   『●ウソとカネで五輪誘致: 「福島漁業者ら批判 「あきれた」「違和感」」

 金融機関や原子力「推進」委員会もグル。柏崎刈羽原発の再稼働を原子力「推進」委員会に申請し、とたんに金融機関が融資借換し、東京電力は黒字経営になるので、電気料金は値上げしないってさ! 東電の柏崎刈羽原発再稼働に感謝しなさい、と言わんばかり。東電が「再稼働による収益改善」したから、なんだというのだろう。福島を元に戻して見せてから、言ったら? 戻せるものなら。

   『●東電には柏崎刈羽原発再稼働など口にする資格はない
   『●東京電力に再稼働なんてさせてはならんでしょ
   『●柏崎刈羽原発再稼働を画策するような東電は十分に責任を果たしたのか?

  どいつもこいつもグル、パフォーマンスばかり。
   『●「原発推進」という結論ありきのパフォーマンス

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013092790073649.html

柏崎刈羽 きょう再稼働申請 東電、事故収束できぬまま
2013年9月27日 07時36分

 東京電力は二十六日、柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働に向けた審査を原子力規制委員会へ二十七日午前に申請すると発表した。新潟県の泉田裕彦(ひろひこ)知事が二十六日、東電の申請を条件付きで承認したことで、申請に向けた環境が整ったと判断した。泉田知事は現状を放置するのは望ましくないと理由を説明した。

 原発の新規制基準が施行された七月八日以降、東電の申請は初めてとなる。規制委が審査する原発は東電を含めて五社の十四基となる。

 東電は柏崎刈羽原発を早期に再稼働させて火力発電の燃料費を減らし、財務状況を改善したい考えだ。広瀬直己(なおみ)社長は「申請は新潟県のみなさまの安全・安心につながる大変重要な手続きと考えている」とのコメントを発表した。

 泉田知事は承認を文書で東電側に伝えた。条件として安全審査の申請書には、県との協議後に修正申請すること、フィルター付きベント(排気)設備は地元の了解が得られなければ使用できないことを明記するよう求めた。安全協定に基づく事前了解の協議ができないと判断した場合には、申請の承認を無効とする考えも明示した。

 知事は承認の理由を「事業者が安全確保のために第三者の目を入れたいという状況を放置するのは、地元にとっても望ましくない」と説明した。ベント設備に関しては「地元の避難計画との整合性を県の技術委員会で検討する必要がある」と指摘した。

 泉田知事は七月に続き今月二十五日に東電の広瀬社長と再会談した。この場で広瀬社長が、ベント設備を追加設置するなど事故対策を強化する考えを表明したことに一定の評価をしたとみられる。


新潟知事一転 条件付き承認

 東京電力が柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働審査を、二十七日に原子力規制委員会に申請すると表明した。表面的には、審査は安全性のチェックのためで、再稼働とは別だと強調するが、一日も早い再稼働で経営の改善につなげようとの意図がにじむ。

 だが、福島第一原発では深刻な状況が続いている。汚染水が地下水と混じって大量に海に流出。原子炉を冷やした後の処理水もタンクから漏れ、外洋に流れた。国が前面に立って対策を進めるというが、廃炉への道は見えない。東電が原発を動かしていいのか、大きな疑問がある。

 一方の規制委は、再稼働申請があれば、粛々と審査を進める方針だ。東電と対峙(たいじ)してきた泉田裕彦新潟県知事は一転、フィルター付きベント設備を使用する際は地元の事前了解を取ることを条件に申請を容認したが、条件付きの申請は例がなく、規制委の担当者は「審査がどう進むのか、分からない」と話した。

 新しい規制基準では、フィルター付きベント設備の設置が不可欠で、事故時に排気するかどうかを決めるのは電力会社となっている。そこに地元の事前了解というプロセスが入ることで、規制委が有効な事故対策と判断しない可能性がある。東電の思惑通りに進むとは限らない。(大野孝志)

(東京新聞)
================================================================================

================================================================================
http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-September/026724.html

[CML 026788] 【東電に抗議の声を!】柏崎刈羽原発の再稼働申請をやめろ!
杉原浩司(Koji Sugihara) ・・・・・・・・・
2013
年 9月 26日 (木) 23:58:58 JST

【「恥知らずな再稼働申請をやめろ!」 東京電力に抗議を集中しよう!】

東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/緑の党・脱原発担当)です。


[転送・転載歓迎/重複失礼]

泉田新潟県知事による「条件付き容認」表明を受けて、東京電力は27日午前にも、原子力規制委員会に柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に向けた適合性審査を申請しようとしています。

高濃度汚染水問題に見られるように、拡大するばかりの福島第一原発事故。
泉田知事が再三にわたり強調しているように、事故の検証と総括は未だになされていません。一方で、被害者への賠償や支援は極めて不十分なままであり、東電経営陣の誰一人としてその責任を問われていません。

自らの経営を最優先して、まったく必要のない危険な再稼働を強行しようとする東電の姿勢は到底許すことは出来ません。一刻も早く破たん処理すべきです。

東電に対して、恥知らずな再稼働申請をやめるよう、抗議の声をぶつけましょう。

★ 東京電力:050-3066-3033 (受付時間:9時~18時)

柏崎刈羽原発の安全審査、条件つき容認…新潟県(9/26、読売)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130926-OYT1T00756.htm?from=navr

条件付き承認に伴う泉田新潟県知事コメント
http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1356769369667.html

東電社長の談話 柏崎刈羽の再稼働申請めぐり(9/26、朝日)
http://t.asahi.com/clpo

27日(金)13時~16時には衆議院経済産業委員会の汚染水対策に関する閉会中審査が行われます。東電福島第一原発視察報告を5分。広瀬東電社長の発言を15分。その後、広瀬社長への参考人質疑が2時間40分の予定です。

私は傍聴する予定ですが、衆院インターネット中継もあります。アーカイブ視聴も可能です。閉会中審査は30日(月)にも行われます。監視を強めていきましょう。

<衆議院TV インターネット中継>
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
================================================================================

================================================================================
http://www.asahi.com/politics/update/0927/TKY201309270202.html?ref=com_top6

東電社長「影響はコントロールできている」 汚染水問題

 東京電力福島第一原発の放射能汚染水漏れ問題で、安倍晋三首相が五輪招致演説で「状況はコントロールされている」と発言したことについて、東電の広瀬直己社長は27日、「首相の発言は、湾の外に影響が及ぶことは全然ないというご主張だ。私どもも全く同じ考えを持っている。首相の言った外への影響、海への影響という意味については、しっかりコントロールできている。しっかり湾の中にとどめている」と述べた。衆院経済産業委員会の閉会中審査で、今井雅人議員(維新)の質問に答えた。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013092702000155.html

【社説】
再稼働申請 電力会社に申し上げる
2013年9月27日

 原発再稼働に前のめりな政権を追い風に、東京電力柏崎刈羽原発や中部電力浜岡原発が早期再開を急ぐ。住民や消費者の声をよく聞かずして再稼働などできないと、電力会社に申し上げたい。

 必要な対策はひと通り整った。だから、再稼働を申請すると、中部電力幹部は言った。ひと通りで済ませていい問題か

 とりわけ浜岡は、特別な場所にある特別な原発だ

 東海地震の想定震源域の真ん中にあり、それらが連動して起こる南海トラフ巨大地震の規模は計り知れない。住民の地震に対する恐れは強い。いくら地盤を強化しても、風速九〇メートルの竜巻に耐えるという冷却ポンプカバーを取り付けても、その不安は除けない。

 再稼働を論ずる前に必要なのは、住民との対話、住民の声をよく聞くことだ。

 中電は、静岡県や御前崎など四市と安全協定を結んでおり、再稼働を申請する場合、自治体側へ「事前通報」の義務がある。しかし、それは同意を求めるわけではなく、すでに決まったことの確認にすぎないというのが、中電側の解釈らしい。傲慢(ごうまん)ではないか。

 中電だけのことではない。すでに原発の再稼働申請をした北海道、関西、四国、九州の四電力が、原発三十キロ圏の周辺市町村が求めた、立地自治体並みの安全協定締結を拒否している。

 福島第一原発事故の被害が思わぬ遠くにまで及び、多くの人々がふるさとを奪われたままであるにも、かかわらず。

 柏崎刈羽原発の再稼働に理解を求める東電の広瀬直己社長に、新潟県の泉田裕彦知事は「急ぎますか」と問いかけた。なぜ急ぐのか。銀行からの借り換えや新たな借り入れに、再稼働による収益改善が不可欠だからという。

 福島の汚染水問題一つとっても、東電に原発を任せられないというのは明らかなのに、である。

 再稼働に巨額の対策費を投じた中電などにも、同様の事情がある。中電の場合、今年の猛暑の電力需要を余裕をもって乗り切った。関電に融通したほどだ。再稼働を急ぐのは、これ以上赤字を出したくないからだ。

 企業が利益を追うのは当然だ。しかし、安全と収益をてんびんにかけられては、かなわない。

 何よりも、住民の立場に立って安全を優先させる。この大前提を欠く限り、拙速な再稼働は許されない。
================================================================================

================================================================================
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2、9月28日】

2013年9月28日(土)付
柏崎稼働申請―やるべきことが違う

 いったい、自分が置かれている立場をわかっているのか。それが、多くの国民の受け止め方だろう。

 東京電力が、柏崎刈羽原発の6、7号機(新潟県)について原子力規制委員会に新規制基準への適合審査を申請した。広瀬直己社長は6、7号機以外の原発も順次、再稼働への準備を進める考えを示した。

 論外だ

 東電は原発事故の当事者である。福島第一原発では、事故の収束どころか汚染水漏れなど新たな難題がのしかかるいまは福島にすべてを集中すべきときだ。他の原発に人手を回す余裕などあるはずもない

 にもかかわらず、東電が再稼働にこだわるのは、このままだと再建計画が破綻(はたん)するからだ。

 原発が動かず、火力発電の燃料費負担がかさんで3期連続の赤字になれば、「銀行からの融資が受けられなくなる恐れがある」という。

 仮に時間がかかっても、再建計画に盛られた柏崎刈羽の再稼働に向けた手続きを踏んでいれば、資金手当ては何とかなる。そんな思惑ではないか。

 しかし、事故に伴う損害賠償や除染、廃炉などすべての費用を東電に負担させることを前提とした再建計画がもたないことは、すでに明らかだ。

 であれば、見直すべきは再建計画である。再稼働を急ぐことではない。

 問題は、安倍政権の姿勢だ。

 国は東電の大株主でもある。汚染水問題では、政府が前面に出る態勢へと改めたものの、東電の経営問題をめぐる議論はほとんど進んでいない。

 再建計画の見直しは、東電では背負いきれない費用を、国費の投入や料金値上げでまかなうことにつながる。不満の声もあがるだろう。

 目先には、消費税の増税も待ち構える。アベノミクスにみそをつけることにもなりかねない不人気な政策に手をつけるのは、後回しにしたい。そんな思惑が首相周辺にあることは想像に難くない。

 だが、それでは汚染水問題でのリーダーシップ宣言も瞬く間に色あせるというものだ。

 短期的な経済合理性や過去のしがらみから、必要な情報の共有や対策を怠り、原発を推進すること自体が目的化したことが福島事故を招いた。

 今また、実体のともなわない再建計画にこだわっていれば、事態は悪化するだけだ。

 原発をとりまく、そんな体質を改める。それこそ、事故の重い教訓であるはずだ。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「これでもコントロールできているのか」 『週刊金曜日』(9月27日、961号)についてのつぶやき

2013年09月29日 00時00分32秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年9月27日、961号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、横田一さん【世界に大恥をさらした安倍晋三首相の「汚染水コントロール」発言】と伊田浩之氏【終わらない原発汚染水 これでもコントロールできているのか 福島原発事故 海洋汚染シミュレーション】。

************************************************************************************
■①『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 阪上武氏【発足1年の原子力規制委 安全より再稼働優先に疑問】、「田中俊一・・「安全文化」を語っているが、それよりも目の前・・問題に・・これに集中することが先だろう」。原子力「推進」委員会(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8

■②『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 星徹氏【高校教科書の採択妨害に抗議 行政側の異常な介入を批判】、「実教出版・・を妨害し、最終的に採択がゼロとなった」。ハタやウタを強制しておいて、「強制」と記述した教科書を妨害するとは!(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8adfc28e3a834d65c8088d41cd74d9cb

■③『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / ローレンス・レペタ氏【特定秘密保護法案反対 この悪法は、政府の下半身を隠すものだ】、「日本は「秘密保護法」を制定してはならない」。盗聴法時と一体何が違うのか?(videonews.com: http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002953.php

■④『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 【村岡和博の政治時評/IOC総会前に汚染水審議をしなかった国会は、内閣のコントロールを放棄したのか】、「状況はコントロール・・完全にブロック・・ニュース速報を読んでのけぞった」。同感(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/060c22aa9939913740ad6aaaa7acd5df

■⑤『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 伊田浩之氏【終わらない原発汚染水 これでもコントロールできているのか 福島原発事故 海洋汚染シミュレーション】、「原子力規制委のずさんな対応」。「終わり」との声もあるというのに(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8

■⑥『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 横田一さん【馬淵澄夫・・安倍首相がプレゼンした凍土による汚染水対策は不適切だ】、「東電の巻き返しで立ち消えになった」。「致命的欠陥対策にドブ金か?」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/214de1c2e7f5a62db982f6ec0058c6de

■⑦『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 横田一さん【世界に大恥をさらした安倍晋三首相の「汚染水コントロール」発言】、「ドイツの公共放送が首相発言を一刀両断」「水俣病の教訓を忘れたのか」。ドイツの公共放送「ZDF」は、「安倍首相はウソをついていると断言http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%A5%C9%A5%A4%A5%C4

■⑧『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 木野龍逸さん【この期に及んでも 情報を直ぐに出さない東京電力の汚染具合】、「海洋流出認めたのは参議院選挙の翌日」「タンクの製造コスト公表を拒み続ける」。参院選が終わるまで、海洋への流出を隠ぺいhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8

■⑨『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 矢崎泰久さん【発言2013】、「「美しい国」なんてちゃんちゃらおかしい・・恐怖ゾロゾロの災禍が日常的に襲ってくれば、もうひとたまりもなくなる。クソ安倍の無知に、殺される」。本当に怖い(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/060c22aa9939913740ad6aaaa7acd5df

■⑩『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 山口正紀さん【報道全体を問い直す裁判に 実名報道被害訴訟】、砂川浩慶氏【メディアの役割が問われている「秘密保護法案」】。どちらの記事もメディアの論理、倫理、役割の問題
************************************************************************************

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●五輪誘致に浮かれ、原発再稼働・輸出を目指して廃炉に向かえない恥ずかしい我国

2013年09月09日 00時00分48秒 | Weblog


mainichi.jpの記事【福島第1・汚染水:海外メディア辛辣報道】(http://mainichi.jp/select/news/20130904k0000e040182000c.htmlhttp://mainichi.jp/select/news/20130904k0000e040182000c2.html。gendai.netの記事【元スイス大使が緊急提言「IOCは原発事故の真相を知っている」】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144409。asahi.comの記事【(康介が斬る)汚染水漏れは敗因になるのか】(http://www.asahi.com/special/2020hostcity/articles/TKY201309050403.html?ref=comtop_fbox_d1)。東京新聞の記事【大飯、再稼働審査へ 活断層否定 根拠のデータ示さず】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090602000150.html)。

   『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続
   『●「原発推進」という結論ありきのパフォーマンス

 2020東京五輪が決まった。東京「に」(さえ)影響なければ、それでよいのだろうか・・・。汚染水は完全にブロックされているのだろうか・・・。
 五輪に浮かれ、あろうことか、原発再稼働・輸出を目指している我国。目指すべき道は、廃炉しかないはずなのに。
 五輪誘致に浮かれているドサクサに紛れて、原子力「規制」委員会原子力「推進」委員会となり、大飯原発に再稼働のお墨付きを与えようとしている。活断層が在ろうが無かろうが知ったことか、という訳である。これで「規制」委員会だとさ、呆れかえる。

   『●海渡雄一さんの原子力「規制」委員会人選批判
   『●全く原子力ムラの住人ときたら・・・・・・
   『●私的原子力「推進」委員会に「規制」などできる訳がない
   『●ムダ首相・ムダノ経産相の二枚舌にウンザリ
   『●不断の監視が必要な原子力「推進」委員会
   『●「原発推進」という結論ありきのパフォーマンス
   『●パブリックコメントで一般市民の「反原発」意思は集約済み

================================================================================
http://mainichi.jp/select/news/20130904k0000e040182000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20130904k0000e040182000c2.html

福島第1・汚染水:海外メディア辛辣報道
毎日新聞 2013年09月04日 11時20分(最終更新 09月04日 13時15分)

 東京電力福島第1原発の汚染水事故で、海外メディアが日本政府や東電に厳しい目を向けている。2020年夏季五輪の開催地決定を前に470億円の国費投入を打ち出したことも「東京の集票目的」とみなされ、反応は極めて辛辣(しんらつ)だ。後手に回った汚染水事故が、五輪招致のみならず、日本政府の信用に影を落としている。【朴鐘珠、ベルリン篠田航一】

 猪瀬直樹東京都知事が国際オリンピック委員会(IOC)総会のためブエノスアイレスに乗り込んだ2日、都内の日本外国特派員協会で原子力規制委員会の田中俊一委員長が記者会見に臨んだ。記者席は満席、立ったままの記者もいた。

 田中氏が、汚染水の放射性物質の濃度を基準値以下に薄めて海へ放出するのもやむなしと発言すると、仏AFP通信は「福島の(汚染)放水避けられず」と速報。オーストラリアの全国紙は「海を核の捨て場に」の見出しを掲げ「環境保護論者や漁業関係者、近隣諸国の激しい怒りを買うだろう」と伝えた。

 会見で田中氏に質問したフランスRTL放送の記者、ジョエル・ルジャンドル氏は3・11以前から日本で取材している。フランスも原発大国。同氏は原発への賛否以前の問題として、東電の企業体質に嫌悪感を抱いていると語る。「報を公開せず、疑惑が浮上するとまず全否定する。ほとぼりが冷めたころに事実を認めるので非常にずる賢い。日本人や日本メディアの忘れやすい気質を利用している

 マドリードに本社を置くスペイン通信社の東京支局の男性記者、アンドレス・サンチェス・ブラウン氏(33)は、震災後に宮城でボランティアをしながら、福島の被災者を取材してきた。参院選直後に汚染水漏れが発表された背景に意図的なものを感じており「東電をウソつきとまでは呼ばないが、事実を矮小(わいしょう)化させ発表しているのが分かる」と言う。

 外国人記者の東電への不信感は、世界各地の報道に反映されている。独紙フランクフルター・アルゲマイネは「東電は外国人記者に『原発は制御下にあり危険は全くない』と説明したが、汚染水は太平洋に流れ込んでいた。こうしたウソと隠蔽(いんぺい)工作で、東電が本当に事故から学んだのかと国民は疑念を深めている」と非難した。

 批判の矛先は、原発再稼働と輸出に突き進む安倍晋三政権にも向かう。米紙ニューヨーク・タイムズは「安倍首相が事故処理に積極的な役割を果たすと約束した2週間後に汚染水漏れが発覚した。約束に対する首相の真剣味が問われる」と指摘。政府が3日発表した470億円の汚染水対策費について、米AP通信は「大部分が発表済みのもので、五輪開催地の投票を前に安全性の宣伝との見方が大勢」と伝えた。4日付の韓国有力紙、朝鮮日報は論説委員のコラムで「(IOC総会を意識した対策ということが)事実だとすれば、日本は原発を安全に管理する能力も良心もない国だ」と書いている。

 サンチェス・ブラウン氏は、五輪候補地のライバル、スペインでは汚染水という「敵失」を歓迎するような報道は見当たらないとしつつも「五輪には海の競技もある。東京湾が福島から離れているとはいえ、汚染水が選考委員に良くない印象を与えているのは確か」と厳しい見方を示す。
================================================================================

================================================================================
http://gendai.net/articles/view/syakai/144409

元スイス大使が緊急提言「IOCは原発事故の真相を知っている」
2013年9月6日 掲載

最終情勢

<「もはや日本に勝ち目はない」>

 欧米メディアが福島原発の汚染水を問題にしはじめている。国際社会は日本をどうみているのか、東京五輪はどうなるのか――。原発問題に詳しく、公述人として国会にも出席した元スイス大使の村田光平氏に話を聞いた。

 2020年五輪の開催地に東京が選ばれる可能性はかなり低いでしょう。いまからでも日本は、五輪招致を辞退すべきです。

 日本政府は福島原発の問題を国際社会から隠そうとしてきました。でも、とっくに世界は原発事故の深刻さに気づいています。欧米メディアが一斉に取り上げているのをみれば明らかでしょう。海に汚染水を流し続けているのだから、もはや日本だけの問題ではないということです

 ドイツの「キール海洋研究所」が昨年、福島原発事故によって太平洋がどうなるか、6年後の放射能汚染をシミュレーションしています。太平洋は真っ赤になっている。当然、IOC委員のメンバーも、シミュレーションの中身を知っているでしょう。

 また「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW)は6月上旬、「原発事故は解決から程遠い」と声明を出しています。

 アメリカでは福島原発について、1億人の署名運動が始まりつつある。日本政府に任せていては不安だから、アメリカ政府が解決に乗り出すべきだと、オバマ大統領に直訴するそうです。

 世界中が危惧しているように、もはや民間の東電に汚染水問題を解決できないことはハッキリしています。残念ながら日本政府も解決できないでしょう。いま安倍政権がやるべきことは、国家を挙げても処理できない事実を国際社会に正直に公表することです。そのうえで、国際協力を仰ぐしかありません

 いま日本は、福島原発事故を収束できず、国際社会に不安感を与えている。この先、世界中に協力を求めなくてはいけない。なのに、オリンピックを開催しようというのは、あまりに無責任だし不道徳です。

 もはや、東京に勝ち目はないと思います。もし、東京開催が決まったら、IOC委員会は存在価値や見識を問われるでしょう。IOCは原発事故の現実を知らないのか、と必ず批判される。でも、IOCはそれほどバカじゃないと思う。

 五輪招致のために安倍総理がブエノスアイレスに行くのは、国家の危機である事故処理よりも、オリンピックを重視したと捉えられても仕方がない。総理はブエノスアイレス行きを断念すべきです。

▽村田光平(むらた・みつへい) 61年東大法卒。外務省入省。セネガル大使、スイス大使などを歴任。東海学園大名誉教授。
================================================================================

===============================================================================
http://www.asahi.com/special/2020hostcity/articles/TKY201309050403.html?ref=comtop_fbox_d1

2013年9月5日20時46分
(康介が斬る)汚染水漏れは敗因になるのか

 【編集委員・稲垣康介】アルゼンチン・ブエノスアイレスで日が暮れようとしていた4日午後6時すぎ、私はヒルトンホテルのロビーにいた。

 高円宮妃久子さまが到着し、2020年五輪招致をめざす東京の招致委幹部たちも勢ぞろい。一見なごやかなムードにも映る。

 しかし、一人ひとりをつかまえると、東京招致委の午前中の記者会見での「失態」が、暗い影を投げかけていた。

 「disastrous(破滅的な)!

 記者会見が終わった直後、知り合いのAFP通信記者が私に投げかけた感想は辛辣(しんらつ)だった。私の思いも同じだった。「ひどすぎる」

 前夜の動きから振り返ってみる。

 東京の招致委幹部は3日夜、支持を取りつけているアフリカの国際オリンピック委員会(IOC)委員に怒られたという。

 「せっかく応援しているのに、ホテルの部屋でテレビを見たらがっかりだ。イスタンブールは招致委員会の記者会見、マドリードはバルセロナで活躍するサッカー・アルゼンチン代表のメッシがマドリード支持を訴える話題が報じられている。だが、日本は福島の原発の汚染水漏れのニュース。話にならない」

 東京にとって名誉挽回(ばんかい)のチャンスが4日、ブエノスアイレスでの初の公式記者会見だった。想定問答集で用意すべきテーマは一つで良かった。

 「東京電力福島第一原発の汚染水漏れの不安をどう振り払うか」

 IOC委員は、この問題をどれほど気にしているのか。3日夕、ヒルトンホテルのロビーで何人かに聞いた。最も的を射ていたと感じたのは、副会長セルミャン・ウン(シンガポール)の助言だった。「東京が票を伸ばすのに一番効果があるのは、あなたたち記者が汚染漏れについて尋ねないことだ。委員の脳裏に刻まれるから」

 一方で、日本政府の対応には手厳しかった。

 「安倍首相が最終プレゼンに参加するなら、きちんと原発問題について触れるべきだ。質問が出たら答える、という形ではなく、先取りして、震災後2年以上たち、なぜ今のような状態にあるかを説明すべきだ」

 4日の記者会見。質疑応答で出た質問は六つ。汚染水漏れについてが四つを占めた

 招致委理事長の竹田恒和は「何も心配することはなく、安全だと繰り返した。満足いく回答が得られない記者から似た質問が続く。「IOC委員の投票への影響は?」と角度を変えた質問を投げかけられても竹田は自らの主張を繰り返した。

 最初は英語で答えていたが、4度目の質問で日本語に切り替えた。でも、残念ながら中身に変化はなかった。

 「さきほど申し上げましたように水、食料、全く問題なく、3500万人の市民が首都圏に住んでいます。放射能の問題は全くないこれまで一人の問題もない。ロンドン、パリ、ニューヨークとほぼ同じレベル福島とは、ほぼ250キロ離れている

 私が最も違和感を覚えたのは、ここだ。福島から250キロ離れているから大丈夫だと言うけれど、「東京だけ安全ならそれでいい」と受け取られかねない。福島に暮らす人々が、避難を余儀なくされた人々が、この発言を聞いてどう感じるだろう

 実は、こうした発言は初めてではない。招致委専務理事の水野正人が海外メディアのインタビューに「東京は福島と違う」といった趣旨の答えをしたことがある。

 容赦なく畳みかけてくる外国メディアの攻勢を真正面から受け止めたことで傷口を広げた面もある。何ごとも誠実に対応しようとする日本人の美徳なのだが、取材対象の弱みを逃さず突いてくる外国人記者には、格好の標的となってしまった。

 私の脳裏に、白髪交じりの長髪がトレードマークの、小柄な英国人の顔が浮かんだ。

 マイク・リー。2012年大会のロンドン招致、16年大会のリオデジャネイロ招致、22年サッカーW杯ではカタールを招致成功に導いた腕利きのPR戦略アドバイザーだ。彼が記者会見を半ば強引に切り回し、危機を救ってきた場面を幾度も目撃してきた。

 4年前のIOCコペンハーゲン総会のリオデジャネイロには「犯罪率の高さ」「公共交通網の未整備」などの弱点があったが、英語が不得意なルラ大統領に答えさせるのではなく、自らデータを示し、その後の質問を遮ったりもした。記者からすれば迷惑な存在だが、英語が母国語ではない国の立候補都市には心強い防波堤になる。

 ただ、ネックなのは法外とも言える契約金。4年前に取材したとき、「私は1日5000ドル(約50万円)以下では契約しない」とリーが語っていたのを耳にした記者がいて、評判になったのを覚えている。

 実は、リーとの契約を東京の招致委が検討していた時期があった。5月末、ロシア・サンクトペテルブルクで開かれたスポーツ国際会議でリーと接触を持ち、さほど割高ではないオファーを受けていた。

 しかし、強引な手法を押しつけるリーがチームに加わることで不協和音が生まれる恐れがあり、「真摯(しんし)なイメージを貫いてきた東京にそぐわない」などの理由で契約に至らなかった。

 4日、竹田の記者会見での失態を知った東京招致委幹部はリーとの契約に至らなかったことを悔やんだ。

 今回の招致レースで立候補3都市は、スポーツとは直接関係がない外的要因に苦慮している。東京は汚染水漏れ、イスタンブールは隣国シリアを巡る国際情勢、マドリードは経済危機と失業率の高さ。

 イスタンブール招致委は3日の記者会見でシリア情勢を聞かれ、ハサン・アラト会長が「それはグローバルな問題で、トルコだけが抱える問題ではない」とかわした。

 4日、マドリード招致委の記者会見では欧州屈指の失業率の高さへの懸念が出たが、「経済は回復基調にある」と主張。東京に比べ傷口は広がらなかった。

 投票日まで、あと2日。招致レースは最後まで何が起こるかわからない。

 06年冬季五輪の開催都市を決めた1999年ソウル総会では、本命視されたシオン(スイス)が投票日前夜に盛大な「祝勝会」を開いたことが広まり、トリノ(イタリア)が勝った。

 「IOC委員はプライドが高い。勝手に勝った気でいるな、という反感を買った」。当時、IOC理事だった猪谷千春の証言だ。

 12年五輪招致でロンドンが勝ったときは、決定翌日にロンドンで同時爆破テロが起きた。「テロが決定の前だったら違った結果になった可能性もある」。当時、IOC委員だった岡野俊一郎は語っていた。

 「安心・安全・確実」を旗印に掲げてきた東京が、皮肉にも汚染水漏れという「国家的な自責点」で安全・安心にひびが入ったことは、どう響くだろうか。〈敬称略〉
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090602000150.html

大飯、再稼働審査へ 活断層否定 根拠のデータ示さず
2013年9月6日 朝刊

 原子力規制委員会は五日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働審査を始めると決めた。断層を調べる専門家チームは二日に「活断層ではない」と一致したが、まだ規制委へ報告していない。規制委は正式な結論を得ないまま、再稼働への手続きを進めることになる。

 再稼働審査は五日の定例会合の議題になく、田中俊一委員長が終了前に突然、「(断層調査の)見解がまとまったと理解したと持ち出した。規制委で調査を担当する島崎邦彦委員長代理が、結論に至った経緯を口頭で説明。判断の根拠にしたデータは示されなかった

 続いて、田中氏が「活動性のある断層ではないとなれば、審査に入ってはどうかと提案。委員から異論は出ず、審査に取りかかることが決まった

 田中氏は会合後の記者会見で「活断層ではないという見解が一応まとまり、審査を進めた方がいいという私自身の判断で提案した」と説明。一方で「突然で戸惑いがあるかもしれない」「今日の委員会に諮って、まだ早いと言われたら引っ込めようと思っていた」と述べ、拙速との批判を予測していたこともにおわせた。

 規制委は今年三月、断層調査が済んでいない原発の再稼働は、「断層かどうか規制委としての一定の見解の取りまとめ」をした上で、審査すると決定。関電が七月に大飯原発の再稼働審査を申請したが保留、チームの結論を待っていた。

 専門家チームは今後、「活断層ではない」との結論を文書にとりまとめ、第三者の専門家の査読を受けて規制委に提出する。規制委としての議論はその後になるため、審査の前提の「一定の見解」も示されていない。 (大野孝志、岸本拓也)
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「原発推進」という結論ありきのパフォーマンス

2013年07月11日 00時00分32秒 | Weblog


ちょっと古い記事。asahi.comの記事(http://www.asahi.com/business/update/0607/TKY201306060703.html)とgendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/143033)。

 自公政権を支持するから、こんなことに。

   『●「品格」と「資質」: それを許す支持者や自公投票者の問題
   『●「原子力推進」という一点で自公政権は否定されるべき
   『●それでも自公政権が支持されるのはいったいなぜ? 信じ難い現実・・・

 で、こんな社会を望むの?

   『●アベ(ホ)ノミクスに騙されてはいけない ~年金マネーをアベノミクスのサイフに~
   『●自民党の目指す社会とは?

 自民党べったりの、「労働者の敵」経団連米倉弘昌会長の視察パフォーマンス。視察しても、鼻の上の視覚器官は働いていず、頭の中は「原発再稼働」「原発輸出」という結論だけが渦巻いている。財界総理も安倍首相もオツムの中は同じようだ。原子力「推進」委員会田中俊一委員長のオツムも、「東京電力原発人災」以前に何をやってしまったのか、以後に何が起こったのか、被災者や被爆者、避難者がどんな苦しみを味わい、いまも苦しみ続けているのか、だからこそ廃炉に向けて如何に作業を進めていくのか・・・、なんていうことはこれっぽちも考えていないだろう。「規制」することなんて、毛頭考えているように思えない。

     『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」
     『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」・・・・・・いま、その〝少年〟は?
     『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」:
                  東京電力原発人災と自殺には因果関係あり

================================================================================
http://www.asahi.com/business/update/0607/TKY201306060703.html

2013年6月7日2時35分
経団連会長、福島第一原発を視察 事故後初

 【永田稔】経団連の米倉弘昌会長(住友化学会長)は6日、東京電力の福島第一原発を事故後はじめて視察した。視察後、記者団に「大震災の被害と事故の深刻さを改めて認識した」と述べ、原子力政策や廃炉の技術開発のあり方に対する提言活動に生かす考えを示した。

 米倉氏のほか、三菱重工業の大宮英明会長、東芝の佐々木則夫社長らが視察した。原子炉建屋には入らず、バスで見て回った。東電の広瀬直己社長は、米倉氏の隣に座って説明にあたった。原発内の免震重要棟にある緊急時対策本部では、米倉氏が東電の社員ら約150人を激励した。

 視察後、東電が復興本社を置くJヴィレッジ(福島県楢葉町)で、地元の町長らと面会した。大熊町の渡辺利綱町長は「長くて大変な道のりだが、しっかり自立へ向けて努力するので、雇用の確保を含め尽力してほしい」と要望した。
================================================================================

================================================================================
http://gendai.net/articles/view/syakai/143033

再稼働ありき、原発「新・規制基準」のデタラメ
2013年6月20日

 一体どこが厳しくなったというのか。原子力規制委員会が19日、正式決定した原発の「新規制基準」のことだ。

 新基準は、シビアアクシデント(過酷事故)対策として、想定される最も大きな津波を「基準津波」とし、原発敷地内に浸水させないよう義務付けたほか、浸水が想定される場合には「防潮堤」の建設を要求。活断層の真上には原子炉建屋など重要施設を認めないことも明確化し、放射性物質を外部に逃すための「フィルター付きベント」の設置を求めた。

 田中俊一委員長は「世界最高水準の規制」と自画自賛していたのだが、「安全よりも再稼働を優先させている」と怒りの声を上げるのが、「原子力規制を監視する市民の会」の阪上武氏だ。

   「ベント設置を義務付けましたが、それ以前に、格納容器の構造的な
    欠陥はないのか、といった問題は手付かずのままです。
    福島原発でも故障が明らかになった原子炉水位計も基準に盛り込まれて
    いない。津波対策に重点を置いてばかりで、地震対策には目をつぶっている
    あまりに拙速です」

福島事故の原因は不明のまま

 そもそも、国会事故調が指摘した通り、福島原発の事故は「地震」なのか、「津波」なのか原因がいまだに分かっていない。それなのに新たな「安全基準」を作るコト自体がデタラメ過ぎる

 新基準には、事故の際に敷地境界での住民の被曝(ひばく)線量などを制限した「立地審査指針」も盛り込まれなかった。

 基準に加えれば、国内の原発のほとんどが再稼働できなくなる可能性があるからだが、これでは事故による住民の大量被曝を容認したようなものだ。

   「“抜け穴”はほかにもあります。格納容器が大きいタイプの原発の
    ベント設置や、原発を操作する中央制御室が使えなくなった場合に
    備えた『第2制御室』などの整備について、5年間の猶予期間
    設けたことです。地震や災害は明日起きてもおかしくない。それなのに、
    なぜ猶予期間が必要なのか。原発を再稼働したい電力会社に
    配慮したのはミエミエです」(科学ジャーナリスト)

 再稼働ありきのザル基準は明らかである
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする