Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●10万年という数字に慄く

2011年04月22日 00時17分18秒 | Weblog


どうやら、クロル38の検出は誤解析だったらしい。kikuloghttp://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303325186)に記事が出ていました。最悪を想定しておくという意味では、「再臨界」の指摘は無意味ではなかったと思います。今後の「再臨界」を懸念しなくてよいという意味ではないでしょう。燃料ペレットの溶融はほぼ確実ではないかと思います。小出裕章さんのご指摘は重要と感じています。

 先週、FM東京の番組で知りました。『
10,0000年後の安全』というドキュメンタリー映画が前倒しで公開されたそうです。放射性廃棄物の最終処分場〝オンカロ〟(フィンランド語で「隠し場所」「隠された場所」といった意味だそうです)についての映画。〝オンカロ〟、知りませんでした。NHKかどこかでも、〝オンカロ〟についての番組が放送されていたそうです。

 いや~、それにしても10万年ですよ。生命体の誕生が約1億年前ですから、それに比べればとても短い。でも、現世人の誕生が2~3万年前ですよ。ヒトの歴史で数千年、産業革命から数100年。10万年って、ため息が出ます。遠い未来の子供たちの世代への〝負の遺産〟として、こんなトンデモない贈り物を押し付けてる。その間、絶対に「想定外Soutegai」は起こらないのでしょうか。

 映画の公式サイト(http://www.uplink.co.jp/100000/)は以下。

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http://www.uplink.co.jp/100000/

 本作品はフィンランドのオルキルオトに建設中の、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場"オンカロ(隠された場所)"と呼ばれる施設に、世界で初めてカメラが潜入したドキュメンタリー作品です。
 高レベル放射性廃棄物は安全な状態になるまで、10万年間かかると言われています。フィンランドでは、固い岩盤を掘削し地下500メートルにまるで地下都市のような巨大な施設を、自国の原発から出る放射性廃棄物の最終処分場として作る事を計画しています。現在の段階では正式に運用されるのは2020年を予定しています。
 アップリンクでは、本来この作品を今秋に公開する予定でした。しかし、福島原発の放射能汚染の事故が起き、原発に関する知識を得る事を必要としている人が多いと思い、201142日から緊急公開する事にしました。
 共同通信が震災後(2627)行った世論調査では、原発を「減らしていくべきだ」と「直ちに廃止」の合計が467%「増設」と「現状維持」をの合計が465%とほぼ同数でした。この映画の配給会社の代表である僕の個人的意見としては、自分は科学を信じているので、原発を人間が完全にコントロールでき、放射性廃棄物を安全に処理する方法を確立しているならばという条件付きで原発はあってもいいと思います。ただし、それが不可能ならば、要するに現状ではそうですが、新たに原発は作るべきではないし、今ある原発は停止していき、節電と代替エネルギーの技術的方法を考えるべきだと思います。
 本作では、安全になるまで10万年を要するという高レベル放射性廃棄物を、果たして10万年間も安全に人類が管理できるのかという問題を、フィンランドの最終処分場の当事者たちに問うています。
 本来映画を公開する前にマスコミ向けの試写を行い、その際に配布する映画を解説したプレスシート、また観客に映画の理解を深めてもらうためのパンフレットなどを作りますが、それらはまだ準備できていません。今回は映画の上映を行いながら、メディア関係者や専門家に作品を観ていただき、作品解説の資料を作っていきたいと思っています。また、公開後になりますが、監督の来日も企画しているところです。なお、この映画の入場料の内、200円を東日本大震災の義援金として寄付致します。
 アップリンクでの上映は既に上映を決めていた作品などもあり、当初は1日朝1回の上映ですが、調整ができ次第回数を増やしていきます。従って、客席数40人の劇場で上映するので大変込み合う事が予想されます。整理券は上映開始の30分前(42日は945分から)配布します。当初は席に限りがあり観客の皆さんには不便をかけるかもしれませんが、ロングラン公開を予定していますのでご了承ください。

                            浅井隆(アップリンク社長)
                            2011
330

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《マイケル・マドセン監督の言葉》
 10万年もの耐久性がある世界初の放射性廃棄物の最終処分場を造るオンカロ・プロジェクトは、建築学的にも哲学的にも、これまでのどの先人の試みをも越えるものです。現代の異様な解決法は新しい何かを表しており、我々の時代の象徴になると思っています。
 記録しがいのある(暴きがいのある)現実が1つの実体のみで構成されているとは思いません。むしろ、現実とは、その解釈によって決まる、解釈の余地があるものだと信じています。つまり、私は、どのように現実が解釈できるか、解釈されているのか、その可能性とそれを構成するものに興味があるのです。
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1 コメント

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小出さんのコメント (AS)
2011-04-22 07:15:20
CMLに出ていた小出さんのコメント(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/009039.html)。

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/009039.html

そして、小出先生のお話、1号機の再臨界のこと、クロル38を根拠にしていたのですが、毎日新聞に、東電はクロル38の検出を間違いと発表し、再臨界の可能性が低くなったということです。ちょっと、ほっしたということです。放射性物質の放出は、しかし、これで少なくなるのではない、今までと同じで、事態は好転していない、困難山積みなのです。手詰まりで、原子炉を冷やすのに水を入れる、入れたら溢れて汚染水がたまり、水を漏らすトレンチに入り海に漏れる、タンクに移すのに20何日もかかり、大変な作業が待っているのです。再臨界なしでも、安心できないのです。

 クロル38のこと、半減期の短い物質の過大評価と東電は言っていますが、ばかげた説明である、ゲルマニウム半導体でガンマー線を計っている、どの核種がどれだけあるか分かり、クロル38のことは分かるのに、生のデータを見たらすぐ分かるのに、今間違いというのか不思議と言うことなのです。専門家には簡単なことなのです。スペクトルを見せてもらったらすぐに分かるのに、20日以上スペクトルを出してない、本当かうそが分からないのです。

 分析・再評価は本当のデータを専門家が検討しないと、本当かどうかは分からない、東電が勝手に解釈して間違いを発表するのを止めて欲しいのです。みんなにデータ開示をして、再臨界で世界中が驚いたのです。東電は正確なデータを出して欲しいのです。
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