Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●東電原発人災「事故収束」=廃炉: 最初の一歩ではあるが、とてつもなく遠く、とてつもなく危険な道のり

2013年12月07日 00時00分05秒 | Weblog


東京新聞の記事【容器落下リスク 1秒に1センチつり上げ 福島第一4号機 綱渡り作業開始】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013111902000121.htmlとコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013111902000123.html。asahi.comの記事【(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)震災前から傷ついていた核燃料】(http://www.asahi.com/articles/TKY201311210279.html)。

 いまようやく未使用の燃料棒の取り出しの第1回が終わり、次の使用済み核燃料の取り出しは、さらに危険で、一歩間違えば、人は全く近づけなくなる。そこも第1回目を何とかクリアした。ホントに何とか無事に終わった。しかし、マスコミは、何か最初の第一段階が終わったかのような伝え方であるが、小さな小さな第一歩に過ぎない。この先、4号炉内の破損した可能性のある燃料棒、さらに、それ以上に困難な、どこに溶け落ちているのかさえ分からない1~3号炉の核燃料・・・・・・。気の遠くなるような長い長い道のりで、かつ、猛烈に危険な作業を完璧に、一つのミスもなく熟さなければならない。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013111902000121.html

容器落下リスク 1秒に1センチつり上げ 福島第一4号機 綱渡り作業開始
2013年11月19日 朝刊

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(※ブログ主注: 図面「福島第一原発廃炉に向けた現在の位置」の概要は以下の通り)

   【事故収束=廃炉】
       ↑
  ◆建屋の解体                               
       ↑
  ◆1~3号機の溶融核燃料取り出し                 【最難関
       ↑
  ◆格納容器を修復して水張り                         【最難関
       ↑
  ◆1~3号機プールから核燃料取出し        【ほとんど白紙】
       ↑
  ◆4号機プールから核燃料取り出し          【現在】
       ↑
  ◆原子炉を安定して冷却
       ↑
    事故発生                
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 東京電力は十八日、福島第一原発4号機の原子炉建屋上部のプールで未使用の核燃料四体を取り出し、輸送容器に移す作業を終えた。十九日に十八体を移した後、地上の貯蔵施設に移す。プールには千五百三十三体の核燃料があり、使用済み核燃料は完全に冷えていない。容器が落下して核燃料を損傷させると、外部に放射性物質を放出させる危険性もある。細心の注意が必要な作業が、今後一年余りにわたって続く。

 この日の作業は、原子炉建屋五階に運ばれた輸送容器のふたを開け、プールに沈めることからスタート。午後三時すぎから、未使用の核燃料を収納枠から引き抜き、容器に移した。約四・五メートルある核燃料を損傷させないよう、一秒間に一センチ程度の速度で慎重につり上げた。水素爆発で落下したがれきはプールからほぼ除去されたが、細かい破片が核燃料と収納用の枠の間に挟まり、核燃料が抜けなくなる懸念もある。十八日の作業は順調に進み、核燃料四体の移し替えは午後七時前、無事に終わった。

 輸送容器は二十二体を収容でき、十九日に十八体を詰め、その後、クレーンで約三十メートル下の地上に下ろし、専用トレーラーで約百メートル離れた共用プール建屋に移す。作業手順や方法を確認し、改善点を検証した後、次の取り出しに取りかかる。

 今後、同様の作業を約七十回繰り返すが全ての核燃料がスムーズに抜けるとは限らない。途中で動かなくなった場合、ひとまずワイヤで固定するが、その後の対応は未定。容器を地上に下ろすクレーンは、停電しても容器をつかむフックが開かない設計で、つり下げるワイヤも二重になっているが、長期作業では想定外の事態が起きる可能性がある。

 4号機から核燃料がなくなっても、1~3号機のプールには千五百体以上の核燃料が残り、炉内には溶融した核燃料がそのまま残っている。これらの取り出しを終えないと、事故収束とは言えない。廃炉工程全体でみれば、入り口に差しかかったにすぎない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013111902000123.html

【コラム】
筆洗
2013年11月19日

 英語のサスペンスの元来の意味は宙につるされた状態のことをいう。高くつるされた不安と恐怖。落ちたらどうなってしまうのか▼イブ・モンタン主演の映画「恐怖の報酬」(フランス・一九五三年)はサスペンス映画の傑作の一つに数えられる。大金で雇われた男たちは数百キロ先の油田まで大量のニトログリセリンをトラックで運ばなければならない。もしニトロに少しでも衝撃を加えれば爆発する。狭い山道、落石。死と隣り合わせの恐怖と緊張が続く▼それ以上に最悪の「サスペンス」を、日本人は見させられている。次から次へと登場人物を苦しめるアンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督も思いつかない設定だ。しかも現実である。東京電力は福島第一原発4号機の使用済みプール内の核燃料を取り出す作業を始めた▼クレーンの二重ワイヤで核燃料を一本ずつ、慎重につり上げて輸送容器に移し替える。プール内には細かいがれきも残っているという▼核燃料が何かに引っ掛かって落下しないか。もし、損傷したらどうなるのか。考えたくもない。「つるされた状態」のサスペンスを祈りながら見守るしかない▼「これは運搬に対する報酬ではない。恐怖への報酬なのだ」-。映画にこんなせりふがあった。ニトロを運ぶ男たちは恐怖の報酬を支払われる側だが、日本国民は恐怖を感じるだけでもちろん報酬はない。
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http://www.asahi.com/articles/TKY201311210279.html

(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)震災前から傷ついていた核燃料
2013年11月22日09時24分

■プールからの燃料取り出しが開始

 こんにちは。もんじゅ君です。いよいよ18日からふくいち君での使用済み燃料取り出しがはじまったね。

 ふくいち君4号機の燃料プールには、ちかづくだけで死んでしまうほどの放射線を出す使用済み核燃料が1331体、新品の核燃料が202体も入っているの。ぜんぶで1533体と、ふくいち君の各原子炉建屋のなかでいちばんたくさん置いてあるんだ。


■傷ついた使用済み燃料はもっと危険

 量は多いけれど、1~3号機の原子炉からの燃料取り出しがどうやっていいかさえわからない状況なのにくらべて、こちらはまだ手順をふめば作業にとりかかることができるから、まずは4号機の燃料プールからはじまったんだね。

 そうはいってもなかには変形しているものが3体あって、もしかするとつよい放射線が出るようなおそれもあるから、そういうものはべつの手順で作業していくんだよ。


■じつは震災前から破損していた燃料が

 びっくりなのは、この11月15日にわかった「じつは震災のずっとまえから燃料が破損していた」というニュース。

 1号機には292体の使用済み核燃料があるんだけれど、そのうち4分の1にもあたる70体が、まえまえから傷ついていたそうなの。細かな穴があいて放射性物質が漏れ出すなどのトラブルがあったんだって。

 これ、もし震災前にひろく知られていたらきっと大騒ぎだったと思うんだ。どうしていまになって出てくるのか……、ほかにもあとからいろんなバッドニュースが出てくるんじゃないかと心配になっちゃうね。

■この冬から、風力も電力供給力に算入へ

 ところで、今週の再生可能エネルギーのニュースは、風力電力が冬場の電力供給力に算入される、というおはなし。

 よく、夏や冬の電力がたくさん必要な時期になると、「予備率は○%(=電気の供給のよゆうは○%ほどあるよ)」という言葉を耳にするでしょ。その計算をするときの分母にあたる供給量に、これからは風力発電も加算されることになったんだ。


■補欠あつかいからスタメンへ

 これまでは「風力は安定してないから」という理由ではずされてきたんだけど、発電量も増えてきたし、政府としても「再生可能エネルギーをのばしていくぞ」という方針だから、それにあわせてカウントすることになったんだよ。これまで補欠あつかいされてきたのが、なんとかスタメン入り、って感じだね。

 とはいっても最初のうちは数字をかために読んで、去年の風力による発電実績の1割である10万キロワットほどだけを供給力に足し上げるそうなの。

 各地にあたらしい風車も建てられているし、供給実績も伸びていけば、じょじょに存在感も増していくんだろうね。
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