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●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会

2011年02月13日 09時23分25秒 | Weblog

『きっこのブログ』の2月7日の記事「「見ちゃう派」と「見ない派」」(http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2011/02/post-73c9.html)では、他人の携帯を無断で覗き読むかどうかにからめて、グリーンピース・ジャパン(GPJ)のクジラ肉裁判の件が語られています。GPJ職員の行為が違法であったとしても、まだしもクジラ肉横領者も有罪であったならば、職員たちも納得がいくだろうという趣旨。賛成。

 ただし、実際には、「クジラ肉裁判」でGPJ側は地裁で敗訴している(『創』2010年11月号)。面白いことに、森裕子森ゆうこ)議員が指摘するように審査員を恣意的に選出してまで(くじ引きソフト不正など)、小沢氏の件ではあれほど検察審査会が〝熱意〟ある活躍をしているのに、一方で、クジラ肉横領事件を東京地検はあっさりと捜査を打ち切り、おまけに、検察審査会も「おとがめなし」の極あっさりした結論を出している(『創』2011年1月号森達也さん)。検察審査会の運営が非常に恣意的、不平等、正義にもとる。森さんは、尖閣映像流出問題と対照的な事件として、日本の状況のある種の危険性について、私事に矮小化されてしまった「西山太吉記者の密約暴露」に加えて、「クジラ肉裁判」を取り上げてもいる。

 
星川淳さんの『創』文章を再度引用させてもらいます。
 
志布志事件と云う冤罪事件・捏造事件にも若干の関わりがある点が興味深い。小沢氏の件も、村木事件という大冤罪事件・大捏造事件に関係していますし。
 
GPJ職員に「形式上の罪を問うとしても過重な懲罰を与えてはならない」ことは当然としても、クジラ肉横領者を無罪放免にすることには非常に大きな問題があります。

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 星川淳さん、「[グリーンピース裁判]特別寄稿/「クジラ肉裁判」判決間近/税金ドロボーはどっちだ!?」(pp.122-127)。「・・・若い検察官(・・・志布志事件の担当・・・)は「NPOの分際で捜査機関さえ令状がなければできないことをやったのは絶対に許せない!」と啖呵を切った。私は〝正義の番人〟のはずの検察官が民主主義の真逆を口にする司法教育の崩壊ぶりに驚き呆れ、心の中で徹底抗戦を誓った」。「・・・青森地裁、仙台高裁、最高裁の全てが証拠開示の必要なしと判断した。原告側・弁護側が対等に争う条件である証拠の全面開示なしに、どうして公正・公平な裁判が可能だろう? 国策扱いの調査捕鯨を国家ぐるみで必死に守ろうとする姿勢は戦前・戦中を思わせる」。「・・・国際人権(自由権)規約に基づき、おおよそ次のように立論する。民主社会において一般市民やジャーナリストやNGO職員が公共の利益のために政府などの不正を明らかにしようとする際、やむを得ず法律の枠を踏み越えた場合は、その行為によって得られた公共の利益と、失われた法益とを秤にかけ、前者の方が大きければ許容(違法性阻却)されるべきだし、かりに形式上の罪を問うとしても過重な懲罰を与えてはならない。なぜなら、不均衡で過重な懲罰は市民による政府監視を委縮させるからだ、と―――。・・・西山事件や立川・葛飾ビラ入れ事件などについても同様なことがいえる」。
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