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●「しなやかな反骨」をテーマに東京新聞のシリーズ対談: 城南信金顧問・吉原毅さん×元文科次官・前川喜平さん

2019年08月07日 00時00分51秒 | Weblog


城南信金顧問・吉原毅さん×元文科次官・前川喜平さんによる、東京新聞のシリーズ対談4回。
【<親友対談 しなやかな反骨>(1) 城南信金顧問・吉原毅さん×元文科次官・前川喜平さん】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019073002000118.html)、
【<親友対談 しなやかな反骨>(2) 元文科次官・前川喜平さん×城南信金顧問・吉原毅さん】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019073102000144.html)、
【<親友対談 しなやかな反骨>(3) 元文科次官・前川喜平さん×城南信金顧問・吉原毅さん】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019080102000124.html)、
【<親友対談 しなやかな反骨>(4) 元文科次官・前川喜平さん×城南信金顧問・吉原毅さん】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019080202000128.html)。

 《二人は麻布中・高校(東京)の同級生で、ともにラグビー部で汗を流した親友だ。強い者に負けない志の根っこはどこにあるのか。「しなやかな反骨」をテーマに存分に語り合ってもらった》。
 《どんな組織が好ましいのか。元文部科学次官の前川喜平さんと城南信金顧問の吉原毅(よしわらつよし)さんの対談は「理想の組織」論に入った》。
 《個人と対立しがちな組織の論理。その中で人はどう生きたらいいのか。対談は佳境に入っていく》。
 《二人は、麻布中学・高校の同級生で、ともにラグビー部で過ごした仲間。「しなやかな反骨」の根っこは「麻布のDNA」だ》。

 小泉純一郎氏を持ち上げすぎな点が気に入りませんが、城南信金顧問・吉原毅さんと元文科次官・前川喜平さんの楽しい対談。

 反核発電、反アベ様等々、ぶれないお二人の《面従腹背》な《反骨》。

   『●マガイ物ではないモノもある ~城南信金~
   『●財界の総理大臣はもはや大企業の単なる代弁者
   『●経団連は原発推進・復活の第4案を希望?
   『●脱原発は可能: ビジョンある金融機関(城南信金)のトップもいる
   『●城南信金の吉原毅理事長が退任・・・
      脱原発という、「理事長交代後も考え方は引き継がれ」て欲しい
   『●警察や消費者庁の沈黙…「商取引の原則」を無視して、 
            なぜ核発電料金を支払わなければならないのか?
   『●「原子力ムラの言いなり」原子力「寄生」委員会の救い様の無さと、
                        アベ様の「危険な丸投げ・無責任体制」
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                 人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●中西宏明経団連会長《再稼働が進まない要因を、 
      原発と原爆を同一視する地域住民の理解不足と決めつけ》?
   『●核発電「麻薬」中毒患者・中西宏明経団連会長自ら、
        ニッポンは《民主国家ではない》ことを立証して見せた

   『●偶然は通用しない、アベ様のオトモダチ獣医学部開設…
      前川喜平さん「規制緩和ではない。特権の付与です」
   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
       《病的な嘘つき》アベ様…前川喜平氏の人間性と彼我の差
   『●前川喜平前文科次官、「本来、できてはいけないものが
             完成した。見たくないものを見たという感じだ」
   『●前川喜平さん授業…検閲と恫喝、《意に沿わない人物は潰す――。
                       …安倍政権のやり口は、まさに恐怖政治》
   『●隗より始めよ: 「この国をガタガタにし、
      支持率3割は取れる」高プロとして、「自分らができてから…」
   『●霞が関: 「佐川になるな前川になれ」…
      《佐川のような官僚ばかりだったら絶望するしかないだろう》
    「日刊ゲンダイの佐高信さんによる書評【週末オススメ本ミシュラン/
     「面従腹背前川喜平著/毎日新聞出版】…。《落語家の立川談四楼が
     ツイッターで、いま霞が関では<佐川(宣寿前国税庁長官)になるな
     前川になれ>が合言葉になっているとつぶやいたらしい。
     もちろん皮肉である。/…佐川のような官僚ばかりだったら
     絶望するしかないだろう》」

   『●〝前川喜平になるな佐川宣寿になれ〟!?
       「官邸べったり」藤原誠官房長の文科事務次官への昇格人事

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019073002000118.html

<親友対談 しなやかな反骨>(1) 城南信金顧問・吉原毅さん×元文科次官・前川喜平さん
2019年7月30日 朝刊

 加計学園の大学獣医学部設立認可をめぐり「行政がゆがめられた」と証言した元文部科学次官の前川喜平さん(64)と、経営トップでありながら脱原発の旗を掲げた城南信用金庫顧問の吉原毅(よしわらつよし)さん(64)。二人は麻布中・高校(東京)の同級生で、ともにラグビー部で汗を流した親友だ。強い者に負けない志の根っこはどこにあるのか。「しなやかな反骨」をテーマに存分に語り合ってもらった。 (四回シリーズでお伝えします)

吉原 文科省の課長当時、「奇兵隊、前へ!」というブログがあったよね。官僚なのにこんなこと書いていいのって思いました。

前川 確かに突出した行動ではあった。二〇〇五~〇六年ごろかな、小泉純一郎内閣の看板政策の三位一体の改革で、国から地方に税源移譲し、地方の財政の自主性を高めるという話になった。そのために国から地方への補助・負担金を減らす。そこで三兆円ある義務教育費国庫負担金がなくなりそうになった。それでは子供たちが困ると思って、反対だと言って回ったんです。地方の財政力にかかわらず、教育の機会均等を保障するためのお金です。

吉原 ブログは一般の方も見られるものですし、勇気がいりますよね。

前川 月刊誌に名前を出して書いたりしましたしね。はっきり言ってクビが飛んでもいいと思いました。

吉原 組織の上の方が白旗揚げて、ほかの人は静観する中で孤軍奮闘して…。

前川 いや、孤軍でもないのよ。課長仲間や下の連中は、すごく応援していた。素晴らしい改革のように見せようとしていたけど、小泉純一郎内閣の目玉として総務省が作り上げた話。地方公共団体はだまされたと言ってもいい。だから文科省と総務省とでドンパチやってたんです。

吉原 文科省の当時の上司の了解は? 

前川 上司の初等中等教育局長は、青年将校みたいなのが暴れるのを黙認していたって感じ。次官や官房長は、ほとんど白旗を揚げてました。次官のところに行ったら「この制度は廃止でしょうがないだろう」って。負け戦と思っている人もいるし、ぎりぎりまで頑張ろうという人もいた。最後の最後、助けてくれたのは与謝野馨さん(当時、自民党政調会長)。文科省の土俵で議論させてやるって、仕切ってくれた。
 その代わり中央教育審議会に、総務官僚が握っている知事・市長・町村会推薦の首長が三人入った。われわれも三人の首長に一本釣りで来てもらった。その一人が当時の鳥取県知事の片山善博さん。三位一体改革の本質を見抜いてるから、良い意見を言ってくださった。
 そのときにカウンターパートで、当時の総務省の自治財政局調整課長だったのが務台(むたい)俊介さん(現衆院議員)。中教審の会議の後、道端である女性の委員をつかまえて、いかに文科省が間違っているかと言ってるわけですよ。僕も入っていって、そうじゃないんですよと言ったら「前川さん、そんなこと言ってたらクビが飛ぶよ」と。それでブログに「クビが飛んでも構わない」と書いた。そのくらいの気持ちでした。結局、制度は守るが、負担率を二分の一から三分の一に下げることで決着をみた。

吉原 なんで文科省(旧文部省)に入ったの? 使命感を持って入ったと思うけど、誰の影響なんですか。

前川 人間の精神的な活動を広げていくっていうか、人の心の豊かさを大きくしていくっていうか。

吉原 人間教育とか、人間の魂とか、子供たちを育てたいっていう気持ちの人は文科省に入る。

前川 そういう人が多い。僕の場合はやりたい仕事のところに配置してもらえたけど、そんなに幸せでもないのよ。初等中等教育の仕事は確かにさせてもらえてよかったんだけど、それ以外の仕事も多くて。

吉原 もちろんそうでしょうね。

前川 多かったのは、政治家相手の仕事。秘書官で与謝野(馨)さんみたいな大臣と一緒に仕事をするのは楽しかったけど、理不尽なことで怒り狂っている政治家のところに行ってなだめるとか、何で怒っているか分からないけどとにかく謝るとか、そんなことばっかりやってました。国会の委員会で野党から追及されるよりも自民党の部会で攻撃されるほうがしんどいですよ。本当に言いたい放題言われますからね。

吉原 組織の中で仕事をする中で、自分が情熱をかけている初等教育、中等教育の話とは別のものがいっぱいある。それでもう嫌だという人もいるけど、本当にやりたいことがあるから頑張って、初志を貫くと。

前川 それはあるよね。義務教育費の時は、案外楽しかった。だけど防衛戦ですからね、仕掛けられた闘いをやってる感じ。その中で思ったのは、この機会に制度を見直して良い制度にすること。三位一体の改革は、義務教育費国庫負担制度(*)を良い方向に、地方の自由度を高める方向に変えるきっかけになった。外圧が改革のきっかけになることはありますよね。

吉原 厳しい状況の中で、上は支持しない、あるいは上はもう闘いを放棄してるところで、上がどうであろうとみんなの思いを結集して情熱と信念を持って、組織をまとめて。言われて動く組織じゃなくて自分が組織を組織化し、みんなのチームをつくり理想を実現していく。それをやった人だったってことです。なかなか組織人として難しいことだと思うんです。言われたことやってないと干されるし、クビにされるぞと脅かされるわけだし、その中で頑張る人って、なかなかいないと思います。

前川 安倍政権では(官僚は)なかなか言えない。小泉政権は思いっきり議論ができる政権だった。最後は小泉さんの鶴の一声で決まるけれども、そこに至るまでの間に思いっきり言いたい放題言える。僕も一見、三位一体改革という看板政策にたてついてるとんでもないヤツなんだけど。

吉原 当時は、組織が生きていた。今は全然違って、政府の上から言われたことを全部やらないとダメっていう絶対服従みたいなことをやる。小泉さんは、僕も付き合いあるから言うけども、決めたらドーンとやるけども、その前に必ず意見を言わせるんですよ。
 僕がびっくりしたのは、今原発反対をやってるんだけども、小泉先生は違う意見を聞くんですよ。僕らなんかが「あんなの頭きちゃいますよね」って言うと、そんなことない、民主主義なんだからいろんな意見があっていい、違う意見があってはじめて民主主義ってのは成り立つんだと。懐がでかいなと思ったんです。たぶん小泉政権は「万機公論に決す」で、最後は政治決着だというところがあった。今はいきなり結論ありきで、とにかく黙って従えと。この度量の狭さは、政府だけじゃなくて、現代社会に、いろんな企業も含めて組織体の共通の社会病理みたいになっている。これについてはどうですか。

前川 安倍政権的な組織体質が、日本中に広がっちゃってるんじゃないかっていう気はしてるよね。

吉原 力で勝負とか、問答無用とかね。言論しない、言論に重きを置かないでいきなり結論がある。別に安倍さんの悪口を言ってるわけじゃなくて、世の中全体がそうなってるのはどうしてだろう。不思議です。

前川 僕は安倍さんの悪口言ってるんだけど。

吉原 この場ではあんまり言わないほうがいいんじゃないか(笑)。

前川 やっぱり、そういう忖度(そんたく)が蔓延(まんえん)してますよ。


 * 教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、小・中学校など義務教育の学校の教職員給与の3分の1を国が負担する制度。以前は2分の1負担だった。

<まえかわ・きへい> 1955年、奈良県生まれ。東京大卒。79年、旧文部省(現文部科学省)に入り大臣秘書官、官房長、初等中等教育局長などを経て、2016年、文部科学次官。天下りあっせん問題の責任を取って退官後、夜間中学スタッフ、大学講師などとして活動。著書に「面従腹背」、共著に「これからの日本、これからの教育」など。

<よしわら・つよし> 1955年、東京都生まれ。慶応大卒。77年、城南信金に入り、企画部、副理事長などを経て2010年、理事長。15年、顧問。17年から麻布学園理事長。東日本大震災後、同信金の脱原発宣言を主導。小泉純一郎元首相らと活動を続ける。著書に「幸せになる金融」「原発ゼロで日本経済は再生する」など。

(対談は六月二十六日、東京都千代田区の東京新聞で行われた)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019073102000144.html

<親友対談 しなやかな反骨>(2) 元文科次官・前川喜平さん×城南信金顧問・吉原毅さん
2019年7月31日 朝刊

     (理想的な組織のあり方などについて意見を交わす吉原毅さん(左)と
       前川喜平さん=東京都千代田区の東京新聞で)

 どんな組織が好ましいのか。元文部科学次官の前川喜平さんと城南信金顧問の吉原毅(よしわらつよし)さんの対談は「理想の組織」論に入った。

吉原 今の政府の人たちが心配です。安倍(晋三)さんが絶対的な権限を持っていて、総理が言えば何でも通っちゃう。でも安倍さんが逆の立場になると、自分が徹底的にやられるわけです。そういう組織は、非常に不安定です。「正しい」「間違っている」よりも力を取ったら勝ち。それで本当にいいのかと。

前川 多様性が失われている。いろんな意見があっていいんだ、存念を述べよ、みたいなところがなくなってきて。

吉原 それに対して前川さんは警鐘を鳴らしている。正しいことは正しい、あるものをなかったとは言えないと言う。素朴な言い方だけど、勇気がある人だと思って喝采しました。

前川 意を決して告発したなんていうことじゃなかったんだけどね。この文書を見たことありますかって言うから、ありますよって。加計学園問題(*1)に関しては、内部文書を表に出した職員が、今も文科省に複数人いるわけです。彼らの方がずっと僕より勇気がありますよ。

吉原 世界中が上意下達の方向に行っている気がします。時代なんですかね。

前川 国際政治も一国主義がはびこっている、リーダーが強い力を持って。プーチン(*2)だ習近平(しゅうきんぺい)(*3)だ、トランプ(*4)だ、エルドアン(*5)だと。城南信金の「クーデター」の話をしてよ。

吉原 会社も政府も一つの政治システムだと思うんです。目的は定款に書かれている。憲法みたいなものです。人々を幸せにしたいなどと書いてあり、金もうけが目的ではない。それが外国資本が増えて、成果主義とトップダウンの傾向が強まった。新自由主義です。でも、成果主義で人を人と思わずに多様性を否定すると、組織は生きない。(よい企業は)相互コミュニケーションが利いている。自由な言論があって、英知を集めて最善の道を探る。
 フラットな分権型にするのは、経営学の世界では主流になった。ところが、いまだに威張り散らして、間違った考え方を押しつける人たちが上にいる。
 これでは力を結集できないし、お客さまにちゃんとサービスを提供できない。だったらトップに代わってもらうしかないよねと。給料は保証するから権力からは外れて、という極めて穏当な「クーデター」でした。

前川 城南信金の新理事長となった吉原さんは、自らの給料を支店長平均より低い千二百万円に下げた。

吉原 千二百万円でも随分いただいていますけど。世の中がおかしくなったのは、大会社の社長がめちゃくちゃな報酬を取るようになってから。国会議員もお金をいっぱいもらうようになってから劣化した。
 小原鐡五郎(てつごろう)(*6)という、信用金庫法を作って業界を率いてきたリーダーに数年間お仕えした。その方が「吉原くん、お金は麻薬だ。持っていると人間は身を持ち崩す。適正なお金を使うことが大事。それをお勧めして、指導するのが信用金庫の仕事だ。貸すも親切、貸さぬも親切」と言った。身を持ち崩さないようにお金を使うのが大事。

前川 すごいよね。お金を扱う仕事の中にいて、お金に溺れないという哲学を持つのが。そういう話、小泉さん(純一郎元首相)とはするの?

吉原 小泉さんもお金にこだわらない清廉潔白で純粋な人ですよ。自民党って自由に民主的に話ができた政党で、けんかしたり仲良くしたりして、個性あふれる先生方が自由闊達(かったつ)に議論していた。今や一枚岩でどうしちゃったのと。

前川 首相問責決議案への三原じゅん子さん(参院議員)の反対討論を聞くと、ひと言彼女が話すたび、与党席から「そうだ!」と。

吉原 もはや自民党は、全体主義政党になってしまった。悲しい。自民党ファンとしては(かつての自民党が)復活してほしい。

前川 国民政党と言えたのは多様性があったから。宇都宮徳馬(*7)、野中広務(*8)のような人もいた。派閥は政策集団でもあったからカラーが違った。その多様性が消え、本当の保守主義でなくなった。

吉原 小泉先生は一生懸命に原発反対運動をしているけど、私は自民党です、と必ず言うんです。党の多様性を復活させようと努力している。いろんな意見を取り入れる幅広さがないと、政治も経営も社会も閉塞(へいそく)する。最大の懸念です。

前川 霞が関も全体主義になった。もともと「司(つかさ)」という言葉があって、それぞれの分野については自信と誇りと責任感を持ってやっていた。その司の責任感や独立性がほとんど失われ、官邸が肥大化して、官邸官僚といわれる人たちが総理や官房長官をガチッと固めてしまった。どの分野の政策も官邸が決めている。

吉原 現場には五感を通じて情報が集まってくるが、中央には数字のみ。数字じゃ骨しか入らない。血や肉や魂になる情報は入ってこない。でも上はアメとムチで脅かす。「良い暮らしをしたいだろう。良い地位につきたいだろう。従わないヤツは全部クビだ」と。これでは、うまくいくわけがない。危機感を覚えます。


<親友対談 しなやかな反骨>(1)

*1 安倍晋三首相の長年の友人が経営する学校法人「加計学園」が、獣医学部を新設する国家戦略特区の事業者に唯一選ばれた際、「首相案件」として官邸側が特別の便宜を図ったのではないかとされた疑惑。

*2 ロシア大統領。

*3 中国国家主席。

*4 米大統領。

*5 トルコ大統領。

*6 城南信金元理事長。元全国信用金庫協会長。1899~1989年。

*7 元衆院・参院議員。月刊誌「軍縮問題資料」創刊者。1906~2000年。

*8 元衆院議員。官房長官、自民党幹事長などを歴任。戦争反対を訴えた。1925~2018年。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019080102000124.html

<親友対談 しなやかな反骨>(3) 元文科次官・前川喜平さん×城南信金顧問・吉原毅さん
2019年8月1日 朝刊

     (「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」創設の記者会見をする
      吉原毅さん(左)と元首相の小泉純一郎さん=東京都品川区で)

 個人と対立しがちな組織の論理。その中で人はどう生きたらいいのか。対談は佳境に入っていく。

吉原 しょうがないから歯車になるという選択肢もあるかもしれないが、それでは面白くない。前川さんも歯車のふりをしながら、変えなきゃという思いも持っていたわけでしょ。

前川 ヨットは逆風でも前に進む。役人の立場から言うと、風に相当するのが政治の力。政治の力が正面から吹いている時、かいくぐりながら前に進む。
 沖縄・八重山の教科書採択問題がそうでした。中学の公民の教科書の採択で石垣市、与那国町、竹富町の三自治体の教育委員会が、同じ教科書を共同採択しないといけない縛りがあったが、意見が割れた。石垣市と与那国町が育鵬社、竹富町は東京書籍。東京書籍は基地問題の記述が充実し、育鵬社は領土問題をちゃんと書いていた。その時、担当の初等中等局長だった僕は無理やりは良くないと思うが、やれと言われて、竹富町に育鵬社の教科書を採択するよう地方自治法に基づく是正要求をした。面従腹背の腹背の部分では無理筋と思っていました。
 ちょうどそのころ教科書無償措置法改正案を作り、そこに共同採択地区を分けることができる仕組みを忍ばせたんです。沖縄県と竹富町の教育長とは裏で話して、法案が通ったら独立の採択地区にできるから踏ん張ってくださいと。県の教育長は半年粘った。二〇一四年に法律が通って、円満に採択地区から分離して採択できるようになった。

吉原 素晴らしいですね。そういう話聞くと、ちゃんとした考えの人が組織のあちこちにいることで、組織が正しい方向でできると思う。トップダウン組織は、トップが狂うと暴走する。自立分散型ネットワーク型組織がいい。それぞれが考えて連携しながらやっていけば、穏当で最適で正しい解決方法につながる。考えてくれる人を大事にするのが良い組織です。

前川 それぞれの組織の中のポジションに、一定の自由度や裁量はある。それぞれの頭で考えれば、組織もうまく回っていく。

     (加計学園問題をめぐり記者会見する前川喜平さん。
      「あったものをなかったことにできない」と証言した=東京・霞が関で)

吉原 みんなが考えていく組織、そういう組織人にならないと。面白くないから辞表を突きつけて辞めちゃうというのは、一見かっこいいようだけど負け。なんとか踏みとどまって、正しい組織運営のために努力しなきゃ。前川さんの言っている面従腹背が正しい組織人としてのあり方だ。

前川 そうだけど、かなり面従ばっかりしていた気もしますよ。今はメディアがねえ。東京新聞は何でも言える社風があるようだけれど、メディアが歯切れ悪くなり、権力に忖度(そんたく)する状況が出てくれば、国全体がおかしくなってしまう。

吉原 うちの会社は五権分立でやっている。台湾は五権分立。司法・立法・行政の三権分立だけでは、バランスを保てない。行政に当たる執行、国会に当たる取締役会あるいは株主総会、それらを統合する内部管理がある。さらに人事権を独立させ、外部監査を付けて監査役が監視する。この五権をしっかりやれば、均衡ある組織運営ができる。

前川 日本国憲法の中にも会計検査院という独立の組織がある。憲法上の組織ではないが、人事院もある。この会計検査院と人事院の地位が低下している。

吉原 国会が組織を作ればいい。例えば原発事故の時の事故調査委員会。政府から独立した指揮命令系統で動かすことで、議論の余地を作ることが大切です。

前川 六年半かけて、中央省庁の幹部を官邸の言うことを聞く人間ばっかりにしたから、下のレベルまで忖度感情の分厚い層ができちゃっている。それをちゃんと自分で考える人間に入れ替えていくのは、かなり時間がかかると思います。

吉原 ところで道徳の復権が叫ばれていますけど、道徳教育を押しつけちゃダメだと前川さんは言う。じゃあどうしたらいいのか。

前川 基本は自分の命を大切にすること、自分らしい生き方を大切にする自主性を持つこと。自分が大切だと思わなければ、人を大切に思わない。今の道徳教育が目指すのは滅私奉公で、自分を犠牲にしなさい、自分を抑えて全体の役に立つ人間になれという方向性を持っているが、危ない。全体のために抑圧された人間は、今度はより弱い人間を抑圧する連鎖が起こる。昔の軍隊みたいに。
 今の道徳教育をやっていくと、若い人はむしろ逃避する方向に行くと思う。ここ数年、実は不登校が増えている。どうやら学校が息苦しい場所に戻ってしまっている。いったん校則が緩まったけど、また厳しくなった。改正教育基本法第六条に「規律を重んじる」って条項が入って、後押しになった。規律を守れ、自分を抑えて全体に奉仕せよという、上からの道徳です。

吉原 権力を握っている人の了見が狭いって言うか。なんとかしなくちゃって思い、品川区(東京)と一緒にこども食堂を開いた。

前川 こども食堂とか夜間中学に出入りしていると、地域の力って捨てたもんじゃないと思います。お金にならないけど、それを喜んでやっている。労力で協力する人もいれば、お金で協力する人もいる。品川区のこども食堂は、ふるさと納税を使って支援している。返礼品じゃなくて、子供たちの喜びがお返しです。

連載<親友対談 しなやかな反骨>(1)前川さん「三位一体改革に反対 クビ飛んでもいい」 吉原さん「官僚なのにこんなブログ書いていいの」 
連載<親友対談 しなやかな反骨>(2)吉原さん「多様性が組織生かす」 前川さん「いろんな意見大切」
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019080202000128.html

<親友対談 しなやかな反骨>(4) 元文科次官・前川喜平さん×城南信金顧問・吉原毅さん
2019年8月2日 朝刊

     (若き前川喜平さん(右)と吉原毅さん(左)。英国駐在中の前川さんを
      吉原さんがビジネススクールの卒業旅行で訪ねた=吉原さん提供)

 二人は、麻布中学・高校の同級生で、ともにラグビー部で過ごした仲間。「しなやかな反骨」の根っこは「麻布のDNA」だ。

前川 僕は奈良の田舎の出身。小三で東京に引っ越したけど、東京の子供のリズムについていけず、不登校になった。六年になったころ急に親が麻布中学を受験してみたらと言うので、バタバタと勉強した。

吉原 僕は、もともと大田区の蒲田の梅農家です。蒲田は梅の名所で、梅を集めて作ったのが梅屋敷。麻布学園は、城南地区出身が多い。近所の兄ちゃんとかがいて親しみがある。

前川 弁当は休み時間に食べちゃう。売店で毎日、あんパンを買って食べた。中一か中二のころついたあだ名が、あんパンだぬき。

吉原 育ち盛りだからね。購買所のパンで足りなくて外で焼きそばを食べたり、一日五食ぐらい。中三でラグビー部に入った。青春と言えばラグビーという時代。あこがれますよね。

前川 僕は中二から。しばらく部活をせずにボーッとしてましたけど、授業で麻布ボールっていう麻布独自の球技をやって、その発展上にラグビーがあった。

吉原 前川さんとは体格が同じぐらいだったから「君たちはフォワードのロックね」と言われて…。

前川 スクラムの二列目です。プロップというでっかいのが二人、真ん中に足でボールをとるフッカー。その三人のお尻の間から頭を入れて押すのがロック。

吉原 展開するバックスがヒーローで、フォワードは裏方。裏方でも前の三人がかっこいいけど、後ろになると全然目立たない。

前川 勝った記憶がほとんどない。ラグビー部をつくって最初の練習試合に選んでくれた学校には勝った。

吉原 前川さんは寡黙なイメージ。テレビで見て、こんなにしゃべるのかと思った。当時は深い言葉をぼそっと言うような感じで。

前川 少しずつ外交的になってきた。中学、高校はおとなしい少年だった。

吉原 前川さんはいつも体操服。男子校って、バンカラでオッケー。共学校だと女性を意識するけど、みんなバンカラで気楽だった。

前川 吉原さんは紅顔の美少年。もう一人吉原がいてきれいな吉原と、そうでない吉原と言われていた。

吉原 「ラグビーは男のスポーツ」、この一言でなかなかやめられなくて。試合では、体格のいい選手が突っ込んでくる。左右を見ると、おまえが守るしかないと目でサインしてくる。しょうがないから、真っ正面で膝から太ももあたりを目がけてタックルする。目をつぶって。止めることはできた。勇気というほどではないけど、自己犠牲。

前川 ラグビーで身に付けたものは、何だろう。負け続けても続ける粘り強さが面従腹背につながっているのかも。麻布中高で過ごした六年は、貴重な時間だったのは間違いない。僕らの時代は紛争の真っ最中。その中で人間形成をしたのは得難い経験だった。

吉原 校長室を友達が占拠したことも。早熟な先輩たちが建国記念日制定の年、反対のデモをしたいという話から紛争になった。建国記念日は戦前回帰の動きだろうとあおって。われわれは遠巻きに見ていた。

前川 僕はノンポリ。今だったらデモに参加しているかもしれないけど。
 高校生のとき、音楽の先生が、きょうは君たちと話し合いたいと言って朗読したのが、宮沢賢治(*1)の「生徒諸君に寄せる」という詩。「本気になって取り組めば、未来が開けてくる」というメッセージをくださった。読むと、未来に向かって生きていこうという気になる。あれは、僕のその後の人生をけっこう決めている。人間には何げない一瞬がものすごく大事なことがある。僕の場合は、音楽の先生の賢治の詩。

吉原 高二の文化祭の時、機動隊が学内に入り、仲間が蹴飛ばされた。次に放水が来る。ここで逃げるわけにはいかない。ラグビー精神ですよ。ワン・フォー・オール。迷ったときは傍観者はだめ。そういうことはラグビーから学んだ。

前川 「いちご白書」(*2)の世界みたい。僕は校庭の端っこでフォークダンスをしていた。女の子と手をつなぐチャンスで。傍観者にもなっていない。
 ぼんやりした夢は、小説家か物理学者。宮沢賢治を読んでいると、宇宙がたくさん作品に出てくる。宇宙を知りたい気持ちと、人間の世界に入っていきたいという気持ち。仏教の本を読んでいたから、仏教を通じて真理に迫りたいとも。国家公務員になりたいなんて全然考えてなかった。

吉原 ラグビー部でもプラトンとか仏教の本を読む友達がいて、いろいろ個性を持っていた。旧制高校ほどデカンショ(*3)してたか分からないけれども。いろんな人たちがいるのが麻布の面白さ。目先の損得を考えるんじゃなくて、理想とか理念とか、そういったものに関心を持ってる人が多かった。最近ラグビー部の友達に会ったら、言うんだ。「麻布は結局、倫理の学校だよな」って。 =おわり

<親友対談 しなやかな反骨>(1)前川さん「三位一体改革に反対 クビ飛んでもいい」 吉原さん「官僚なのにこんなブログ書いていいの」 
<親友対談 しなやかな反骨>(2)吉原さん「多様性が組織生かす」 前川さん「いろんな意見大切」
<親友対談 しなやかな反骨>(3)吉原さん「辞めてしまうのは負け」 前川さん「ヨットは逆風でも進む」

*1 詩人、童話作家。1896~1933年。

*2 米コロンビア大の学生運動を描いた米作家ジェームズ・クネンのノンフィクション。1970年に映画化された。

*3 デカルト、カント、ショーペンハウアーの三人の哲学者の名前を合わせた呼び名。



https://youtu.be/JAzRZSvdWoo
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●衆院原子力問題調査特別委員会設置「助言機関」の助言…核発電「麻薬」中毒患者に聞く耳はあるか?

2017年07月16日 00時00分48秒 | Weblog


東京新聞の宮尾幹成記者の記事【安倍政権の原発再稼働、輸出 「世界の識者は懸念」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201706/CK2017061302000111.html)。

 《衆院原子力問題調査特別委員会が新設した「助言機関」…質疑では、安倍政権が進める再稼働について、事故時の住民避難対策が不十分な点を挙げ「原子力規制委員会がOKすれば再稼働していいと言うが、そんなレトリックはない」と指摘。規制委の新規制基準を「世界最高水準」とする政府の説明を批判

 衆院原子力問題調査特別委員会が新設した「助言機関」の助言について、核発電「麻薬」中毒患者に聞く耳はあるのだろうか? 「「地元」市民「命」より「経済性、経済神話」」を優先、「安全より効率、命より経済」を優先、そう云った「社会通念」で良いのでしょうか? 3.11東京電力核発電所人災の原因も解明されず、問題は何も解決していないのに、再稼働や核発電輸出しようという神経が分からない。かつて、《国会事故調の黒川清元委員長は「あれだけの事故が起きても日本の社会が変わる気配がない。誰も責任を取らない」と指摘》しました。
 せめて、人災により被害にあわれた方々の生活や環境を「原状回復」してみせてからの話だ。《世界の識者は懸念》《世界から日本は一体何をやっているのかと言われる》…当たり前だ。世界に恥をさらし続けている。

   『●再稼働ありきの「世界最高水準の規制基準」という「世界一の無責任」さ
   『●原発再稼働という恥ずべき選択 ~「新基準は世界一」
           「世界最高レベル」ではなく、「世界一の無責任」~

   『●関西電力の「原発再稼働」への言い訳にさせてはいけない
    「原発の稼働が発電コストの低減になるという関電側の主張も退ける
     極めて多数の人々の生存そのものにかかわる権利と、電気代が
     高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない
と、怒りさえ
     にじませているようだ。経済神話の否定である」
    「大飯再稼働、差し止め命じる 生存と電気代、同列許さず
    「また、生存権と電気代のコストを並べて論じること自体が法的には
     許されない
」ことで、原発事故で豊かな国土と国民生活が取り戻せなく
     なることが「国富の喪失」だと指摘。福島事故は「わが国が始まって
     以来、最大の環境汚染」であり、環境問題を原発推進の根拠とする
     主張を「甚だしい筋違い」と断じた」
    「「極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの
     問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には許されない

     として、経済活動よりも生存に関わる人格権を優先した」

   『●関電による執行停止の申し立てを却下:  
     相変わらず「「安全より効率、命より経済」を優先」を関電は主張
   『●普通の社会通念: 「安全性の立証責任は電力会社側にあり…
                   原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害」
    「「地元」市民「命」より「経済性、経済神話」」を優先、
     「安全より効率、命より経済」を優先、そう云った「社会通念」で
     良いのでしょうか? 今回も、大津地裁山本善彦裁判長は、
     「「安全より効率、命より経済」を優先」という関電の主張を退けました。
     《安全性の立証責任は電力会社側にあり現実に起きた東京電力
     福島第一原発事故と被害を目の当たりにした国民の社会通念は、
     原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害を推認させるものになっている》。
     関電の「社会通念」を明確に否定。山本善彦裁判長の
     至極真っ当な判断で、ここまでは期待通りです。問題はここからでしょう。
     大阪高裁で、骨のある裁判官に恵まれるか? 期待薄…

   『●予想されたこととはいえ、大津地裁山本善彦裁判長の
       「国民の命を守る司法からの重いメッセージ」を破棄…

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201706/CK2017061302000111.html

安倍政権の原発再稼働、輸出 「世界の識者は懸念」
2017年6月13日 朝刊

     (衆院の原子力問題調査特別委に出席した
      東大名誉教授の黒川氏(左端)ら=12日午後)

 衆院原子力問題調査特別委員会が新設した「助言機関」が12日、始動した。メンバーの専門家に対する初の参考人質疑で、黒川清会長(東京大名誉教授)は原発の再稼働や海外輸出について「人口が減るにもかかわらず、本当に大丈夫なのかというのが世界の識者の懸念だ」と語った。 (宮尾幹成


 黒川氏は東京電力福島第一原発事故の原因究明に当たった国会の事故調査委員会(二〇一二年解散)で委員長を務めた。

 質疑では、安倍政権が進める再稼働について、事故時の住民避難対策が不十分な点を挙げ「原子力規制委員会がOKすれば再稼働していいと言うが、そんなレトリックはない」と指摘。規制委の新規制基準を「世界最高水準」とする政府の説明を批判した。

 原発を推進する側の官庁から原子力規制委と事務局の原子力規制庁に異動した職員を出身官庁に戻さない「ノーリターン・ルール」についても「いつの間にか(規制庁の)上の方はみんな経済産業省の出身者になってしまった。絶対に戻らないとはとても考えられないと形骸化に懸念を示した。ルールは規制委、規制庁の独立性を保つ狙いで定められた。

 国会に対しては「立法府行政府に任せないでしっかりやらないと、世界から日本は一体何をやっているのかと言われる」と監視機能の強化を求めた。

 助言機関は国会事故調が一二年七月に衆参両院議長に提出した報告書で、規制当局を監視する常設の委員会と併せて設置を提言。衆院特別委が今年五月に設置し、原発やエネルギー政策の専門家ら七人がメンバーになった。この日の参考人質疑には黒川氏らメンバー四人が出席。各会派が質問し、主に黒川氏が答えた。
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●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。地震国日本では、これこそ社会通念」

2016年04月17日 00時00分55秒 | Weblog


東京新聞の記事【地震、土砂で橋崩落し交通網寸断 救助活動に支障の恐れも】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016041601001397.html)と、
社説【地震と原発 やっぱり原点に戻ろう】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016041602000142.html)。
asahi.comの記事【「震源、じわじわと東に」 別の活断層に影響の可能性】(http://www.asahi.com/articles/ASJ4J34VYJ4JULBJ00G.html?iref=comtop_6_01)。

 《南阿蘇村では大規模な土砂崩れがあり、国道57号やJR豊肥線が寸断、阿蘇大橋が崩落した。熊本市から阿蘇市方面に向かう主要な交通手段が断たれ…》。

 私のところも、一晩に複数回携帯の警報が鳴るなんて、どう考えても異常な状況。昨夜は、細かな揺れがつづいた。一方、熊本方面は夕方から暴風雨の予報。屋外で待避されている方々、大変だと思います。お見舞い申し上げるしかないし、一時でも早く安寧な生活が戻ることをお祈りすることしか、いまは、できない。
 3月末に熊本市から国道57号線で、落橋した阿蘇大橋を通り、阿蘇市へと行きました。帰りは、あいにくの雨でしたが、阿蘇郡南阿蘇村のまだ二分咲き程の一心行の大桜も見てきました。
 阿蘇山も、小規模ながら噴火しました。


 《国会の福島第一原発事故調査委員会は、原因は津波だけでなく「地震による損傷の可能性も否定できない」と指摘。「小手先の対策を集積しても、根本的な問題は解決しない」と結論づけた。ところが、電力会社も原子力規制委員会も、地震の揺れを甘く見すぎてはいないだろうかその象徴がくしくも九電だ。九電は、川内原発の再稼働がかなうやいなや、事故対策の指揮所になる免震施設の建設をあっさりと引っ込めたそれでも原子炉は止められない》。

 鹿児島地裁・福岡高裁の両裁判長は、いま、何を思っておられるでしょう。彼らの「社会通念」には驚かされました。九州の北部は玄海原発川内原発伊方原発に取り囲まれた「地元」です。川内原発は稼働を止めるつもりはないようです。東京電力核発電所は「人災」でした。またそれを繰り返そうとしているようです。そして、噴火が予知でき、避難も出来ると言ってきた電力会社や、それを認めてきた原子力「ムラ寄生」委員会。核燃料の冷却やその避難先も考えず、川内原発は稼働されました。いま、熊本近辺の交通網もズタズタです。

   『●鹿児島地裁に川内原発再稼働差し止めを却下されてしまった・・・
                       判決に東京新聞も毎日新聞もダメ出し
   『●「怒」、九州電力川内原発再稼働というパンドラの箱: 
          国破れて、山河も無し・・・となってもいいのか?
   『●九州電力川内核発電所、「住民の命に関わる重大事」を 
           「審査さえパスすれば、約束をほごにしてもいい」?
   『●大変に残念…福岡高裁宮崎支部の西川知一郎裁判長、
                 「川内原発停止認めず、住民抗告退ける」
   『●前田郁勝・西川知一郎両裁判長や九電の
     オゾましき「社会通念」=「「安全より効率、命より経済」を優先」

   『●「超巨大噴火が、100年以内に起こり得るというのは大変なこと」:
                          九州電力川内原発再稼働という無謀

   『●火山の巨大噴火時の緊急核燃料輸送に
        何時間、何日間? 答えは「2年以上」!

    「《九電は予兆を察知した場合には核燃料を安全な場所に
     緊急移送すると明言しながら、実際には原子炉を止めて
     運び出すまでに二年以上かかる上、搬出方法や受け入れ先の
     確保なども具体的に検討していないことが分かった…
     原子力規制委員会は緊急移送を条件に、川内原発が
     新規制基準を満たしていると判断した》……
     こんないい加減な計画で再稼働を申請する九電も九電なら、
     それを認める原子力「ムラ寄生」委員会もいい加減過ぎる。
     とにかく、下記の東京新聞の小倉貞俊記者の記事を御一読ください」

   『●市民の命を危険にさらしてでも核発電を再開したい愚者
                ~耳をふさぐ原子力「ムラ寄生」委員会~

   『●東京電力原発人災: 
      津波による天災ではなく、地震で破断していた?

   『●「九州電力が「巨大噴火は予知できる」
       などと言っていますが、あれは大嘘なんです」

   『●川内原発再稼働問題: 「どれひとつとっても、
     それだけで再稼動を認めることの出来ない問題ばかりだ」


 《九州を東西に横断する別府・島原地溝帯沿いには多数の活断層が存在し、四国や紀伊半島を通る中央構造線断層帯に連なる》。

 震源地は東へ移動しているようだ。佐田岬半島の付け根…稼働していないとはいえ伊方原発が。最後の記事の図面を見るとゾッとします。避難計画も安全もヘッタクレも無いでしょうに…。

   『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の
     付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」
    「狂気としか言いようがない……《伊方原発は、日本一細長い
     という佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には
     約五千人が暮らしている》。こんなところで一体どんな
     避難計画を作り得るのか? そんな《住民避難計画を了承》した
     そうです。再稼働するためなら、何でもやる「麻薬」患者たち。
     カネの亡者。
      《安倍晋三首相は「万一事故があった場合は政府として責任
     持って対処する」と強調》……このバカ発言を見て下さい! 
     東京電力原発人災に一切の「責任」を負わず、いまも無策・無責任に
     汚染水を垂れ流し続けているアベ様ら自公議員たちの酷さ。
     それを「信頼」したふりをする「地元」首長・議員たち。
     言っちゃぁ悪いが、頭の回路が切れているとしか思えません」


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016041601001397.html

地震、土砂で橋崩落し交通網寸断 救助活動に支障の恐れも
2016年4月16日 10時37分

 16日未明から相次いだ地震により、熊本県を中心に交通網などに大きな影響が出た。橋やトンネルが崩落し、道路の寸断で被害確認が進まない地域も。熊本空港の発着便は全便欠航となり、JR九州も多くの路線で運転を見合わせた。

 国土交通省によると、南阿蘇村では大規模な土砂崩れがあり、国道57号やJR豊肥線が寸断、阿蘇大橋が崩落した。熊本市から阿蘇市方面に向かう主要な交通手段が断たれ、救助活動などに支障が出る恐れがある。熊本県によると、南阿蘇村と西原村にまたがる俵山トンネルも崩落した。

(共同)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016041602000142.html

【社説】
地震と原発 やっぱり原点に戻ろう
2016年4月16日

 日本はやはり地震国。九州を襲った「震度7」に再び思い知らされた。福島第一原発事故のそもそもの原因は、地震であるその原点に立ち戻り、原発の安全対策の在り方を再点検するべきだ

 「今までに経験したことのない揺れだった」と、強い余震が繰り返される中、住民は不安に戦(おのの)く。

 「断層帯全体が動いたにしては規模が小さい」と専門家。さらに大きな地震の恐れがあった、ということなのか。

 あらためて思い知らされた。「いつでも、どこでも、強大な地震は起こりうる

 今月六日、福岡高裁宮崎支部は、今回の震源地からもさほど遠くない九州電力川内原発の運転差し止めを求める住民の訴えを退けた。

 高裁は、対策上想定される基準地震動(最大の揺れの強さ)を「極めて合理的」と判断した。

 住民側は「国内の原発ではそれを超える揺れが、二〇〇五年以降だけで五回観測されている」と観測地の過去の平均値から基準を割り出す手法に異議を唱えていた。

 瓦や石垣が無残に崩れ落ちた熊本城の姿を見ても、同じ判断ができただろうか

 国会の福島第一原発事故調査委員会は、原因は津波だけでなく「地震による損傷の可能性も否定できない」と指摘。「小手先の対策を集積しても、根本的な問題は解決しない」と結論づけた。

 ところが、電力会社も原子力規制委員会も、地震の揺れを甘く見すぎてはいないだろうか

 その象徴がくしくも九電だ。

 九電は、川内原発の再稼働がかなうやいなや、事故対策の指揮所になる免震施設の建設をあっさりと引っ込めたそれでも原子炉は止められない

 原発は無数の機器と複雑な配管の固まりだ。見かけは正常に動いていても、強い震動がどの部位にどんなダメージをもたらすか。その積み重ねがどんな結果につながるか、未解明のままなのだ。

 断層のずれは、想定外の地震を起こす-。熊本地震の教訓だ。

 規制委の審査を終えて次回再稼働候補とされる四国電力伊方原発の近くには、日本最大の断層である中央構造線が走っている。

 今回の被害を教訓に、起こり得る地震の規模や影響をじっくりと検討し直すべきではないか。

 いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。地震国日本では、これこそ社会通念であり、一般常識だからである。
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http://www.asahi.com/articles/ASJ4J34VYJ4JULBJ00G.html?iref=comtop_6_01

「震源、じわじわと東に」 別の活断層に影響の可能性
2016年4月16日11時35分


(熊本県から大分県にかけての地震活動の状況)
(ブログ主注: 誠に勝手ながらコピペさせて頂きました
 【http://www.asahi.com/articles/photo/AS20160416001097.html】)


 今後の地震活動について、専門家はさらに別の活断層が動く可能性を指摘する。九州を東西に横断する別府・島原地溝帯沿いには多数の活断層が存在し、四国や紀伊半島を通る中央構造線断層帯に連なる

 川崎一朗・京都大名誉教授(地震学)は「震源はじわじわと東に移動している。断層が動くと、その延長線上の断層も動きやすくなる」と話す。地震が発生すると、周囲の断層への力のかかり方が変化して、地震を起こしやすくなることがあるからだ。

 地震予知連絡会会長の平原和朗・京都大教授(地震学)も「大分の地震は震源地から100キロ近く離れており、余震とは考えにくい。大分県の別府―万年山(はねやま)断層帯が誘発されて動いた可能性もある。今後、何が起こるかは正直わからない。仮に中央構造線断層帯がどこかで動けば、長期的には南海トラフ巨大地震に影響を与える可能性があるかもしれない」と話す。

 東北大の遠田晋次教授(地震地質学)は「地震活動が南へ拡大する可能性も忘れてはいけない。日奈久断層帯は北部で地震が発生したが、南への延長部分では地震が起きておらず、注意が必要だ」と話す。
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●自公議員や原子力「推進」「寄生」委員会委員らは「闘うみんな」ではないようだ

2014年03月18日 00時00分20秒 | Weblog


東京新聞の記事【原発事故被害追い記録映画 報道写真家2人が撮影 8日から東中野で上映】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014030602000240.html)、
asahi.comの記事【原発関連死―福島の痛みを直視せよ】(http://www.asahi.com/paper/editorial2.html)。
東京新聞の二つの記事【原発関連死1000人超す 避難長期化、続く被害】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014031002000144.html)と、
【3・11から3年 みんなが闘っている】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014031002000157.html)。
琉球新報の記事【原発事故3年 脱原発後退許されず 福島復興に思い馳せよう】(http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-221002-storytopic-11.html)。
最後に再び東京新聞の記事【「原発ゼロ 国民の総意」 事故調トップ3人、再稼働の動き批判】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014031102000134.html)。

 3・11から3年が経ち、何の解決も見ていない。「福島県飯舘村の村民を追ったドキュメンタリー映画「遺言 原発さえなければ」が、八日から東京都内で上映される」そうだ。「震災さえなければ」ではなく「原発さえなければ」。

   『●終わらない原発人災の影響:「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
     「「震災さえ」ではなく、 「原発さえなければ・・・」である。
      「原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー
      「原子力正しい理解で豊かなくらし」を信じ込ませた自民党議員や
      電力会社幹部といった東京電力原発人災の責任者・「罪人・犯罪者」は、
      誰一人として罰せられることもなく、まだのうのうと生活している」

   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』:
                 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」


 以前、「「事故によって死亡者が出ている状況ではない」。福島での原発の事故について、自民党の高市早苗・政調会長が昨年、こんな発言をした。だが、命にかかわるのは放射線だけではない。避難生活で体調を崩して亡くなったり、自殺に追い込まれたりする「震災関連死」が増え続けている」・・・・・・。政調会長が寝言を言っていた訳ですが、原発再稼働・新規建設・原発輸出を目指す自公の議員や翼賛野党の議員は寝ていてこの現実が目に入っていない模様だ。「本紙が独自に「原発関連死」と定義し、福島県内の市町村に該当者数を取材したところ、少なくとも千四十八人に上ることが分かった。昨年三月の調査では七百八十九人で、この一年間で二百五十九人増えた。事故から三年がたっても被害は拡大し続けている」。

   『反省なき自民党を体現:
         「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」


 「◆フクシマを忘れない・・・・・・政府は低線量被ばくの問題から目を背けてきた。年間の被ばく線量について、一ミリシーベルトから二〇ミリシーベルトまで許容できると基準を緩め、原発周辺自治体への早期帰還を促そうとしている。東電も避難指示区域の見直しのたびに賠償を打ち切っている。見せ掛けの事故収束と復興を急いでいるようにしか思えない」・・・・・・東京新聞社説のタイトルはの『3・11から3年 みんなが闘っている』。でも、自公議員や原子力「推進」「寄生」委員会委員長・委員らは「闘うみんなではないようだ。

   『年20ミリシーベルトでOK!?:
      20倍にアップ、そして「自己責任」に逃げた原子力「推進」委員会


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014030602000240.html

原発事故被害追い記録映画 報道写真家2人が撮影 8日から東中野で上映
2014年3月6日 夕刊

 東京電力福島第一原発の事故から間もなく三年。福島県飯舘村の村民を追ったドキュメンタリー映画「遺言 原発さえなければ」が、八日から東京都内で上映される。一般向けの公開は初めて。ともに報道写真家の豊田直巳さんと野田雅也さんが撮影、監督し、高濃度の放射能汚染で故郷を奪われた人々の絶望や苦悩、そして再起への歩みを記録した。村民の姿は「事故はまだ終わっていない」と訴えかけてくる。 (加藤裕治)

 「原発さえなければ」「残った酪農家は負けないで頑張ってください」-。映画のタイトルは、自殺した酪農家が小屋の壁に書き残した遺書だ。地元での酪農をあきらめることになり声を詰まらせる女性。仲間との焼き肉パーティーの席上、あいさつで感情が高ぶり泣き崩れる初老の男性。三時間四十五分の映像で、ナレーションを交えず次々と現れる光景が事故から三年近く過ぎた村の現状を物語

 二人はアジア、中東の紛争、災害取材を手掛け、インドネシア・スマトラ島の津波被害の取材で知り合った。東日本大震災の発生翌日の二〇一一年三月十二日、二人は福島県へ向かい、途中で福島第一の1号機が爆発した。放射線量の測定器を片手に田村市、双葉町などを回った後、飯舘村に入った。

 雨が降り始めると測定器のメーターがぐんぐん上がり、毎時一〇〇マイクロシーベルトを超えた。年間の被ばく許容限度の一ミリシーベルトを十時間で超える値。地震の後片付けをしている村民に「危険です」と声を掛けて回った。そこから飯舘通いが始まった。

 二人は一三年四月までの間に二百日以上、放射能汚染で「計画的避難区域」となった村や、村民の避難先を訪ねた。「村民の言葉を記録したい。スチルカメラだけでは現状が伝わらない」とビデオを回した映像は約二百五十時間分に及んだ。撮影を続けるうち、その言葉を大勢に伝えようと映画化を意識するようになった。

 「映画は昨年の四月で撮影を終えたが、飯舘村の問題は何も終わっていない」と豊田さん。野田さんは「事故から三年たっても、原発の再稼働をやめてほしいと願う人が多い。その心を一つにするため、事故の原点を見つめてほしい」と語る。

 上映は十四日まで、午後零時二十分からの一回のみ。東京都中野区東中野の「ポレポレ東中野」=電03(3371)0088=で。
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http://www.asahi.com/paper/editorial2.html

原発関連死―福島の痛みを直視せよ
2014年3月8日(土)付

 「事故によって死亡者が出ている状況ではない」。福島での原発の事故について、自民党の高市早苗・政調会長が昨年、こんな発言をした。

 だが、命にかかわるのは放射線だけではない。避難生活で体調を崩して亡くなったり、自殺に追い込まれたりする「震災関連死」が増え続けている。

 長期避難が続く福島では今年1月末までの関連死が1660人で、地震や津波による「直接死」の1607人を上回った。東日本大震災の被災3県全体の関連死のうち、6割近くを福島が占める。

 福島では今なお、毎月30人ほどが新たに関連死と認定されている。「原発事故関連死」とも呼ばれ、避難生活が長期化する原発事故の深刻さを浮き彫りにしている。

 復興庁は関連死をめぐる課題と対策を12年夏にまとめたが、減る傾向のみえない福島については昨春に改めて実情や問題点などを調査した。

 被災から1年以上たってから関連死した35人を対象にしたその調査によると、ほとんどの人が、移動や避難生活による疲労やストレス、医療事情の悪化で徐々に衰弱した。避難区域の相次ぐ変更などで平均して7回も移動を強いられていた。

 岩手や宮城の被災地と大きく異なるのは、放射能で住み慣れた地域を追われ、「生きているうちに今の避難先から出られないかもしれない」という不安だ。復興庁の報告で専門家はそう指摘している。

 調査した福祉施設での12年2月までの3カ月の死亡率は、前年同期の1・2倍に増えた。報告では、全体に健康へのリスクが高まったと考えるべきで、認定された関連死は「氷山の一角」としている。

 福島の避難者は13万人を超える。関連死を防ぐには生活の立て直しが最大の課題だが、帰還の前提となる除染は長引き、生活再建への道のりは長い。

 被災自治体では保健師や生活支援相談員らに仮設住宅などを巡回させている。心身両面の健康を保っていくため、今できることを尽くしてほしい。

 安倍政権は原発の再稼働に積極的だ。だが、再稼働の前に、万一に備えて避難計画を整える必要がある。放射能被害から逃れるために、いち早く避難する計画も大切だが、ただ避難するだけでなく、どのように関連死を防ぐかも重要課題である。

 原発事故で痛めつけられ、関連死のリスクとも向き合わなければならない。その不条理を、政治は直視すべきだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014031002000144.html

原発関連死1000人超す 避難長期化、続く被害
2014年3月10日 朝刊

 東京電力福島第一原発事故に伴う避難で体調が悪化し死亡した事例などを、本紙が独自に「原発関連死」と定義し、福島県内の市町村に該当者数を取材したところ、少なくとも千四十八人に上ることが分かった。昨年三月の調査では七百八十九人で、この一年間で二百五十九人増えた。事故から三年がたっても被害は拡大し続けている。 (飯田孝幸

 市町村は、災害の直接の犠牲者だけでなく、その後の避難中の死亡などについても「震災関連死」と認定した場合、災害弔慰金(最高五百万円)を支給している。福島県内では二十四市町村が支給。本紙で震災関連死者のうち、原発事故で避難中だった人数などを聞き取り、集計した。

 南相馬市といわき市は震災関連死者のうち原発事故を理由とした避難者数を把握していない。ただ担当者は「大半が原発避難者」と話しておりこれを加えると原発関連死者は千五百人に迫る。福島県内の震災関連死者数は千六百七十一人(七日現在)で原発関連死者は少なくとも六割を占める。昨年四月一日から今年一月末までの震災関連死の認定数は岩手四十五人、宮城十七人に対して福島は二百七十七人と大幅に上回り、原発事故の特殊性を物語る。

 原発避難者の多い双葉郡八町村の担当者によると、震災直後に亡くなっていても、生活が落ち着いてから申請する人や、自治体の広報や報道で制度を知って申請に来る人がいるという。二百三十二人の原発関連死者を出した富岡町の担当者は「今でも月十件程度の申請がある」と話す。南相馬市では事故から二年半後に死亡しても震災関連死と認められたケースがあった。

 福島県の避難者数は約十三万五千人。このうち、二万八千人が仮設住宅で暮らしている。医療・福祉関係者の多くは、関連死防止に住環境の整備を指摘する。県は原発避難者向けに復興公営住宅四千八百九十戸の整備を進めているが、入居が始まるのは今秋から。一次計画分の三千七百戸への入居が完了するのは二〇一六年春になる見通しだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014031002000157.html

【社説】
3・11から3年 みんなが闘っている
2014年3月10日

 原発事故を抱えた町の再起がどれほど困難であるか。震災からの三年はそれを思い知らせる時間だった。闘う人々にずっと寄り添わなくてはならない
 それは静かな時限爆弾のように胸底に沈み込み、あの戦争から七十年を経ても消えていなかった。
 福島県相馬市の診療所「メンタルクリニックなごみ」の精神科医、蟻塚(ありつか)亮二さん(66)は沖縄協同病院心療内科部長を務めていた二〇一〇年暮れ、長い診療経験にはない「奇妙な不眠」を訴える男性に立て続けに会った。


◆戦争の心の傷は70年も

 海外の論文を読みあさってみると、その不眠はアウシュビッツ収容所の生存者に見られた心的外傷後ストレス障害(PTSD)とそっくりだった。男性に聞くと、太平洋戦争末期の沖縄戦を生き延びた人だった。

 住民を巻き込んだ米国との激しい地上戦で、県民の四人に一人が犠牲になった沖縄の戦闘。その記憶は生き延びた者にとって深い心の傷となったのだ。

 二十年前からこの問題に取り組んできた元沖縄県立看護大教授、當山(とうやま)冨士子さん(66)と一緒に一昨年、沖縄戦を体験した高齢者四百人に調査をしたところ、PTSDを引き起こしかねない重度な心の傷を抱える人が四割もいた。

 蟻塚さんは不眠の高齢者を診ると、戦争の影響を疑うようになった。

 砲弾の雨の中を逃げた人、家族を失った人、住民が日本兵に殺されるのを目撃した人…。つらい記憶が長い年月の後に仕事を辞めたり、家族の死に遭うなどふとしたきっかけでよみがえる。

 夜中に何度も目覚め、パニックを起こしたりする。遺体の臭いを思い出すという人もいた。


◆沖縄の苦難に重なる

 戦後二十年たって行われた精神疾患に関する調査で、沖縄は本土に比べて統合失調症などを発症する割合が高かったというデータがある。

 それは戦争で負った心の傷が影響している。本土から切り離された米軍の統治下で、人権を踏みにじられながら貧困に苦しんだことや、今も続く基地と隣り合わせの生活など、つらい経験を重ねてきたことが発症のその引き金になった-。そう蟻塚さんはみている。

 沖縄の心の傷は原発事故で傷ついた福島の痛みに重なる。

 災害後の心のケアの重要性は阪神大震災や新潟県中越地震などの教訓として残された。

 東日本大震災後に有志の手で開かれた診療所に昨春、蟻塚さんが所長として招かれたのも、沖縄での経験を頼られてのことだ。

 毎月五十人の新患を受け入れ、五百~六百人の患者を診る。一割に震災や原発事故による遅発性のPTSDがみられるという。

 震災の日、運転していた車ごと津波に流された男性は転がった消防車と、泥に埋まった人の姿がよみがえるようになった。眠れずイライラし、妻に怒ってばかりいた。

 放射能を浴びてしまったと恐れ、息子と一緒に県外避難している母親は、突然不安に襲われるパニック症状に苦しんでいた。

 PTSDだけでない。仮設住宅の生活が長引いてうつ状態やアルコール依存になる人も急増している。

 知らない人間関係の中で刹那的になり「死んでもいい」とふと思う人が目立っているそうだ。

 東日本大震災によって今も二十七万人が避難生活を送る。そのうちの十四万人を占める福島がとりわけ厳しいのは、放射能汚染からの回復や、将来の生活の見通しが立たないことだ。

 福島はまた、震災関連死が千六百七十一人を数える。地震や津波で亡くなった直接死の千六百三人よりも多く、被災三県の半数を超えている。

 長い避難生活で体調を悪化させたり、各地を転々とするうちに治療が遅れたりしたせいである。

 自殺の多発も際立っている。

 福島から聞こえるのは悲鳴のようなシグナルだ


◆フクシマを忘れない

 政府は低線量被ばくの問題から目を背けてきた。

 年間の被ばく線量について、一ミリシーベルトから二〇ミリシーベルトまで許容できると基準を緩め、原発周辺自治体への早期帰還を促そうとしている。東電も避難指示区域の見直しのたびに賠償を打ち切っている。見せ掛けの事故収束と復興を急いでいるようにしか思えない。

 政府や東電の不条理に遭っても、町の再建がどんなに困難であっても、人々は生き抜こうとしている。

 本土は戦後、基地の負担を押しつけられる沖縄の苦難を忘れてしまっていた。わたしたちは福島からの悲鳴に耳を傾ける。寄り添うことを忘れてはならない。
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http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-221002-storytopic-11.html

社説
原発事故3年 脱原発後退許されず 福島復興に思い馳せよう
2014年3月10日

 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故の発生から3年がたつ。大津波への備えを欠き、全電源を喪失して炉心溶融に陥り、おびただしい放射能が放出された未曽有の原発事故の爪痕が福島県民を苦しめ続けている。

 福島県の避難者数は13万5906人を数え、7町村で全住民が避難したままである。

 一刻も早い原発ゼロを切望する福島県民の心情に冷や水を浴びせるように、安倍晋三首相は原発再稼働と輸出に走っている

 原子力発電の安全神話に浸り切った中で起きた事故はまさに人災だったが、その教訓は生かされていない。


 公約違反

 安倍政権が決めた新エネルギー基本計画の原案は、原発を活用し続ける方針を打ち出している。

 2012年末の衆院選で自民党が掲げた「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」という公約に反するのは明白だ。

 将来の原発の規模に関して、「確保していく規模を見極める」としており、将来的な原発ゼロは想定していないとしか読めない。

 さらに、安倍首相は、原発輸出に前のめりになっている。

 最新の世論調査では、原子力規制委員会が安全性を確認した原発を再稼働する方針に対し、反対が54%で賛成の40%を上回った。

 原発の今後については、「即時ゼロ」「段階的に減らし、将来はゼロ」の脱原発派が69%と、容認・推進の29%を圧倒している

 安倍政権の原発政策は明らかに民意と乖離(かいり)している。原発再稼働はあってはならず、脱原発の大きな後退は到底許されない。

 福島第1原発で2月に起きた高濃度汚染水漏れは、タンク内の水位異常の警報が約10時間放置されていた。誤って弁を開けた者がミスを隠すため、戻した可能性がある。事故を過小評価した後、重大な事実を明かす東電の隠蔽(いんぺい)体質は全く改められていない。

 危機管理体制に構造的な欠陥があり、国はその共同責任を負うことをどれだけ自覚しているのか。

 安倍首相は昨年9月、2020年の東京五輪の招致演説で、福島第1原発を「状況はコントロールされている」と強調していたが、相次ぐ汚染水漏れは、首相の的外れな認識と欺瞞(ぎまん)性を証明していよう。世界に恥をさらしているようなものだ。

 東電の経営破綻処理の先送りと同社の無責任体質は明らかに連動している。まず、破綻処理を急ぐことが不可欠だ。


悲痛な訴え

 福島の現状は深刻さの度合いを増している。高い放射線量が残る地域があり、帰還を諦める住民が増えている。除染作業も計画通りに進まず、避難者向けの災害公営住宅の建設も大幅に遅れている。

 福島県が当時18歳以下だった子どもを対象に実施している甲状腺検査で、33人が甲状腺がんと確定している。同県は放射線の影響は「考えにくい」としているが、発症率の高さを指摘する声があり、保護者の不安を高めている。

 国が主導して福島県民の健康調査を実施し、原発事故との因果関係を徹底的に究明すべきだ。

 福島を犠牲にして電力消費の恩恵を受けてきた東京など首都圏のみならず、国民全体が原発事故被災者に思いを馳(は)せねばならない。

 福島第1原発に約40年間携わる企業代表の名嘉幸照さん=伊是名村出身=はフォーラム「被災地と共に」で、被災者と加害者の立場が交錯する苦衷を吐露した。米軍基地にあらがう沖縄と脱原発を願う福島の強固な民意を挙げ、「民主主義のルールに当てはめよ」と、民意尊重を国に求めた。

 エネルギー政策と安全保障を支える負担を限られた地域が負わされ、苦しむ点で福島と沖縄は重なり合う。名嘉さんは「沖縄のちむぐくるを被災地にください」と涙ながらに語った。その悲痛な訴えを胸に刻み、沖縄から福島の復興を後押しする術を模索したい。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014031102000134.html

原発ゼロ 国民の総意」 事故調トップ3人、再稼働の動き批判
2014年3月11日 朝刊

 東京電力福島第一原発事故から三年を迎えるのを前に十日、事故の原因や対応を検証した政府、国会、民間の各事故調査委員会の元委員長らを集めた討論会が東京都内で開かれた。国会事故調の黒川清元委員長は「あれだけの事故が起きても日本の社会が変わる気配がない。誰も責任を取らない」と指摘した。

 民間事故調の北沢宏一元委員長は稼働中の原発がゼロであることに触れ、「国民の総意としか言いようがない」と強調。再稼働後に事故が起きれば「(日本は)世界の笑い者」と述べ、慎重に判断する必要があるとの考えを示した。

 政府事故調の畑村洋太郎元委員長は「一番、学ばないといけないのは、どんなに考えても気が付かない領域があること」と指摘。それを踏まえた上で、国民全体で原発再稼働の是非を判断すべきだと訴えた。

 討論会には米原子力規制委員会のグレゴリー・ヤツコ元委員長も参加し、「原子力は100%安全はあり得ない。社会としてメリットをどう考えるか、リスクがあっても受け入れられるかがポイント」と述べた。
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●東京電力原発人災: 津波による天災ではなく、地震で破断していた?

2013年09月30日 00時00分51秒 | Weblog


CMLの記事【[CML 026772] ふくいちは津波前にダウン】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-September/026708.html)。

 記事によると「地震で圧力容器に繋がる配管(小口径配管)から冷却水が漏れた」そうだ。

   『●様々な意味で人災である
   
     「ブラックアウトと云う人災である。しかもそれを想定しもしなかった、
      何も対処しようとしなかった二重三重の人災。でも、津波による浸水が
      無くても、地震によって破断などの致命的な事故が発生していなかった
      のだろうか。さらに、適切に避難させなかった地域に加えて、
      避難させてはならないところに避難させて被爆させてしまっている。
      原発など造ってはならない国に造ってしまった当然の帰結か。
      原発をまだ動かし続けようとしているわが国は、輸出までも行おうと
      している。地震など災害の多い我国でなくとも、こんな
      制御困難で未完成な技術を行える場所がこの地球上にあるとは思えない」

 当然だけれども、東電は知っていても報告するわけがない。いまも証拠は残っていないのか?

   『●情報は統制される: 知らなかったでは済まされない、騙されたでは済まされない
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・
     「「東電は、昨年末から今年5月にかけて汚染水モニタリングを怠った
      
ばかりか、参院選が終わるまで、海洋への流出を隠ぺい」したとは、
      一体どういう了見か! 信じられない!!」

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-September/026708.html

[CML 026772] ふくいちは津波前にダウン
・・・・・・・・・
2013年 9月 26日 (木) 00:57:07 JST

市民のMLのみなさま
高知の松尾と申します。

木村俊雄さんが、フクイチ地震時のデータの解析を終えて、結論としては、地震で圧力容器に繋がる配管(小口径配管)から冷却水が漏れた、とのこと です。先日私も、このときのグラフを彼から見せてもらいました。極端に水量が下がっていたのです。
以下は、知人のブログです。

・・・・・・・・

拡散希望「ふくいちは津波前にダウン」

緊急にお知らせします。
拡散を希望します。

すでに朝日新聞「プロメテウスの罠」で随時連載され、「しんぶん赤旗」日曜版9月22日付けでも一部が報じられていますが、元東京電力社員で福島 第一原発で炉心設計(燃料棒を効率的に燃やすために、燃料棒の配置を設計する原子炉の中心を担う仕事)に携わっていた木村俊雄さんが7月の記者会 見以後に東電が公開した膨大なデータを解析していました。

「プロメテウスの罠」を引用すると「8月後半に東電が公表した過渡現象記録装置の100分の1秒刻みデータを木村が見始めたのは、10日前だっ た。最初にチェックしたのは炉心を循環する冷却水の動き。「不思議な動きをしていますね。逆流しているように見える」しかしそこから先が進まな い。1号機だけで436項目×21万個。データ量があまりにも多く、パソコンが円滑に動かないのだ。知人を介して能力の高いパソコンを探し、この 印刷会社に行き着いた」。

そこでの解析がこのほど終了しました。

先ほど木村さんから専門的なレポートと次のメッセージが寄せられました。「結論としては、地震で圧力容器に繋がる配管(小口径配管)から冷却水が漏れた。そのことが事故の進展を加速させるキカッケとなる。しかも運転員は気づかない。やがて津波がくる。3月11日17時19分(東電報告書P.125より)、原子炉建屋に入ろうとするがその時にはもうすでに放射能 が充満して入れない。津波無くとも、重大事故に進展していた。これでも再稼動新基準は妥当なのか? 気づかないなら、もう手のほどこしようはないです。マスコミに先駆けて情報流しませんか?」

いまは自宅であり、時間帯も夜なので明日、レポートについてはしかるべき方法でネット公開します(そのことはここでお知らせします)。

ただ、東電の公開したデータで「地震で圧力容器に繋がる配管(小口径配管)から冷却水が漏れた」ということをつかんだ事実はすごいことです。

国会事故調査委員会が知らなかった事実(東電は発表しなかった。求められなければ発表しないというスタンス)が明らかになりました。そして原子力規制委員会がつくっている新基準は、津波対策のみを求めています。本当の事故原因を究明してつくったわけではありません

しかし、原発再稼働に前のめりになる委員会は、伊方原発の審査を優先して進め、来年にも再稼働を認めようとしています。とんでもないことです。伊方原発は日本最大の活断層・中央構造線のほぼ真上につくられている原発です。ふくいちの本当の原因である地震動を無視した新基準で再稼働させるなど、国家的犯罪です。

親愛なるブログ読者の皆さん。
真実を黙殺されないためにこのエントリーをあらゆる手段で拡散してください。
心からお願いします。

土佐高知の雑記帳
http://jcphata.blog26.fc2.com/
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●再び原発人災が発生した時、原発推進派議員に何ができるのか?

2013年06月12日 00時00分45秒 | Weblog


zakzakの記事(http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130605/frn1306051059000-n1.htm)とasahi.comの記事(http://www.asahi.com/politics/update/0605/TKY201306050029.html)。

 菅直人氏の行動の方が、よほど自公議員やその他の原発推進議員より、はるかにマシではないでしょうか? 番犬様に向かってオスプレイに尻尾を振る橋下元大阪〝ト〟知事より、菅氏の方がはるかにマシ。

  『●東京電力原発人災処理、計画性もヘッタクレもなく
  『●原発で働く: 「コスト優先」、「命は二の次」
  『●敦賀原発廃炉に向けて足踏み: 自民党による政治的圧力?
  『●原発推進のために何でもする人たち
  『●もんじゅ: 責任者に責任を取っていただきましょう
  『●「成長戦略に「原発の活用」」: あ~恥ずかしい政権、恥ずかしい国
  『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」: 東京電力原発人災と自殺には因果関係あり

 「原発輸出、今は恥じている」と述べたそうだが、そう、そういう行為は「」なのです。「恥ずべき行為」なのです。
 再び原発人災が発生した時、原発推進派議員に何ができるのでしょうか? 自分たちだけが、世界のどこかの「安全」な場所にでも逃げることができる、とでも思っているのでしょうか?

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http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130605/frn1306051059000-n1.htm

菅元首相、米国で世界に「脱原発、急げ」 退任後初の海外
2013.06.05

【ワシントン=柿内公輔】 東京電力福島第1原発事故の発生当時に首相を務めた菅直人氏が4日、カリフォルニア州サンディエゴで開かれた原発問題のイベントに参加し、各国が脱原発を急ぐよう訴えた

 イベントは脱原発を掲げる米環境保護団体が主催。菅元首相が海外で反原発のイベントに参加するのは首相退任後初めてという。

 菅氏は「原発を稼働すれば核廃棄物ができる。早くストップ(稼働停止)させた方がトータルのコストは安くなる」と主張。安全性の観点からも、米国を含め世界が脱原発に踏み切るべきだとの持論を展開した。

 菅氏は事故の直後に、最悪の場合として東京都を含めて5000万人が避難しなければならない事態も想定したと指摘。「日本が国としての機能を長期間失う可能性すらあった」などと振り返った。

 国会の事故調査委員会の報告書などで、菅氏は福島の事故の発生当時、「指揮命令系統の混乱を拡大させた」などと批判されているが、菅氏はイベントで、「専門家の意見を聞いたし、私に上がってこない情報もあった」と反論した。
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http://www.asahi.com/politics/update/0605/TKY201306050029.html

2013年6月5日10時48分
菅元首相「原発輸出、今は恥じている」 米国で語る

【サンディエゴ=藤えりか】 訪米中の民主党の菅直人元首相はサンディエゴで4日、インドやトルコ、ベトナムなどへの日本の原発輸出について、「私も3・11前は『原発は安全』と(考えて)導入をお願いしてきたが、今はそのことを恥じている」と語った。・・・・・・・・・。
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●もんじゅ: 責任者に責任を取っていただきましょう

2013年05月25日 00時00分22秒 | Weblog


asahi.com(http://www.asahi.com/national/update/0512/OSK201305120135.html)。さらに、文科省が是正を求めたというasahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0517/TKY201305160485.html)、でも、自己評価は酷かったという記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051890070200.html)。東京電力原発人災の国会事故調の参考人招致を自民党が拒んでいるという記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013051702000123.html)。もんじゅ点検漏れについての引責辞任の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051790135406.html)。最後にもんじゅ君のコラム(http://www.asahi.com/culture/update/0516/TKY201305160392.html)。

   『●事業仕分け忘れ?
   『●何処も彼処も
   『●悪「夢の原子炉」
   『●美浜の会「もんじゅ運転再開への抗議声明」
   『●警報は地域住民にも聞こえるように
   『●増殖もしない、発電もしない「もんじゅ」でも儲かる仕組み
   『●高速増殖炉もんじゅ廃炉
   『●井戸謙一元裁判官再び: 最高裁は常に国側に、そして、努力は無駄に
   『●つまらんことにメンツをかけて、結果が東京電力FUKUSIMA原発人災では・・・
   『●廃炉と、核燃サイクル撤退を
   『●核燃サイクルという幻想に、まさに金をドブに湯水の如く
   『●海渡雄一氏インタビュー「原発と司法」
   『●核燃サイクルという幻想、推進ありき
   『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖
   『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?
   『●浅野健一ゼミ企画シンポジウム: 報道と福島原発人災
   『●全く原子力ムラの住人ときたら・・・・・・
   『●もんじゅに〝投資〟、まだやっている・・・
   『●原発立地県知事の神経を疑う: 「原発のお金が大好き」という最低レベルの議論
   『●復興予算をムダに「原子力ムラ」事業に流用
   『●ムダ首相・ムダノ経産相の二枚舌にウンザリ
   『●2030「年代」原発ゼロと原発建設再開
   『●視察パフォーマンスと経団連詣で
   『●原発をそんなところに建て、稼働してきた責任をどう取るのか?

 最初から建設や事業認可なんかしてはいけなかったのです。このフザケタ名称(「文殊」)と云い、責任者にはその責任を取ってほしい。経済的にもドブ金(『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖』、http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2df70ebf0d79928fb44752fc5337c6aa)。環境的には最悪の事態を想定しなければならない。しかもその最悪事態の発生確率はゼロどころか、決して低くない。チェックはいい加減で、運転・管理も高い技術レベルにあるとは言い難く、事実、相対的に軽微な事故を含めればすでに何度も事故発生。
 しかし、3.11東京電力原発人災を経験した、この期に及んでも文科省はまだ「安全」を言うか!?  東京電力原発人災について、自民党が全く反省していないのも酷い。責任感なし。復権させた支持者や自民党への投票者もどうかしている。来る参院選でも同じ過ちを繰り返そうとしていないか?

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http://www.asahi.com/national/update/0512/OSK201305120135.html

2013年5月13日3時5分
もんじゅ、無期限の停止命令へ 機器1万個の点検放置

【室矢英樹】原子力規制委員会は近く、日本原子力研究開発機構に対し、原子炉等規制法に基づき、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の使用停止を命じる方針を固めた。内規に違反し、1万個近い機器の点検を怠っていた問題を重くみた。期限はつけず、安全管理体制を全面的に見直すまで運転再開を認めない。
 もんじゅは2010年8月に核燃料交換装置が落下したトラブル以降、再開しないままになっている。使用停止処分は長期化するとみられ、同機構が目指す今年度中の運転再開は不可能となり、核燃料サイクル政策に与える影響は大きい。
 もんじゅをめぐっては1997年9月、ナトリウム漏れ事故の虚偽報告で国が1年間の運転停止を命じているが、使用停止命令に踏み込むのは初めて。これにより、運転の前段階となる原子炉起動に必要な核燃料の交換や制御棒の動作、格納容器の密閉性などの確認作業が禁じられ、運転再開の準備ができなくなる。

・・・・・・・・・。
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http://www.asahi.com/national/update/0517/TKY201305160485.html

2013年5月17日0時40分
もんじゅの是正措置、文科省が要求 点検漏れで5項目

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の点検漏れ問題で、試運転再開に向けた準備作業の中止を原子力規制委員会が命じたことを受け、所管官庁の文部科学省は16日、日本原子力研究開発機構(JAEA)に対し、保全計画の見直しなど必要な措置を取るよう要求した。地元と国民の理解を得られるように、説明責任をしっかり果たすことも求めている。
 文科省は、規制委の命令に必要な措置を早急に講じる▽責任を明確にして再発防止体制をはかる▽安全文化の醸成につとめる▽安確保の取り組みを最優先する――など5項目の是正措置を求めている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051890070200.html

点検漏れ もんじゅ安全「優秀」? 文科省・自己評価「A」ばかり
2013年5月18日 07時02分

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の点検漏れ問題を引き起こした日本原子力研究開発機構と、監督官庁の文部科学省が、機構の安全管理の状況に関し、毎年「順調に実績を上げている」などと甘い評価を続けてきたことが分かった。機構理事長の鈴木篤之氏が十七日に辞任し、一定のけじめをつけた形だが、現実を見ようとしない緩い組織の体質が改まるかどうかは疑問だ。 (加賀大介、榊原智康)

 機構の業務評価は二〇〇五年の発足以降、機構による自己評価と文科省の有識者委員会による二本立てで実施してきた。安全面のほか、もんじゅ研究開発や業務効率など約四十項目ある。
 もんじゅの研究開発では、トラブル続きのため、順調であることを示す「A」ばかりとはいかず、努力が必要な「B」や改善が必要な「C」の評価も少なくない。
 しかし、原発の安全性を保つために不可欠な機器の点検などが含まれる「安全確保の徹底」の項目では、自己評価、文科省の評価とも、東海研究開発センター(茨城県東海村)の放射能漏れや隠蔽(いんぺい)が発覚した〇七年度の評価がBだったことを除けば、全てAの評価を付けていた。
 その一方で、点検漏れは一〇年八月ごろから拡大し、昨年十一月に発覚した段階では、安全上重要なものも含め約一万点の機器で点検時期が守られず、うち半分は点検されずに放置されていた。
 評価とは正反対の状況で、今月十五日の原子力規制委員会で「こういう組織が存続していること自体が問題」(島崎邦彦委員長代理)などと批判された。
 監督する文科省の問題もある。下村博文文科相は「一義的に機構の問題」とし、同省担当者の責任を問う考えはないとした。
 原子力資料情報室伴英幸共同代表は「機構は点検漏れを含め、最近だけでも七件のトラブルを繰り返している。これだけ度重なるのは、監督官庁が何もしてこなかったからではないか相応の責任を問うべきだ」と指摘した。

関係企業に発注ずらり

 日本原子力研究開発機構をめぐっては、安全管理以外にも、機構出身者が役員を務めるファミリー企業との不透明な取引などの問題も指摘されていた。
 東京電力福島第一原発事故後の二〇一一年十一月、国の事業仕分けでその使い方がずさんと指摘された。機構が業務を発注した先に、ファミリー企業がずらりと並んでいたためだった。しかも、金額ベースで約二割が競争性のない随意契約で、発注先のほとんどは売上高の半分以上が機構からの受注に頼っていた。
 こうした指摘を受け、機構は一二年度から原則としてOB企業と随意契約をしないよう方針を変更。「赤字の垂れ流し」と批判された原子力のPR施設の運用も見直した。
 その一方、機構は福島第一原発の事故で、除染や事故収束に向けた技術開発など業務を拡大している面もある。国の原子力予算の約四割にあたる千六百六十七億円(本年度)を機構が握っている。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013051702000123.html

原発、国会事故調 参考人招致できず 不利だから?自民拒否
2013年5月17日 朝刊

 国会が設置した東京電力福島第一原発事故調査委員会(国会事故調、解散)の元委員に国会が意見を聞く「参考人質疑」を開けない状況が続いている。自民党が元委員の招致を拒否しているからだ。国会事故調の報告書は、過去の自民党政権の原子力政策を批判しており、野党側は自民党が元委員の発言で原発再稼働などに水を差されるのを嫌っているとの見方を強め、反発している。 (宮尾幹成)

 元委員の参考人招致は、衆参両院の各委員会で野党側が繰り返し要求。慣例で、与野党の理事全員が賛成すれば実現する。
 十三日の参院予算委では、みどりの風の谷岡郁子代表が崎山比早子元委員の招致について、本人の了解を得た上で求めたにもかかわらず、自民党の反対で実現しなかったことを暴露。新党改革の荒井広幸幹事長も、黒川清・元委員長の招致を自民党などに拒否された事実を明らかにした。
 元委員の招致が実現したのは、衆院に新設された原子力問題調査特別委員会が先月、元委員十人のうち九人を一括して呼んだ一度のみ。参院では石井一予算委員長(民主)が職権で招致を強行する可能性まで示唆していたが、自民党の抵抗で結局実現しなかった。
 国会事故調は昨年七月に公表した報告書で、福島原発事故に関する国の責任について、事故当時の民主党政権だけでなく「歴代政府の、人々の命と社会を守る責任感の欠如」などと、過去の自民党政権にも言及した。直接の事故原因も、津波ではなく地震である可能性が否定できないとし、政府とは異なる見解を示している。
 元委員を国会に呼べば、原発の再稼働や海外輸出を進めたい安倍政権に不利な発言が出ることも予想される。国会が選任した元委員を、国会自らが追及する可能性がある場に呼ぶのは好ましくないというのが自民党の主張だが、野党側は「『原子力ムラとの癒着などを蒸し返されるのが嫌なのだろう」(みんなの党幹部)とみており、招致を求め続けていく構えだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051790135406.html

原子力機構理事長が辞任 もんじゅ点検漏れ引責
2013年5月17日 13時54分

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の点検漏れ問題で、もんじゅを保有する独立行政法人「日本原子力研究開発機構」の鈴木篤之理事長(70)が十七日付で辞任することが決まった。下村博文文部科学相が同日の記者会見で明らかにした。点検漏れでは、原子力規制委員会がもんじゅの使用停止を命じることを決定。鈴木理事長は自らの進退について「これから考えたい」と報道陣に答えていたが、十六日に文科省と対応を協議後、辞任を決めた。
 鈴木氏は原子力工学が専門で、東大教授を経て二〇〇六年四月から四年間、国の旧原子力安全委員長を務め、一〇年に一九九五年のナトリウム漏れ事故で停止していたもんじゅが運転再開する際の審査にもかかわった。〇五年に発足した機構の理事長には公募に応じて一〇年八月に就任。規制側から推進側に転身することに疑問の声が多く出ていた。
 会見で、下村氏は「規制委からの厳しい評価を踏まえ、理事長自ら熟慮して出した判断を重く受け止め、受理することにした」と話した。慰留はしなかったという。鈴木氏の任期は一五年三月までで、後任は「できるだけ早く考えたい」としているが、当面は辻倉米蔵副理事長が代行する。
 原子力の安全に尽力すると表明して理事長に就任したが、今回の安全上重要な設備を含む約一万点もの点検漏れは、鈴木氏が理事長に就任した前後から続出していた。
 昨年十一月に発覚した後、規制委に呼ばれた鈴木氏は「形式的ミスが出るのはやむを得ない」と安全軽視とも受け取れる発言をした。
 今年二月の規制委による立ち入り検査で、新たに点検漏れが見つかったほか、職員への聞き取りでも点検時期が過ぎていても問題なしとするような認識が広がっていることが確認された。
 規制委は、これまでももんじゅでトラブルが相次ぎ、機構はそのたびに改善を約束しながら果たさなかったことを踏まえ、機構の安全管理体制には重大な問題があると判断。もんじゅの使用停止を命じる決定をした。機構に弁明する機会を与えた上で、二十二日にも命令が出される。

 <日本原子力研究開発機構> 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の開発や放射性廃棄物の処分など、原子力にかかわる研究や技術開発を行う文部科学省所管の独立行政法人。2005年、当時の日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が統合して発足した。本部は茨城県東海村。福井県や福島県など国内各地に研究所などがある。略称はJAEA。

(東京新聞)
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http://www.asahi.com/culture/update/0516/TKY201305160392.html

2013年5月17日9時33分
もんじゅ君のエネルギーさんぽついにボクに停止命令


ボクもんじゅにストップがかかる

 ついにボク高速増殖炉もんじゅは、国の原子力規制委員会さんから、運転停止の命令をうけることになったの。
 5月3日のこのコラム(リンク:http://www.asahi.com/culture/update/0502/TKY201305020260.html)でもふれたように、つい最近の4月にも非常用発電機から黒煙がでるさわぎがあったり、そもそもおしりの下には活断層があるんじゃないかと疑われていたり、問題が山積みのボクだったんだ。
 それがいよいよ「安全管理があまりにもずさんすぎる」ということで、監督官庁である原子力規制委員会さんが法律にもとづいて「きちんと管理できるようになるまで、動かしたり、その準備をしたりしちゃダメだ」という命令を出すことになったんだよ。


■今回の停止命令のもつ意味って?

 そんなわけで今週は、ボクもんじゅのことが新聞やテレビのニュースになんども登場して話題になっているけれど、なかには「ん? 停止ってどんな意味?」とか「そもそももんじゅって発電してたの?」とかって、ふしぎに思う人もいるかもしれないね。
 じゃあ、今回の停止命令って、どんな意味をもっているんだろう?


■もんじゅのかなしい黒歴史

 まず、ボクもんじゅは、高速増殖炉という未完成の技術の実験・研究のための施設なんだよ。売るために電気をつくる、ふつうの原発とはちょっとちがうの。
 そんなボクだけど、1995年に運転をはじめていらい、4か月たらずでナトリウム漏れ火災というおおきな事故を起こしてしまうのね。
 それから15年ちかく謹慎状態にちかい感じでおやすみをしていたんだけど、2010年に満を持して実験を再開するの。だけどまた1か月ほどで、核燃料交換装置落下事故というトラブルを起こしちゃったんだ。


■推進派からも疑問視される存在

 これまでに1兆円いじょうといわれる国の予算を使いながら、トラブルがおおすぎるために、目的の実験はほとんどできていないんだよ。
 原発推進派とよばれる人のなかにも、「もんじゅだけはあきらめたほうがいい」「18年間やっていて、4か月ほどしか運転できていないなんて、高速増殖炉の実用化はムリだ」っていう人がいるくらいだよ。


■もんじゅはこれまでも止まっていた

 だから、「停止命令が出る」なんてきくと「動いているものをストップさせる」ような感じがしちゃうけれど、じつはこれまでもずっとボクもんじゅは止まったままなんだ。
 だけどボクのパパのJAEA(日本原子力研究開発機構)は運転再開のチャンスをうかがっていたの。だから「これまではいろいろ事故もあったけど、こんどこそきちんと安全管理します」といっていたんだよ。


■1万か所におよぶ点検漏れが発覚

 それなのにことしの1月、1万点ちかい機器で点検をさぼっていたことがバレちゃって、原子力規制委員会さんは「やるやるといっていて、ぜんぜんちゃんとしてないじゃないか。そんなんじゃ運転させられない。しっかりした保安体制をつくるまで、もんじゅを使っちゃダメだ」という命令を出すことにしたの。
 これが今回の、事実上の停止命令の意味なんだよ。


■もんじゅ特有のナトリウムというリスク

 この命令が出ることで、すくなくとも今年度中のもんじゅの運転再開はないだろうといわれているの。でも、研究じたいがストップするわけではないんだよ。
 「やめるといったって、廃炉の方法も確立されてないでしょ」「廃炉もお金がかかるし」というご意見もあるの。
 だけど、ボクもんじゅはふつうの原発にくらべたら配管がうすくてやぶれやすいし、冷却材として「ナトリウム」を使っているんだ。これが外にもれると空気にふれるだけで火がついて、水をかけるとさらに激しく燃えだすという危険なしろものなんだ。動いていなくても、ふつうの原発よりもハイリスクなんだよね。
 いますぐ廃炉はムリでも、「もう高速増殖炉の研究はやめよう」と国が決定して、ナトリウムを抜いてしまうだけでも、地震のときの事故のリスクはぐっと低くなるんだ。


■停止中こそ声を上げるチャンス

 今回の停止命令がでているあいだに、「成果も出ないのに1日あたり5500万円もかかるなんて、税金のムダづかいじゃない?」「18年間やってて運転もろくにできないのにホントに実現するの?」「高速増殖炉はイギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、みんなほかの先進国はやめちゃったよ。そんな技術にしがみついてていいの?」なんて議論になることで、ボクの引退への道すじがつけばいいなぁ。
 この規制委員会さんの決定も、きっと全国のみんなのデモや抗議やパブリックコメントといったアクションがあとおししたんだろうし、これからますます声を上げていくことがだいじになってくると思うの。だからみなさん、今後ともどうぞよろしくお願いいたしますだよ。
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●敦賀原発廃炉に向けて足踏み: 自民党による政治的圧力?

2013年05月22日 00時00分49秒 | Weblog


敦賀原発の活断層問題についての東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013042190070624.html)。国会事故調の資料開示を巡る争いの記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013050102000126.html)と事故収束日が如何に高いかの記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013050102000122.html)、東京新聞から(http://www.asahi.com/business/update/0501/TKY201304300546.html)。原発の安全対策費が電力会社の経営を圧迫しているというasahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0514/TKY201305140426.html)。原子力規制委員会が敦賀原発の下に活断層がある、と断定したという記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051401002318.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051401002318.html)。そして、最後に反省なき自民党議員の記事(http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201305140799.html?ref=com_top_pickup)。

 原子力「規制」委員会は活断層であることを認めようとしているようだ。でも電力会社や自民党はそれに抵抗?

   『●原発断層問題: 断層直上の定義とズレの許容値の議論に矮小化

 原発は高くつくことを知ったはずなのに。

   『●電気料金値上げ論: 「1倍か、2倍か」じゃなく、「2倍以上か、1倍以下か」

 事故収束費なんて、東電が何回倒産しても無理。3.11以前の元の土地に戻せないのだから、事故収束費は無限大のはず。
 原発の「安全対策」費なんて、バカバカしい。「安全な原発」なんて、矛盾だ。安全対策費が各地の電力会社の経営を圧迫しているそうだが、そんなドブガネを使わずに、即刻廃炉に向けての作業をなぜ開始しないのか?

 原子力「規制」委員会がようやく敦賀原発の下に活断層が在ることを断定したようだ。まだ気は抜けないが、再稼働は諦めるしかないだろう。でも、その代わりに他の原発を稼働する、といったトレードオフをさせてはいけない。他の原発も同様に再稼働させて良い原発なんて日本にはないのだから。
 で、最後の記事なんて酷いですよね!! 未だに原発を推進しようなんて、過去の罪に頬かむりし、自民党議員は全く反省していない。「原発立地自治体の要望や成長戦略を理由に、再稼働を急ぐ動きが強まっている」なんて、あまりにフザケすぎで、被爆者や被災者を馬鹿にしている。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013042190070624.html

規制委に疑問の声 敦賀「活断層」 結論足踏み
2013年4月21日 07時06分

 2号機直下に活断層あり-。原子力規制委員会から日本原子力発電敦賀原発(福井県)の断層調査を頼まれた専門家チームが、意見の一致をみてから早四カ月がたつ。二十四日に久々に評価会合が開かれるが、規制委は原電の反論を聴く場として設定。報告書は決まりそうにない。チームの専門家からは、規制委の運営に疑問の声が出始めている。 (永山陽平)

 規制委事務局の森本英香次長は十九日の記者会見で、なかなか報告書の決定とならない理由を問われ、「会合は丁寧にやっていくということ」と説明した。
 原電は、六月までの予定で原発敷地内を追加調査中で、チームが中間報告を受けてもおかしくはない。
 ただ、チームの専門家たちは、自分たちが合意した見解に確信を持っており、報告書案をまとめた。予定外だった他の専門家からの意見聴取(査読)も終えたのに、なぜ報告書を正式決定し、規制委として敦賀原発2号機の運転の可否を決めないのか、足踏みの理由が分からない。
 名古屋大の鈴木康弘教授は「趣旨が分からない。規制委に付き合いきれないとの思いもある」と話した。東京学芸大の藤本光一郎准教授は「原電から新しいデータが出てきても、判断は変わらないだろう。中途半端な状況を長々と続けるのは良くない」と徒労感をにじませた。
 三月下旬、自民党の会合で、規制委幹部たちが、もっと原電の反論を聞くよう迫られる場面もあった。
 専門家チームの千葉大大学院の宮内崇裕教授は、二十四日の会合について「政治的な圧力があったか分からないが、原電のガス抜きの意味はあるだろう」と語った。
 規制委事務局の担当者は「(次の会合で)原電の話を聞いて報告書案を書き直す」としており、チームの報告書が決まるのが、五月以降にずれ込むのは間違いない。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013050102000126.html

国会事故調収集資料 閲覧不可、2カ月放置 選挙制度対立余波
2013年5月1日 朝刊

 国会の東京電力福島第一原発事故調査委員会(国会事故調)が収集し、国立国会図書館に所蔵されている資料を閲覧できない状態となっている問題は、対応を検討するはずの衆院議院運営委員会で何も議論されないまま、発覚から二カ月がたった。立法府の情報公開への姿勢が問われる。 (宮尾幹成)

 資料は、国会事故調が約千百人に上る政府や東電の関係者から非公開で聞き取った記録などを含め段ボール約六十箱分。現在は国会図書館の倉庫に保管されている。
 事故調は昨年十月に解散する前、資料の閲覧を想定し、プライバシーなどを考慮した上で資料を公開、非公開で分類した。だが、事故調の設置法に公開に関する規定はなく、国会議員で構成する事故調の上部機関「両院合同協議会」も公開ルールを定めなかった。国会図書館にも閲覧を判断する権限はなく、資料の扱いが宙に浮いた状態になっている。
 超党派議員の「原発ゼロの会」は二月末、衆参両院の議院運営委員長に必要な手続きを要請。衆院の佐田玄一郎議運委員長は、議運委の下にある図書館運営小委員会で検討する考えを示した。
 四月八日の衆院原子力問題調査特別委員会で、両院合同協議会のメンバーだった自民党の塩崎恭久氏は「本来は事前に保管期間や開示時期などを定めておくべきだった」と指摘した。
 だが、資料閲覧問題が議運委や図書館小委で議論された形跡は全くない。
 衆院ではこの二カ月間、衆院の「一票の格差」を是正するため小選挙区を「〇増五減」する公選法改正案の取り扱いなどをめぐって議運委が紛糾した。選挙制度改革に関する与野党対立のあおりで、図書館小委も開けなかったようだ。
 図書館小委の渡辺周委員長は「早く対応しないといけない。大型連休明けには小委員会を開きたい」と話している。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013050102000122.html

事故収束費が圧迫 福島第一 東電新たに446億円
2013年5月1日 朝刊

 東電は二〇一三年三月期連結決算で、福島第一原発の事故収束にかかる費用だけで新たに四百四十六億円を追加した。毎年増える収束費用は現時点で、事故の損害賠償費を除いてもすでに一兆円近くに到達。電力会社の経営にとっても、原発事故の代償がいかに大きいかがますます鮮明となっている。 (桐山純平)

 東電は決算期ごとに、福島第一原発の事故収束に今後どれだけかかるかを見積もり、新たな費用を追加分として損失計上している。一三年三月期の追加費用の用途について、住吉克之経理部長が三十日の記者会見で「汚染水を貯蔵するタンクの増設のため」と説明。事故からわずか二年で、収束費用は九千六百五十億円に上ることになった。
 収束費用はこれだけでは済まない。壊れた原子炉や溶融した核燃料の詳細な状況はいまだ不明で、さらに増える見通し。将来の収束費用について、東電の広瀬直己社長は同日の会見で「必要な対策やこれまでに想定していなかった工事があればやらなければいけない」とだけ話し、明示できなかった。
 東電は国から一兆円の出資を受けているため、多額な損失を抱えながらも何とか経営を続けていられる。経営規模が最も大きかった東電ですらこうした状況なので、ほかの電力会社で福島と同規模の事故が仮に起きれば、たちまち経営難に陥るのは明らかだ。
 原発四基が事故を起こした東電の現時点での収束費用を一基当たりに換算すると、約二千四百十二億円。例えば、二機の原発を保有する北陸電力で、東電と同規模の事故が起きれば、負債が資産を上回る債務超過となる可能性が大きい。
 原発事故が経営を打撃するのが明らかなのに、電力各社は原発再稼働を目指す。その理由について、北陸電力の担当者は「(事故が起きたらという)仮定のことにはコメントできないが、福島の事故のようなことが起きないように安全対策に万全を尽くしたい」と、述べるにとどまった。
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http://www.asahi.com/business/update/0501/TKY201304300546.html

2013年5月1日13時20分
8電力、赤字1兆5千億円 原発安全対策も新たな負担に

【江渕崇、藤崎麻里】全国の10電力会社の2013年3月期(12年4月~13年3月)決算が30日に出そろった。原発のない沖縄電力と水力発電が多い北陸電力をのぞく8電力の純損益が赤字になった。8電力合計の赤字額は1兆5942億円に達する。原発に頼ってきた電力業界だが、かつてのように原発を動かすのは難しく、経営改革や再編を迫られつつある。
 福島第一原発事故を起こした東京電力は6852億円の赤字になった。赤字は3年連続だ。原発事故の賠償費用が1兆1619億円に達し、「原発のコスト」が重くのしかかった。
 東電と大株主の政府は再建計画で14年3月期から黒字になるのを目指し、これが金融機関の融資条件にもなっている。ただ、今年4月から柏崎刈羽原発(新潟県)を順々に再稼働することが前提になっているものの見通しはたっておらず、再建計画は崩れつつある。
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http://www.asahi.com/national/update/0514/TKY201305140426.html

2013年5月14日21時10分
敦賀原発、直下に活断層 規制委が断定へ 廃炉の公算大

 原子力規制委員会は15日、有識者らの評価会合を開き、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の原子炉建屋直下の断層は「耐震設計上考慮する活断層である」と断定する報告書をまとめる。国は活断層の真上には原子炉建屋などを造ることを認めていない。このため、規制委の田中俊一委員長は敦賀2号機の再稼働のための審査をしない方針を示しており、2号機は廃炉になる公算が大きい。
 規制委の評価会合は全国6カ所の断層について調査または調査を予定しているが、活断層と断定する報告書をまとめるのは初めて。
 問題の断層は、2号機の原子炉建屋直下を通る「D―1」と呼ばれる断層。規制委の有識者らは昨年12月、現地で原発敷地内にある活断層「浦底断層」の近くで、D―1断層から延びた地層のずれを調べた。

・・・・・・・・・。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051401002318.html

敦賀原発「直下に活断層」報告案 規制委、2号機廃炉濃厚に
2013年5月15日 00時32分

 日本原子力発電敦賀原発(福井県)の敷地内断層を調べた原子力規制委員会の調査団が、2号機の直下に「活断層がある」とする報告書の原案をまとめたことが14日、分かった。15日午後の評価会合で詰めの議論を行い、異論が出なければ了承される見通し。
 活断層と判断された場合、2号機の運転再開は極めて困難となり、原電は廃炉を迫られる可能性が濃厚だ。経営危機に陥れば、原電に出資する大手電力各社にも影響が及ぶ恐れがある。
 規制委は早ければ22日の定例会で今後の対応を議論する。国は活断層上に重要施設の設置を認めていない。

(共同)
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http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201305140799.html?ref=com_top_pickup

2013年5月15日
原発再稼働、はやる自民 参院選にらみ推進議連 規制委へ圧力強まる可能性

 国内の原発再稼働を促進する自民党の議員連盟が14日、発足した。日本原子力発電敦賀原発(福井県)は直下の活断層により廃炉の可能性が高まるなか、自民党は安全確認を前提にした「原発再稼働容認」を参院選公約に明記する方針。原発立地自治体の要望や成長戦略を理由に、再稼働を急ぐ動きが強まっている。

・・・・・・・・・。
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●「「3.11」から2年② 原発という犯罪」『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)

2013年03月15日 00時00分20秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。注目は、もちろん、特集記事「「3.11」から2年② 原発という犯罪」。犯罪であり、原発を作り続けた上に、何の責任も取らない自民党、それを支持することの「品格」「資質」。
 もう一つは陸山会事件の記事。当たり前の主張なのに、「小沢信者」と呼ばれる始末。政権交代の意義が失われ、民主党が壊滅し、今のこの哀しい政治状況を生み出した原因。自民党に乗せられ民主党議員までが悪乗りし、自分で自分の首を。それで自民党が復権したのだから、アホである。

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■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 今開封。「「3.11」から2年② 原発という犯罪」、そう、犯罪です! 三宅勝久さん【自民党「政党交付金」の使徒隠しは許されるのか 一三三億円に領収書なし】、原発推進という犯罪だけでなく、相変わらずの金に対する意地汚さ

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 野中大樹氏【ジャーナリスト、弁護士らが集結 消費税増税反対の国民集会を】、宇都宮健児さんら。「斎藤貴男氏は、「消費税は国やマスコミが宣伝してきたような公平なものではない。(経済的に貧しい人間の金を吸い上げて金持ちにまわす、これに尽きる税制」だと喝破

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 畠山理仁さん【自死した福島酪農家の妻 東電に賠償申し入れ】、「「原発さえなければ」/・・・堆肥小屋の壁にそう書き残して自ら命を絶った・・・」。【大塚将司の経済私考/成長戦略としてのTPP参加はまやかしだ 日本の未来図を描き、米国の深謀を熟慮せよ】

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 【元国会事故調査委員会委員田中三彦さんに聞く/「福島第一原発の事故原因はまだ解明されていない」】。【渡辺満久教授に聞く/活断層から見える「原子力ムラ」の重すぎる罪】、「追及されるべき責任者」「懲りない電力会社」

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 金子勝さん【失敗は実証済みの「三本の矢」 アベノミクスは遊園地のコーヒーカップと同じ】。きんようぶんか案内板、福岡県の筑豊に生まれた坑夫・絵師【世界記憶遺産の炭坑絵師 山本作兵衛展】、四ノ宮浩監督映画【『わすれない ふくしま』】

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 真野きみえ氏【3月13日に元秘書3人の判決 陸山会事件とは何だったのか】、リードは「小沢一郎氏が事実上、政治的に抹殺される形になった陸山会事件の判決が、3月13日に出される。4年にわたり、日本中を騒がせた陸山会事件とは一体何だったのか」・・・

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 真野きみえ氏【3月13日に元秘書3人の判決 陸山会事件とは何だったのか】、・・・「虚偽記載と言っても〝期ズレ〟」「検察審査会の闇」「権力が勝利し、国民が負けた」。当たり前の主張なのに、「小沢信者と呼ばれる始末。今の哀しい政治状況の原因

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 浅野健一さん【被疑者写真の盗み撮りは妥当か PC遠隔操作事件】。岩本太郎氏【ネット上のみならず街でも外国人排斥派を反対派が批判】、聞くに堪えないシュプレヒコールなどの「う在特会」に対する、プラカード、メッセージによる静かな反対運動

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 田島泰彦氏【憲法改正案が指し示すマイナンバー法案と秘密保全法の企て】、「自民党の改憲草案が示す情報の統制とコントロールに抗して・・・情報を市民に取り戻す取り組みが求められている」。石坂啓さん【初めて老いった!/第38回 母には通用しない】
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●だから言わんこっちゃない ~自民党復権と原子力ムラの復活~ 

2013年02月27日 00時00分01秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/politics/update/0215/TKY201302150279.html)と社説(http://www.asahi.com/paper/editorial.html、2月19日)。

 だから言わんこっちゃないでしょ。

   『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」
   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
         「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」

 自民党の一体誰が東京電力原発人災の責任をとったのでしょうか? 元首相らのお笑いな反省の弁があっただけだ(『●Mr.風見鶏: 反原発をお前が言うか!?』、『●どんだけ面の皮が厚いんだか!!』)。自民党を復権させ、原発推進に突っ走らせているこの日本。このような現状が、道議会議長や静岡県議会議長の発言につながっている。

 以下はとある日のつぶやき。

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AS@ActSludge

「責任は免れない」けれども、原発推進、建設再開、再稼働、輸出?? 『小泉進次郎氏ら警戒区域視察 自民青年局の約150人』(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013021101001565.html …)/「立ち入り禁止となっている福島県内の警戒区域を視察・・「原発を推進してきた私たち(自民党)の責任は免れない・・」」
************************************************************************************

・・・・・・と思ったのですが、東京新聞の記事は消えているので、こちらを「小泉進次郎氏ら警戒区域視察 自民青年局の約150人」(http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013021101001565.html)。

    「自民党青年局の小泉進次郎局長ら若手国会議員や地方議員の
     約150人は11日、東京電力福島第1原発事故を受けて
     原則立ち入り禁止となっている福島県内の警戒区域を視察した。
     視察後、小泉氏は福島市内での報告会で「原発を推進してきた
     私たち(自民党)の責任は免れない。全国から集まった青年世代が
     復興の日まで責任を持って見届ける」と決意を語った。
      警戒区域内で視察団はバスに分乗し、同県浪江町の
     伝統工芸品「大堀相馬焼」の窯元の被害状況などを見て回った。
      福島市内では避難生活を余儀なくされている仮設住宅の住民から
     「復興住宅を早く造ってほしい」などの要望を聞いた。」

 お笑いだ。「復興の日まで責任を持って見届ける」なんて噴飯ものだ。若手議員である小泉進次郎氏の世代で復興できるとでも思っているのだろうか。父上と同じ「無責任」ぶりだ。
 被災者の市民の皆さん、おじいちゃん、おばあちゃん、子供たち・・・・・・、騙されてはいけない、責任一つとれない党に。

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http://www.asahi.com/politics/update/0215/TKY201302150279.html

2013年2月15日23時54分
福島県議会議長、怒りの退席 自民会合、再稼働の声多く

 自民党の資源・エネルギー戦略調査会が15日、原発がある13道県の議長を招いた意見交換の場で、出席者から原発再稼働を求める声が相次いだ。これに福島県議会の議長が怒り、会合から退席した。

 「民主党政権に止められた浜岡原発は今後どう対応するのか」(静岡)
 「再稼働の手続きを速やかに詰めて、お知らせいただきたい」(北海道)

・・・・・・。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html・・・・

社説

2013年2月19日(火)付

原発政策―課題を先送りするな

 朝日新聞の世論調査で、原発の今後について尋ねたところ、「やめる」と答えた人が計7割にのぼった。
 「すぐにやめる」「2030年より前にやめる」「30年代にやめる」「30年代より後にやめる」「やめない」という五つの選択肢から選んでもらった。
 全体の6割は30年代までに国内で原子力による発電がなくなることを望んでおり、「やめない」は18%にとどまる
 政権交代を経ても、原発への国民の意識は変わっていないことが確認されたといえよう。
 気になるのは、政治の場から原発に依存しない社会に向けて議論を深めようという機運が失せていることだ。
 安倍政権も「脱原発依存」を掲げている。実際には、民主党政権が決めた「原発ゼロ政策」の見直しを表明するなど、巻き戻しの意図が濃厚だが、何をどう見直すかについてはあいまいにしている。
 当面、新たな安全基準や活断層評価などを進める原子力規制委員会の動向を見守る姿勢を示すのは、「参院選まではじっとしている」戦略なのだろう。
 国会でも、原発政策をめぐる論戦は低調なままだ。
 原発政策の転換は、経済や社会に大きな影響を与える。
 だからこそ政策変更に伴って生じる負の側面をできるだけ軽減し、新たな成長や構造転換のきっかけとするよう、周到な準備と合意形成に向けた取り組みが不可欠だ。
 例えば、規制委による審査の厳格化で、廃炉になる可能性が高い原発や再稼働までに時間のかかる原発が増えることが確実視されている。
 廃炉までの段取りをどう進めるのか。地元経済や電力安定供給への影響をどう軽減するか。使用済み燃料放射性廃棄物の保管をどうするか。
 どれも、待ったなしの課題である。政府が課題を洗い出したうえで、国会で議論を始めるべきだ。
 国会には先月末、原子力問題調査特別委員会が設置された。規制当局が「原子力ムラ」にとりこまれないよう、国民の目で監視するべきだとする国会事故調査委員会の提言でできた。
 その趣旨を踏まえたうえで、もっと広く脱原発依存に向けた政策全体を議論する場にしてはどうだろう。
 昨夏の「国民的議論」のように、市民自身による議論の場を設けるのも一案だ。
 政治が面倒なことから逃げ、課題を先送りすれば、後の混乱が大きくなるだけである。
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コメント
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●原発施設と断層、驚きを通り越して呆れる

2013年01月25日 00時00分42秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013011501002282.html。WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)の記事を二つ(http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/12/26/ibaraki_2012dec24/#more-4979http://hiroakikoide.wordpress.com/2013/01/01/mbs1179_2012dec31/#more-5023)。

 「活断層の直上禁止」、当たり前すぎて、何をいまさら言っているのだろう。それに、きっと「直上」の定義をあいまいにするにきまっている。「直上」じゃなければ大丈夫、と言うにきまっている。
 これまでそんな危険なところに原発を建設してきた責任を、自民党と電力会社の一体誰がとったのか? 追求しないマスコミにも責任。騙された人々も責任を自覚しなければ、また、参院選でもきっと騙される。そうなれば、さらなる絶望感が広がる。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013011501002282.html

活断層の直上禁止、明記へ 原発重要施設で新基準案
2013年1月15日 22時27分

 原子力規制委員会田中俊一委員長)は15日、7月施行予定の原発の新安全基準に、地盤をずらす活断層の直上に原子炉など重要な施設を設置してはならないと明文化する方針を決めた。今月末にまとめる骨子案に盛り込む。
 国はこれまでも活断層上に重要施設の設置は認めていないが、根拠となる2010年改定の「安全審査の手引き」では「設置は想定していない」などと曖昧な記述にとどまっていた。
 電力業界などは「ずれる量を計算して、小さいと予測できれば原子炉などを設置しても問題ない」と主張していたが、予測手法が実用化されていないため採用しない。

(共同)
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[※ブログ主: すいません、勝手に動画を貼らせていただいております]
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http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/12/26/ibaraki_2012dec24/#more-4979

12月24日 「豆腐の上の原子力発電所」小出裕章さん講演/第二回 脱原発サミット in 茨城(文字起こし)

2012年12月24日に開催された「第二回 脱原発サミット in 茨城」に小出裕章氏が出演され、その動画がYouTubeに掲載されていましたので、このブログでも共有させていただきます。また、以下の通り文字起こししました。

▼文字起こしは以下。

◆質問者
小出さんにお聞きしたいんですけれども、東海第二原発というのがですね、実は調べてみるっていうと、え〜、あの〜、原子炉自体は、あの〜、非常に強固な岩盤の上に作らなければいけないと、そういう風にまあ決められている、え〜、で、実際にあの〜、え〜、あの〜日本原電が出しているようなあの安全、安心パンフレットを見ますというと、強固な岩盤の上にあるという風に書いてあるんですが、あの〜、ネットなどでですね調べてみたり、学者のあの論文等を読んでみたり、政府の発表物を見たりするっていうと、東海第二原発は、5メートルの、え〜とコンクリートの板に乗っていると、その下に8メートルのコンクリートを更に打って、人工岩盤という風にしてる、更にその下には、あ〜、泥岩というあの岩がある、で、え〜政府事故調などは、暗室岩盤と言って、え〜、既にあの強固な岩盤と言っていないのですが、こういう原発というのは、どういう風になるとお考えでしょうか?

◆小出
今、ちゃんとお話くださったけれども、東海第二原発だって、全然強固な岩盤じゃない、ですよね。でも、そんなこと言ったら、日本中強固な岩盤に建っている原発なんてない、んだろうと私は思います。浜岡だって相楽層とか言ってますけど、ボロボロですよね、あの手で持ったらパリパリと割れるようなところだし。

え〜、東京電力の柏崎刈羽原発、原子力発電所なんていうのは、砂丘の上に建てようとした、いくらなんでも砂丘はマズいだろうと言って何十メートルも穴を堀ったけれども、いくらやってもちゃんとした岩盤が出て来ないというとこで、そこに建ててしまった。
え、昔から「豆腐の上の原子力発電所」と呼ばれていた、そこが地震に襲われ、襲われたら、物凄い揺れになって、あちこちボロボロに壊れてしまったというのが、え〜つい何年か前にあったということで、この世界中の地震の、1割か2割が日本で起きるという、そんな国で安心して原子力発電所を建てられるような場所は元々無かったんです。
無いのに、とにかく建てたいということで、用地さえ買収できてしまえばもうどこでもいいと、あとは地盤が悪ければ人工岩盤だというようなことで、これまでやってきてしまった、という歴史があったと思います。

今、敦賀の、え〜、日本原電の、第二原発というところでも、原子炉の下に活断層があると、実はそれだってはじめから分かっていた筈だと私は思います。
でも、とにかくそこに建てるしかないということで、審査をする人たちが、これは活断層ではないと言ってしまえば、もう、そこに建ってしまうという、そういうことだった、と思いますし、え〜、東海第二原発も適地ではないし、日本中原子力発電所の適地はどこにもないのだという風に思っていただきたいと思います。
(拍手)

◆質問者
え〜、そうする…あの〜そのこととちょっと関連致しまして、小出さんにお伺いいたしますが、あの〜、私はあの学生時代に、あのたくさんの大学の学生が入る学生寮におりまして、あの〜、航空工学というものをやっている学生とよく話をしたんですけれども、え〜、その人と話して、工学上非常に重要であるのはフェールセーフであると、え〜、フェールセーフという思想が生きないっていうと、あの〜、そういうものは作ってはいけないんだと、あの〜、彼はすごく理想主義的であった、そういう風におっしゃった。
原子力発電所はいつまで経ってもあの熱が取れない、え〜、で、いつまでも永久に冷やし続けないっていうといけない、そういうのってフェールセーフって言えるのかな、人類の工作物としていいのかな、というのは感じるんですがいかがでしょうか?

◆小出
え〜、原子力発電所の場合には、フェールセーフという言葉、要するに何か間違えたことをやっても安全なんだというフェールセールという言葉もありますし、フールプルーフという言葉もありました。
それは、フール、バカですね、え〜運転員がバカなことをやっても、え〜、きちっと保証出来るような、するという、それが設計思想になっていると、ずうっと彼らは言ってきたわけで、設計思想としてそうするということは、むしろ当たり前のことでもあるのですね。
え〜、人間が間違えたことをするし、何か具合が悪いことが時によっては起きるというのは、当たり前なことなのであって、それに対して設計上対処しておくということは、当然の考えかた、です。
しかし、それが、原子力発電所の場合には成り立たない、のです。

皆さん、クルマで今日ここに来られた方がいらっしゃると思います。
例えば、時速40キロか50キロで、走っていて、走っている途中にタイヤが一つポロリと取れる、落ちてしまったと、といったら、みなさんビックリしてすぐにブレーキを踏んで、ある人はエンジンを切るかもしれない、そしたらまあ何十メートルかは走るかはしれないけれど、そこで時速0キロメートルになりますね。
必ず止まります。

しかし、原子力発電所という、ものは、ウランの核分裂を起こさせて、熱を発生させるわけですが、核分裂を起こさせる、起こさせた途端に、核分裂生成物という放射性物質が原子炉の中に貯まってくる、のです。
放射性物質はそのもの自身が熱を出す、というものが基本的な性質、です。

で〜、今日の原子力発電所は100万キロワットというのが標準になって、いますが、100万キロワットの原子力発電所というのは、電気になるのが100万キロワットと、いう意味です。
原子炉の内部では300万キロワット分の発熱をしていて、わずか3分の1だけが電気になって、3分の2、つまり大半の200万キロワット分は、使うことができないまま、海に捨てているという、そういう馬鹿げた装置、なんです。
で、その上に300万キロワット発熱しているというその熱のうち、7パーセントは、ウランが核分裂しているのではなくて、既に炉心に貯まってしまった核分裂生成物、そのものが出しているんです。

何か事故が起きて、ウランの核分裂反応を止めるということは、かなり比較的容易です。
たぶん福島の事故の場合にも止められたと私は思っています。
しかし、原子炉の中に、核分裂生成物が止まってしまっている限りは、7パーセント分のエネルギーは止めることは出来ないんです。
発熱は。
つまり事故があった、もうここで止まらなければいけないと思って、どんなにブレーキを踏んでも、エンジンを切っても、クルマが止まらないんです。
それが街中の人混みの中であろうと、山の中の崖っぷちであろうと、タイヤが外れたまま走り続けなければ、壊れてしまうというのが、原子力発電所というそういう機械なのです。
え、どんなフェールセールも、どんなフールプルーフも、もう成り立たないという、はじめからそういう基本的な性質を抱えた機械、です。
ですから、まあ設計思想として、フェールセール、フールプルーフということをやることは私は当然だし、いいことだと思いますけれども、(原子力発電所)というのは、それが成り立たない技術であると、思っていただきたいと思います。
(拍手)

▼動画

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[※ブログ主: 膨大な文字お越し作業、有難うございます。
   音声ファイルは同所にありますので、下記アドレスに直接アクセス!]
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http://hiroakikoide.wordpress.com/2013/01/01/mbs1179_2012dec31/#more-5023

12月31日 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生が出演/MBS1179 報道するラジオスペシャル(文字起こし)

2012年12月31日、MBS1179 報道するラジオスペシャルに小出裕章氏が出演され、その動画がYouTubeに掲載されていましたので、このブログでも共有させていただきます。 また、以下の通り放送を文字起こししました。

▼出演者
【パーソナリティ】
水野晶子
近藤勝重(毎日新聞専門編集委員)
【ゲスト】
小出裕章さん(京都大学原子炉実験所)
【テーマ】
「来年」。政権も変わった日本の来年がどうなるのか、どうなってほしいのか。

▼文字起こしは以下。

京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんです。

◆水野
小出さ〜ん。

◆小出
はい。

◆水野
こんにちは、というかこんばんはになってまいりましたがね。

◆小出
はい、こんばんは。

◆水野
どうぞよろしくお願いします。

◆小出
こちらこそ。

◆水野
近藤さんは、お久しぶりとはございませんか。

◆近藤
いや〜ぉ、お久しぶりです、えっ。

◆小出
そうですね。

◆近藤
お元気ですか。

◆小出
はい、何とか生きています。

◆近藤
そうですか。

◆水野
は〜い、あの今日もこの大晦日という日に小出さんとお話させていただく、たいへんお忙しいのに申し訳ないんですが、やはり、どうしても、この、今年2012年にね、原発巡る動きがどうであったのか、そして、来年どうなって行くのか、というのは、何としてでも小出さんに伺いたいという思いがございます。
え〜、そして、小出さんに質問したいというリスナーの方もいろいろと、あの〜、送ってきてくださっているんです〜。
で、まず、一番多くのお声をいただいているのは、何かといいますと、今日、毎日新聞の1面トップ、近藤さん、これ、毎日新聞がドドンと掲げましたね。

◆近藤
えぇ。

◆水野
安倍首相、原発新設に意欲。つまり、新しく作るという意味ですね。
新たに作っていく原発は、40年前の古いもの、事故を起こした福島第一原発のものとは全然違う、何が違うのかについて、国民的理解を得ながら、それは新規に作っていくことになるのだろう、という風に安倍総理がおっしゃったと、つまり新しく作って増やしていくという意味ですね。

◆近藤
うぅ〜ん。

◆水野
で〜、これについてですね〜、聞いてくださっている方が多いんです。
笑顔が一番さんも、大掃除しながら聞いていますけど、え、え、そういうことなんですか、再稼働に向けて、どんどん、あの、動き出しているんですか?とかですねぇ、あの〜、ホンマに前とは違う、福島とは違うものなんでしょうかっていう風に聞いてくださっているんです。
ここのところからまず始めたいと思いますが(はい)、え〜、まず安倍総理の発言について、どうお感じになりますぅ?

◆小出
呆れた人だと思います。

◆水野
呆…、そおぅですか…。

◆小出
はい。

◆水野
あの〜、ジュンジイトイさんというリスナーの方もですね、今の原発は昔のものと全然違うと、お〜、安倍さん言いますが、じゃ具体的にどこがどう違うんですか?小出先生教えてください、とおっしゃっております。
いかがでしょう。

◆小出
え〜、まず日本で原子力というものを進めてきたのは、自民党なんですね(はい)。
え〜、福島第一原子力発電所も含めて、え〜、日本国内に50何基もの原子力発電所を建ててしまったのは、すべて自民党、のせいです(はい)。
福島第一原子力発電所の事故を起こしたのも、自民党のせいです(うぅん)。
え〜、その自民党が、また新しい原子力を作ると、いうようなことを言っているわけですが、福島第一原子力発電所だって、自民党が安全な原子力発電所で運転していいと許可を出した…。

◆水野
そうか、そういうことですね〜、自民党政権のときに政府が許可を出したわけですよね。

◆小出
そうです。
日本の原子力は技術が進んでいる、日本だけは事故を起こさないというようなことを、自民党がずうっと言いながら来て、事故を起こしているのです(はい)。
まずその責任というものを、安倍さん自身がきっちりと言わなければいけないし(う〜ぉ)、これから新しい原子力発電所を作ると言うなら、まずそれがどこがどう違っているかを、安倍さん自身が言わなければいけません(はい)。
そして、私から見れば、まったく変わってはいない(ん〜)のです(はい)。
今は、改良型の軽水炉、えぇ、改良型の加圧水型原子炉、改良型の沸騰水型原子炉といういうようなものをこれから造ると言っているわけですけれども…。

◆水野
改良型って名前が付いているんですね?

◆小出
そうです。

◆水野
そうすると、私たちは、素人は、あっ改良されたんだ(はい)、大丈夫なんだというイメージを持つわけです。

◆小出
はい。技術というのは、少しずつ進歩していくわけで(はい)、悪いところを見ながら改良していくというのは、当たり前のことなのであって、1年経てばまた少しずつまた改良されているということは(うふっ)、当たり前のことなんですね(はい)。
はい、特に日本の場合には、その改良ということが、例えば原子炉の大型化であったり(ふぅ〜ん)、経済性の追求であったり(はい)、そういうことで来てしまったわけで、改良というのはむしろ私からみると改悪になってしまっている、のです(はぁ〜)。
で、いかなる原子力発電所も、原子炉というものを使う限りは、放射能を作ってしまいますし、機械である以上は、壊れるということは、ときにはあるということは覚悟をしなければいけないものなのです。
え〜、そういう意味で言えば、まったく変わっていない、旧態依然としたものを、また自民党がやろうとしているという、ことです。

◆水野
うぅ〜ん。近藤さん。

◆近藤
はぁい。

◆水野
自民党、安倍政権は、その〜原発推進シフトで閣僚はかなり固めているんですってねぇ。

◆近藤
う〜ん、そうですよ。甘利さんとかね(はぃ)。
いずれにしても僕は12政党の中で、脱原発に最も消極的だったのが自民党だったわけです、近藤の選挙でも(そうですね)。
で〜、にも関わらず、それが政権政党になっちゃったわけです。
え、そこんところがね、自民党のものの言い方っていうのは、結構いろいろ曖昧な部分があって、原発に依存しなくても良い社会を目指すっちゅう予防線を張ったり、いろんなことを言って、なんとなく争点からボカしていったんですよ。

◆水野
選挙のときになかなか争点になりませんでした。

◆近藤
そう、ですからね、そういう争点外しを意図的にやった上で、今になってですよ、原発新設に意欲を見せるような発言をするっていうのは(うぅん)、それはやっぱり〜、1000年に一度と言われる未曾有の災害、そのことのいろいろな豊かさの本質とかそんなこと問う選挙ででね、原発の問題を本当に問う選挙でね、そういうことを外して、国民に投票させて、そしてその後にですよ、こういうことを言い出すってのはね(はぁ)、僕はある意味そりゃフェアじゃないと思うんだよね。
んん、んだから、ここはやっぱり公明党がね(はい)、一緒に政権作っているわけですけれども(えぇ)、その話にどう反応するのかってことをね、とりあえずそこんところをまぁ見なくちゃいけないなっていう気がしていますけどね。

◆水野
小出さん、今起こっていることのもう一つの側面でね、福島原発事故を巡って、検察当局が東電の幹部から、事情を任意で聞いているっていうそういう事実もあるんですね。
で、あの〜、このポイントがどこかって言いますと、津波の危険性を予測しながら、津波に対する安全対策を怠ったんじゃないか、ここがどうだったんだというのがポイントになっているということなんですよ(はい)。
これ〜について、小出先生、どう見ていらっしゃるか教えていただきたいんですが〜。

◆小出
もちろん津波に対しての対策を怠っていた、のですね(はい)。
で〜、それだけでなくて、原子力発電所が機械であって、え〜、さまざまな要因でその機械が壊れるということについて、十分な対策を取らないまま来てしまった、わけです(えっえっ)。
もちろん地震という出来事で、原子力発電所の一部が壊れたかもしれないということは、え〜、福島第一原子力発電所の国会事故調査委員会すらが指摘している、わけで、え〜、東京電力の責任は私は猛烈に重いと(ん〜)、思います。
え〜、例えば、皆さん考えていただきたいのですが、どこかの小ちゃな町の工場が、毒物を回りに何か漏らしてしまって、周辺の人に迷惑をかけた、というようなことをすれば、すぐに警察が踏み込んで、え〜、某かの法的な手続きを取る筈だと思いますけれども、福島第一原子力発電所の事故の場合には、何十万人もの人が家を奪われる(え〜)、そして、その中で命を落としていくというようなことが進行してきている、今でも進行しているわけですし(う〜ん)、何百万人もの人が、放射線の管理区域に指定しなければいけないようなところで、生活を強いられてしまっていると、いう事実があるのです(はい、はい)。
それなのに、東京電力の会長、社長以下、誰も責任をと、問われていないという、この国はいったいどういう国なのかと私は思います。

◆近藤
あの〜、刑事責任のレベルで言うと〜(はい)、やっぱり津波の高さをね、そのどの程度彼らが想定してたかが大きなポイントになる(ポイントになるんですね)。ん〜、だから、所謂6メートル説、15メートル説、いろいろあるけども、東電の現場では、例えば15メートルと見ていたとすればね、その〜そんなら対策をとってたかとってないっていうことになると大きな違いがあるわけですよね(はぁ〜)。
あの、地検が関心を持っているのは、まずとりあえず津波の高さをどの程度想定できてたかと…。

◆水野
あぁそこになるんですか、ただ…。

◆近藤
だから、出来てない…。

◆水野
ってことであれば次の問えなくなるわけですね。

◆近藤
所謂予見可能性の問題だよね。

◆水野
でも、そうしますとね、ある意味、津波の危険性をどう捉えていたかっていうポイントの、訴訟だからそれはしょうがないんでしょうけれども、告訴、告発になってのことだからしょうがないのかもしれないけども、じゃ、津波が無かったら、原発は安全なんだと、いう話にも繋がっていきやすい論理じゃないですか?

◆近藤
それはまたその話の別個の性格として出て来ますよね(ねぇ)。
とりあえず起きた事故は、その津波と無縁じゃないわけで(もちろんね)多いに関係あるわけだから、あのそこで過失を問えるか問えないかっていううのはやっぱそこのところは大きいって判断をあると思うんです…

◆水野
しかし、問えないって可能性もあるってことですよね。

◆近藤
あるでしょうね。
あの〜、刑事事件的に言えばね(ん〜)。そういう性格のもんでしょうね。

◆水野
小出さ〜ん、今年というのは、5月5日に、全ての原発がストップしたんですよね。

◆近藤
そうでしたね。

◆水野
あのときの小出さんの、その言葉、あたし覚えているんですよね。

◆小出
はい。

◆水野
あ〜、こんな日がやってくるんだと、いう、非常に感慨深いものがおありだったと思うんですが〜。

◆小出
嬉しかったです。

◆水野
ねっ、そうおっしゃった。
しかし、続きませんでしたね、その状況は。

◆小出
そうでしたね。

◆水野
その後、2ヶ月弱で、え〜、大飯の3号機が再稼働するという形、7月1日に再稼働しましたので、2ヶ月弱で、全ての原発が停止している状況は、日本から消えました。

◆小出
はい。

◆水野
で、その間ね、何があってそういう風になったのかっていろいろ見ていくと、例えば大飯の再稼働に反対していた関西広域連合が、ま、限定的だったら再稼働は認めざるを得ないという風に態度を変えたと、いうようなこともあります。
え〜、そしてどんどんどんどん雰囲気が変わっていったんじゃないかと思うんですけれども、小出さんはその辺り、どんな風に日本の人たちの気持ちの変化を見ていらっしゃいますか?

◆小出
え〜、大飯の再稼働ということは、再稼働をしないと停電になるぞと(えぇ)、脅しをかけられたのですね。
で〜、橋下さんなどは、コロリと再稼働反対から容認に変わってしまうと、いうことになりました。
しかし、事実で言うのであれば、大飯なんか再稼働させなくても、電気は十分足りたのです(えぇ)。
それを、国民が皆さん、騙された。
橋下さんも騙されたフリをして結局認めていくということになりました。
私は日本の電力需給の状況というのを、もっと皆さんがしっかり知らなければいけないと思いますし、国と電力会社が正直に現在の状況というものを説明すべきだと私は思います。

◆水野
実際、再稼働無しでもこの夏電力不足にならなかったというのは、まぁ、後で検証してみたら、はっきりしたんですよねぇ。

◆小出
もちろん後でしてもはっきりとしましたし、はじめから分かっていたことなのです。
◆水野
小出先生は、始めから分かっているとおっしゃって(そうです)、そのベースになるデータは、国が出しているとおっしゃていますよねぇ。

◆小出
あの、国がデータ、どこの原子力発電所が何万キロワット、火力発電所が何万キロワットというデータを公表していますし(う〜ん)、え〜、そのデータを見る限りは、現時点で、原子力発電所を即刻全て止めたところで、いついかなるときも停電にはならないのです。
そのことを皆さんどうして分かってくれないか、私はたいへん不思議です。

◆近藤
そこのところがね、あれなんでね〜、あの選挙の間、そこのところが浸透してたらまた話が変わっていたんだよねぇ。

◆小出
そう思います。

◆近藤
それとね、僕ね(はい)、先ほどあの自民党の責任案あんぬんかんぬんの話で、そうしても今日付け加えて、先生のことに付け加えて言いたいんだけど、その東通原発の問題で、学者の方全員でしょ、全員が活断層の危険を言うてますよね(はい)。
にも関わらず、東北電力はそれを豊潤だ地下水を吸ってんだということで、要するに安全なんだということでまかり通ったわけでしょ(はい)。
で、まかり通らしたのはそしたら誰の政権のときだったのかと考えれば、これは自民党ですよね(そうです)。
そうすると、この手の活断層を巡るいい加減な、ある意味いい加減な処理のしかた、あるいはそのとき何がどうでOKになったのかというその経過、ここらあたりをもう一回やることがですね、あの、すごく大事なことなんじゃないかと、僕、最近よく思うんですよ。

◆小出
はい。

◆近藤
こんないい加減な形でぼんぼんぼんぼん原発が出来ていったのかと、今ゾッとするような感じの所謂原発、原子力ムラというものはこういうことだったのかというのがね、実態すら何か私そこに感じるんですけどね。

◆小出
そうですね(ん〜)、マスコミの方、報道の方にもっとしっかりとそういう事実をキチッと調べて報道して欲しいと願います。

◆近藤
本当に、今になってねぇ、え〜、何かそういうことを言ってもむなしさあるんだけども、でも、追求する側として遅くない気はするんですよね。

◆小出
そうですね、はい。

◆水野
う〜ん、やらねばやらないことですよね。
そして、あたし、返す返すもあのとき何やったんやろと思い出すのは、民主党がね、2030年代原発ゼロって言っておきながら、閣議決定しませんでしたよね。

◆小出
はい。

◆水野
あの辺りのことを小出先生、どう見ていらっしゃいますか?

◆小出
情けないことだと思いました。
え〜、元々民主党政権が、国民にパブリックコメントというのを求めて、2030年に0にするのか15にするのか25にするのかといって意見を求めたのですね。

◆水野
何%原発に依存するのかって話ですね。

◆小出
そうですね。
え〜、その政権の求めに応じて、多くの国民が意見を寄せました。
そして、その大部分はゼロにせよと、そして、2030年ではなくて、即刻ゼロにしろという意見が多かった、のです。

◆水野
そうでしたね、はい。

◆小出
それを受けて、民主党政権は、今度は30年代という、一つ代という言葉を付け加えて…。

◆水野
最初、2030年まででしたよねぇ。

◆小出
そうです。
2030年にと言っていたのですが。

◆水野
いや〜、まに〜もゼロにすると言ったら切ろと言ったら2030年代に10年も増えていましたよね。

◆小出
そうです、そうです。
2039年12月31日まで延ばしてしまった。
つまり10年そこでパッとさばを読んでしまった(えぇ)、わけで、それでもまあ一応はゼロと、を目指すと言ったのですね。
ただ、その閣議決定すらが出来ないという状態で、情けない政権だなと私は思いました。

◆近藤
これはあのすごく大きかったんですよ。僕は民主党政権の普天間の問題もおかしかった、そして、八ッ場ダムもおかしかった、そこに持って来て30年代でボヤケてしまって閣議決定しなかったでしょ(はい)。
こういう連続の中で民主党に対するイメージって言いますかね(はい)、ん〜、何かボヤけちゃったですね〜。

◆小出
そうでしょうね。こんな政権はやはり支持を失うと私は思います。

◆水野
その間ですね、株式市場で何が起こったか、東京電力の株価はですね、まぁ、あの事故後ずうっと落ちて行ったわけですけれども、ま、今やですね、一番低かった夏場の株価の倍以上に跳ね上がりました。
え〜、安倍さんたち自民党が圧勝と伝えられた直後の株式市場、東京電力はもうこれ以上値が付けれませんというストップ高にまでなるという、跳ね上がったんですよね。
で、小出先生ね、えっと更にこんなこと安倍さん言ってます。
福島第一原発の廃炉の作業を政府が全面支援すると、いう風にまぁ言っているんですねぇ(はい)。まあ、政府としてそれはやって貰わなあかんという気持ちもする一方で、ということは、東電が廃炉にしていく費用を、税金、つまり私らのお金で、負担していくってことになるんじゃ違うんですかね?

◆小出
そうですね。
え〜、私らのと水野さんのお金もある(みんながね)、私のお金、近藤さんのお金でもあるわけだし、何よりも、福島原子力発電所の事故で今家を奪われて(はい)、流浪化している人たちとして汚染地帯に捨てられてしまった人たち、そういう人たちのお金を使って、東京電力を救済すると…。

◆水野
そういうことになりますよね〜。

◆小出
いうことをやるのです。

◆水野
はぁ〜。
廃炉に、あのこの福島についてもね、廃炉にほんまにできるんですかと、これは和田さんという方も聞いてらっしゃいますけど、それぐらい思うような廃炉って、お金どのぐらいかかるんですか?

◆小出
分からないのです。要するに、人間が初めて遭遇したことなのですね、今、一度に4基もの原子炉が溶け落ちて、しまって、放射能がそこから吹き出してきていると、いう状況になってしまっているわけで、いったいどうやれば廃炉に出来るのか、そのこと自身が分からない、のです。
え〜、もちろん東京電力が自分でやろうとすれば簡単に倒産するという、それほど難しいことであって、日本の国家がなにがしかの財政負担をやらなければならないということは、当然なことなのですけれども、え〜、こんなことを引き起こした責任というものをまず、東京電力も、そして自民党という政党も、自覚をしなければいけないと思いますし、その全ての負担を国民、そして今苦しめられている人たちにまた負わせようとしている、のです。

◆水野
え〜、コマーシャル挟んでも少しお話聞かせてください。

☆☆☆

◆水野
今日は、京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんにお話を伺っております。
小出さ〜ん、引き続き伺いたいんですけれども、あの〜、多くの方たちが脱原発を望んだという事実がまぁあります。
しかしながら、今になったらですね、え〜、ま、選挙で大勝した政権のリーダーは、新しく造って行くということに意欲を示しているという、これが今日本の実情なんですよね。

◆小出
そうですね。

◆水野
何でこんなことになるのかと、いうこと、ま、いろんな見かたがあると思いますけれども、小出さんはどう思われます?

◆小出
また、騙された、ですね。

◆水野
また騙されたですか?

◆小出
要するに、近藤さん、先ほどキチッとおっしゃってくださったけれども、え〜、選挙のときには、自民党が明白に自分たちは進めるということは言わなかった。

◆水野
10年でいろいろ考えますの話でしたね。

◆小出
はい、でも始めから明白に進めるということは彼ら腹をくくっていたわけ、ですし、それを言わないまま選挙というものは行われて、国民がまた騙されたということです。

◆水野
あの〜、この、騙されたという感覚ね。
ん〜、確かにそれは騙されたかもしれないけど、あたしは〜こういう風に原発政策を自民党は考えているだろうということを、安倍さんがはっきりおっしゃらなくても、感じてましたよ。

◆小出
そうですね。

◆水野
小出先生ももちろん、小出先生はもちろんですけれども、感じている人は私だけじゃなくって、あっ、自民党はたぶんこうするんだろなって、感じてたんじゃないですか〜?

◆近藤
騙されたっていうかね、あの〜、要するに優先度が下がったんですよ。
国民の意識の中で。
自民党のものの言いかたで。
も、う〜ん。

◆水野
今すぐ株上げてほしい、自分の暮らしを良くしてほしいのが、上がったっていうことですか?

◆近藤
うぅ、そっちのほうがむしろ、ううん、所謂生活者レベルの感覚のほうが上へ上がっちゃったんだよね。
そやけど本当を言うと、主権者、主権者としての感覚が一番優先されなければならない総選挙だったんだわ。

◆水野
本当はね(うん)。
そこのところ、騙された、騙されてしまう私たちっていう、ところ小出さんは、どう見てらっしゃるのか、小出先生もね、子どもの頃は、騙されたっておっしゃっていたじゃないですか(はい)。
戦後間もない時代にね、子ども時代を迎えられて、あの戦争の話と原発の話って似てるとこありませんか?

◆小出
はい、私はずうっとそう言って来ましたし、え〜、私が関わり続けてきた原子力の歴史というものを見ると、戦争のときとそっくりだなと(え〜)、思い続けてきましたし、今でもそう思います。

◆水野
どういうことでしょう?

◆小出
え〜、要するに国家という存在が、戦争をやると決める、あるいは原子力をやると決めて、え〜、体制というものが全部でそれにのめり込んで行くという、そういう流れだった(う〜ん)、だと思います。
え、戦争はもちろんそうでしたし(はい)、原子力もそうでした。
えぇ、マスコミも含めて、みんなが原子力こそ夢のエネルギーで、事故など決して起こさないというような宣伝、流れを作ってしまって、国民の多くはそれをただただ信じて、きてしまったという流れだったと思います。
でも、少なくとも、原子力に関しては、福島第一原子力発電所の事故というものが起こって、今現在進行しているのです(そうですね〜)。
え、苦しみが何も軽減されないまま、人々の苦しみが続いているわけで、せめてしっかりと目を見開いて見てくださいと私はお願いしたいと思います。

◆水野
何で私たちは騙されてしまうのでしょうか?

◆小出
今まあ近藤さんおっしゃってくださったけれども、やはり生活、日々の生活、もっと景気が良くならないかとか、そうしたものにやはりどうしても引きずられてしまうということが一番大きな要因だと思います。

◆水野
う〜ん、あの〜、戦争についても近藤さん、あれですね、こう、責任をちゃんと取れているのかと、いうことをずっと問われ続けて来た日本ですよねぇ。

◆近藤
で〜、広島、長崎を見て、そして福島を見たわけですよ。
これはまさに核と原子力の負の連鎖です
よね。
こんな国ないですよ(んん)。
ないときに選挙があったんだけど、その答えが出なかった。

◆水野
私たちは出せなかった。

◆近藤
んん、そうですね。
そこがね、辛いところです。

◆水野
はぁ〜、自民党の得票率が、ね、決して上がっているわけではないという事実がそこにあるわけですね。
え〜、小出さん。

◆小出
はい。

◆水野
この番組は来年どうなっていくのかという話をまぁ皆さんに伺っているんですが、小出さんはこの原発問題に関して、どう見ていらっしゃいますか?

◆小出
まぁ少なくとも自民党が政権を取ったわけですから、え〜、脱原発、あるいはその原子力をゼロに目指して行くという流れは、大きく変えられてしまうだろうと、私は思います。
ただし、このまま、反省のないまま、また新しい、再稼働どころじゃないんですね、自民党の場合は。

◆水野
新しく造るですから。

◆小出
そうです。再稼働なんか当たり前で、更にまた新しく造ろうということを自民党という政党は言っているわけですね。
私はそんなことを到底させたくないと思いますし、え〜、次のまた次の参議院選挙があるわけですから、え、キチッと皆さん考えていただきたいと思います。

◆水野
そうですね。
また来年7月に、私たちが問われる段階がやってくるんですね。

◆小出
そうですね。

◆水野
でも、そのとき、またこの原発の問題、隠れるかもしれませんね。

◆小出
え、また、自民党はたぶん参議院選挙までは、あまり明確に進める進めると言わない作戦に出るんだろうなと思っています。
そして、また国民が騙されて、自民党を支持してしまうようなことになれば、もうそれで終わりということになると思います

◆水野
はぁ〜、小出さん、またん〜来年希望のある話を聞かせてください、なんて簡単に言えないんですけれど、何とか希望のある話が出来ればという風に願っております。

◆小出
はい、思います。

◆水野
はい、どうもありがとうございました。

◆小出
ありがとうございました。

◆水野
京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんにお話をいただきました。
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●パブリックコメントで一般市民の「反原発」意思は集約済み

2012年11月28日 00時00分57秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012112190135422.html)。

 なんでたった5人のしかも、「有識者」だけなのか? それに、討論型世論調査等で「三つの選択肢」によって一般市民の意見・意思は既に十分集約されたはずだ。選択肢1「原発ゼロ」について、より一層細かく一般市民から意見を集約してはどうか。
 「意見は今後の運営に生かす」なんて、有識者に聞いたぐらいでどうせ聞き流すだけだろうし、「疑わしきは活断層に」もできずに、既に十分「独善」的委員会運営だ。大飯原発の断層調査を視よ、委員長代理の原子力推進派ぶりを。国会の承認も得ていない委員会人事であり、十分にその弊害が出ている。原子力「推進」委員会ぶりだ。

   『●原発意見聴取会: 広告代理店に丸投げ
   『●原発比率意見聴取会、選択肢の大前提が違うでしょっ!
   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●原発の「国民的議論」を「アリバイ作り」で終わらせないために・・・
   『●消極的にしろ、積極的にしろ、「原発0%」しかない
   『●懲りない自民党議員、いまだに原発の安全神話の悪夢から覚醒せず
   『●今年「も」電力は足りた
   『●不断の監視が必要な原子力「推進」委員会

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012112190135422.html

大飯止めて調査を」 断層評価 有識者、規制委に注文
2012年11月21日 13時54分

 原子力規制委員会は二十一日の定例会で、脱原発と再生可能エネルギーの積極導入を訴えるNPO法人代表の飯田哲也氏や、ノンフィクション作家の柳田邦男氏ら有識者五人から、規制委の活動について意見を聴いた。規制委の活動に対する批判も相次いだ。
 田中俊一委員長が発足後二カ月の状況を説明。優先課題として、原子力規制行政への信頼回復、東京電力福島第一原発事故の処理、安全規制と原子力防災の見直し-を挙げ、透明性や中立性を重視した運営を強調した。
 認定NPO法人環境エネルギー政策研究所所長の飯田氏は、規制委が関西電力大飯原発(福井県)などで進める断層調査で「なぜ大飯だけを動かしながら調べるのか、やはり不思議だ。止めることも考えるべきだ」と指摘
 建設が再開された電源開発大間原発(青森県)では「安全基準の見直し中なのだから、行政指導で止めて、新基準で(建設を)判断した方が信頼回復につながる」とした。
 NPO法人気候ネットワーク代表の浅岡美恵氏も「原発は不十分な手続きの積み重ねできた。リセットするため、一度止めて考えてもいい」と述べた。
 柳田氏は、事故原因と被害の全容究明がされておらず「事故の教訓をしっかり踏まえないと、国民の信頼、納得は得られない」と語った。また安全規制や防災体制づくりには「被害者の視点から考えることが必要」と助言した。
 ほかの二人のうち、一般財団法人日本再建イニシアティブ理事長の船橋洋一氏は、民間事故調査委員会として福島の事故を検証。公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの津田知子氏は、東日本大震災と福島原発事故で被災した子どもたちを支援している。
 意見交換は、原子力政策に批判的な人も含めて外部からの意見を聴くことで、規制委の運営が独善的にならないようにする狙い。意見は今後の運営に生かすとしている。

(東京新聞)
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●東電には柏崎刈羽原発再稼働など口にする資格はない

2012年09月15日 00時00分48秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012090901001524.html)。

 東京電力には、再稼働など口にする資格はない。
 「東電は経営再建に向け柏崎刈羽原発(新潟県)を来年4月から再稼働させる計画で、新たな取り組みを信頼回復につなげたい考え」なんて、無茶苦茶です。原発再稼働で「経営再建」なんて、誰も望んでいません。それに、そんなことで「信頼回復」なんて出来るわけがない。福島で被災し、被爆した人に向かって、日々被曝を余儀なくされている人々に向って、今も避難し続けている人々に向かって、「原発を再稼働させて、経営再建し、信頼回復に努めます」なんて言えるでしょうか?

 「原子力技術者出身の経営コンサルタント大前研一」氏、経営コンサルタントとしても「?」マークだし(佐高信さんに洗脳されすぎかな?)、ましてや、後藤政志さんや高木仁三郎さん達のように、原子力技術者としてこれまでに原発反対を叫んでいた、ということも大前氏については聞いたことがありません。東電の「原子力改革監視」など達成できるメンバーなのかどうやら。第一、原子力ムラの云う「改革」など信頼できませんし。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012090901001524.html

東電が原子力改革監視委設置へ 再稼働へ信頼回復狙う
2012年9月9日 15時44分

 東京電力が福島第1原発事故の検証や原発の安全強化を進めるため、国内外の有識者で構成する「原子力改革監視委員会」を近く設置することが9日、分かった。米原子力規制委員会の元委員長デール・クライン氏らを招く方針だ。東電は経営再建に向け柏崎刈羽原発(新潟県)を来年4月から再稼働させる計画で、新たな取り組みを信頼回復につなげたい考えだ。

 改革監視委は、最新の安全対策など改革の方向性を議論し、進み具合を確認する役割を担う。メンバーにはクライン氏のほか、原子力技術者出身の経営コンサルタント大前研一氏や、国会が設置した事故調査委員会の委員を務めた桜井正史氏らが就く見通しだ。

(共同)
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●全く原子力ムラの住人ときたら・・・・・・

2012年09月08日 00時00分29秒 | Weblog


原子力「推進」委員会人事についての東京新聞の二つの記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012090502000261.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012090602000131.html)。福島みずほ福島瑞穂)さんは視察を断られ(http://www.asahi.com/national/update/0905/OSK201209050039.html)、一方、石原慎太郎 東京〝ト〟知事の視察は大歓迎というasahi.comと東京新聞記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012090601001028.html、http://www.asahi.com/politics/update/0906/TKY201209060491.html)。ふたたび、原子力「推進」委員会人事についての東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012090602000150.html)とコラム(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012090602000134.html)。

 福島瑞穂さんの北陸電力志賀原発の視察はダメでも、石原氏のもんじゅ視察は歓迎。だって、「東京に原発を!」作ろうというぐらいの人だから。「「原発の必要性に理解がない方への対応は難しい」との理由で拒否」だそうで、一方、石原〝ト〟知事は「「高速増殖炉非常に有効な機械だと思っている」と述べ、実用化に期待感を示し」たそうだ。あのもんじゅを動かせ、というのだからトンデモの〝ト〟の本領発揮。視察を拒否した北陸電力志賀原発も狂っているなら、もんじゅに期待する〝ト〟知事もそれに輪をかけてトチ狂っている。

 さて、原子力「推進」委員会こと原子力規制委員会、その人事。勝手に閣議決定したかと思えば、国会の同意も得ずに、首相権限でゴリ押しするそうだ。責任の取りようなどないはずなのに、大飯原発も首相の責任で再稼働させた。東京新聞の社説の云う通り「首相も「ムラ」の住人」である。
 全く原子力ムラの住人ときたら、皆正気じゃない。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012090502000261.html

原子力規制委 首相権限で任命へ
2012年9月5日 夕刊

 政府・民主党は、原子力規制を一元的に担う新組織「原子力規制委員会」の委員長と委員四人の国会同意人事に関し、今国会での採決を見送り、野田佳彦首相が首相権限で原案のまま任命する方針を固めた。八日の今国会閉会を受け、十一日に首相任命を閣議決定する方向で調整している。
 国会同意人事で採決を経ず、首相が任命権を行使するのは極めて異例。委員長候補の田中俊一・前原子力委員会委員長代理らの人事案に対しては、民主党内に原発建設を推進してきた「原子力ムラ」に近いとの反対論があり、採決すれば造反が出る恐れがあることも見送りの一因になった。独立性の高い規制委は、国会のお墨付きがないまま発足する。
 規制委設置法は六月二十七日に公布され、三カ月以内の九月二十六日が法律上の発足期限。政府は七月下旬に委員長候補に田中氏、委員に中村佳代子・日本アイソトープ協会主査ら四人を起用する人事案を提示。衆参両院は田中氏から意見聴取したが、野田首相の問責決議などをめぐって与野党の対立が激化し、人事案はたなざらしになっていた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012090602000131.html

原発監視はや骨抜き」 事後同意も不要論 規制委人事 国会素通り
2012年9月6日 朝刊

 政府・民主党は五日、原子力規制を一元的に担う新組織「原子力規制委員会」の国会同意人事に関し、今国会では採決せず、野田佳彦首相の権限で任命する方針を固めた。次の国会での事後同意を求めないことも検討している。規制委は政府からの独立性が高いにもかかわらず、国会のチェックを受けようとしない姿勢は政権として無責任と言われても仕方ない。 (城島建治)

 同意人事で採決を経ず、首相が任命権を行使するのは極めて異例だ。政府側は原子力規制委員会設置法付則二条を根拠としている。「国会の閉会または衆院解散のために両議院の同意を得られない時は、首相が任命できる」との例外規定があるためで、二十六日の委員会設置期限を前に、十一日の閣議で決定する方針だ。
 政府は七月下旬に委員長に田中俊一・前原子力委員会委員長代理、委員に中村佳代子・日本アイソトープ協会主査ら四人を起用する人事案を提示した。だが、民主党内などから、原発建設を推進してきた「原子力ムラ」に近いとの反対論が噴出。執行部としては新たな「造反・離党議員」を出したくないとして、採決日程がずれ込んだ経緯がある。
 首相問責決議の可決を受け、審議拒否を続ける一方、同意人事の採決には応じるとしていた自民、公明両党は先送りに反発。自民党の岸田文雄国対委員長は「今国会でやるべきだ。それをしないのは政府・与党の怠慢だ」と述べた。民主党の生方幸夫衆院環境委員長も本紙の取材に「首相の任命では国会のチェック機能に疑問符が付く」と批判した。
 一方、今回の人事をめぐって政府・民主党は、付則に緊急事態の場合は事後同意が必要ないとの趣旨が盛り込まれていることを理由に、次の国会でも同意を求めないことも検討している。東京電力福島第一原発事故後は緊急事態が継続しているとの解釈からだが、国会軽視も甚だしい対応だ。
 内閣府原子力委員会新大綱策定会議の委員を務める金子勝・慶応大教授は同意人事に関し「原子力ムラを第三者の立場からチェックする機能だ。政府はそれを骨抜きにしようとしている。国民から信用されない」と指摘した。
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http://www.asahi.com/national/update/0905/OSK201209050039.html

2012年9月5日11時37分
脱原発の方、視察お断り」 北陸電、福島氏らを拒否

 北陸電力(本店・富山市)が8月下旬、社民党の福島瑞穂党首ら党関係者による志賀原発(石川県志賀町)の視察要請に対し、「原発の必要性に理解がない方への対応は難しいとの理由で拒否していたことがわかった。
 北陸電力地域共生本部は「視察の要望が相次いでおり、現地が多忙な状況にある。『脱原発』を掲げる政党に視察を許可しても原発への理解は得られず、優先順位が低いと判断して断った」と説明する。
 視察を要請した社民党の担当者は「どういうことなのかさらに説明を聞きたいと申し込んだが、推進の立場でないと聞きに来られるのも困ると言われた。党として北陸電に申入書を出したい」と話している。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012090601001028.html

石原都知事、もんじゅ視察 エネルギー政策の参考に
2012年9月6日 14時02分

 東京都の石原慎太郎知事は6日、福井県敦賀市にある高速増殖炉原型炉「もんじゅ」を視察した。都のエネルギー政策の参考とする考えで、格納容器内に入って原子炉を見学。
 もんじゅは1995年のナトリウム漏れ事故で停止し、2010年5月に運転を再開した。ところが、燃料交換で使う装置が同8月に原子炉容器内で落下する事故が発生、現在は運転を停止している。
 石原氏は8月の記者会見で「高速増殖炉は非常に有効な機械だと思っている」と述べ、実用化に期待感を示していた。
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http://www.asahi.com/politics/update/0906/TKY201209060491.html

2012年9月6日20時59分
「もんじゅ廃炉、とんでもない」 石原知事が視察

 東京都の石原慎太郎知事は6日、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を視察した。政府の新エネルギー政策で核燃料サイクル見直しが取りざたされる中、「廃炉はとんでもない話。絶対にしちゃいけない」と述べた。
 石原知事は、日本原子力研究開発機構職員の案内で、原子炉上部や中央制御室を約1時間半かけて回った。終了後、知事は自身が初めて参院選に出た時から高速増殖炉に関心があったことを明かし、「あれから数十年、半ば挫折に近くなってきて残念」と語った。
 「もんじゅ」の長期運転中止について記者団に問われた石原知事は、「誰がつくった手続きか知らないが、そういったものを簡略化、スピードアップするのが政治家の責任」と批判した。今後の原発新設については「半分本気で東京に造ったらいいよ」と語った。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012090602000150.html

【社説】
原子力規制委 首相も「ムラ」の住人
2012年9月6日

 野田佳彦首相が原子力規制委員会の人事に原発推進派を起用する構えを示している。本来は国会の同意が必要なのに、首相権限で強行するという。とんでもない話だ。国会は何をしているのか。
 従来の原子力安全・保安院や原子力安全委員会は原発推進派の強い影響下にあって「規制する側が規制される側(電力会社)のとりこになっていた」(国会事故調査委員会報告)。それでは原発を実質的に規制できず、安全確保もままならない。
 新設する原子力規制委員会を国家行政組織法第三条に基づく独立性の高い委員会にしたのは、そんな反省に基づいて原発を推進する電力業界や経済産業省、学会などの影響力を断ち切るためだ。
 ところが政府が示したのは、そんな狙いからまったく外れた人事案だった。委員長候補に原子力委員会委員長代理や日本原子力研究開発機構副理事長などを務めた田中俊一氏、委員候補には日本アイソトープ協会主査の中村佳代子氏、日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究部門副部門長の更田豊志氏らを指名した。
 田中、更田両氏が関係する日本原子力研究開発機構は高速増殖炉もんじゅを設置し、使用済み核燃料の再処理をしている。つまり核燃料サイクルの推進機関だ。中村氏の日本アイソトープ協会は研究・医療系の放射性廃棄物の集荷、貯蔵、処理をする団体である。
 こうした経歴からは三人が原発推進を目指す「原子力ムラ」の住人であるのは明白だ。とくに中村、更田両氏は原発や核燃料再処理に関係する機関に勤める従業員の就任を禁じた規制委員会設置法に違反する疑いすら濃厚である。
 法律上は国会同意がなくても後で同意を得れば、首相の任命は可能だ。ところが原子力緊急事態宣言が出ている間は同意を得る必要がない。現在は宣言発令中なので結局、任命が既成事実化してしまう可能性が高い。これは事実上の国会無視と言っていい。
 本来なら国会事故調が提言したように、独立した第三者委員会が相当数の委員候補を選び、その中から透明で客観的なプロセスを経て委員を選ぶのが望ましい。政府任せではだめだ。
 こうした展開になった背景には国会の怠慢がある。国会は事故調報告を受けていながら、たなざらし同然にした。いまからでも遅くはない。国会が原子力ムラ人事をどう考えるのか。しっかり検証し意志を表明すべきである。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012090602000134.html

【コラム】
筆洗
2012年9月6日

 落語家の古今亭志ん生は昭和三十九年に紫綬褒章をもらったが、実は褒章の意味を知らなかったそうだ。「シジュホーショーって、何です?」と人に聞くと、「世の中のためになった人にくれる勲章だよ」というので、志ん生はびっくり仰天、「そんなこと、あたしゃァ身に覚ぇがねぇ」▼いかにも志ん生らしいエピソードを自著『名手名言』で紹介していた山川静夫さんは「地位とか名誉とかを考えない人だったからこそ、志ん生の芸は面白かった」と書いている▼昭和の名人とは違い、地位や名誉を何よりも重んじるのは政治の世界で生きる人たちだろう。選挙の「顔」になる人物を担ぎ出そうと、長老から若手までが水面下でうごめいている▼民主党では、野田佳彦首相では戦えないと、若くて知名度の高い細野豪志環境相の待望論が高まる一方だ。原発事故の責任を担う細野さんが出馬するとは思えないが、落選して「ただの人」になるのが怖い人が多いのだろう▼民主、自民両党の議員が浮足立つ間に、原子力規制委員会の初代メンバーが国会同意なしに任命される見通しになった。委員長は原子力ムラの重鎮だ。独立性を高めるために盛り込まれた国会同意を、野田首相は無視する腹づもりらしい▼安全にかかわる重要な人事がいとも簡単に骨抜きにされる。議員の皆さんは見下されても腹が立たないのだろうか。
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●東京電力原発人災、今頃公開されたわずかな捏造・改竄映像からでも分かったこと

2012年08月09日 00時00分26秒 | Weblog


原発人災直後の東電会議映像の公開に絡んで、東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012080802000129.html)とコラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012080802000117.html)、コラム「私説・論説室から」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012080802000132.html)。

 なぜ今頃公開されるのか理解不能。しかもズタズタに切り刻まれ、捏造・改竄されたわずかばかりの映像。「国営」東京電力は、既に証拠隠滅を図っているのではないかと邪推したくなるが、プライバシーもヘッタクレもないだろう。未編集の映像をサッサ公開すべきだ。
 この酷い映像資料からでも分かること、それは、原発はやはり制御不能であるということである。しかも人はミスをするし、判断も誤る。幹部連中はオロオロするばかりで、屁の役にも立っていない。大飯原発をはじめ、こんな危険なもの制御不能なものを再稼働させようという神経が知れない。海外に売って儲けようという気がしれない。しかし、着々と原子力ムラ復活に向け、ムダ総理を先頭に突き進みつつある。原発人災以降何の解決も見ない今、さらなる原発再稼働や原発輸出に向けた胎動、原子力無「規制」委員会の人事など、いかなる「原子力ムラ復活」、「3.11以前への後戻り」も許してはならないことが分かった。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012080802000129.html

【社説】
東電の会議映像 全面公開の責任果たせ
2012年8月8日

 東京電力はやっと福島第一原発事故直後に記録した社内テレビ会議の映像を公開した。だが、音声や画像に手を加え、大幅に時間を制限している。全面公開して国内外への説明責任を果たすべきだ。
 地震や津波の襲来で発生した事故がどう推移したのか。東電や政府はどう対応したのか。映像はその過程を検証し、教訓を引き出す重要な手掛かりといえる。歴史記録だし、世界の公共財だ。
 それをいまだに社内資料だと言い張る東電は、史上最悪級の事故の当事者としてあまりに無自覚と言うほかない。
 公開映像には東電本店と第一原発や第二原発などの現場とのやりとりが記録されている。
 第一原発1号機の原子炉建屋の水素爆発で画面が揺れたり、3号機の爆発で当時の吉田昌郎所長が「大変です」と叫んだりする。2号機への対応では注水が先か、ベント(排気)が先かで班目(まだらめ)春樹原子力安全委員長と現場の方針が食い違い、混乱する場面がある。
 文書や口頭では伝わらない生の動きや緊迫感が詰まっている。原発事故をめぐる危機管理の在り方を研究し、再発防止策を講じるのに第一級の資料価値がある。
 看過できないのは、社員のプライバシー保護を盾にした東電の過剰なまでの取材・報道規制だ。
 公開されたのは昨年三月十一日から十五日の事故直後の百五十時間分にすぎない。その後に相次いだ4号機の使用済み核燃料プールの温度上昇や、高濃度汚染水の海洋流出といった事態にどう対応したのか検証できない。
 しかも社員の名前や役職、顔が判別されないようにするためとして音声や画像を処理して視聴できなくしている部分が多い。意図的な編集はかえって都合の悪い情報を隠しているとの疑念を招く。
 東電は公開対象を報道機関に限り、生の映像の録音・録画に加え、役員らを除き個人名の報道を禁じている。条件に従わなければ今後の記者会見への参加を認めないとの強硬姿勢を見せている。
 東電は公的資金が投入された事実上の国有企業だ。報道機関はもちろん、国民全体に全面的に公開して説明を尽くす責任がある。政府も国会もその実現に向けて力を発揮すべきだ。
 日本新聞協会は東電に取材・報道制限の撤回を申し入れた。国民の知る権利に応えるためだ。それは世界の要請にもかなう。刷新された東電経営陣の全員が公開に後ろ向きなのか知りたいものだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012080802000117.html

【コラム】
筆洗
2012年8月8日

 申し訳ないけれど、お笑いタレントたちが、楽屋話を連発する安直なテレビ番組を思い出してしまった。交わされている会話は深刻なのに頻繁にかぶさる「ピー音」に脱力してしまう▼東京電力は福島第一原発事故の直後に、本店と現場をつないだテレビ会議の録画映像をようやく公開した。計百五十時間の三分の二は音声がない。残る三分の一も千六百六十五カ所で音声が消され、幹部以外の社員の顔はぼかしが入る▼映像の修整は社員のプライバシーを守るためだと東電は言い張る。十万人以上が避難生活を続ける大事故を起こしながら、ここまで情報公開に後ろ向きな姿勢なのは、何かを隠したいのではないか、と疑われても仕方ない▼汚染水を海に放出した時、どんな議論をしたのかなど、三月十六日以降のテレビ会議の内容も事故の経過を解明するために重要な資料である。なぜ公表しないのか不可解だ▼3号機が水素爆発を起こした時、吉田昌郎所長(当時)が本店に叫ぶように報告する場面、官邸からもせっつかれているベントがまったく進まない様子など、不十分な公開ではあるが、一時間半のダイジェスト版を見るだけでも理解できたこともある▼想像を絶する事態の中で、東電の幹部たちはあまりに無力であり、深刻な事故を起こした原発は、人間の手では制御することはほとんど不可能だという事実だ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012080802000132.html

【私説・論説室から】
原子力ムラ復活は論外だ
2012年8月8日

 これで原子力規制の独立性が図れるだろうか。懸念は強まる一方だ。
 政府が新たに発足させる原子力規制委員会の委員長候補になった田中俊一氏は前原子力委員会委員長代理で、元日本原子力研究開発機構の特別顧問である。
 原子力委員会は原発推進派だけで核燃料サイクルを推進する秘密会合を恒常的に開き、政府の政策決定に影響を及ぼしていた問題があかるみに出た。後者の機構は高速増殖炉もんじゅを設置し、使用済み核燃料を再処理している。
 委員候補の更田豊志氏は同じ機構の副部門長、もう一人の中村佳代子氏は日本アイソトープ協会主査。二人とも現役バリバリの原子力ムラ住人である。
 原子力規制委員会設置法によれば、そもそも原子力の精錬、加工、貯蔵、再処理に係る個人や法人の従業者は委員になれない現役の両氏が不適格なのは明々白々ではないか。
 社民党の福島瑞穂党首によれば、政府は「委員就任前に辞任していれば問題ない、との理屈で人事を強行するつもり」なのだそうだ。それなら福島事故を起こした東京電力の前会長だって委員長になれてしまう。デタラメが過ぎる
 少なくとも三人の人事案は白紙に戻す。そのうえで国会の事故調査委員会が提言したように、透明な第三者機関が委員候補を選んで、国会が最終的に承認する。そんな手続きが不可欠である。 (長谷川幸洋)
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