阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

東日本大震災が起こった後「阿智胡地亭の非日乗」が掲載したエントリーから   [ 2011年05月15日(日)のブログ ]

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2011年05月15日(日)
『原発』と『沈滞』、その先の未来

                    高村 薫

「この寄辺のなさから脱却するために」

今回の震災後に思ったのは、日本人は基本的に善意に満ちた人たちが多いんだなあということです。被災者も我慢をし、非被災者は善意を持って手を差し伸べている。

もっとザワザワしてもおかしくないのに、ザワザワしない。

我慢と善意が寄り添って、静かに沈滞している感じです。

善意の共同体に、今の政治や企業が甘えている。それが日本です。

私たちは共同体のよさをそのままにして、その上にもう一つ賢くなることだと思います。どこに問題があり、何がまずいのか。

目の前の現実を見つめ、怒るときは怒らなければならない。今回はそれがありません。

政治家なんて誰でもいい、なんとかなるさとなめていたのだと思います。でも、なめていても、耐えていても、よりひどいことになります。

それでは未来が見えてきません。未来が見えてくる社会にならなければ、それは復興したとは言えないのです。

最終部分のみ引用。
(月刊誌『いきいき』6月号20頁)         

 
地震発生のすぐ後に核燃料容器が壊れた可能性がある。
☆多くの学者や評論家が、核燃料反応器の破損は一切なく、福島原発の事故は津波による電源破壊が原因だと言ってきた。

それは原子力村に所属している大勢力の大切な拠り所だった。
しかし現実は大地震が起きたその時点で容器にあってはならない不具合が生じたようだ。☆

1号機、津波前に重要設備損傷か 原子炉建屋で高線量蒸気

2011/05/15 02:02 【共同通信】

 東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋内で東日本大震災発生当日の3月11日夜、毎時300ミリシーベルト相当の高い放射線量が検出されていたことが14日、東電関係者への取材で分かった。高い線量は原子炉の燃料の放射性物質が大量に漏れていたためとみられる。

 1号機では、津波による電源喪失によって冷却ができなくなり、原子炉圧力容器から高濃度の放射性物質を含む蒸気が漏れたとされていたが、原子炉内の圧力が高まって配管などが破損したと仮定するには、あまりに短時間で建屋内に充満したことになる。東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた。

 第1原発の事故で東電と経済産業省原子力安全・保安院はこれまで、原子炉は揺れに耐えたが、想定外の大きさの津波に襲われたことで電源が失われ、爆発事故に至ったとの見方を示していた。

 地震による重要設備への被害がなかったことを前提に、第1原発の事故後、各地の原発では予備電源確保や防波堤設置など津波対策を強化する動きが広がっているが、原発の耐震指針についても再検討を迫られそうだ。

 関係者によると、3月11日夜、1号機の状態を確認するため作業員が原子炉建屋に入ったところ、線量計のアラームが数秒で鳴った。建屋内には高線量の蒸気が充満していたとみられ、作業員は退避。線量計の数値から放射線量は毎時300ミリシーベルト程度だったと推定される。

 この時点ではまだ、格納容器の弁を開けて内部圧力を下げる「ベント」措置は取られていなかった。1号機の炉内では11日夜から水位が低下、東電は大量注水を続けたが水位は回復せず、燃料が露出してメルトダウン(全炉心溶融)につながったとみられる。

 さらに炉心溶融により、燃料を覆う被覆管のジルコニウムという金属が水蒸気と化学反応して水素が発生、3月12日午後3時36分の原子炉建屋爆発の原因となった。


アメリカで再浮上した沖縄米軍グアム移転案
☆沖縄にこれからもずっと米軍基地を存続させることで既得権益を維持したい勢力にとって、アメリカの上院議員の動きは気になるだろう。すぐには現実化はしないだろうが、ドル札を印刷でいくら増量しても価値が下がるだけで、国の財政は悪化する一方のアメリカの意向は、在外基地の縮小に向かいそうだ。その計画マップの中に普天間基地の移設問題も入っている。

以下「田中宇の国際ニュース解説」から一部引用。

 5月12日、米議会の3人の有力な上院議員が、日本と韓国での米軍駐留について、米政府が新たな財政支出を減らせるようにするための提案を、米政府の国防総省に対して行った。この提案の中に、辺野古に基地を作って普天間基地の海兵隊を移転する計画について、時間的、財政的に実現不可能であると断言するくだりがあり、日本ではそこだけ注目されている。だが、この提案の本来の意図は、米政府の財政赤字問題を解決することだ。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-177043-storytopic-26.html
沖縄発の情報が重要 背景に米の国内事情

http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-05-13_17732/
米政府、軍事費削減で方針転換

 08年秋のリーマンショック以降、米政府は金融救済と景気対策に巨額の公金をつぎ込み、財政赤字が急増している。連銀が米国債を買い支える策(QE2)も今年6月で終わり、米国内外の投資家の間には米国債を忌避する傾向が目立ち、新興市場諸国はドルを外貨準備の通貨にすることを避け、ドルに代わる備蓄手段として金地金が高騰している。米議会では「政府が財政赤字を減らさない限り、これ以上赤字を増やせないようしてやる」と主張し、財政赤字の法定上限額の引き上げを拒否する動きが強まっている。

 米政府は財政緊縮が必須となり、聖域だった軍事費(防衛費)の削減に着手する動きが始っている。米国の軍事費は10年で倍増した。米政界は、世界中の米軍駐留費用を見直そうという話になり、その一つが今回の、日韓での駐留米軍の移転事業に関する財政切り詰めの議員提案だった。

全文はこちら
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いくらなんでも遅い 赤十字の義捐金はまだ金庫の中

☆100点満点の配分方法はないと思う。世の中だいたい2:8で動いている。うまくそしてズルく立ち回る人は必ずいる。その2割の連中に渡さないために、

本当に困っている8割の人にも配布しないというのは「机上の正義の追及」だ。

目の前にひん死の病人が何十人もいて水を求めているのに、喉が渇いているフリをしているのが数人いるから、よく調べるまでは誰にも飲まさない・・。

こういう時は何が一番重要かを「決める」そして「実行する」。どんな配分をしても後追いで批判は必ずでる。

 尊い浄財をドブに捨ててはいけないという大義名分や行き過ぎの公平さは、非常時の物差しにはいらない。☆

被災者への義援金配分、震災発生から2カ月も難航=日本赤十字社
ロイター 5月12日(木)11時5分配信


 5月11日、日本赤十字社は、東日本大震災の義援金について、震災発生から2カ月が経過した現在でも、最も支援を必要としている被災者にまだ配分されていないことを明らかにした。(2011年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 11日 ロイター] 日本赤十字社は11日、これまでに寄せられた東日本大震災の義援金について、大震災発生から2カ月が経過した現在でも、最も支援を必要としている被災者にまだ配分されていないことを明らかにした。被災者の身元が確認できていないことなどが理由だという。

 日本赤十字社の近衛忠輝社長は11日の記者会見で、1万人以上が行方不明となり、住民の戸籍などが消失し被災地の行政が機能していないなか、最大の問題は義援金が必要な被災者の身元が確認できないことだと指摘した。

 これまでに日本赤十字社に寄せられた義援金は総額1740億円に上る。このうち約650億円が4月に被災地都道県に送られている。近衛社長は、義援金は都道県レベルでは届いている一方で、被災者への配分の大半はまだ行われていないという報告もあることを明らかにした。

 1995年の阪神・淡路大震災の際には、義援金の第1次配分は震災の2週間後に行われた。ただ、東日本大震災の被害は桁違いに広範な地域に及んでおり、地方自治体の多くも壊滅的な被害を受けているため、義援金の配分は難しさが増している。

 学識経験者や被災都道県、日本赤十字社などのメンバーで構成される「義援金配分割合決定委員会」は4月、「住宅全壊・全焼・流失、死亡、行方不明者は35万円」などとする配分基準を決定している。



アレフが警視庁を逆提訴 元検事弁護士の見方
☆警視庁がやったことを知ったとき、法治国家の警察の最高組織がやるにしては前後見境のない、小児的な行いだなあと感じた。外部を見ることが出来ない、内部抗争のいきががかりだけで内輪もめがそのまま出てしまったのでは。

本件の仕舞を裁判所がどうつけるか注視する。☆

アレフが警視庁側を提訴 長官銃撃の捜査結果公表で「名誉棄損」
産経新聞 5月12日(木)18時10分配信

【訴状によると、警視庁は昨年3月30日の時効成立を受けた会見で「オウム真理教の信者グループが、教祖の意思の下に、組織的・計画的に敢行したテロであった」と結論づけた。また、公式ホームページで約1カ月間、捜査結果概要を公表した。

アレフ側は「時効成立で立件が法的に不可能となったにもかかわらず、行為者のように指摘され、名誉や信用が著しく毀損された」と主張。警視庁玄関などに謝罪文を張り出すことも求めている。】

以下弁護士落合洋司さんのブログから引用。こちら

⇒名誉毀損訴訟になれば、公表した側(本件では警視庁)が、公表事実の真実性や、真実と信じた相当な理由を立証する必要があります。必然的に、収集した証拠について立ち入らざるを得ず、どこまで立証するか、難しい対応を迫られることになるでしょう。立証が不十分であれば訴訟に負けてしまい、立ち入れば立ち入るほど、本来、公表すべきではない事項を訴訟の中で明らかにすることになってしまいます。起訴もできなかったような事件で、警視庁がこういった余計なことをしたばかりに、無用な紛争まで生じさせ、どこまで愚かなのかとあきれますね。

訴訟で負け損害賠償金を支払うことになったら、東京都は、警視庁内の責任者に、少なくとも重過失があるものとして求償し、愚かな行為による都民の負担をできる限り軽減してもらいたいものです。
 
10ヶ月児とのアイコンタクト

 電車の中に入っていくと二人席の一つが空いていたが、窓際の席には若い男が大きく足を 広げていた。もう少し先を見ると女性の横が空いていたのでそちらに座った。

 座って気がつくと彼女は赤ちゃんを膝に乗せている。足元には大きなカバンとリュックが 置いてあり、隣の席にはみ出さないようにつつましく縦に積んである。

 彼女の足がようやく 下におろせるくらいの大きな荷物だった。

そんな荷物なので、孫を見せに実家に里帰りした帰りかなと思いながら座っていると、窓の外を見ながら子供に小声でひっきりなしに話し掛けている。

 「あっ、チョコレートの看板や、お菓子の工場かなあ。反対側の電車が来たよ、あれに乗るとオジイチャンの家に帰るんや けどね」

赤ちゃんはおとなしく膝の上に抱かれて立とうとしているが、まだつっぱるだけで立つことは 出来ない。

 冷房は入っているが汗かきの私には利きが悪いので、夏の必需品の扇子を後ろの ポケットから出して扇いだ。

  しばらくすると「あれ扇子やよ。ウチワと違う動きが面白いんかしら」という声が聞こえた。

横を見ると赤ちゃんがこちらに向き直って扇子の動きをじいっと見ている。

つい「パタパタ」 「パタパタ」と言いながら赤ちゃんの顔にも風が行くように扇いでみた。

 真っ黒な前髪が風に あおられて少し動いた。そして赤ちゃんがニッコリ笑った。

「ごきげんさんやね。ぐっすり眠ったあとかな」とお母さんに言うと「そうなんです」と言った。

「何ヶ月ですか」

「十ヶ月です」

「うちも娘が二人いて、こんな時もあったはずやけど、おおきなると そんな時代があったこと、忘れてしもて」

「そんなもんなんですか」。

 赤ちゃんは二人の話を静かに聞いている。何回もパタパタをしてあげるとその都度私の目を じっと見上げてうれしそうに笑う。

黒い瞳の可愛い男の子だった。しばらくこの子と目を合わせていた。彼はまったく視線を外さない。 気持ちよさそうに風を受けて私をじっと見つめる。

 生まれて十ヶ月の赤ちゃんと昨日東京の本社で退職の行事をすませたばかりの六一歳の男の 二人がお互いじっと目を合わせる。涼しい風って気持ちいいねえ。

ほんとやねえ、おじさん、と 言っているように思えた。

 新大阪から乗った電車が芦屋に近づき、普通電車に乗り換えようと準備を始めたら 「おじさん降りられるみたいやねえ」と母親が子供に話し掛けた。

「丈夫な子ぉに育ちや~」と言って席を立つと「ありがとうございます」と彼女が言った。

 先に動き出したこちらの普通電車をすぐに新快速が追い越しかけたが、向こうの窓からこちらに 気がついた彼女が、軽く会釈したのが見えて私もあわてて頭を下げた。

親子の乗った電車は速度を上げて普通電車を追い越していった。

 生まれて十ヶ月の赤ちゃんと、思いがけない出合いがあって、明日からの退職の日々に 新しいスタートを切れたような気がして、少し弾んだ気持ちで下車駅の改札を出た。

☆このエッセーは'04.2.11の神戸新聞[文芸欄]エッセ-・ノンフィクション部門に「小和田 満」の筆名で入選・掲載されました。

 あの男らしくゆったりした子は、どんな7歳の子になっているのか一度会って見たい気がします。

そして今日、身近な男児がもう一人10ヶ月児になりました。☆

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