江戸時代の御柱祭で使われた「笠」(中央)や「輿」(左奥)を展示している会場
諏訪市博物館は12日から、諏訪大社御柱祭に合わせた企画展「御柱を知る―人と時をつなぐ諏訪の大祭―」を開く。「いつ始まった」「御柱祭という名称はいつからか」といった疑問の答えを、古文書を引用して解説。明治期などの写真や、市内各地区から借りてきた氏子の法被なども展示し、脈々と続く大祭の姿を多角的に伝えている。
祭りが平安時代から行われていた根拠となる記述がある「諏方(すわ)大明神画詞(えことば)」の写本や、「御柱祭」の言葉が初めて登場する1679(延宝7)年の古文書などを展示。諏訪大社所蔵の「諏方上下宮祭祀再興次第(すわかみしものみやさいしさいこうしだい)」では、戦国時代に武田信玄が大社の祭事の復興を命じている。
高島藩の絵師によって江戸後期の1799(寛政11)年に描かれた「御柱絵巻」は、当時の御柱祭での騎馬行列の様子を色鮮やかに表現。絵巻に登場し、江戸期に上社の生き神として敬われた大祝(おおほうり)がかぶったとされる「八角級笠(はっかくしながさ)」などは実物もある。
13日午前8時〜正午、地元中洲神宮寺区の氏子が、御柱を引く綱をなう「綱打ち」を再現し、見学できる。作った綱は模擬御柱と共に館玄関に飾り、記念撮影ができる一角とする。企画展は6月19日まで。入館料一般300円、小中学生150円。月曜休館(21日は開館し、22日休館)。
(2016年3月12日掲載)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます