阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

「山百合が咲いた」  房総の里山便り24 第2ラウンドその6

2008年07月25日 | 下総の国の住人Kさんの寄稿アルバム集
房総の里山に山百合が咲き始めました。山百合は咲いてから傷みが早いため、2時間ほど歩いて写真を撮りましたが綺麗な花はほんの数輪です。

一昨日目をつけておいた株があり、今日が見頃とおもって出かけてみたらすでに咲いていて、写真を撮る気になれないほど傷んでいました。

綺麗な花との出会いはほんの一瞬です。



Kさん、佳人薄命詩という漢詩があるようです。山百合は里山の佳人でしょうか。

佳人薄命詩            蘇軾

雙頬凝酥髪抹漆  雙頬(そうけい)は凝酥 髪は漆を抹す
眼光入簾珠的*  眼光 簾に入って 珠 的*(てきれき)
故将白練作仙衣  もと白練を将(もつ)て仙衣をつくらんとす
不許紅膏汚天質  紅膏の天質を汚すを許さず
呉音嬌軟帯児癡  呉音は嬌軟にして児癡を帯ぶ
無限間愁総未知  無限の間愁 総(すべ)て未だ知らず
自古佳人多薄命  古(いにしえ)より佳人は多く命薄し
閉門春尽楊花落  門を閉じ 春尽き 楊花落つ

 両頬は乳酪のようになめらかで、髪は漆を塗ったよう黒々としている。
 簾越しに見る眸は、真珠がくっきりと白く光っているようだ。
 もとより尼僧であるから、白い練り絹の法衣まとっている。
 その唇を紅で汚すことは許されない。
 話す呉音は艶めかしく、軟らかで、児癡を帯びている。
 この世の限りない愁いも、すべて知らないでいる。
 むかしから、佳人は多く薄命である。
 門を閉じて、外に出ない間に、春は尽きて、楊花も落ちてしまうだろう。

コメント
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