平成21年度重要判例解説 吉野の独り言(刑法編)

2010-04-07 15:50:12 | 司法試験関連
刑法①
 論文素材になりうる判例。相当性判断の事実評価と言う形の出題素材。解説3・4は有益。

刑法②
 超重要判例。ケー論本論編第2章のCASEと,この判例と平成20年6月25日はセットで復習すべき。受講生の方は,ケー論テキストの2-9以下と補助レジュメの該当箇所をガッツリ復習しておいて欲しい。違法性は極めて危ない領域である。

刑法③
 素材としては重要判例だが,如何せん「共犯関係からの離脱」は,第2回大会でメインを張っているだけに出題の蓋然性は低くならざるを得ない。もっともサブ論点としての出題はありうる。解説は大変勉強になる。この際,共犯の処罰根拠としての因果的共犯論について復習しておきたい。西田刑法総論がお勧め。

刑法④
 最近やたら住居・建造物侵入関連の判例が多い。第4回大会で出題されているので連続出題は「?」ではあるが,住居・建造物侵入は,事実関係に盛り込みやすいので油断大敵である。解説1は問題の所在が良く分かる。本件のような事例では,実は故意が問題となるというのは見落としがちである。解説4は是非読んでおこう。短答刑法の素材にもなりそうなのでそういう観点から解説を読むのも良い。

刑法⑤
 犯罪の成立範囲の問題は,事実関係の分析的思考を強く求めてくる新司法試験刑法においては常に意識しておかなければならないものである。解説3は平成19年4月13日判例との関係も含めて,「窃取」をどう考えるか大変参考になる。短答で出たときに本判例と平成19年判例とをごっちゃにしないよう気をつけたい。何故かこの判例,西田刑法各論第5版,山口刑法各論第2版ともにえらくアッサリと紹介されているだけである。その意味でも本解説は参考になる。

刑法⑥
 第4回大会刑法のトレンドにピッタリの判例である。解説1は横領罪の要件の認定あてはめの仕方の良いお手本といえる。解説3の「横領行為」といえるかどうかは当てはめ例として参考になるが,筆者は判例とは横領行為につき異なる立場をとっているようなので読む際には注意する(解説中の効用享受云々の部分は,経済的用法に従った利用についても配慮する趣旨であろう)。また横領罪は,ケースによっては既遂時期が問題になりうるので,試験で出た場合には,既遂時期も意識しておこう。

刑法⑦
 「公務の執行を妨害する罪」編としての短答素材であろう。保護法益論など1度確認しておこう。

刑法⑧
 これも第4回大会刑法のトレンドにマッチする。賄賂関連はそろそろ論文でも危ない気がする。何罪が成立するか良く分からん系の問題を出すとしたら賄賂系は魅力的な素材だからである。短答対策としても賄賂系は構成要件を全て頭に叩き込んでおきたい。解説は是非。

刑法⑨
 1度読んでおけばOKであろう。

刑法⑩
 これも犯罪の成立範囲が問題となっている。解説3は読んでおきたい。


しかし論文素材に使えそうな判例が目白押しですなぁ。
刑法⑥まで打ち込んだ段階で,データが飛んでびっくる。ふにゃー。
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