第7回商法について

2012-05-31 20:12:33 | 司法試験関連
ここ2,3年,さり気に商法が手強い。商法は初期の頃の「企業買収・事業提携系」から変化し,第5回以降は旧司法試験的にやや先祖帰りしつつ,難易度を上げている科目である。今年は民法,商法が難しかったので民事系の手強さが目立ったと言える。

特に第5回,第7回の難易度は相当である。設問数も実質的に非常に多く,手強い。今年の問題で言えば,同じようなことを株主と監査役と言う役割を変えて聞いてきたりするので,どうしても要検討作業が増える。条文の知識が物を言うのは従来からだが,本当に条文検索能力は高めておいて欲しいところである。

商法は,短答式試験が,単純な条文知識の正誤問題なので,他の科目(特に民法や刑法)のように,短答問題で事例問題に触れる,という経験がどうしても少なくなりがちな科目である。おまけに,公法系,刑事系と異なり,「判例・事案」と言うイメージがあまりないので,判例を読み込むという作業も実は少ないはずである。そのため,商法は他の科目に比べ,「事例経験」が少なくなっており,論点の抽出に苦労しているのではないか,と想像しているが如何であろうか。第5回以降,論点チックな側面が強いので,尚更その傾向は顕著であろう。この点の変化を認識することも「正しい試験対策」をとるためには必要である。
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