行政法の百選Ⅰが出ました。2006年春以来の改訂です。行政法の場合は特に百選は「論点チェック集」として使用すると良いと思います。問題はその「チェックの仕方」なんですが,「試験当日にやらされること」で,かつ,「自分はまだ未熟なスキル」を鍛えるのが「正しい試験対策」である,ということが判断基準になることを思い出してください。
論点チェックが必要な人は,恐らく「論点抽出能力」というスキルに難がある人です。ということは,論点を抽出できるようになる,という「修得目的」に応じた実質的関連性のある「手段」が取られないと意味がありません(そうでなければそれは「違憲的な勉強法」です)。
そこで,推奨したいのが,事実関係を確認し,このような事情があったから,これが論点化(争点化)したのだ,という具体的事実と論点の関係を明確にしながら掲載判例をチェックする,という方法です。更に当てはめの部分で,裁判所がどのような事実を引っ張ってきているかも参考にして下さい。「当てはめで使用した」以上,その事実関係に類する事実が,本試験問題文の中に放り込まれる可能性が高いと言えるからです。とすれば,その「事実」は論点を抽出する際の「手がかりになる事実」でもある,ということになります。
いつも言ってますが,「とりあえず○○やる」というのは絶対止めましょう。目的と手段の関連性を意識しながら勉強するように。違憲的な勉強方法ばかり取っていたら10回受けようが受かりません。受からないのは回数の問題ではないです。