憲法覚書

2018-05-16 06:19:52 | 司法試験関連

毎年のやつですが一応。

【権利の確定について】

まずは問題となる「規制の根拠条項」から「直接」制約されている権利は何か、を探る。その権利が、問題文からメインで検討して欲しいのだろうなという権利と符合していれば、このレベルは厚く論じるほどのものではない。他方で、ずれている場合、検討したい権利を「引っ張り出してくる」必要がある。この点については当然説明がいる。

また、「14条か、21条か、23条か」という悩みが出てくることもあるが、大事なことは「何条構成で行くか」そのものではなくて、基本軸を定めたあと、それぞれの権利の側面について検討できているかどうかである。なお請求権や制度依存型の権利のときは注意が必要。さらに、一見「〇〇権」のように思えるが本当にそうなんですか、と言う捻りが見られることもある。第6回のGoogle事例がそうである(写真を公表することが表現の自由になるのか、という問題意識.大抵本来的な定義から見ると違うのでは?というパターンになる)

権利は「具体的な名称で」。修飾語をたくさんつけるイメージですね。

【制約の有無について】

権利の確定と連動してはいる。「制約のありよう」を具体的に押さえる必要がある。直接的・間接的・付随的、事前・事後、内容規制・内容中立規制、本質部分の制約・周辺部分の制約、参入規制かどうか、自己の力で対処できるハードルか否か、などである。権利を制約できるのは原則「法律」であることの確認。学則・校則などが規制の根拠の場合は、この点につき「そもそも学則等で規制できるんですか」、という問題が出てくる。

【正当化について】

今や受験界の公式語となった「審査基準の上げ下げ」である(個人的には感無量)。注意して欲しいのは重要なのは具体的な当てはめ部分である、ということを失念しないようにということである。当てはめの際のポイントとして、当該法令における「具体的な目的」との関係で「手段の合理性」が問われていることを忘れない。たまにそもそも当該規制手段が目的達成につながらないから違憲(効果がないということ)、というパターンもあるので注意。一部法令違憲の視点も忘れずに。

【その他について】

適用(処分)違憲と法令違憲(文面審査と実体審査)について問題文の事情から分量を見極める。「Xはうんたら」という部分が適用違憲で使う部分である。適用違憲では「解釈適用の指針」を示すことが大事である。これは、何らかの文言に関する解釈指針になる時もあれば、比較考量の指針であることもある。

国民主権原理、部分社会の法理、私人間効力、特殊な場の論理、条例と法令の関係、財政民主主義、地方自治の本旨、統治行為などチェック漏れしないように。

架空の法令事例では、問題文冒頭の「立法の経緯部分」が、法令違憲のみならず、適用違憲の解釈指針を導く際にも参考になる。

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