行政法の処理

2016-12-22 16:06:20 | 司法試験関連

コメント欄のご質問への答えです。「行政法の問題の処理(誘導と個別法の処理)に時間がかかってしまい、どうしても途中答案になってしまうのでどうすれば良いか」というものです。

まず、本試験の過去問題を使って、誘導部分が実際にはどう答案構成に影響を与えているかを徹底的に突合せ作業をするべきです。おそらく、誘導部分の持つ意味合いをまだ理解できていないのではないか、と思うのです。

行政法は現場での処理の占める割合がずぬけて高い科目です。論点自体の抽出ができても、そこから自動的に導けるのは、「そのような場合に用いる判例の規範そのもの」だけです。他の科目であれば、あとは機械的にあてはめていけばそこそこの答案になります(答案にはなる)。

それに対し、行政法の判例規範は、純粋に「道具性」が非常に高い上に、個別法の解釈を加味しないと「あてはめ」自体ができない、という特殊性があります。つまり、「道具をこの事例において如何に使うか自体」がその場で試されるわけです。他の科目のように、道具を吐き出せばとりあえず格好自体はつくわけではないのです。

普段の判例学習の際に、単に「このようなケースの解決にはこの判例」というだけではなく、実際に個別法のどの部分をどう使っているか、事実関係のどの分をどう評価しているのか自体をある程度覚えるくらいじゃないと、行政法が苦手な人は厳しいかもしれませんね。

処理速度が遅いこと自体は、事務処理能力そのものが劣っているのではなく、単に行政法の扱いに慣れていないからだけだと思いますので、これ自体を気にする必要はないと思います。

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 短答問題の復習の仕方 | TOP | 8刷(^^♪ »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。