再現答案の正しい使用法,詳論その2

2012-10-01 17:39:04 | 司法試験関連

あと,採点基準には,論点ごとの配点比率という大事な問題もありますが,正直言えば,そんなもん分かるわけありません。論文点は,素点ではなく「スコア化」しているので,元々どれだけの配点があったかという点まで,再現答案から逆算することはできません。

大体,論点配点は,その論点の持つ学問上の客観的重要度で決まるわけではなく,その問題における重要度で決まります。なので,今年の問題では主要論点扱いでも,来季以降再登場した時に,同じ配点ということはありません。Aランク論点だから書くのではなく,その問題を解決する上で重要だから厚く書く,問題文に関連する事情が多く盛り込んである論点だから厚く書く,という方が遥かに重要です。この点も誤解してはいけません。処分性なんて良い例でしょう。第3回と第7回では配点の大きさは当然違いますね。

結局のところ,再現答案と見比べて,論述の「精度」にどれだけ「彼我の差があるか」,という視点で再現答案は見るようにすれば良いということです。合格するためには他の受験生と比べて,「書き負けてはいけない」のです。

昨年までの問題であれば,「気が付いた」,「書けた」,というだけで相対的に優位に立てますが,今年のような筋道が明確な問題だと,「あれ書いた」「これも書けた」というレベルで喜んでいるようではいつまで経っても受かりません。「どこまで書ききれたか」の勝負になります。試験直後に,「今年の問題は差がつきやすい」と述べたのはこのような趣旨なのです。したがって再現答案の見方も,昨年までと今年とではその見方が違ってきます。

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