「基礎体力不足」、「網羅性の欠如」といった話と内容的には被るのですが、強く感じていることなので。
司法試験でなんとも難しいのが,「合格に必要な範囲」が良く分からんと言う点である。まぁ,本当に分からないわけでもないとは思うのだが,「分かりにくさ」が他の試験と比べても目立つ感じはする。
ここで出てくるのが,いつも言う「原始的不能」である。自分では「やるべきこと」は「やりきった!」と思っていても,その実,そもそもが「実際にやるべき範囲」に届いていない,というパターンだ。短答式試験で落ちる人はまずこのパターンであると断言できる。
「合格するのに必要な絶対量・絶対的な質」に最初の学習予定から届いていないわけである。なのでいくらそれを「やりきった」ところで受からない。言われて見れば当たり前の話であるが,言われないと気が付きにくいので,翌年も同じことを繰り返すことが多い(2年連続短答式で不合格になりやすいということ)。
何故ならば自分で「そもそもの範囲・分量に問題がある」という疑問を持つこと自体,人から指摘でもされない限り,中々無いからである。司法試験不合格の理由で一番多いのは,経験から見て恐らくこれだ(特に短答不合格の場合)。
何ともやりきれなさが残る話である。話を聞いていて,こちらは「最初から足りてないなぁ・・・」,とすぐ気が付いてしまう。合格するには「80」」を超えないといけないのに、最初から自己設定した到達目標が「40」くらいなので、いつまで経っても受からない。基礎知識レベルでの多数の「穴」がいつまでも埋まらないのだ。
「これさえやればいい!」というのは,案外に難しい話なのである。「網羅性」は意識して欲しいところなのです。