ブルカ着用禁止法は違憲か合憲か

2010-10-08 17:55:02 | 司法試験関連
ブルカ着用を禁止する法案が成立したフランス(ブルカなどを名指ししていないが、公道など公共の場所で全身を覆う衣装を着用した場合、罰金150ユーロ(約1万7000円)または市民教育プログラム受講と規定。妻や娘に着用を強制した者は、罰金3万ユーロと禁固1年が科される)。フランス憲法会議から,「違憲ではない」,というお墨付きも出て,波紋を広げています。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101008-00000023-jij-int

ブルカとは,「伝統的にイスラーム世界の都市で用いられた女性のヴェール(ヘジャブ)の一種。歴史的にはアラビア半島、エジプトやシリアで用いられた顔の覆いを指すが、現在の日本語の用法は主にアフガニスタンの女性が用いるものをさす。テント状の布で全身を覆いイスラム教徒の女性が肌を他人に見せないようにし、顔の部分のみ網状になっており視覚を確保する。ターリバーンによるブルカ着用の強制という言説から、イスラームによる女性抑圧の象徴として扱われる。」とありました。

ベルギーでも同じような議論がありますが,ベルギーでは,「交通規則と同じで、往来の自由には制限がある」と説明される事が多く,ブルカなど顔を隠す行為は「公共の場で誰か分からなければならないという共生の考えとの断絶を生み、社会不安を呼んでいる」として禁止の正当性が強調されている。つまり,ベルギーでの議論は公共秩序・安全の維持や、女性の権利保護に集中していると言える。

これに対しフランスでは,「イスラム教対国家」の構図を浮かび上がらせている。仏政府幹部は,「ブルカは仏の価値観に反するもので、未来を見据えた法案だ」と説明。サルコジ仏大統領は昨年から「ブルカは女性隷属の象徴で、仏に存在場所はない」と主張していた。

フランスは欧州でも一番イスラム系民族が多く,イスラム系以外の移民問題でもかなり右派的な主張が強く出ているという国の事情がある。また政教分離を国是としているのも影響している。

ベルギーの議論についても異論が出ている。ブルカ=女性抑圧と言うロジックに対しては,「パシュトゥーン人の文化的・宗教的伝統や、乾燥した空気や強い日光から肌を守ると言う気候に対応した機能も当然持っており、そう言う面では女性を守る意味もあるため、ブルカ=女性抑圧と単純に断じるのは危険であるという主張がある。また、全身を覆う理由として、男性の目から逃れる(性別の判別をつきにくくさせる)ためという説もある」。とされ,一定の価値観の押し付けではないのか,という疑義がぬぐえていない。

フランスの措置に対しては,皮肉にもアルカイーダとオバマ大統領が激しく非難をしていると言う意味で足並みが揃っている。また,フランスに対するテロ攻撃が本格化するのは間違いない情勢である。ここ最近,フランス人やフランス国内でのテロ攻撃が続いており,今回の「合憲判断」を受けて更に激化することは避けられないと思われる。

この問題,憲法の問題として考えると非常に勉強になる事が多いので,半年ほどずっとニュースを追っていた。流石に,問題にするには,日本が舞台だと現実味が無さ過ぎるので見送ったが,折角なので,憲法的視点で本件問題を考えてみると良いと思う。広島市の暴走族条例事件にも通ずるものはありますね。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不完全な男が完全な事をやってのける

2010-10-08 13:48:38 | 予備試験関連
帝国軍,連勝!さすが生え抜きエース,ぺテイット。ポストシーズンは本当に頼りになる男だ。ジーター,リベラ,ポサーダ,ぺテイット(あと引退したバーニー)。彼らが一斉にメジャーデビューして今のダイナスティが始まったんですよね。はや15年か。永遠に続くわけはないけれど,今回の王朝は終わって欲しくないなぁ。
地区シリーズ突破まであと1勝。第3戦NYでSWEEPと行きたいところ。

ハラデーは自身初のポストシーズン先発で,54年ぶり2度目のノーヒッターです。54年前は,ワールドシリーズで,我が帝国軍のドン・ラーセンが「完全試合」をやってのけたのです。当時「不完全な男が完全なことをやってのけた!」なんて言われていました。この時は,当時の帝国の主砲,センター・ミッキー・マントルが信じ難いようなファインプレーを3つ見せています。何かあるんでしょうね,こういう時は。

旧司法試験52名中,21名が「大学生」という属性です。これ凄い率ですね。予備試験も似たような感じになるんでしょうかね。社会人とかに門戸を開く意味が薄れそうな感じもしますが,もう何でも良いんでしょうか(苦笑)。何しろ何人に新司法試験受験資格を与えてくれるのか気になります。仕事柄吉野は気になりますが,受験生的にはやるっきゃない。じゃぁ,50人なら受けないんかぃ!いや受けるわ!という心意気で攻めて行きましょう。もうすぐ願書配布です。出願時期が年内と早いので注意して下さいね。

第6回新司法試験の願書提出も近づいて来ました。司法書士や旧司法試験の発表が終わり,デカイ試験の今シーズンはほぼ終了な感じがしてきました。GW頃の国Ⅰ試験までしばしお休みの期間ですね。まぁ,お休み言うても本当に「休息」というわけではなく,寧ろ来年に向けて力を養っていく重要な時期ですが,試験スケジュール的には静かな日々が訪れます。派手さは無いですが,地道にかつ着実に力を付けて行きましょう。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする