67camper's Blog

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こんなモブレイは見向きもされないか?

2010-06-13 12:24:59 | jazz & vocal
The Flip/Hank Mobley
(Blue Note BST84329)


 ハンク・モブレイと言えばハードバップを代表するテナーサックス奏者で、革命的な事を成し遂げたビッグネームではないですが、黒人らしい味わい、洗練されていない朴訥さなどから本邦では人気の高いプレイヤーです。ブルーノート後期になるとジャズロック調のファンキーでソウルフルなアルバムが多くなります。これに対して酷評をされる方もおられますが、自分はこの時期のモブレイも好きなんですよ。本日は、エサ箱で見つけてもスルーしてしまいそうなジャケのモブレイ盤です。番号からしてかなり後期の一作ですね。

 メンバーはDizzy Reece(tp), Slide Hampton(tb), Hank Mobley(ts), Vince Beneditti(p), Alby Cullaz(b), Philly Joe Jones(ds)のセクステットです。強烈なダンシングビートに乗ったピアノで始まるタイトル曲A-1"The Flip"が印象的です。後期のモブレイの好調だしハンプトンのボントロがアーシーでいいですね。続くハードバップ調のマイナーメロディのテーマを持った佳曲"Feelin Folksy"がハイライトです。この時期この曲は評価されなかったかも知れないですが今聴くと実に斬新でいいです。モブレイ、ハンプトンもいいですがディジー・リースのがんばりが特筆ものですね。そしてこのフロントをどんどん煽るフィリージョー、この手の曲にはドンピシャの人選です。B面冒頭のフィリージョーのリムショットが軽快なボッサ風のSnappin' Outもいい感じです。ハンプトンのテクニック溢れるソロも聞き逃せませんね。

 所有盤はリバティ盤ですが、この頃になると「ひょっとしてリバティがオリジナルか?」なんて考えています。カット盤なんですけどね・・・。ジャケがもう少し良ければ人気盤になった事間違いなしなんでしょうが・・・。