A Grand Night For Swinging/Mundell Lowe
(Riverside RLP12-238)
(Riverside RLP12-238)
白人ギタリストには全く渋いプレイヤーが多い。バーニー・ケッセル、ジョニー・スミス、ジム・ホールを筆頭に、ジミー・レイニー、ハワード・ロバーツ、ジョー・ピューマ、オスカー・ムーア、ルネ・トーマス、アル・ビオラなど控えめでもきらりと光るプレイをしてくれるプレイヤーが目白押しですね。リバーサイド初期に好アルバムが見られるマンデル・ロウも忘れることができないギタリストですね。コードワークを駆使した保守的なスタイルは、面白みに欠けるという評価もあるようですが、全般に白人ギタリストはどうしても黒人ギタリストにあるような個性に溢れるプレイはみられないので過小評価気味は否めませんね。本日はこのマンデル・ロウのリバーサイド盤"A Grand Night For Swinging"をアップいたします。
Riversideには4枚のリーダー盤がその初期に録音されていますが、編成が小さく、サイドメンの好演がすばらしいこのアルバムは聴き応え充分ですよ。基本的にMundell Lowe(g), Billy Taylor(p), Les Grinage(b), Ed Thigpen(ds)のカルテットです。このうち3曲にGene Quill(as)が参加しています。ロウのギターについてはついつい聞き流してしまいますが、テイラーのピアノが入ってくると、”ン~、このピアノだれ?”って感じでおそらくバックカバーを覗いてしまうのではないでしょうか。いわゆるきらりと光るピアノですね。A-1のタイトル曲"It's A Grand Night For Swinging"でのテイラーが出るくだりでおそらくそんな印象を持つのではと思います。クレジットを見るとテイラー自身のオリジナルでした。ロウの2曲のオリジナル以外はスタンダードでA-3"Easy To Love", B-1"It Could Happen To You", B-2"Love Me Or Leave Me", B-4"Crazy Rhythm"が取り上げられています。クイルのアルトは好みですが線が細く“蛇足を悔いる(クイル?)”方もいるのではと思います。
所有盤はホワイトラベルのリバーサイド、モノラルオリジナルです。テイラーのピアノの艶やかさはオリジナルならではかも知れませんね。