Milestone Jazzstars In Concert
(Milestones M-55006)
(Milestones M-55006)
70年代後半にジャズに興味を持った自分にとってソニー・ロリンズは初めてライブ演奏を聴いたジャズジャイアントです。既にサキコロやウェイ・アウト・ウェストでその若い頃の演奏は聴いて知っていたものの当時の生ロリンズがどんなライブパフォーマンスを見せるのか興味津々で出かけて行った記憶があります。ロリンズは大きな音でテナーのベルにピックアップを付けてこれを使ってMCを入れながら次々と吹奏して行った事を思い出します。得意の象のようにテナーを振り上げたりおろしたり,カリプソでは足を軽くストンピングしながら縦乗りで吹いていたのが脳裏に焼き付いています。この日本ツアーと前後してリリースされたのが本日アップのMilestone Jazzstarsのアルバムです。
メンバーはSonny Rollins(ts), McCoy Tyner(p), Ron Carter(b)それぞれがこの時期Milestoneと契約していた関係で実現したオリン・キープニューズ肝いりのオールスターセッションです。この3人にドラムのアル・フォスターが加わったカルテットです。前述のロリンズの日本公演もアルがドラムを叩いていたのを思い出しますね。さて,演奏は当時の彼らのスタイルが余すところなく記録された2枚組でサイド1のメンバー紹介からいきなり始まる"Cutting Edge"の迫力あるテナーと押し寄せる波のようなマッコイのピアノに圧倒されます。続く,"Alone Together"はRonとマッコイのDuoで、当時ジム・ホールとのコラボレイションでもやっていたような記憶がありますね。いつも御世話になっていた新潟ジャズ・フラッシュでもいつもこの面ばかりがかかっていたように思います。またサイド4の"In A Sentimental Mood"ではルバートで始まるマッコイのピアノにロリンズかゆっくり絡んで行きマッコイのピアノソロに引き継がれて行きますが,当時のマッコイが大編成のアルバムを作成しジャズ喫茶の立ち上がり(席立ち)アルバムの代表になっていた事を考えると実に爽快なソロで素晴らしいです。勿論,ロリンズのソロがイマジネーションに溢れ素晴らしいのは言うまでもありませんよね。この時代のロリンズを代表する一枚であろうと思います。
所有盤は国内盤が高くて買えなくて仕方なく買った輸入盤2枚組です。今考えるとこっちがオリジナルなんでしょうけどね。当時は安けりゃ良かった!聞ければよかった。ジャズ道入り口に入ったばかりの想い出の詰まったアルバムと言えますね。