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『ソウルボート航海記』 by 遊田玉彦(ゆうでん・たまひこ)

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宿命と運命

2009年04月09日 08時29分17秒 | 航海日誌
「宿命だから、運命だから」と言って、自分ではどうしようもないといった諦めの言葉が使われることがある。宿命と運命は全く同じ意味なのか。

手元の岩波版国語辞典をみると、
【宿命】:前世から定まっている運命
【運命】:人間の意志にかかわらず、身にめぐって来る吉凶禍福

一般の辞典に、前世という語句が使用されているのは、中国思想の天命論が由来だからである。つまり、天の命により人の一生が決まるという考え方だ。しかしその宿命の解釈を、「前世から定まっている運命」と、運命を使用して説明しているから混同が起こるのだ。この二つの語句はハッキリ別けて使う必要があると思う。

私流の解釈で述べると、
【宿命】:命に宿る
【運命】:命を運ぶ
であるから、宿命は生まれる前に定まる約束事。運命は、その約束事でもってどう生きるか、となる。それぞれの意味は同じではない。

現代解釈ならば、こうとも言えようか。
宿命は、我が身に備わった親(先祖)から受け継ぐ資質。
運命は、その資質をどう活かすか。
そう考えれば、宿命は変えようがないが、運命は自分で切り開いていくものとなる。運命において、諦める必要などどこにもない。むしろ、頂いた宿命に感謝して、運命を楽しみ切ろうという気概が人生に大事だ。

言葉は古来から言霊(ことだま)といって、なにげに使っているようでも影響は大きく深い。宿命と運命を一緒くたに思って使うから、諦めが心に巣くうのだ。要注意である。


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