チームマネージメントという点からオーロラチームを見てみると、社会人チームだけに興味深いものがあります。監督という肩書きではありませんが、ディビッドがその役割になります。しかし彼は殆どと言ってよい位に具体的な指示はしていません。殆どのメンバーが大人でありその道の専門家ですから彼等のやりたいようにやらせているようです。ですから、声を荒だたせる事もなければ詰問調で問いただしているなんて光景は全くありません。ともすればその道の専門家はその分野の仕事を完璧にやろうとして全体からは調和しない場面も出てくるのですが。今回も電気系統の不調続きでスタート進行に多大の影響を及ぼしかねない場面がありましたが、最後の最後までデイビッドは電気担当のトムに仕事をやらせていました。この辺りのやり方は日本の会社組織におけるマネージメントの参考になることです。専門家の納得の行くまで、やらせるという姿勢です。ソーラーカーが好きだけで繋がっているわけですから、指示命令なども極力すくなくして楽しませてやらせているようです。好き、楽しいがエネルギー源のように見うけられました。
燃料電池車が実用化の運びとなりつつある現在、ソーラーカーが一般社会の交通手段の足としては存在しなくるのかどうか興味が尽きません。とすると代替ガソリン車としての前途が望めなくなるのか、単なる趣味の延長の競技としての存在になるのか、一般社会の注目もそのあたりにあるのではないでしょうか。今年の秋田の大会では何台かの燃料電池車の出場もあったようです。本当にソーラーカーがエコカーであるかどうかも議論の余地があるようです。エコ=ソーラー、エコ=燃料電池でもないようで、私たち車のユーザーとしての判断もできかねるのが、実情です。随分前のこのブログでも書かせてもらいましたが、サラダ油の廃油で走る車なんかの方が、エコという観点では秀でている気もします。エコ=??この定義をそろそろ明確にする時期に来ているのではないでしょうか?競技だけに存在するソーラーカーでこのままずっとやっていくのでしょうか?疑問が尽きません。
ドリームカップの第1ヒート、第2ヒート共に、スタートが午後1時で、レース進行が午後0時からと昼食時が一番忙しい時期にあたります。そんな事でこの二日間は昼食はあってないようなものです。車がスタートしてしばらく何も問題が無ければピットにいる控え部隊はご飯にありつけますが、それでもドライバーは何も食べないのが普通です。これは日本も海外のチームも同じではないでしょうか。お腹が空いては戦ができないと思うのですが、食べ過ぎて腹痛になってもこまります。お腹が痛くなるのは金曜日の車検の時でしょうね。オーロラチームも第1ドライバーのデレックが小柄で規定重量の70Kgを切りそうなので、軽量前に水を飲む事ミネラルウォーターの2Lを2本くらいは飲んだのでしょうか?そのタイミングが早すぎたのか、計量が終わるや否やトイレに猛ダッシュでした。その後もしばらくお腹の不調を訴えていました。さいわいバラストの重量は1キロちょっとでした。これもそんなに大差はないのでしょうが、気分の問題でつい頑張ってしまうのですね。
北欧のエウェーデンでは国が国民の健康を守るために酒税を上げてアルコールの消費を抑える策をとっているようですが、そこは人間、好きな人は隣国の税金の安いところで購入してお楽しみです。お陰で国内の販売が落ちて酒公社は悩んでいるそうです。わたし的には酒は「百薬」と言いますので、そんなにしなくてもいいと思うのです。それよりも日本の国内で「健康増進法」が施行されているにも拘らず喫煙を公の場で認めている自治体にもっと分煙の施行をやってもらいたいと思います。タバコ税は500%位まであげて、「国民の健康を守る」それ位大胆に?!無理ですかね。
オーロラチームのホイールモーターは普通に売っているものとは違うようです。CISROとの共同開発のようです。ホイールそのものはマグネシゥム合金です。ですから結構、巣穴が多くてそれにそのままタイヤをはかすとエア漏れがあるようで、リムの内部にクリアラッカーを拭いて巣穴を塞いでいます。そんなクリアラッカーくらいで本当に巣穴が塞がるかどうか疑問ですが、結構まじめにやっています。そのモーターの内部はオーロラのHPに写真がアップしてありますので、http://www.aurorasolarcar.comをご覧頂ければ一目瞭然です。強力な磁石がぐるりと埋め込まれています。この磁石の予備をメンバーの一人が持って空港のセキュリティーチェックを通ったら、大変なことだったと笑い話をしていました。共同で開発したものの性か、中身もみんな熟知していて今回もトラブルで何回の組んだり、ばらしたりしていました。
自由の象徴とも言われる東西ドイツの境界にあったブランデンブルグ門で環境保護団体が腐敗した魚を展示して、乱獲に反対の集会をしました。北海での漁業で取り上げた魚の大半が販売の規格にあわないために捕った後で廃棄されているそうです。中には絶滅危惧種の蛸や海栗もあるようです。その量たるや年間700000トンにも及ぶそうで、こんな状態を続けていけば将来の世代にかならずや大きな問題を起こさせると言うのが、保護団体の主張です。同じようなことは、日本の近海でも行われてはいないでしょうか?網での漁業ですから狙う獲物だけを捕るというのは難しいのでしょうが。ちりもつもれば山となるではないでしょうか。自然の資源です、大切にしたいものです。食卓に出されたお魚も有難く頂戴しましょう。
オーロラチームは単にソーラーカーが好きな人たちが集まっている社会人のチームです。数名の高校生や大学生もいるようですが、主体は社会人です。活動の時間は年間累計で12000時間にたっするようです。この時間ってどうなのでしょう、多い方でしょう。車の製作には3年の月日を費やしそのコストたるやスーパーカーのカウンッタクやフェラリーが数台買えるような費用がかかっています。こうなると、好き者の集まりというより組織活動です。ですから、彼らの団体の名前もAurora Vehicle Association Inc.なのですね。これって日本で言うと法人組織でしょうね。経理のやりくりまではわかりませんが、赤字ではやっていけないでしょうから、大変でしょう。大きなところのスポンサーではフォード自動車、3M、BOSCH,Gochermonnなどです。日本とオーストラリアでは寄付などに対する税制が違っていて事情がよくわかりませんが、それにしても資金の捻出は??億円近いソーラーカー製作の為に必要のようです。
ソーラーカーをもっと手短に楽しめるようにする、一つの策としてソーラーパネルを経済的に入手できるようにする必要があるようです。今回オーロラチームで来日した、ダレルはそのあたりをオーストラリアで検討中です。自分でソーラーセルをプレス機でサンドイッチにする機械を作ったり、いかにしてソーラーパネルを安価に供給できるかを検討中です。具体的に煮詰まれば、私の方にも連絡をくれるとの事ですから、このブログを読んでくださっていて興味のある方はstaff@meibutsu.co.jpまで直メールをください。今回の来日でもテストサンプルをアタッシュケースに入れての来日で何人かのひとに説明をしておりました。肝心は値段と性能です。彼らのソーラーパネルスポンサーのGochamanとの共同研究だそうです。
ソーラーカー・ラリー開幕 秋田・大潟村で3日間 (共同通信) - goo ニュース鈴鹿のドリームカップと同時開催で台数が19台減ったとのことですが、それでも結構な台数があつまっているようです。主催者同士で調整して出来るだけ多くの人が参加できるようにしたいですね。それにしてもソーラーパネルが高価な部品だけに学生チームや個人チームはどのようにして費用の捻出をしているのでしょうか?オーストラリアのオーロラチームもスポンサー探しは大変なようですが、彼らのソーラーセルの一枚一枚に資金提供者の名前がはられているのはご存知でしょうか?日本円1000円で小さなセルの裏面に名前がタイプされたシールが貼られています。まだ、ご覧になられた事の無い方は来年オーロラチームのピットで確認ください。こんな方法での資金集めもあるのですね。
鈴鹿のコースでもう一つの怖いところそれはどうも第1コーナーのようです。メインスタンド前のストレート下りで猛烈にスピードがアップしたのを第1コーナーで減速です。この時ソーラーカーには猛烈な回生電流が発生します。過充電にでもなればそれこそバッテリーがダメージです。ですから、オーストラリアチームも約8割くらいの充電状態でスタートをしているようです。このあたりは作戦の大切な部分でしょう。第2ヒートの前の甲羅干しで天気が良ければ、オーロラチームのソーラーパネルだと満充電も可能のようですが、そこは決して決して回生電流を考えていますので、絶対にマンタンにはしません。
オーストラリアチームもやっと本国に帰還したようです。もう幾度かのミーティングを重ね、来年に向けての始動を始めたようです。監督のデイビッドはソーラーカーの本の執筆の為に鈴鹿のあと大阪にある朝日新聞を訪れ、神戸で以前行われた(問題が発生して以後継続開催はされていない)ソーラーカーレースの記録を取材するために訪れています。彼のソーラーカーにかける情熱は只者ではないです。表現は大げさかもわかりませんが、世界をソーラーカーで駆け巡るといってもいいでしょう。早くその本が出版されるのを待っています。ひょっとすると私の名前もその本の片隅に出るのかもしれません。
鈴鹿サーキットのレースで一番気をつけなければならないところの一つ、それはシケインでは無いでしょうか。特に車幅が異様に広くコックピットからの感覚も普通の車とは全く違います。それにシケインはタイトコーナーの連続ですから、どうしてもライン取りを狙って攻めたいところです。ところがここに複数の大きなソーラーカーが入っていこうとすれば間違いなく接触です。レースは車を壊したらその時点で終わりです。ですから多少ライン取りに不利になっても安全最優先で曲がってこなければならないのがシケインです。ここでの追い抜きなどF-1ならともかくソーラーカーでは考えられません。ドライバーに聞くとシケインの手前で進入を待ってそれから、そろりも多いとの事です。
アフリカのギニアで182カラットというどうも史上第2位の大きさ(パソコンのマウス大)のダイアモンド原石を25歳の鉱夫が発見したそうです。それはよかったのですが、身の安全が危うくなり姿を隠しているそうです。非常に輝きのあるダイアモンドで多くの縞目があるそうですが、金銭価値は?百万ドルだそうです。価値のある資産を手に入れても安心して姿も現せないとはかわいそうですねぇ。
海外チームの車は20フィートのコンテナーに入れられて運ばれます。オーロラも海外転戦が多いのか、その梱包は手馴れたものです。コンテナーの内部を大きく2段に分けて使い、下部に工具、部品関係、上部にソーラーカーを乗せるスタイルです。今年は、ギリシャのフェアソン2004の後でしたので、そのままギリシャからやってきた格好でした。リアカーの様な部品工具入れ台車の上にソーラーカーを置いて、芦屋大学のチームの車と共に神戸港に入港したとのことです。鈴鹿のドリームカップの後は上海で車の展示会に出てそれからオーストラリアに帰国の予定です。長い長い航海も、もうそろそろ終わりでしょう。
海外チームが鈴鹿のレースに出て驚くのはまずその出場車の多さです。特にはエンジョイクラスの多さです。ソーラーカーの本を執筆中のデイビッドにとっては格好の記事となりそうです。彼曰くこのクラスの出場がどんどん増えてソーラーカーの底辺が大きくなるとソーラーカー全体の知名度がもっとあがり社会からの注目度も上がるとの事です。エンジョイクラスのような部門がオーストラリアで開かれるワールドソーラーチャレンジには無いので鈴鹿サーキットのエンジョイ4時間耐久は貴重な存在だそうです。エンジョイのなかには受け狙いで出場のチームもあるようで、レースを勝負だけでなく他の意味で楽しんでいるのが良くわかります。ソーラーカーの入門編です、もっともっと参加者が増えて欲しいですね。