杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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コソ染め太郎のコソ染め日誌19

2011年10月02日 | こそ染め道場
こんにちわ。フェイスブックヨーロッパ企画にはまっているコソ染め太郎です。

フェイスブックって楽しいですね。
なんかmixiより気軽に繋がれる気がします。
そして何よりこのサイトを見て友達登録をしくてれた先生方もいて、有難い限りです。



では早速、今日のコソ染めです。

UTI、それは菌種の宝庫。
研修を始めてからこれまでお会いした起因菌を集めています。

現在8種類
E.coli
K.pneumoniae
K.oxytoca
Proteus mirubilis
Enterobactor cloacae
Pseudomonas aeruginosa
Citrobacter koseri
E.faecalis

(どっかでProvidencia見たんだけどなぁ、写真ないわぁ…)



先日、またお会いしました。
発熱+膿尿にて腎盂腎炎と診断しました。
んで尿のGram染色がコチラ↓



ほほう、汚いねぇ。



培養結果=α hemolytic Streptococciのみ



ほほう…これは…

もしや…


嫌気性菌か?



でも嫌気性菌のUTIって少ないってイメージありますが、実際はどうなんでしょう?

Journal of Urology;(2004)11,133-141に
Urinary tract and genito-urinary suppurative infections due to anaerobic bacteriaInternational
なるレビューがありました。


・嫌気性菌によるUTIはHudacによる報告では0.8%(27例/10760例)
           Finegoldによる報告では14%(14例/100例)→菌量10^3でカットオフ
           Seguraによる報告では1.3%(75例/5781例)
   →検出の仕方などの方法論を向上させる事で嫌気性菌の検出率は上がると考えられる
・嫌気性菌の多くは腸内細菌や連鎖球菌と共に感染している
・泌尿器オペで嫌気性菌のリスク上昇…Mohanty and Jollyによる報告
・経直腸的前立腺生検後の細菌尿の培養では嫌気性菌4.3%…Shivdeの報告
・外陰部や尿道に嫌気性菌が付着しているとリスク
・泌尿器科的疾患、構造異常、神経因性膀胱、DMなどでリスク上昇

みたいな事が書いてありました。(英語がツライ…ちゃんと読めてるかな…?)



こう見るとUTIの嫌気性菌は難しいですよね。
嫌気培養しないと生えてこないし、いたとしてもただの定着かも…



どちらにしても嫌気性菌の割合は低そうですね。
なんで、ただの膀胱炎だったり軽症~中等度ならファーストからのカバーはいらない気がします。





…つまりいつも通りって事ですかね。






※ちなみにヨーロッパ企画は京都を中心に活動してる劇団です。
先日、公演を見に行ってきました。みんな知らないよなぁ…