杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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網谷病

2008年10月08日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
ふれいざーにも載っていない日本発の概念で網谷先生が提唱されている病気です。
先日、びまん性肺疾患学会に参加してきました。網谷先生もおられました。天理よろずのradiologistの野間先生が画像解説していました。
visceral pleuraの線維化、胸膜直下の肺胞への原因不明の滲出物→肺胞虚脱とたたみこみ(elastosis)がおこるようです。病態は特発性進行性無気肺硬化症と言うのが一番しっくりくるという先生もいました。不思議なことにこのような変化は上葉が主体であり、扁平胸郭の合併が病態を増悪している可能性があるようです。
key wordsは、apical cap, 扁平胸郭、genetic?(兄弟発症あり), 上葉優位であり、基本的には肺胞の構造改変は起こさないので、SP-D, KL-6の上昇は起こらない、ようです。残念ながら、報告は海外に一歩先を越されたようです。

http://www.chestjournal.org/cgi/content/full/126/6/2007
Idiopathic pleuroparenchymal fibroelastosis: Description of a Novel clinicopathologic Entity [CHEST 2004;126:2007-2013]

上記ペーパーでのpathologic findingsは、、、intense fiboris of the visceral pleura,prominent, homogenous, subpleural fibroelastosis, sparing of the parenchyma distant from the pleura, mild, patchy lymphoplasmacytic infiltrates, small numbers of fibroblastic foci present at the leading edge of the fibrosisでした。

ざっと読んでみましたが、放射線やエンドキサンなどの薬剤使用後の肺病変もまぎれており、pureな網谷病と同一でないものも入っているように思います。

日常臨床でまぎらわしいのは上葉優位のIPF/UIPもあることです。pureな症例だけでも日本発の概念として、定義をきちんとした上で早く世に出して欲しいと思いました。症例が多すぎて最後は会場全体が疲れていました。

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