杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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死腔換気量を考えましょう

2006年10月08日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
Loveチンさん、大正解です。
つまりガス交換するためには上気道、下気道を通して換気することができています。しかしこの気道内での換気は、肺胞換気量としては有効ではありません。
これを死腔換気量と呼びます。
一般には人体内の解剖では、150mlの死腔換気量が存在するといわれています。
ですので、質問のどちらも分時換気量は同じですが、
死腔換気量を考えると実際の換気される量はLoveチンさんの教えてくれたようにかなり差があることになります。
TV 450ml RR 20/min
この場合の有効な肺胞換気量は死腔換気量を減らした
(450-150) x 20 = 6L/min

TV 300ml RR 30/minの場合は
(300-150) x 30 = 4.5L/min

つまり肺胞での有効な分時換気量は
1.5L/minも違うことになります。
もし、PaCO2の蓄積でアシドーシスの改善を要する場合は
是非、設定の変更時に死腔という考えをもってください。
ちなみに人工呼吸器管理でも150-200ml程度の死腔と考えてください。


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