杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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糖尿病関連

2009年02月03日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
最近、外来で血糖コントロール不良な人には積極的に、長時間持続型のインスリン(ランタス、レベミル)などを導入していて手ごたえを感じている。
psychiatric diseaseのある人は食事自体の節制が難しい人も多く経口血糖降下薬がmaxとなってもコントロール不良な場合も結構ある。そんな中でこの持続型インスリンは重宝している。以下の文献はなかなか良かった、、。
Diagnosis and Management of Type2 Diabetes and prediabetes [Prim Care Clin Office Pract 2007;34:731-759]
インスリン導入に関してTreat-to-trial protocol, All-to-target regimen,
Predictive 303 protocol, 1,2,3 protocol for premixed insulin analogsなどいろいろ書いてあった。
外来ではpredictive 303 protocolか、、。
0.4u/kgでbaseの持続型インスリンを開始。毎日FBSを測定し80-110mg/dlに持っていく。増減は3単位ずつ。経口薬も併用してよい(たとえば超速攻型の経口インスリン薬などもそうだと思う)

上記文献ではレジュメよりもその他の大事な言葉がいろいろ書いてある。
T2DMの人のうち39%は片方の親がやはりT2DMである
1親等以内のT2DMがいる場合、5倍から10倍の罹患のリスクあり
T1DMと違い、T2DMでは7年から10年かけて発症し、インスリン抵抗性があり、
少なくとも50%以上の膵β細胞の機能低下がある。そして80%以上の膵β細胞の機能低下があれば経口薬での血糖コントロールはほとんど成功しない。インスリン治療の導入はこういうときこそ必要となる。
禁忌がなければ、aspirinは少量で開始すべき。心血管系のリスクを減少させるため。
HbA1c 10.2%以上では70%以上がFGSの影響を受ける
7.3%<HbA1c<8.4%ではFGSとpostprandial glucoseの与える影響は同等。 One should target fasting glucose concentrations primarily, and then focus on reducing postprandial glucose concentration.ということになる。
そして、、一番の治療への動機づけでいいなあ、、と思ったのが以下の文章。
これを患者さんに伝えることが大事かなあ、、。Patients who have T2DM have a two to four times higher increased risk of cardiovascular events than those who have normal glycemia. Yet for every 1% reduction in A1C, one can expect a 35% reduciton in microvascular complications and a 14% reduction in macrovascular risk. Most importantly, patients who are able to achieve an A1C of less than 7% should expect to live 5 years longer and experience 15 years of free of complications when compared with those who have A1Cs greater than 7%.

たかだかHbA1c 1%でも下がるとその恩恵は大きい。昔読んだ以下でも述べられていた。
Glycated hemoglobin (HbA1c) monitoring [BMJ 2006;333:586-588]
HbA1Cが9%から7%へ下がると合併症は50%減少する。HbA1cと合併症の関連は直線的な関係ではないところが大事。
また、糖尿病での降圧薬はACE-Iが第一選択か、、と思う。以下はさくっと読める
Pharmacologic management of Hypertension in patients with Diabetes [Am Fam Physicians 2008;78:1277-1282]

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