エル・グレコ作「聖衣剥奪」
トレド大聖堂聖具室正面の祭壇画、絵を囲う建築的な装飾も立派です。
中央のキリストの衣服の鮮やかな「赤」
キリストの顔と、胸に置かれた手の「白」
衣服に手をかけようとする男の「深緑」
左の甲冑の男の「灰色」
左下の「紺」と「黄」
色の配置がとても鮮やかな作品です。
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エル・グレコは「黒」の使い方のとても上手い画家。
画面の中の「黒」の扱いが上手いから「他の色」を鮮やかに引き立てます。
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エル・グレコはギリシァ・クレタ島出身のギリシャ人、スペインに渡りトレドで活躍した画家。「エル」は冠詞、「グレコ」はイタリア語で「ギリシャ人」を意味するそうです。「エル・グレコ = ギリシャ人」そのままですね。
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私はこのことを今回の旅でガイドブックをペラペラ見ていて初めて知りました。エル・グレコの絵は知っていたけどスペイン人だと思い込んでいました。この発見が嬉しかったので「エル・グレコって、なんと!スペイン人じゃないんだよ、知ってた?」と妻に得意げに聞いてみた。
「知ってるわよギリシャ人でしょ、名前でわかるでしょ。」と簡単に言われたので面白くなかった。
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トレド大聖堂の聖具室にはエル・グレコの他にも沢山の宗教画があります。聖具室は礼拝の道具などを保管するための部屋ですが、ここはとても大きく複数の部屋が連続していてまるで美術館のような空間でした。
カラヴァッジオ作「洗礼者ヨハネ」
ヴァン・ダイク作「聖家族」
ティツィアーノ作「パウロ三世」(ルパンではない)
こんな素敵な本もありました。
キラキラ輝いていました。
聖具室の天井のフレスコ画もとても綺麗でした。
帰りに首が痛くなりました。