玉川上水の木漏れ日の下

 ワヤン・トゥンジュク梅田一座のメンバー katakura のブログ  since 2013

美郷町ワヤン”ビマの鬼退治”より「ビマ」

2023-11-26 | ワヤンのお話

「ビマ:Bima」 演目《ビマの鬼退治》より
「ある村のはずれに鬼のバーカとその家来たちが住んでいた。年に一度、村人たちは鬼に山ほどの食べ物、いけにえを捧げなくてはならなかった。パンダワ一族の勇者、ビマは村を苦しみから救うため、女性に変装して鬼退治に向かう。はたしてその企てはうまくいくのでしょうか・・・」

 パンダワ五兄弟の二男。武芸に秀でる点においては他の兄弟と同様だが、思慮深い他の兄弟と比べると、気が短く粗野な側面を持ち、常に兄弟たちにそうした行為を諭される。パンダワ一族の人形の大半は、優雅さや気品の高さを象徴する細い目をもつが、ビマだけが丸い目をもつ。この形態の目は、粗野で凶暴な性格を象徴する。また下半身に巻かれた布も簡素なもので、たとえていえば「褌をしめた喧嘩っ早い男」という表現がよく似合う。
 しかしその一方で、ビマはパンダワ一族の誰にも持ち合わせない特別な霊力を持つと考えられている。それはビマが腰にまとっている布の市松模様から見てとることができる。なぜならこの模様の布をまとう者は霊的な守護力を持つと考えられる。またその爪にも特徴がある。長く鋭くまっすぐ伸びた爪は、父である風神バユ、そしてビマと猿王ハノマンだけが持つ独特の形である。
 ビマの体の色は、他の人形にも見られる茶色とは違い、あるダランはマンゴスチンの赤茶けた色だという。なぜならマンゴスチンを割ると美しい白く、甘い実が現れるが、ビマの内面には、まさにその実の白さや味覚が象徴するように、繊細でやさしい性格を持ち合わせているという。
 バリのたいていの男性はビマを好み、自分に息子が生まれたときに、もしワヤンの上演を依頼するときは、ビマが活躍する演目を上演してもらうことが多い。子どもに「ビマ」という名前を付ける親もいるほどだ。
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「バリ島の影絵人形芝居ワヤン:梅田英春著」より


「ビマ」細部

😃島根県邑智郡「美郷町ワヤン公演」のお知らせ
日本語とバリで用いられている言葉で語られ、大人も子供も楽しめる内容となっています。多数ご参加ください。
◆日時・演目 : 2023年12月16日(土)  
 1回目 13:30~14:30 演目《ビマの鬼退治》
 2回目 19:00~20:30 演目《アルジュナの瞑想》
◆場所 : みさと館 町民ホール
◆出演劇団:ワヤントゥンジュク梅田一座 ダラン:梅田英春
◆主催:美郷町教育委員会
◆料金等:入場無料 申込不要
◆問い合わせ先:美郷町教育委員会 電話0855-75-1217


2023.11.16.親子で楽しめる「美郷町ワヤン公演」のお知らせ

2023-11-20 | ワヤンのお知らせ

《アルジュナの瞑想》より
瞑想中のアルジュナを誘惑する天女たち

😃ワヤン・クリッとは伝統的な影絵芝居のこと、主にインドネシアのジャワ島やバリ島で行われる。
ワヤン(wayang)は影、クリッ(kulit)は皮を意味する。通常人形遣い(ダランともいう)、演奏者、ダランの補佐をする者で行われる。

😃島根県邑智郡「美郷町ワヤン公演」のお知らせ
バリ島の影絵芝居「ワヤン・クリッ」、午後の部と夜の部それぞれ別の演目を上演します。日本語とバリで用いられている言葉で語られ、大人も子供も楽しめる内容となっています。多数ご参加ください。
◆日時・演目
 2023年12月16日(土) 
 1回目 13:30~14:30 演目《ビマの鬼退治》
 2回目 19:00~20:30 演目《アルジュナの瞑想》
◆場所 : みさと館 町民ホール
◆出演劇団:ワヤントゥンジュク梅田一座 ダラン:梅田英春
◆主催:美郷町教育委員会
◆料金等:入場無料 申込不要
◆問い合わせ先:美郷町教育委員会 電話0855-75-1217

😃インドの昔話マハーバーラタ物語より
 演目《ビマの鬼退治》
「ある村のはずれに鬼のバーカとその家来たちが住んでいた。年に一度、村人たちは鬼に山ほどの食べ物、いけにえを捧げなくてはならなかった。パンダワ一族の勇者、ビマは村を苦しみから救うため、女性に変装して鬼退治に向かう。はたしてその企てはうまくいくのでしょうか・・・」
 演目《アルジュナの瞑想》
「パンダワ一族の武将アルジュナは、来るべきコラワ一族との大戦争に備え、崇高なる神より天界の武器を賜るためインドラキラの森で瞑想を行う。ところがその瞑想を阻止しようとする魔物が巨大な猪となって、アルジュナに襲いかかる。さてアルジュナの運命はいかに・・・」


😃ダランの指導のもと、グンデルの練習も始まりました。
劇中で使用するアンカタン(道行きの曲)などを決め、手を確認していきます、
曲の感じは勢いで弾けても、正確に解明していくとなかなか難しい。





😃子どもでも楽しめる!ワヤン公演。ぜひご参加ください。

メイキング・オブ・ムナカタ

2023-11-14 | 映画と美術と音楽と

この無邪気な笑顔に誘われて竹橋の棟方志功展に出かけた。

 映像作品で眼鏡が板木に触れるほどに顔を近づけて軍艦マーチを口ずさみながら彫っている姿や、私たちに親しみのあるこの笑顔は対外的なもので、ご家族のお話によると「自宅での棟方は物静かな読書家で、大変な努力家だった。いざ実作にかかると仕事は早かったが、アトリエには他人を入れず、制作にあたっては冷静かつ入念な準備を重ねて細心の注意を払い、刀物での怪我には気を付けていた」という。確かに、いつも笑ってはいられない・・・でもこの笑顔が好きだな〜。

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「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」
 会期 2023.10.6 〜 12.3
 会場 東京国立近代美術館

 会場は小さな作品から壁画のような大きなものまで棟方志功が溢れていました、凄いボリュームでした。よく知っているものも初めて見るものも、やはり本物はどれもとても迫力があって面白かった。棟方志功、やっぱりすごい!「板画は爆発だ!」

どの作品も迫力でした!







会場は撮影ができました。


こんな展示もありました。
まるでビンの底のような分厚いレンズの黒ぶちメガネ、
棟方の笑顔が目に浮かびます。

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皇居のほど近く、地下鉄竹橋駅のあるパレスサイドビルを出て
お濠にかかる竹橋を渡ると右手に東京国立近代美術館があります。
建築家谷口吉郎の名建築、いつ来てもカッコイイね!








あと8年

2023-11-07 | 山の国から

カシガリ山の紅葉 ( 11/1 標高1,450m付近 )
数日眺めていましたが山の紅葉は刻々と変っていきます。
今年の紅葉は葉が軽い感じでなかなか綺麗。

 山小屋の目の前にカシガリ山(標高1,616m)がある、穏やかな稜線は北に車山高原へと続いている。以前、地元の人に「この山は何という山ですか?」と尋ねたことがあった「よう知りません・・この山に名前なんかあったけの〜?」とのこと、地元の人はそんな感じです。
 この山の素晴らしいところは里山のように広葉樹の雑木でできていること、針葉樹の植林など人の手は入っていないようです、だから自然な感じが良い。茅野市財産区の山だそうですが開発などしなくて良い、今のままの静かな森が続くことを願います。

 この山の35年ほど昔の写真が出てきました、今と比べてみると木々がとても小さくて驚きました。森は日々育ちます、手を入れないと人間の小屋などすぐに森に埋もれてしまいます。我が家の周りの木々もだんだんと大きくなり八ヶ岳が見えづらくなってきたようです。
 そこで木の伐採屋さんに相談しました。「ここからまた八ヶ岳全体が見えるようにして欲しい」とお願いしました、すると小屋の周辺をとことん伐採するようなとても力の入った見積が出てきました、驚いて一瞬死にそうになりましたが気を取りなおして「あと8年間だけ八ヶ岳が見えていれば良いです、その後はまた森に埋もれても仕方がない」とお願いの内容を修正し、作業を大幅に減らし見積額を80%ほど下げてもらいました。(・・・これならできそう)
 来春は森の伐採で年が始まりそうです・・・楽しみです!・・・でも免許返納の時期を考えると山に来れるのも長くてあと8年・・・なんだか寂しい。

水抜き

2023-11-01 | 山の国から

左に八ヶ岳連峰、右に南アルプス、中央に小さく富士山、雲海の下は蓼科。
車山山麓標高1,450mより、朝5時半ごろ、外気温はちょうど0度。
寒いので写真を撮ってまたすぐ寝ました。(10月29日)


山小屋の「水抜き」に行きました、毎年10月25日ごろを目安にしています。
山小屋の水道管には凍結防止の電気コイルが巻いてある、この電気代がけっこうかかる、節約のため小屋をあまり使わない期間は水を抜き電源を落としておく。
ウォシュレットを付けてからこの水抜き作業が大変になった、とくに最近の設備はどれもすごくめんどくさい。湯沸かし器も混合水栓も洗濯機も最新のものは使い勝手は良いのだが水抜きが大変、外すビスや栓がたくさんある、昔は水道栓をただひねれば良かったのに。
水道屋さんに連絡して「水抜き作業が大変なのでウォシュレットは冬場はつかわないことにしました、他の給水と縁を切っておいて下さい」と頼みました・・・これで山小屋のウォシュレットは冬場は使えない・・・一体なんのためにつけたのだろう?・・・暖房便座としては使えるそうだ。