![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/8e/fc86505ba9b5fa81d5ee9fc446e1886d.jpg)
・・・まるで少女のように美しい息子だった・・・
映画「シークレット・オブ・モンスター」ブラディ・コーベット監督。
サルトルの短編小説「一指導者の幼年時代」から着想を得た心理ミステリー。
有楽町に映画「シークレット・オブ・モンスター」を観に出かけた。
その日はまるでお正月のような快晴の空だったがとても寒かった。
・・・・・
この映画で描かれている幼年時代の「一指導者=独裁者」が誰か?は物語からは特定できない。丁寧な時代背景の描写から推測すると、ムッソリーニにもヒトラーにも時間軸は当てはまらない、どうやら実際の独裁者の幼年時代の伝記ではない架空の物語のようだ、そう思わないと映画のラスト・シーンがわからなくなってしまう。独裁者を生み出してしまった当時のヨーロッパ、背景としての社会不安や民衆の不満が絶えず漂っている暗い時代。
といったところで、後は映画館でお楽しみください。面白いミステリーです。
・・・・・
ところで、私たち(妻と私)の関心はこの映画の「音楽」にありました。「音楽」がなんと!あの「スコット・ウォーカー」なのです!・・と、ここでほとんどの皆さんが「???」だと思いますが、かまわず続けます。
あのウォーカー・ブラザースのスコット・ウォーカーです。60年代の「ダンス天国」「太陽はもう輝かない」「孤独の太陽」を歌った我らがアイドルのスコットです。「♪インマイル〜ム」なのです。
もっとわからなくなりましたね、やめます。
・・・・・
とにかく、そのスコットさん(72歳)の音楽が、ものすごく不気味で迫力があって良いのです!電気的な音は使わないアコースティック音源へこだわる姿勢もすばらしい、まるで我々一座のワヤンのようです。
とにかく映画の出だしの序曲から「ドコスカ・ジョンジョラ」と不安感に満ちた重厚なサウンドで暗く落ち込んでいる画面全体をいきなり盛り上げ映画の中に引きずり込みます、途中のシリアスな場面では「キーキキーー・ビロン!」とか何かを引っ掻くような音で不気味に語りかけ、ラストシーンでは「ギッタンバッタン・ドカドカドカン!」とあれよあれよといきなり映画を締めくくってしまいました。すばらしい音楽でした!
私のこの音の表現では分からない皆さん。是非映画館の大音響でご覧ください。
・・・・・
「まるでスコットの音楽のための映画のようだったね。」とスコット大好きの私たちの感想でした。監督スミマセンね、もちろん映画も面白かったです。不安感に満ちたストイックな映像がとても美しかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/1d/79c97b6017a28b95bd0595efd10ea150.jpg)
60年代アイドルのスコット、この人は本当に歌がうまかった。
大好きだったので今でも当時のレコードをたくさん持ってます。
でも、スコットはこんなアイドル時代がとても辛かったようです、
本当はアイドルにはなりたくなかった元祖アイドル。
現在70歳を過ぎ、今ますます良い仕事をしているスコット、
人生いろいろ。
ガンバレ!