神鳴り(アメジストネックレス)

難聴ゆえに家居の好きな主婦です。過去、心臓弁膜症、大腸がんの手術を受けました。趣味は短歌です

サヘル・ローズさん

2014年10月30日 10時17分21秒 | 読書
数日前、 Eテレを見ていると、濃い顔立ちのサヘル・ローズさんという人が出ていた。

私は知らなかったが、テレビ界では、もうかなり有名なタレントさんらしい。

気になったので、ネットで調べてみると、イランイラク戦争で、家も家族もなくして孤児となり、その後、彼女を救出した女子大生の養女になって、その養母と一緒に日本に来た人ということが分かった。

『戦場から女優へ』という本を出しているということも分かったので、図書館の蔵書検索で予約して、昨日、借りてきて、一晩で読み上げた。

彼女は、1985年生まれで、今年の10月21日に29歳になったばかりだ。だが、この生年月日は正確なものではないらしい、なにしろ空爆で焼け出されているのだから。

その半生は、現代の世に、これほどの過酷な人生があるということが信じがたいような内容だった。

彼女は、イライラ戦争で空爆された4日目後の朝、瓦礫の中から救出された。救出してくれたのは、後に彼女の養母となる、当時は女子大生であったフローラ・ジャスミンさんである。

これは、彼女にとって、非常に幸運なことであった。

が、養母となったフローラさんにとっては、彼女を救出して、その後、養母になったことは、それまでの裕福な家庭のお嬢さんであった人生から苦労の多い人生への転換点となった。なぜなら、サヘルさんを養女にしたことで名家の誉れ高い実家から勘当されてしまったから。

私はサヘルさんの人生もさることながら、この養母フローラさんの人生の壮絶さ、気高さに心打たれた。

まさに現代の聖母だと思う。

詳しく書くと長くなるので、ここまでにするが、平和ボケした日本人(私のことです)には、薬になる本であることは間違いないと思う。