自遊空間、 ぶらぶら歩き。

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河口龍夫―見えないものと見えるもの―

2007-12-21 | 展覧会
兵庫県立美術館で、河口龍夫さんの―見えないものと見えるもの―を見て^^きました。
名古屋市立美術館とほとんど同時開催で、兵庫会場は会期を終えているのですが、名古屋は24日までです。


兵庫県立美術館には最終日に行きました。というのも、その日河口さんのレクチャーがあると広報されていたからです。

情報のあるなしで、作品の理解度がまったく違いますから・・・。


河口さんのレクチャーは美術館の学芸員さんたちとのてい談のように始まったのですが、まず、
「現代美術は現代に制作、発表されているのにもかかわらず、分からないという人が多いです」
という話から始まりました。

そうそう、私もその一人です。
私の現代美術のイメージは「奇異」、「?」ということが多いのです。

河口さんの言葉で、その疑問が解決したわけではないのですが、河口さんの作品は理解でき、納得できる、分かりやすい作品群でした。

「現代美術は、まず見て、感じ取る」ことですね。

河口さんは1940年、神戸市生まれ。市内の中学で教鞭をとっていたこともある方です。
今回の展覧会のサブタイトル「見えないものと見えるもの」というのは、
「眼に見えるものがすべてではなく、見えないものもあわせて初めて全体ができる、見えることだけが大切なのではなく、見えないことにも意識を向けよう」ということだそうです。

須磨海岸の波打ち際に置いた長い板と波との関係の一日分の写真や、真っ暗闇の中で描いたドローイングが47枚あって、それを真っ暗な中で、ペンライトを当てながら見たり、闇を閉じ込めたBOXが作品だったり、隣りの空き地に生えてきた雑草をその姿のまま鉛で封印した作品等々が、各展示室いっぱいに広がっています。

展示室の空間ごと、作品―インスタレーションなんです。

私は「浮遊する蓮の船」に一番興味をそそられました。
どちらへ進むとも定まらない船に蓮の実が乗っていて、部屋の四方の壁には1900本もの蓮の種が鉄線にささって植えられ、一部はかすかに揺れているのです。
下から見上げる観客は「水の中」^^といったところです。

また、展示室の外の回廊を使った、鳥になった種子。「大作」という観念を超えてました。

レクチャーの参加者の中に、
「私は造園の仕事をしているものですが、先日この展覧会で〈隣の庭〉という作品にたまげ、この作品をつくった人はどんな人だろうとまた来ました」という方がいました。

広島に咲いていたタンポポも鉛でシールドされてました。
その他の植物のタネもたくさん鉛でつつまれていました。。

私は鉛で閉じ込められていると感じたのですが、河口さんの意図は鉛で守り、半永久的に保存するんだそう。

ふ~っ、私の理解はまだまだのようです。


(「浮遊する蓮の船」の写真は神戸新聞のWEBサイトから借用しました)






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