自遊空間、 ぶらぶら歩き。

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南極がこわれる

2007-02-02 | 
南極がこわれる(ポプラ社)は日本とオーストラリアの大学で生物学を専攻したあと、さらにオーストラリアの大学院で研究生活を続けた経歴を持つ、藤原幸一さんの写真と文章で構成されています。

真っ白な氷原と青い空、圧縮されて青みを帯びた氷の上で、ただあるがままに生きるペンギンの群れ。

こんなスタートの本はページをめくり始めるとすぐ、昔のままではない、南極の姿を見せてくれます。

氷河が融けた地表を緑におおう、コケや地衣類、氷河が裂けたところから滝のように流れ出る水、永久凍土が溶けてもろくなった大地などです。

さらには雪の下に埋もれているはずだったゴミの山、山、山。

本の後半ではそのゴミとペンギンが同じフレームに入ってきます。

プラスチックの輪がくちばしにはまってしまったペンギンや、ワイヤーで真っ白なお腹を真っ赤な血で染めたペンギンがいるのです。

地球温暖化で生態系が変化、本来はいないはずの鳥たちの飛来で、病死するペンギンも発生しているとか。


救われるのは、少しずつ過去のゴミの撤去作業が始まっていることです。

国境のない南極を地球人の協力で、本来の姿が戻せたら、環境危機時計の進行を少しは止めることができるかもしれません。






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