名画座パルシネマで「わが母の記」と「父の初七日」を観てきました。
「わが母の記」は井上靖さんの自伝的小説を映画化したものです。
若い人には井上靖さんは、もはや文学史上の作家かもしれませんが、古い人間^^には彼が幼少時一人だけ親兄弟と離れて伊豆に暮らしていたことは、よく知られているエピソードです。
痴呆の進む母親を兄妹、時には孫もからんで引き取ることは、この映画では押し付け合うといったイメージはないとしても、小津安二郎監督の「東京物語」を思い起こさせます。
実際、主人公役所広司さんの姉役のキムラ緑子さんのせりふに「東京物語」という言葉が出てきます。
しだいに自分を無くしていく母親、樹木希林さんの演技が見事で、これは「ツナグ」も観なきゃ、といった気持ちにさせられました。一方、演技っぽくない演技の三浦貴弘さん、映画で重用される役者さんになりましたねー。
で、映画のあと、ふりで入った新開地地下街の食堂で食べたのが焼魚定食。
焼いてからだいぶ経ったようなサンマです。でもサンマが焼かれて^^出てくるだけで、うれしい!と、ありがたくいただきました。
わが母の記→東京物語→小津安二郎→秋刀魚の味・・・と、なんとなく納まった日でした。
(スチル写真はgoo映画から借用しました)