3月26日から4月5日まで、神戸文化ホール中ホールを会場にして、第7回神戸国際フルートコンクールが開かれていました。
私は第3次審査の終わりのほうと、本選、コンクール受賞者による披露演奏会の3回、会場に足を運びました。
コンクールは11日間にわたり、出場者の緊張はどれほど大きかったか想像もつきません。
今回は世界36カ国・1地域から232人の応募があって、神戸での第1次審査に臨んだのは56人です。
第3次審査に残った13人の中には日本人が1人残っていましたが、最終的に本選に挑めたのは、外国人ばかり6人でした。
本選は神戸市室内合奏団との協演で、課題曲はモーツァルトのフルート協奏曲ト長調あるいはニ長調のどちらかです。
ト長調を2人、ニ長調を4人が演奏しましたが、カデンツァ(曲の終止前に即興的に入れられる、技巧的・修飾的な無伴奏部分)をそれぞれが工夫するなどして個性あふれる演奏でした。
私も一応笛吹きの端くれなので、飽きることなどもちろんありません。素晴らしい演奏でした。
披露演奏会では現代音楽最優秀演奏賞を受賞した3人の演奏も披露されました。現代音楽の楽譜って、どうなってるんでしょう。といいたくなるような奏法で、叫び声なども加わるんです。
まあ、たまに聴くには十分楽しめます。
最高位1位を受賞したのは1989年オーストリア生まれのダニエラ・コッホさん。会期中に7曲を吹ききっての受賞です。
彼女の演奏は本選と演奏会でしか聴けなかったのですが、若々しく、クリアーな音で、堂々としていました。気取ったところのない明るいお嬢さんでした。
このコンクールは応募の段階ですでに実力者ぞろいで、予備予選を通過した人たちの多くは他のコンクールの優勝者、上位入賞者です。
著名なオーケストラの団員もいます。本選に残った人、残らなかった人の実力の差は紙一重で、運やその時の体調の差で順位がついたといってもいいくらいです。
世界四大フルートコンクールの1つ、神戸国際フルートコンクール。
そのわりに、メディアの登場が少なく、一般の人の知名度が低いのが残念です。
本選の日の結果ですら、地元紙の(多分全国紙にも)記事になっていませんでした。
せめて、この時季、はるばる日本までコンクールを受けにきた若いフルーティストたちが「桜の日本」を少しでも、楽しんでいってくれたらいいのですが・・・。
(以下は神戸国際フルートコンクールのHPをコピペしました)
第7回神戸国際フルートコンクールの入賞者決定
1. 入賞者
第1位 ダニエラ・コッホ KOCH, Daniela オーストリア 1989年生まれ
第2位 ロイク・シュネイデル SCHNEIDER, Loic フランス 1981年生まれ
第3位 デニス・ブリアコフ BOURIAKOV, Denis ロシア 1981年生まれ
第4位 メーガン・エミ EMIGH, Megan アメリカ 1988年生まれ
第5位 アレサンドラ・ルッソ RUSSO, Alessandra イタリア 1980年生まれ
第6位 マリヤ・セモチョク SEMOTYUK, Mariya ウクライナ 1982年生まれ
2. 特別賞
現代音楽最優秀演奏賞
古田土 明歌 KOTATO,Haruka 日本 1982年生まれ
アレクサンドラ・グロット GROT, Alexandra ロシア 1981年生まれ
グリゴリー・モルダショフ MORDASHOV, Grigory ロシア 1982年生まれ
ロマン派音楽最優秀演奏賞
マリヤ・セモチョク SEMOTYUK,Mariya ウクライナ 1982年生まれ
オーケストラ賞
ロイク・シュネイデル SCHNEIDER, Loic フランス 1981年生まれ
オーディエンス賞
デニス・ブリアコフ BOURIAKOV, Denis ロシア 1981年生まれ