自遊空間、 ぶらぶら歩き。

日々見たこと、聞いたこと、読んだこと、考えたこと

『シューカツ!』(文藝春秋)~石田衣良さん

2009-04-29 | 
シューカツ中の学生さんってすぐ分かるよね。
女の子だったら、リクルートスーツに、大きめのショルダーバッグ肩にかけてるから・・・。
つい先日も駅のホームで見かけたけれど、時期的には新4年生だったら遅いし、新3年生だったら早すぎるから、就職留年組だろうか?

石田衣良さんの「シューカツ!」は就職活動をする、7人の学生をモデルに、就職へのプロセスを追いながら、温かいエールを送っている作品です。



とはいえ、モデルは都会のエリート大学の学生で、マスコミ志望の人たち。
格差は応募の段階ですでに顕在化しています。

実際、TV局でインターン経験ができるなんて、マスコミ志望者の頂点に立つひとにぎりの人たちでしょう。

だから、シューカツ中のすべての学生さんたちに、直接参考にはならないかもしれません。

けれども、誰もが甘い考えではいないこと、模擬面接やOBOG訪問などを含め、出来る限りの準備と努力をしていること、時には投げ出したいような恐怖まで感じる日々であることには共感できるでしょう。

それにしても、大学3年の11月ごろにシューカツが本格化して、翌年1月には採用試験が始まるとなると、大学3・4年生って、いつ大学の勉強をするんだろうか。

理系ではシューカツ内容が違うだろうし、わが娘もこれとはまた違った就職のしかたでした。

高卒で楽々と仕事が見つかり、転職もし放題の環境だった自分の時代を思うにつけ、今の若い人たちは過酷な環境いるのだなぁと感じます。

7人で作ったシューカツプロジェクトチームの1人1人が、それぞれ納まるところに納まったラストには「あ~、よかった」と少し目頭が熱くなりました。
 

 
コメント
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