昨日、松阪薬剤師会主催の「薬草見学会」に参加させて頂きました。
もう50回になる歴史ある見学会です。いつも入念な資料を頂戴し、浅学の徒である小生は目から鱗です。
今回は日本新薬KK「山科植物資料館」を見学しました。
1919年(大正8年)に創立された会社で、100年となります。創立の頃中国から輸入されていた「支那ヨモギ」、実際はロシア産の蓬から摘出した「サントニン」で作る回虫駆除薬の生産が主でした。支那ヨモギは入手が困難な為、国産化に努力しましたが、フランス産の蓬にもサントニンが含まれることを発見しました。この蓬を改良して作られたのが「ミブヨモギ」です。
1934年には山科試験農場(現在の資料館)が開設されました。
ところが日本は高度経済成長となり、生活の衛生が行き届くと回虫は激減し、現代では絶滅状態だそうです。なんとも皮肉な話です。日本新薬KKは発展を遂げて現在に至っています。
植物資料館は3000種を超す薬用・有用植物を栽植し無料で見学させています。写真は回虫駆除用の「ミブヨモギ」です。
住宅街にある別天地で、開設時は一面の田園地帯でしたでしょう。
予約の上、ぜひ見学に訪れて下さい。