狩人の道東放浪記 Ⅱ

定年後道東に移住しました。
しかし2年後、都合により帰郷しました。徳不孤必有隣の旗印は同じです。

鳴く(泣く)選挙

2012年12月16日 | スピーカーズ・コーナー
今日は国政選挙の投票日です。
昔々のお話をします。奈良県で聞いた話で、時代は分かりませんが戦後と思います。当時は文盲の人もある程度いたそうです。そこで投票所に行くと「私は字が書けません」と宣言したそうです。すると立会人がその人に成り代わって、「○○さんで頼みます」と聞いた氏名を投票用紙に書いたそうです。正式にはどのような投票方法か知りませんが「鳴き」と言われていました。文盲の人にも投票させるためですが、だれに投票したかその場にいた人には分かる副産物があります。
当時、村では誰に投票するか決めていて(企業・組合の推薦と同じ)、全員その候補者に投票したそうです。拙も村の外れで青年団が提灯を灯し、他の村から選挙活動に来る(金を配る)人を排除していたのを知っています。それでも潜入者があり金や酒、手拭、地下足袋などが飛び交っていました。
有力者(候補者の場合もあった)の家ではこの時だけだけ立場が逆転します。水飲み百姓が主権者になり、飲食のもてなしに日頃の鬱憤を爆発させていました。白狐の奥さんもこの日はお酒を注いで回ります。御膳の下には菓子箱(中身はTV水戸黄門を参照)が用意してありました。マニフェストよりも現物を大切にした時代でした。

さて、校長先生で退職した方が村で恩給生活をしていました。この方にも村の有力者より指示があり「○○さんを頼む」と言われていました。ところが本当に○○候補に投票するかわかりません。前校長先生でも村に住めば田の草取りも出来ない爺です。そのくせ屁理屈を垂れるから信用されていません。そこで有力者は「鳴きでやれ」と指示しました。
投票日、元校長さんは「私は文盲なので書けません、○○さんで頼みます」と鳴い(泣い)たそうです。
これ、嘘のような、本当のような話です。
はい、当然写真はありません。

雨夜の品定め

2012年12月16日 | 美味紹介
写真は雨夜に頂いた食事です。皆5分以内で作れるメニューです。

中央の鍋にはタチが煮えています。底にあるのは歯舞昆布です。その右にあるのは氷下魚の干物で、頂き物です。左上は帆立貝の刺身です。昨日頂いたものですが、ちょうど良い味になっています。タチが無くなると左上端の椎茸と生昆布で鍋に入れてひと煮立ち、美味しいですね。酒は偽ビール500ccです。
明日投句する葉書が恥ずかしそうに見えています。